A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

YES! YOKO ONO!~小野洋子またはオノ・ヨーコまたはクリームとスクリームとアイスクリーム

2013年07月30日 01時08分36秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


一昨日中古レコード・セールでオノ・ヨーコに取り憑かれた。エサ箱から摘まみ上げたLPサイズの顔写真からただならぬ妖気を覚え、痺れるような戦慄が背筋を駆け抜けた。今まで何度かこのジャケットには遭遇している筈だが、これほどのオーラを感じたことはなかった。何気なく見過ごしてきた普通の風景が、突然まったく違った恐ろしい真の姿を曝け出すことがある。日常生活の中に潜んだ狂気の刃。いつも礼儀正しくて子供やお年寄りを気遣う優しいあの人がまさかこんな残酷なことをするなんて信じられません・・・。犯罪者ではないが、オノ・ヨーコのポートレイトには魔力が潜んでいる。



『蠅(FLY)』と題された2枚組のLP盤には、紛れもないファム・ファタルの呪詛が刻まれている。以前鳥や狂犬をヴォーカルにしたハードコアバンドを紹介したが、ヨーコの声も人間のなせる技ではない。高周波の痙攣ビブラートのスクリームが聴覚器官を麻痺させ、脳髄に浣腸を施す。レコード2枚80分強に亘ってひたすら叫ぶ。演奏がロックンロールでもアンビエントでもフリージャズでも室内楽でも、まったくお構いなしに響き続ける。まるでOTHER ROOM(別室)での秘められた営みを隠しカメラでひたすら追い続けた猟奇ドキュメントのように。痙攣スクリームに飽きたのか後半になると、男女の営みの際の睦言じみた溜め息の連続にメタモルフォーゼする。かつてオノ・ヨーコにはセックス・アピールを感じないと書いたが、今聴くこの声には、突き上げる劣情に身を委ねるしか術がない。



1986年ひとりで1ヶ月間ヨーロッパを彷徨ったとき、丁度ヨーコが欧州ツアー中で、ウィーンのオペラ座でコンサートを観た。ブルーの占い師ジャケのアルバムのツアーで、かなりロックっぽいライヴだったと記憶する。ウィーンっ子もそれなりに盛り上がっていたが、現地で知り合った派手な化粧の日本人女性が日本語で歓声を上げ大騒ぎして、かなり目立っていてちょっと恥ずかしかった。アンコールの時に我先にとステージ前に殺到する現地客に交じって、手が届きそうな距離でヨーコを見つめた。その後日本ツアーの予定だったが、直前にキャンセルになった。噂では前売チケットが売れなかったためだと聞いた。



90年代になり、オルタナ系ロックアーティスト中心に再評価が高まり、「ビートルジョンの妻」ではなく「前衛音楽家」としてリスペクトされるようになる。同時にレノン存命時からの平和運動を積極的に押し進め、世界的オピニオン・リーダーとして君臨する。その一方で80歳になっても痙攣スクリームを続ける姿勢に、一生前衛音楽家の宿命が刻印されている。



オノヨーコ
ヨーコ溶解
ヨコハマ無宿

スクリームに関してはマル非JUNKOの大先輩であるな。ヨーコ階段でスクリーム対決をやって欲しいですな。
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Born In The 90's~ティーン・ガールズの逆襲:Drop's、たんこぶちん、the peggies、ふぇのたす、みきちゅ

2013年07月29日 00時19分47秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


アイドル海を眺めれば、そこは小中高少女たちの海水浴場(欲情)だが、ロック村にもナウなヤングのけいおん女子旋風が巻き起っている。平成元年生まれなら25歳の立派なアダルト。90年代半ば生まれのティーンズがモダンカルチャーのセンターであることは間違いない。アイドル&アニメヲタ化著しいボーイズはいつも不安定だが、ガールズはいつも元気!ポップティーン・ロックン・ギャルズの注目株を見渡してみよう。

Drop's


札幌出身、2009年、高校の軽音楽部新入生で結成、翌年の夏休みに高校生バンドコンテストにて、初のオリジナル楽曲『泥んこベイビー』を披露しグランプリを獲得する。2011年CDデビュー、全国ツアーも話題になり、2013年夏メジャー・デビュー。と書くと理想的なけいおん女子のシンデレラ・ストーリーだが、驚くべきはその音楽性。つべこべ言わずに黙ってPVを観るがいい。



音だけ聴いてティーンズ・バンドと判る人はいるだろうか?ロック蘊蓄好きなおっさんも驚喜乱舞のブルースロック。特に堂に入った姐御ヴォーカルにはカルメン・マキや金子マリやUAの香りがある。タワレコ・レコ発インストアイベントでは、叔父さんから借りたという大き過ぎるグレッチを抱えた普通のワンピースの小柄な中野ミホが、歌い出したら突然ヤニ臭いダミ声で歌い上げるというミスマッチにおののきながらも大気の器オーラを発散。荒井由美「あの日に帰りたい」のカバーには、ブルースだけじゃないアダルトな哀愁が伺えて良き哉。バンドでのライヴを観なければ!!!

 


たんこぶちん


佐賀県唐津市で結成された女子高生5人組ロックバンド。2007年小学校6年生の時に結成、数々のバンド・コンテストで入賞し注目を集める。日テレ番組に「がばいキュートな美少女バンド」として出演。2013年3月インディーCDリリース。それに続き7/17メジャー・デビュー。全力疾走ガールズに「ロックしちゃってもいいですか?」と聞かれたら、「いいとも!」と応えるしかなかろう。音はSCANDALの影響が濃い正統派ガールズロック。現在はロックの女番長として君臨するSCANDALが女子高生バンドとしてデビューしたのが2008年だから、ローティーン女子に大きな夢と勇気を与えたのは確かである。はなわに次ぐS.A.G.A.ロック・セレブに成長なるか?




the peggies


東京出身の女子高生バンド。2011年から本格活動開始。2012年2月 EMI ROCKSのオープニングアクトとしてさいたまスーパーアリーナに出演。11月1st DEMOリリース。以来BEAT HAPPENINGやGreat Huntingを中心に都内ライヴハウスで活動しつつメジャー・デビューを狙っている。チャットモンチーの影響大。顔出しが余りないのは、少女特有のはにかみか?はたまた神秘主義戦略であろうか? 



★バンドの音源はコチラ

ふぇのたす


2012年夏に活動開始したみこ(vocal)、ヤマモトショウ(guitars, synthesizer)、澤"sweets"ミキヒコ(digital percussion)の女1男2の音楽グループ。ライヴでは不思議ちゃんキャラのみことヤマモトのほんわかしたトークバトルがユニークな空間を生む。相対性理論からの影響は明らかだし、やくしまるえつこの向こうを張ったみこ画伯のイラストもオマージュ的。やくもみことしてシンガーソングライター活動もしている。




みきちゅ


仙台出身のアイドル・シンガーソングライター。16歳からライヴ活動開始。“アイドルの全ての音楽に愛を!”をモットーに全曲の作詞作曲を手がけている。2012年EMI Japan×Zipper主催オーディションでグランプリ獲得。ロックフェスにも参戦し、アイドルなのかシンガーソングライターなのか???な蝙蝠的存在感は南波志帆やハナエに通じるカモ。宅録アイドルとしてはいずこねこっぽくもアリ。。。そんな娘もアリカモ。




10代は
感性慣性
未完成

<おまけ>
●MIY
ふぇのたすの「みこ」こと「やくもみこ」と「みきちゅ」の相思相愛アイドルユニット、MIY=M みこ♡みきちゅ+I (期間限定で)アイドルユニット+Y やってみた。「これは、真剣なお遊びです」とのこと。



注)現在10代ではない場合(みこ&みきちゅ)もありますが、デビュー時の年齢を基準にしているので、ご了承ください。
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アイドル戦線・夏の陣~於・TOKYO IDOL FESTIVAL 2013@ZEPP Tokyo etc. 2013.7.27(sat)&28(sun) 

2013年07月28日 01時50分41秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


学生諸君はいよいよ夏休み!サマーバケイション最初の土日は勿論FUJI ROCK!いいや、今年はTOKYO IDOL FESTIVAL(TIF)じゃろう!という声も多く、苗場とお台場それぞれで熱闘が繰り広げられた。アイドル総計111組が出演するTIFでは浴衣アイドル選手権も開催され、夏と言えば祭り、祭りと言えばアイドル、という真理が正しいことを証明した。そんなSummer of '13(想い出のサマー2013)を盛り上げるアイドル夏歌をご紹介。

PASSPO☆


「VIVI夏」(2011)、「夏色HANABI」(2012)と毎年夏歌をヒットさせてきたサマーフライトクルー、PASSPO☆の本年度のサマソンは「妄想のハワイ」。パンクバンドHAWAIIAN6の安野勇太作詞作曲プロデュースのエモパンクチューン。ガールズロックユニット面目躍如のシャッフルビートのギターロックが炸裂。仲間とわいわい過ごすビーチパーティーにおススメ。




アップアップガールズ(仮)


「『いっぱいいっぱい=アップアップ』になりながらも『上へ上へ=アップアップ』目指して行こう」というグループ名。メジャーデビューまでは(仮)は取れない、という笑い事では済まない運命を背負った少女たちの「成り上がり」の課程をドキュメントする上昇志向ユニット。アゲアゲな夏休みにどうぞ。




LinQ


総勢30人からなる福岡出身のローカルアイドル。LinQは「Love in 九州」の略。地元以外では全員揃うことは滅多にないが、元気溢れる「HANABI!!」が高く上がれば九州の夏も過ごし易かろう。




でんぱ組.inc


7月上旬JAPAN EXPO出演でパリで公演、ヨーロッパのヲタを萌えキュンさせたでんぱ組が強力になって帰国。8/8にコスプレ写真集、10/2に「W.W.D」の続編「W.W.DII」をリリース。カップリング曲「ノットボッチ・・夏」療法で時差ボケも一瞬で回復。




hy4_4yh(ハイパーヨーヨ)


世界にYAVAYを発信するティッケーアイドルhy4_4yh(ハイパーヨーヨ)のニューシングルは、得意のFUNKOT(ファンコット)チューン「ハナビート」。夏だ、祭りだ、FUNKOTだ!!!超ハイテンションなハイパーギャルズ in The 夏!




リンダIII世


TIFで初めて東京デビュー。スザンヌ・ヴェガの「トムズ・ダイナー」に似たフレーズが頭の中で廻り続ける中毒性の高さはさすがカーニバル好きなブラジル人の血の成せる技か。チアリーダー姿がこれほど似合うアイドルも珍しい。





アイドル祭り
夏はボルテージ
上がり過ぎ

天野春子小泉今日子


キョンキョン14年ぶりのシングルも登場!萌えろ、いい女!


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ネコ動画104:「僕にも弾かせるニャ!」ウクレレの弾き語り中に子ネコが乱入!+ネコとウクレレ特集

2013年07月27日 00時52分55秒 | ネコ動画


ウクレレで弾き語りを楽しんでいる飼い主さん。それを見ていてもたってもいられなくなってしまった好奇心旺盛な子ネコちゃんの動画です。



するすると飼い主さんの懐に潜りこんだネコちゃん。飼い主さんの手の動きに合わせて一緒に弦を弾くような動きをしています。意外にもリズムがしっかりしており、なかなか音楽センスを感じさせます。

構わず演奏を続ける飼い主さんでしたが、あまりにもノリノリなネコちゃんにとうとう吹き出してしまいます。結局その後もかわいらしいゲストと仲良く共演をすることになりました。
(ねこらぼ)


●デアンヌ・スミス


それにしても飼い主の女性、歌もウクレレ演奏もとても上手い。ネコの乱入にもまったく動じない様子は素人投稿じゃないな、と思って調べると、やはり!名前はデアンヌ・スミス(DeAnne Smith)。ニューヨーク生まれのカナダ系アメリカ人で現在34歳のコメディアン、作家、コラムニストだった。2005年に漫談家(Stand-up Comedian)としてデビュー、2008年カナダ・コメディアン・アワードで最優秀新人賞に輝く。アメリカ、カナダ、オーストラリアで大人気で、有力TVショーの常連でもある。ウクレレ弾き語りの漫談スタイルは、英語が判らなくとも楽しめる。



◆ここから急遽ウクレレ特集に突入!

●遠藤賢司


カレー好きなエンケンは、ネコ好きでも有名で、さらにウクレレの歌も唄っている。今回のネタにピッタリ。毎度芸歴の長い方々にはお世話になります。




●牧伸二


日本のウクレレ漫談家といえばマキシンこと牧伸二。♪あーやんなっちゃった♪は時代を超えた流行語大賞。今年4月の突然の訃報、しかも自殺の報に驚くと共に、日本の芸能史のひとつの時代の終焉を告げた。




●タイニー・ティム


アメリカのウクレレ歌手で最も有名なのがタイニー・ティム。左利きでポロポロ弾きながら甲高いファルセットでスタンダード・ナンバーを歌い、サイケ時代に華を添えた。奇人変人で知られ、TV番組で12歳の少女と結婚した。1996年、64歳で心臓マヒのため死去。




●高木ブー


コメディアンのウクレレ弾きといえば高木ブーさん。ドリフ時代は徹底的ないぢられ役に徹し、無能の代名詞として伝説になったが、独立後はドリフのメンバーの中で最も堅実に活動し、ウクレレ歌手として名声を得る。




●つじあやの


めがねにウクレレで、デアンヌ・スミスとルックスが似ている女流ウクレレ歌手がうららかさんことつじあやの。ジブリ映画『猫の恩返し』主題歌「風になる」の大ヒットで大人気に。昨年10月8枚目のアルバム『Oh!SHIGOTO Special』をリリース、精力的にライヴ活動を続ける。




ウクレレと
ニャンコの
抜き差しならぬ関係

うららかさんはスピッツの猫ソングをカバーしている。

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百鬼夜行の回想録~80'sインディーズ特集 第12回:ポストパンクは郵便で届く訳ではない 

2013年07月26日 01時06分28秒 | 素晴らしき変態音楽


1978年セックス・ピストルズ脱退時にジョニー・ロットン(ジョン・ライドン)が放った言葉が「Rock Is Dead(ロックは死んだ)」。パンクを体現する男によるロック死亡宣告。それは、旧態依然としたロックを否定することで生まれたパンクというムーヴメントを端的に象徴するエピソードだが、そのパンクを殺したのは先ほどFREEDOMMUNE ZERO 2013で来日したペニー・リンボー率いるハードコア・バンド、CRASSだった。1978年に発表したシングル「Punk Is Dead(パンクは死んだ)」で、商業化したロックを否定したパンクもまたムーヴメント化/メジャー化することで方向性を見失った、と批判し、自らのレーベルを立ち上げ、アンチコマーシャリズム&D.I.Y.精神を貫いた。



ロック&パンク死亡宣告後に生まれたのがニューウェイヴとハードコアとポストパンクだった。ニューウェイヴはシンセやテクノビートを活かした新たな商業音楽、ハードコアはオリジナル・パンク精神を発展させたエクストリーム・ミュージック。ポストパンクは「パンク後」の意味であり、特定のサウンドをさすものではない。旧態依然としたロックの否定を出発点としたロンドンパンクの流れをそのまま受け継いでいるためローファイなサウンドを重視しているものの、レゲエ、ファンク、フリー・ジャズ、民族音楽を取り入れるなど音楽的挑戦には貪欲なバンドが多い。一般的には硬質なビートを核にした闘う姿勢がポストパンクのイメージだろう。

●グンジョーガクレヨン


1978年にパンクの影響を受けた東京ロッカーズや関西NO WAVEが勃興した日本では、初期段階から所謂パンクっぽい3コードR&Rよりも、プログレやサイケデリックやアヴァンギャルドなど前時代ロックの要素が濃く、サウンドの感触は逆にポストパンクに通じるバンドが多かった。それを象徴したのがPASS Recordsだった。東京ロッカーズの中心的存在のフリクションと関西NO WAVEの歌姫PHEWが坂本龍一のプロデュースにより無機的でクールなサウンドを提示したのに加え、突然段ボールやグンジョーガクレヨンは存在としてもパンクとは異質な突然変異だった。特にグンジョーガクレヨンの切れ味鋭いサウンドは、日本のポストパンクの象徴と言える。PASSからのデビュー12インチ『GUNJOGACRAYON』はジャケットからして非ロック・非パンクな圧倒的個性を放つ名作。園田游の身体パフォーマンスや、新感覚ギタリスト組原正の奇矯なプレイはサウンドだけでは捉え切れない。出来れば全盛期のライヴ音源だけでも発掘が望まれる。




●絶対零度


ディスクユニオンのSUPER FUJI DISCSから、1982年にEPを1枚リリースしただけの知る人ぞ知る存在のポストパンク・バンド、絶対零度の未発表音源CD2枚組が2セット発売された。アンビエント音楽家中川一郎(b,g)、篠田昌已の東京チンドン、風の旅団、ソウルフラワーユニオン、シカラムータで知られる大熊ワタル(key)など現役で活動するメンバーがいるから実現した発掘音源集である。パンク/ニューウェイヴ期だけではなく、GS、ニューロック期に於いても日本にはロックバンドが多数存在したが、その多くはライヴ活動のみで録音作品を発表することなく忘れられてしまった。音源を発表したか否かということは大きな運命の分かれ目で、後世再評価・音源発掘されるのは、カセットでもソノシートでもカセットでも何かリリースしていることが重要。絶対零度が発掘されたのもEPをリリースしたからだろう。




同様の存在に、連続射殺魔とザ・ラビッツがいる。

●連続射殺魔


和田哲郎(vo,g)、川辺徳行(b)、渡辺正巳(ds)などによる連続射殺魔は数枚のEP,12inchをリリース。基本的には和田のジミヘン・スタイルのギターによるヘヴィサイケだが、ニューウェイヴ時代には逆に新鮮だった。じゃがたらとの交流も深かった。和田は琴桃川澟として21世紀も活動しており、その縁で2002年にベスト盤とライヴ盤がCDで発売された。




●ザ・ラビッツ


ザ・ラビッツは遠藤ミチロウの盟友、宮沢正一が率いたサイケパンク・バンド。宮沢はミチロウのレーベルからソノシート「キリストは馬小屋で生まれた」(1981)でデビュー、LP『人中間』(1982)はダークな歌と改造ノイズギターで灰野敬二『わたしだけ?』と並ぶ暗黒サイケの傑作と評された。内省的なソロ作品に比べザ・ラビッツはサイケなエナジーを発散するバンドサウンドを展開。当時は遠藤ミチロウ編集のミニコミ「ING,O!」の付録でソノシートがリリースされただけだが、2001年にライヴ盤2作とコンピ盤がCDリリースされた。2011年末には遠藤ミチロウ、割礼、インキャパシタンツ等が参加したトリビュート盤がリリースされた。




●コミューヌ


「Reality」というカセットを所有しているが正体不明だったバンドの素性が少し判明した。アーント・サリーの丸山孝(ds)と中岡義雄(b)に山本ヒロユキ(vo,g)を加え、大阪で結成されたトリオで、7”シングル「Will/I Can't Believe」(1979)とカセット『Reality』(1981)の2作をリリース。聴き様によってはアーント・サリーのクールなビートに通じるリズムセクションを感じ取れる。しかし特徴は山本のメッセージ色強い歌詞と吐き捨てるヴォーカル。こちらも音源発掘を期待したい。




ポストパンクと
ポストロックは
宛先違い

グンジョーガクレヨンの組原正は現在千野秀一と共にドイツ・ツアー中。

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ハーフコインの花園 第8回~あらゆる場所に花束が.....忘れられかけた歌姫たち

2013年07月25日 00時59分52秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


CD墓場ブッコフ250円コーナーを耕していると何度も目にする名前がある。しかし一体どういう歌手・グループなのか判らず、手が出ないモノも多い。また、名前やジャケットのイメージだけで購入して聴いてみたら意外に良かった!(その逆も)という例もある。勉強を兼ねて忘れられかけた未知の住人の正体を探ってみよう。

まずは試しに買ってみたCD。

ザ・ガーデンズ


The gardens=庭だから静岡ノイズを連想した、というのは嘘だが、素敵な名前だし、「A Place in the Sun」=太陽の住処というタイトルも夢があっていい。白ワンピースの少女の光でトンだ写真も魅力的なので買ってみた。アコギのストロークがいい感じ。ビートの効いた明るく伸びやかなヴォーカルが元気いっぱい。とってもハイクオリティなポップ。歌謡曲っぽいメロディーラインが所々ネオアコ的なウェット感を醸し出すのも良。その正体は、SPEEDの”プロデューサー、伊秩弘将が1997年に発足したプロジェクト。ヴォーカルのJunko(大塚純子)は7曲の作詞も手がける才人。もしSPEED関係だと知っていたら買わなかったかもしれない。ダンスミュージックではなく、ガールポップなので大当たり。大塚純子は元々シンガーソングライターでソロ活動していた。2000年前後に青年実業家と結婚して引退した。スリップケース入デジパック仕様。




D&D


レーベルがAVEXなのでちょっと不安だったが、ジャケットが可愛いので購入。沖縄アクターズスクール出身のOLIVIA, AYA, CHIKANOの三人組。知念里奈似の娘がOLIVIAか。確かにダンスビートだが、AVEXらしいユーロビートではなく、80'sテクノディスコなのが嬉しい。英語詞の曲を交え、四つ打ビートのノリノリサウンド。1998年の作品だが、現在のアイドルのテクノ志向を先取りした、早過ぎたアイドル戦国時代?1999年OLIVIAガソロに転向。ほどなくしてD&Dは活動中止。OLIVIAは現在も活動中らしい。厚手のジャケットステッカー付。




続いて、まだ購入に至っていないアーティストさん達。

VANILLA


バニラビーンズじゃなくバニラ。どこのブッコフにもあるので、かなり売れたのだろうか?編成はリンドバーグやジュディマリと同じ。1994年、元ユニコーンの川西幸一(ds)、元Wellsの坂巻晋(b)等で結成されたバンド。ソニーにデモテープを送ってきた笹本希絵をヴォーカルに起用。バンドブーム終焉後のプチ・スーパーバンドとしてそこそこヒットした模様。Hey! Hey! Hey!やMステ等人気音楽番組にも出演。バウワウワウのアナベラみたいな髪型が良い。1999年無期限活動停止。川西は色んなバンドを渡り歩いて、2009年ユニコーン再結成に参加。笹本の消息は不明。




橘いずみ


ボーイッシュなジャケット写真が気になる。1992年浜田省吾、尾崎豊等のプロデューサー須藤晃のプロデュースでデビュー、ストイックなまでに自虐的な歌詞の内容などから「女・尾崎豊」なる異名をとった。「失格」「永遠のパズル」「君なら大丈夫だよ」などのヒットを飛ばし、武道館公演も成功させた。2006年6月に自身のホームページで、前年に俳優・映画監督の榊英雄と入籍していたことを発表、同時に榊いずみに改名、2011年にアルバムをリリース。足を蹴り上げて男勝りのメッセージソングを力強く歌うスタイルは確かにオザキっぽい。




谷村有美


1986年CBSソニー主催のオーディション「ティーンズ・ポップ・コンテスト」で優勝。1987年デビュー。クリスタルボイスと呼ばれる歌声が特徴。橘とは対極にあるガーリーなルックスが魅力的。1998年「デビューしてから十数年、走り続けて疲れがたまっていた」影響で「曲が書けなくなった」ため活動休止、渡米してボイストレーニングに励む。2000年活動再開。2002年4月原田泳幸(当時・アップルコンピューター株式会社代表取締役(米国本社副社長兼務)、現・日本マクドナルド代表取締役会長兼社長兼CEO)と結婚、セレブとなる。陶芸、アロマテラピー、フラワーエッセンス、モータースポーツと多趣味な奥様歌手として活動する。




花園は
素敵なお花
咲いてます

近々花園の歩き方をご紹介しますYO!



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お茶どころはNOISEの名産地~UP-TIGHT x 庭『UP-TIGHT×庭 -SPLIT CD-』&K2『311-365+1』

2013年07月24日 00時53分55秒 | 素晴らしき変態音楽


静岡と言えば、お茶?富士山?サッカー?うなぎパイ? 次郎長?楽器?バイク?....実は静岡は変態音楽のメッカかもしれない。
緊縛ピアニスト・上原ひろみ、浜松の轟音サイケ・UP-TIGHT、Shock Pop,Venom Rock・原子力牧場等のブログ常連たち。アメリカに飛び出した上原は別にして、地元で自らの音楽性を育む個性派である。東京と名古屋の中間に位置し、大阪からも日帰りできる、適度な距離感、楽器作りや鰻の養殖に適した温暖な気候と豊かな水。自給自足の居心地の良さを求めて大都市や地方から人と文化が流入し、ジモティとのアマルガム交配が進み、他には見られない独特のカルチャーが生まれた、と勝手に想像する。というのも筆者は就活で某大手楽器メーカーの面接のため日帰りで浜松を訪ねた以外、静岡県に滞在したことはないからである。

●UP-TIGHT×庭 『UP-TIGHT×庭-SPLIT CD-』


浜松の伝説的ライヴハウス「LUCREZIA」に何度も通っていた知り合いが数人いる。いつか連れてってケロ、と言っていたが、2011年4月に惜しくも閉店してしまった。LUCREZIAの店長だったUP-TIGHTのリーダー、青木智幸は浜松ZOOT HORN ROLLO静岡騒弦を核に活動。そこでしばしば対バンしているのが、静岡で最もうるさいバンド、庭である。望月公喜を中心に2002年活動開始、数年の中断を経て2009年から本格再始動。自らのレーベルAXXE Recordsから様々なコンセプトのCDRを連続リリース。"日々音が変化するメンバー不定のノイズユニット"と自称する通り、望月以外のメンバーは流動的で、音楽性も多種多様。共通点は大音量で耳障りな騒音を含有すること。ちなみに静岡には望月姓が多いので要注意。

UP-TIGHTと庭、ジモティには浜松と静岡じゃ全然違うよ、と言われるのを覚悟で「静岡アンダーグラウンドの代表アーティスト」と呼びたい二者がスプリットCDを限定300枚でリリースした。EPサイズのポスタージャケに包まれた銀盤に庭9曲、UP-TIGHT1曲(5パートからなる長尺ナンバー)収録。The CORE of a boiling CHAOS=「沸騰するカオスの中心核」=庭の参加メンバーは望月(electro,vo)を始めシンセ、ギター、ベース、ドラム、ラップなど11名がクレジットされているが、サウンドは強烈なハーシュノイズとクラスター音響が渾然一体となり爆発するカオスの連続で、Play It Loudとの指示通りに再生したら隣近所から苦情殺到間違いなし。混沌の中からポエトリーリーディング・ラップが浮き出るトラックは新機軸。今までのCDRで提示された「あらゆる表現との接触によりその場その瞬間に存在する全ての事象をノイズとして肯定する」というプロパガンダが増殖していることが脅威的である。



UP-TIGHTのトラックは沈み込むダークなサウンドにリリカルなフレーズが漂う桃源郷サイケデリック。庭の影響か、ノイズ・ギターや効果音エフェクトが飛び交い、連打されるピアノがミニマルな浮遊感を醸し出す。ドローンもしくはポストロックっぽく聴こえるが、青木らしい文学的情感が篭められた狂気の淵に意識を染み込ませるのが正しい聴き方。



レコ発2マン・ツアーを是非とも体験されたし。

CDジャーナル・ディスクレビューはコチラ


●K2『311-365+1』


K2=草深公秀は静岡在住だが、がんセンターの医長という重職に就いて転勤しただけなので、庭と同郷と言うのは語弊があるが、おそらく自宅でレコーディングされたと思われるので、静岡の風土が多少なりとも影響している筈。タイトルから判る通り、3.11東北大震災と福島原発事故の被害者に捧げられた作品。曲のタイトルは「人の鎖」「沸騰」「原子力偏執狂への鎮魂歌」「毎時0.2ミリシーベルト」(0.2nSv/hとなっているが0.2μSv/hのプリントミスと思われる)「マスゴミに死を」。サウンドは残虐な音響脳外科手術と呼びたい情け容赦ない轟音ハーシュノイズの嵐で、ひとりで執刀しているだけに、コレクティヴノイズの庭以上に偏執狂的音圧が高い。はじまって15秒で脳幹が麻痺し、大脳皮質にメスを入れる準備完了。狂人とはいえ医者としての腕は確かだから、と諭されても人造人間キカイダーに改造されるジローの気持ちになってしまう。



限定50枚のCDRは2008年設立のイギリスのノイズ専門レーネルQUAGGA CURIOUS SOUNDSからのリリース。大震災の生写真付き。ジャケットのイラストは札幌在住イラストマシーン、Fumics Pyoshifumix。



K2が静岡アンダーグラウンドとリンクするようになれば面白い。

QUAGGA CURIOUS SOUNDS Siteはコチラ

お茶を飲み
サッカー観ながら
ノイズする

他生の縁で大阪の.es(ドットエス)と庭=望月公喜がリンクしたそうだ。大阪と静岡の交配に期待したい。
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KILLER-OMA (鈴木勲(b) × KILLER-BONG)@仙川 Jenny's Kitchen 2013.7.21(sun)

2013年07月23日 00時15分00秒 | 素晴らしき変態音楽


JAZZ ART せんがわ2013のライヴはメイン会場のせんがわ劇場と、徒歩5分のサブ会場Jenny's Kitchenとで交互に開催された。サブ会場はロフト風のスタジオで、演奏者に応じて会場セッティングが変更できる。メイン会場に比べて、若手による実験的な試みが多く、かつてのピットイン・ニュージャズホールはこんな雰囲気だったのか?と想像が広がる。フェス最終日のサブ会場のトリがKILLER-OMA=鈴木勲(b)× KILLER-BONG。KILLER-BONGは判りやすく言えばヒップホップDJ兼ラッパーだが、音楽性や演奏スタイル、共演者などの守備範囲はヒップホップやラップやクラブミュージックの枠を大きくはみ出した、ジャンル分け不能のオリジナルな存在である。

インディ・レーベル、Black Smoker Recordsを主宰し、ディープなヒップホップやMix CDを数多くリリース、ストリート系・クラブ系のファンから"ネ申"として絶大な支持を集める。注目すべきは「エクスぺリメンタル・ミュージック・シリーズ」としてジャンルを超えて先鋭的・実験的作品をリリースしていること。ラインナップはHair Stylistics、KILLER-DAMO=ダモ鈴木×KILLER-BONG、伊東篤宏、THE LEFTY(KILLER-BONG&JUBE)×山川冬樹×伊東篤宏、大谷能生、EP-4の佐藤薫とBANANA-UGによるノイズ即興ユニットEP-4 unit3。その中でもとりわけ異色の組み合わせがKILLER-OMA。"オマさん"こと鈴木勲は今年80歳で音楽生活60周年を迎えたジャズ・ベースの巨匠。アート・ブレイキー(ds)、セロニアス・モンク(p)、エラフィッツ・ジェラルド(Vo)、ウイントン・ケリー(p)、ロン・カーター(b)、ジム・ホール(g)、チャールズ・ミンガス(b)、ポール・デスモンド(as)、ケニー・バレル(g)など数々の伝説的ジャズメンと共演し、"JAZZ GODFATHER"の称号を持つ。渡辺香津美などを迎えた70年代のリーダー作はクラブ系でも人気。富樫雅彦とのデュオ『陽光』(1979)はスピリチュアル・ジャズの名盤。ジャズの伝説的存在とカルト・ヒップホッパーとの共演は一見無謀に思えるが、現在でも感性の研鑽を怠らないオマさんにとっては願ったり適ったりの挑戦に違いない。


(撮影・掲載に関しては主催者の許可を得ています。以下同)

椅子を円形に並べたり、ギャラリーのように設えたり、アメーバ状に変化するJenny's Kitchenのフロアがオールスタンディングのクラブに変身した。Black SmokerロゴTシャツやストリート系ファッションの若者も多数押しかけ満員。いつものように眩しいバックライト・ライティングでKILLER-BONGの姿はまったく見えない。サウンドボードと2台のカオスパッドによるズーンと沈み込む重低音とシャープなエレクトロ・ノイズがスピーカーから放射される。インド布衣装に丸いサングラスのオマさんは、ピッコロ・ベースを電気増幅して歪んだファットな音でファンキーなフレーズを畳み掛ける。ベースがビートを作り出し、電子音とラップのディレイが空間を切り刻む反則技。オーディエンスはじっとしていられず、ILLなグルーヴに身体を委ねる。観客に交じっていたダンサーのプラハが前方で妖艶に身をくねらせる。眩しさと音圧で意識が遠のくのを感じながらBODYをROCKさせる快感。紛れもないインタープレイによるジャズでもヒップホップでもないヤヴァな世界を堪能した。現時点ではCD紹介コメントにあるように"サイケデリック・アヴァン・ジャズ"と呼ぶのが相応しい。

 

「楽しくない」「たいへんな」ONGAKUを標榜するイベントに出現した異次元ブラックホール・エンターテインメント。このベクトルが今後のJAZZ ARTせんがわの進むべき道を示しているような気がする。



Isao Suzuki × KILLER-BONG / KILLER-OMA⇒コチラ

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カルチャーを
縦横無尽に
飛び越えよう

<選挙の反省>
ツイッターの利用者全体が発信した単語で見ると「原発」が約25万5千件と大きな関心を集めた。ただ、「原発」のうち引用や転載されたものを除いたオリジナルのツイートの数は約7万2千件。固定化した集団の中で次々と引用や転載が繰り返されたものの、外には広がらない傾向があった。参院選では、原発再稼働にかじを切った自民党が大勝した。ネット上の発言が選挙結果全体に影響を与えたとは言えない。 (7月22日朝日新聞デジタル)
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藤原清登+灰野敬二@調布市 せんがわ劇場 2013.7.20(sat)

2013年07月22日 00時17分01秒 | 灰野敬二さんのこと

(撮影・掲載については主催者の許可を得ています。以下同)

崖っぷちSESSIONの翌日、灰野敬二は『JAZZ ART せんがわ2013』に出演。今年で6回目になる巻上公一プロデュースの音楽フェスティバル。"JAZZ"と銘打っているが、巻上の弁によれば「ひと言で判られないフェスティバルを目指した。簡単じゃない、音楽も楽しくないもの。よく音を楽しむのが音楽だと言われるが、冗談じゃない。言葉はあとから作られたのであって、音が先にあった。だからなるべくたいへんな音楽をやっている」とのこと。ラインナップを見れば一目瞭然だが、いわゆる真っ当な「ジャズ」はひとつもない。かといってロックでも前衛音楽でもドドンパでもない。言葉やジャンルで言い表せないややこしい音楽と出会える世界的にもユニーク極まりないフェスである。

他では有り得ない出会いのひとつがこの藤原清登灰野敬二のデュオである。藤原は70年代半ばからホレス・シルヴァー、クリフォード・ジョーダン、アーチー・シェップなど大物ジャズマンと共演し「モダンベースの王者」と呼ばれる筋金入りのベテラン・ベーシスト。灰野がウッドベース奏者と共演するのは、故・吉沢元治以来だと思う。前述した巻上の口上は、このデュオの前説MCのものだが、楽しくない/たいへんな音楽とは、まさにふたりの共演に当てはまる。

 

前日のライヴの終演後に灰野が「明日はヴォイスだけ」と言っていた通り、ギターは用意してあった弾くことはなく、ウォーターフォン、金属棒、鉄琴、タンバリン等のパーカッションと声のパフォーマンス。藤原の経歴を見る限りジャズの王道という印象だが、ここでの演奏は限りない柔軟性と深い洞察力に満ちた自由度の高いもので、予想不可能な灰野のパフォーマンスに真っ向から対峙する心の炎がメラメラと燃えるのが伝わってきた。アルコ、ピッチカート、スラップを駆使する奏法は極めてオーソドックスだが、魂の籠った音の気配は単なるベース音ではなく、暗号となって灰野の魂と対話する。



灰野の言葉のひとつひとつが藤原の音霊に吹き上げられてホールの四方八方へと飛翔してゆく。その反響が木霊のように聴き手の体内に感情のさざ波を起こす。静謐なステージから発せられたふたりの"気配"は、頭で判ろうとしたら確かに簡単ではないが、心を開けばあっさりと落ち着き場所を見つける。言葉より先にあった音と、音より先にあった言葉の出会い、さらに恐らく大半が灰野敬二初見であろう観客との聴覚と視覚による会話、それがこのデュオのもうひとつの奇蹟に違いない。



SOUND(音)
WORD(言)
どちらも
二文字目がO

JAZZ ART せんがわ2013のレポートは後日掲載予定です。




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灰野敬二×早川岳晴×藤掛正隆@荻窪ルースター・ノースサイド 2013.7.19(fri)

2013年07月21日 00時16分35秒 | 灰野敬二さんのこと


藤掛正隆&早川岳晴 PRESENTS
~崖っ縁SESSION VOL.40~
出演:灰野敬二(g,vo) 早川岳晴(b) 藤掛正隆(ds)



「崖っぷちSESSION」は2007年初頭よりはじまった藤掛正隆dsと早川岳晴bassによるジャンル無用のセッションシリーズ。山本精一、JOJO広重、巻上公一、鬼怒無月、ジム・オルークなど蒼々たるゲスト陣は現代即興音楽紳士録のようだ。ライヴCDシリーズもあり、派生ユニットEDGEとしても活動する。記念すべき40回目のゲストはFREEDOMMUNE 0 2013で圧巻のパフォーマンスを観せたばかりの灰野敬二。藤掛と灰野は2004年~2010年横浜Sormy Mondayを中心にデュオライヴを定期的に開催していた。今回は3年ぶりの共演。早川とは、2004年に鬼怒無月誕生記念ライヴで早川が参加するCOILのゲストに灰野が出演して以来だから、何と9年ぶりの共演になる。いずれもベテラン揃いのトリオのセッションがどうなるかは、本番まで判らない、タイトル通り崖っぷち(Close To The Edge=危機)のライヴ。



(撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

ルースター・ノースサイドは初めてだったが、アルトー・ビーツのワークショップが行われた本店同様にアメリカっぽいブルース・カフェ調でStormy Mondayに似た雰囲気がある。灰野側の最前列にTAKE's Home Pageのタケダ氏と同席。レポートしていたDJ灰野敬二3時間ライヴの詳細な曲目解析に驚いたと言うと、曲目検索できるiPhoneアプリを使ったとのこと。これは面白い、と自分のiPhoneにDLしようとしたら、iOSバージョンが低くてダメだった。

ほぼ定刻にスタート。灰野のライヴでは珍しく照明が明るいので表情や動きがよく見える。初っ端から切れ味鋭いギターカッティングが炸裂、すぐに藤掛の硬質なエイトビートと早川の太いベースがボトムを支える。その上に灰野が激しいアクションで強靭な音の壁を築く。音量的にはソロより抑えめだが、気合い溢れる波動がビシビシ伝わり、頭蓋が震える。その波動をしっかりと受け止め、柔軟なグルーヴを奏でる早川と藤掛が素晴らしい。FREEDOMMUNEでも印象的だった明快な言葉の歌を挟み、凄まじい三つ巴セッションは40分弱で終了。



休憩時間のBGMでかかっていた叫び喘ぎまくる女性ヴォーカルのフリージャズに耳を惹かれる。タケダ氏の例のアプリで調べて、ソニー・シャーロック『ブラック・ウーマン』だと判明。このアルバムいいね!。思わぬ収穫。

第2部では、打って変わって照明が暗くなった。灰野の要望だろう。ハーモニカのブルースセッションでスタート。9年前COILと共演した時もハーモニカを吹いたことを思い出す。灰野の中では早川=ブルースのイメージがあるのだろうか?フルートも交えつつ、ヘヴィロック的な演奏を展開。アンコールが白眉の超ハイテンション演奏。灰野のライヴでは、大抵最後に残る力をすべて発散するので、アンコールは見逃せない。予想以上にバンドっぽい演奏を身体全体で堪能。ソロの圧倒するような存在感とも、不失者の身を切るような緊張感とも違ったリラックスした灰野の演奏は、気の置けない相手とプレイすることの歓びに溢れ、生命感に満ちたものだった。



崖っぷち
スリルがあるから
辞められない

9月4日リリース
『IN THE WORLD』/灰野敬二(EXPERIMENTAL MIXTURE)
3枚組CD 紙ジャケット仕様 3150円
灰野敬二の3時間に及ぶDJプレイを収録したミックスCD! 


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