A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【ピエール・アンリ追悼特集Part 2】個人的回想『セレモニー』と『サイケロック』

2017年12月30日 10時20分25秒 | 素晴らしき変態音楽


ピエール・アンリの名前を知ったのはロックを聴き始めてから5年ほど経った1981年頃だろうか。高校時代プログレッシヴロックに興味を持ち愛読していた音楽雑誌の名盤カタログに『スプーキー・トゥース&ピエール・アンリ/セレモニー』が紹介されていた。『Fool′s Mate』か『MARQEE MOON』または他のもっと音楽誌だったかもしれない。ブリティッシュ・ロックバンドとフランスの電子音楽ミュージック・コンクレートの共演作と書いてあった。当時このレコードを聴く機会はなかったが、字面だけで冨田勲のシンセサイザーとは違うように感じた。ミュージック・コンクレートがどんなものかは知らなかったが、フランスの電子音楽家としてピエール・アンリ名前は頭に刻み込まれた。
勇気ある失敗作~スプーキー・トゥース&ピエール・アンリ「セレモニー」

実際にアンリの音楽を聴いたのはそれから15年近く経った90年代終わりだった。DJの友人が「クラシックだけどこんなカッコいいのがある」と聴かせてくれたのがピエール・アンリ&ミシェル・コロンビエの「サイケロック」だった。その頃映画『オースティン・パワーズ』で使われそうなグルーヴィーなインストにぐいぐい食い込む電子音は、モンドよりマッドなアウトサイダースピリットを感じた。さっそくアンリのことを調べ始めたが当時はまだネットも発達しておらず、市ヶ谷の日仏会館(現アンスティチュ・フランセ日本)に当時あった現代音楽資料館に調べに行ったが余り資料がなくあったとしても当然フランス語のみで苦労した。2000年にフランス国立視聴覚研究所(L'Institut national de l'audiovisuel、略称:INA)25周年イベントが日仏会館で開催され、当時存命だったベルナール・パルメジャーニなどがオンラインでレクチャーを行った。

そういった学術的な動きとは別に人気DJによる「サイケロック」を含む作品『現代のためのミサ』のミックスアルバムが話題になった。日本独自に高木完&K.U.D.O.のリミックスを制作。他のDJが取り上げていないトラック「プレリュード」を選び、フランスからアンリの音源(ピュルルやバタンなどの効果音?)のコピー厳禁のDATを入手した。いい感じのグルーヴミックスが出来たが、最後の段階で高木が「海外のDJには叶わないから」とビートをすべてカット、リズムのないアンビエントなトラックが完成した。アンリ側に送ったところ「Weird(奇妙だ)」との感想で、アルバム本体には収録しないことを条件にOKが来た。高木のリミックスは特典CDとして封入された。

神田うのがテレビでお気に入りの音楽としてピエール・アンリを紹介していたという情報を中原昌也から得たが、本当だったのかどうか?事務所にアプローチすれば良かったかもしれない。

具体音
具体的に
具体化せよ

あれかさらに17年が経過して、私は一度も会うことなく天に召されたピエール・アンリのことを考えながら年を越す。




ピエール・アンリ・インタビュー【抜粋】*後ほど校正します。
http://media.hyperreal.org/zines/est/intervs/henry.htmlより翻訳引用
Q. あなたは音楽を学んだ後、音の性質を調べ始めました。それはいつですか?またなぜですか?

A. なぜ私が突然新しい音楽宇宙に飛び出したくなったということですか?それは私の正式な音楽教育の実質的な終わり頃のことでした。いままで何度もこの話をしましたが、もう一度言います:ピアノとボーカルのスケールを中心に音楽のレッスンを始めたとき、家の中で、私の周りの両親の庭や家の中と外の世界に耳を傾け始めました。多分それは私が騒音を好きになったきっかけに違いありません。私はパーカッショニストとしてのキャリアをかなり早く始め、私の周りのあらゆるものを叩きました。家具、テーブル、ドラム。その瞬間からノイズ の創作に辿り着き、はるかに複雑で驚異的な、まったく新しいものを作り出そうとしました。最初からストレンジなものを作りたいと思っていました。

アンリはたとえばワグナーを賞賛して演劇的な演奏を愛していた。彼はまた、モーリス・ベジャールのバレエの熱烈な崇拝者となり、ベジャールのグループのサウンド・エンジニアとして世界を旅した。彼はまた、バレエのために多くの作品を作った。 『現代のためのミサ La Messe Pour Le Temps Present』は、バレエの成功とともに人気のある音楽になった。彼は大ホールで演奏され休憩なしに少なくとも3時間続く(異教の)ミサの雰囲気を持った演劇的な音楽作品への好意を表明していた。

Q. 60年代には、ロックグループのスプーキー・トゥース Spooky Toothと『セレモニー Ceremony(儀式)』を共作しました。それはなぜですか?

A. その理由は、芸術的と言うよりはるかに商業的でした。 『現代のためのミサ』でミシェル・コロンビエと作ったエレクトリック・ジャーク Les Jerks Electroniquesが大成功を収めたことで、レコード会社フィリップスの編集者がミサのアイデアに基づいて英語圏のグループと一緒に同じテーマのアルバムを作るべきだというアイデアを提示しました。私はバンドについてまったく知りませんでしたが、今となっては関心がないいくつかの理由で受け入れました。でもこの企画は何年間も結果が出ないままでした。現在私は別のロックグループと新しい作品を企画していますが、今はそれについて何も言えません。

アンリはレコーディング監督をするためロンドンに行った。彼はテープを家に持ち帰って編集作業を始めた。 「彼はヘヴィなベースとリバーブに溺れたヴォーカルが好きではなかったので、一種のカウンターパートとなる『セレモニーII』を作った。この作品は具体音、タムタムのビート、カリヨン、想像上の野蛮な宗教のための儀式などを元にした様々な要素が含まれる。 (ミシェル・シオン)」おそらく、アンリがポップミュージックをどのように見ているかを示している。つまり異教の儀式である。

Q. あなたはエレクトロニック・ミュージックのポピュラーな面に興味がありましたか?

A. 私の音楽は本当の意味でエレクトロニックではないので、あまり関係ありません。私の音楽はテープ音楽、エレクトロアコースティック・ミュージックです。だから私は冷静でいられます。クリエイターは即座の成功を求めません。

Q. しかし、ポピュラー音楽界での電子音楽の状況はあなたの周りでも起こっていますよね?

A. まあ、実際には、私はその状況に好奇心を持つ隙はありません。私は自分のやり方とシステムに集中しています。さらに言えば、私は音楽がどんどん汚染されていると思います...ラジオ、映画館、広告で聴く音楽は完全に恥ずべきものです。そして現時点では一つの音しかないと感じています。聞こえない音です。どこへ行っても 1つのサウンドだけ。標準化された音です。それはデジタルで作られた音であり、それはすべて同じ音になります。これは世紀末に於いて辛いものです。

Q. あなたがフランスのチャートでナンバーワンシングルを獲得したときのあなたの影響は何でしたか?

A. しかし、ヒットパレードでナンバーワンにはなっていません!それは大きな誤解です!レコードはクラシック音楽のカテゴリーでリリースされ、ポップミュージックやロックミュージックではなく、クラシック音楽の基準によって判断されました。同じリスト(2位と3位)は、AranjuezのConcerto de Four Seasons、Albinoniでした。だから、若者たちはラ・メッセ・プル・ル・テンプス・プレゼンツとル・ボヤージュ、ラ・ポルト・エ・ウン・スーリックを買う権利がありました。しかし、それはクラシック音楽のリストでした。

あなたはあなたのライブコンサートで大勢の観客を引き付けました。あなたはロックスターのように感じましたか?

私は私のコンサートに興味を持った大衆の感謝をもって会いました。私は自分の仕事の解釈を行ったところのどこでも、聴衆からの即刻の反応を受けたと信じています。レコードのリリースでは、視聴者の反応はかなり遠いです。レコードはコピーされ、作曲家にとってはあまり面白くないので、聴衆にとってもっと面白いです。しかし、全体的に、音楽は基本的には良いことです。しかし、ディスクだけでなくラジオもあることを忘れないでください。私は最近、電波と知り合いを更新しました。

私は突然あなたの音楽を狂った人々の大衆を見て厄介な経験だったに違いないと思います。

私はいつも私の音楽が占領していたので、これはあまり恥ずかしいことではありませんでした。そしてその連続性によって。
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【ピエール・アンリ追悼特集Part 1】17年前のリリース資料再掲+生誕90周年記念CD BOXリリース

2017年12月28日 02時13分59秒 | 素晴らしき変態音楽


フランスのミュージックコンクレートの創始者のひとり、ピエール・アンリが89歳で死去したのは今年の7月5日だった。かねてよりアンリを偏愛してきた筆者は訃報に際してフランスの新聞記事の翻訳をブログに掲載したのみできちんと追悼していなかった。この12月9日は生きていたら90歳になっていた。2018年を迎えるにあたって改めてアンリについて整理しておきたい。まずは2000年秋に書いたピエール・アンリ作品の紹介記事を掲載。当然ながら商品は現在すべて廃盤である。
【お悔やみ】ピエール・アンリ死去~フランスの作曲家にしてミュージックコンクレートの父


Grandfather Of Techno
または世界最年長のテクノDJ!?
● ● ● ピエール・アンリ ● ● ●
Pierre Henry

 
1960年代のフランスのミュージック・コンクレートは、エレクトロニクス音楽が氾濫する今だからこそ再評価されたわけでも、また先人に敬意を表すために聴くわけでもなく、技術が進化した今でもなお独創的な音楽だからこそ聴く価値がある。
野田 努(ele-king)


音の発明王、音響オタクの代表、ピエール・アンリ。今世紀になり、やっと彼の音と時代がリンクした。そんな中、出るべくして出たこのリミックス・アルバム。今をときめく音職人たちが名を連ねている。現在では楽音と雑音との境界線は取り払われ、誰もがいともたやすく音を操れるようになったけど・・・、はたして、私たちはアンリの頃より音楽に対して自由になれてるのかな? アンリの標本箱を聴いていると、そんなことも考えさせられます。
塚本サイコ(Museum of Plate)



●未来派音楽のオリジネーター、ピエール・アンリ
新たなる音楽の地平を目指して進化し続けるテクノ・ミュージックはその過程でエレポップ~テクノポップ~ジャーマン・エレクトロ・ロック~ミニマル・ミュージック、と過去の先鋭的なサウンドを掘り起こして来た。そして遂に"現代音楽"という何やらアカデミックで難解そうなジャンルの中に、真のオリジネーターを発見した。
その名はピエール・アンリ。サンプラーやシンセサイザーはおろか、マルチ・トラック・レコーダーすらない時代に、外界に鳴り響く音を録音し、コツコツとテープを切り貼りし、電気的加工を加えて、テープまたはレコード盤上で再構成して音響作品を創りだす"ミュージック・コンクレート"という手法を50年に渡って追求してきたマッド・サイエンティスト。
そのサウンドは現在テクノ、アンビエント、モンドなどと呼ばれるサウンドにも負けない、ヒップで独創的な響きに溢れている。
新世紀を目前にした今、クラブ・シーン最前線の人気アーティスト達からアンリへの最高のリスペクトが届けられた。ピエール・アンリの67年のヒット作《現代のためのミサ》を現代最高のクリエイターがリミックスしたアルバム《メタモルフォーゼ》。発表当時"現代音楽史上初のポップ・ヒット"といわれたグルーヴィー・チューン「サイケ・ロック」が90年代に蘇る!



●ピエール・アンリ・バイオグラフィー
1927年12月9日パリ生まれ。7才から音楽を学び、パリ国立高等音楽院でオリビエ・メシアンとナディア・ブーランジェに師事、作曲を学ぶ。40年代半ばにはオーケストラでピアノとパーカッションを演奏するが、伝統的な楽器を好きになれず、様々な物体を擦ったりぶつけたりして得られる音(ノイズ)による音楽実験をおこなっていた。40年代後半外界の音を録音し、それを電気的に加工して作品とする"ミュージック・コンクレート"の創始者ピエール・シェフェールと出会い、49年シェフェールが創設したRTFエレクトロニク・スタジオに参加、共同で電子音響作品の制作をはじめる。
50年代半ば振付家のモーリス・ベジャールがアンリに注目し、自らのバレエのためにアンリの作品を使用しはじめ、「オルフェ」「ひとりの男のためのシンフォニー」「扉と溜め息のためのヴァリエーション」「緑の女王」「旅」「現代のためのミサ」など数々の作品を発表した。他にも映像やジャンルを超えたコラボレーションも多く、シャルル・ベルモン監督「うたかたの日々」<68>やケン・ラッセル監督「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」<79>等の映画の中でアンリの作品が効果音として使われたり、イギリスのロック・バンド、スプーキー・トゥースと共演アルバムをリリースしたりした。
70年代以降もミュージック・コンクレート的な手法を追求し続け、独自の音響彫刻を制作してきたアンリは、ミュージック・コンクレート誕生50周年を迎えた98年、大きな脚光を浴びた。
一方90年代に入ってからは、クラブ/テクノ・ミュージックの元祖としてクラブDJからも熱い注目を浴びている。同時にアンリ自身も活動を活性化、クラブ・ギグなどを行う。
現在72歳のアンリは名実ともに"テクノの祖父"として新しい創作に意欲を燃やしている。

●NEW RELEASE
現代音楽からテクノ/ノイズまで、20世紀音楽の巨匠として人気のピエール・アンリの偉業を明らかにするボックス・セット・リリース第2弾が登場。電子音がの飛び交う未知のサウンド・ワールドがCD4枚にわたって展開する。
ピエール・アンリ・エディション Vol.2


21世紀へ向けて注目が一挙に高まるフランス電子音楽界の先駆者ピエール・アンリ。テクノやノイズ・ミュージック界からのリスペクトを受け、さらには音楽を超えたコンセプチュアル・アートとして唯一無二の個性を持ったアンリの世界の全貌を明らかにするボックス・セット企画第2弾の登場です。

今から50年以上も前にピエール・シェフェールと共作し、"ミュージック・コンクレート"の金字塔となった『ひとりぼっちの男のためのシンフォニー』、死後の世界を音像化した『旅』(「チベットの死者の書」より)と『エジプトの死者の書』、モーリス・ベジャールのバレエ・レッスン用音楽『動き-リズム-エチュード』、そして現代美術展の伴奏音楽『探索』(未発表曲)を収録。様々な思想・芸術とコラボレートするアンリの多様性が、20世紀芸術を超越した革新的創造性を生み出したのです。今聴いても斬新なカットアップ/コラージュ手法、最新のテクノ/ノイズ・ミュージックをしのぐほどの強烈なトランス感をもった電子音響は、まったく未知の新しい聴覚的快感(?)を与えてくれます。

収録曲:
DISC 1 ひとりぼっちの男のシンフォニーSymphonie pour un homme seul (1949/50)/旅 Le Voyage(1962)
DISC 2 動き-リズム-エチュードMouvement-Rythme-Etude (1970)
DISC 3 エジプトの死者の書Le Livre des morts egyptien (1988)
DISC 4 探索(BonusCD) Investigations (1959)
PHILIPS CD:UCCP-1012/4 ¥6,116(¥5,825)3CD+ボーナスCD <直輸入盤/フランス語解説翻訳付>(2000.10.12発売)

Symphonie pour un homme seul (Béjart)



●NOW ON SALE
ミュージック・コンクレートの巨匠アンリの歴史を集大成したBOXセット。好評発売中!
ピエール・アンリ・エディション


電子音楽の先駆者として現在でも精力的に活動し、一方ではテクノのオリジネーターとして最近のテクノ・アーティストからも高い評価を受けるフランスの音楽家ピエール・アンリの代表作品を完全な形で収録した5枚組ボックス・セット(4CD+ボーナスCD)。
50年代にミュージック・コンクレートとして始まったアンリの音楽が多彩な方向へと発展を見せた60年代後半の作品と、テクノやロック的要素を取り入れた90年代末の最新作を収録。アンリのふたつの黄金期が楽しめる作品になっています。
アンビエントやノイズ・ミュージックの元祖といえるストレンジな音響は、現代音楽・電子音楽ファンはもちろん、ロックやテクノ・ファンにもアピールします。

DISC 1 バベルの塔(1999)/Tokyo 2002(1998)
DISC 2/3 ヨハネ黙示録(1968)
DISC 4 リヴァプール・ミサ(1967)、現代のためのミサ幻想曲(1967/97)
DISC 5〈BONUS CD〉 グラニュロメトリー(1967) 
CD:PHCP-11194/7 4枚組¥7,340(¥6,990) 録音:1967-1999年 フランス●輸入盤仕様/フランス語解説完全翻訳付き



●ASLO AVAILABLE
「メタモルフォーゼ/ピエール・アンリ・リミックス」


30年の時を隔てた未来派コラボレーション。
Featuring Remixes by:
FATBOY SLIM, WILLIAM ORBIT, DIMITRI FROM PARIS, COLDCUT,TEK9 and more.


テクノのグランドファーザー、ピエール・アンリを人気クラブ・アーティストがリミックス。
ピエール・アンリが映画音楽家ミシェル・コロンビエと共作したバレエ音楽「現代のためのミサ」(67)が、テクノ、ハウス、ジャングル、ドラムン・ベース、ラウンジ等のユニークなリミックスで現代に復活。

1 サイケ・ロック(マルパソ・ミックス)-ファットボーイ・スリム remix
2 プロローグ -クリス・ザ・フレンチ・キッス remix
3 サイケ・ロック(インヴィジブル・ミックス) -ウィリアム・オービット&マット・デュカス remix
4 ジェリコ・ジャーク -サン・ジェルマン remix
5 ティーン・トニック -ディミトリ・フロム・パリス remix
6 トゥー・フォーティシュ(ビートニク・トリップ)-Tek9 remix
7 サイケ・ロック(チョップト・アップ)-コールドカッツ・コンピューター remix
8 トゥー・フォーティシュ-マイティ・ボップ remix
9 ジェリコ・ジャーク-ファンキー・ポルチーニ remix
10 トゥー・フォーティシュ(シャトー・フライト・ミックス)-シャトー・フライト remix
11 サイケ・ロック(サイクト・アウト)-コールドカット remix
12 サイケ・ロック(メタル・タイム・マシーン・エディット)-ケン・アビス remix
<初回限定ボーナスCD>
1 プロローグ(ウ゛ァリエーションズ・フォー・アポレックス・ミックス)-高木完&K.U.D.O. remix
CD:PHCF-3516 ¥2,548(incl.tax)


「現代のためのミサ/ピエール・アンリ・コレクション」


60年代、ピエール・アンリがモーリス・ベジャール舞踊団のために創った電子音響作品集。バレエ・ファンも要注目!

ロック/ジャズ・ビートとモンドな電子音を大胆に融合した《現代のためのミサ》は今聴いても新鮮なクラブ・ミュージック。他の作品はミュージック・コンクレートの先駆者としてのアンリのスタイルを存分に発揮した実験的な音響芸術。アンビエント・ミュージックとして楽しめるサウンドです。

現代のためのミサ(67)
緑の女王(63)
旅(62)
扉と溜め息のためのヴァリエーション(63)
CD:PHCF-3517 2,548(incl.tax)

Messe pour le temps présent - Grand Remix - CNDC


注:上記は2000年10月度のリリース資料です。です。

具体音
継ぎ接ぎしたら
曲になる
それが愛

ピエール・アンリ(Pierre Henry)、生誕90周年記念CD12枚組『Polyphonies』が登場
「Pierre Henry ‎– Polyphonies」


20世紀に最も影響を与えた作曲家の一人ピエール・アンリ、生誕90周年記念CD12枚組。
電子音楽の一分野である「ミュージック・コンクレート(具体音楽)」の先駆者として、20世紀音楽に重要な役割を果たしたフランスの作曲家ピエール・アンリ(1927-2017)の生誕90周年を記念して12枚組CDが発売されます。
すべての録音が作曲者自身による選曲、リマスタリングとなっています。112ページに及ぶブックレットには、すべての楽曲の解説(ほぼピエール・アンリ自身によるもの)、新規ライナーノーツ(英語、フランス語)、多くの貴重な写真が含まれています。9作品が未発表曲です。

【収録予定曲】
《CD 1》地球クロニクル 【録音】2016年
《CD 2》1) Etude transcendantes pour un piano imaginaire、2) Grande Toccata、3) ジムカーナ 【録音】2015年(1)、2006年(2)、1970年(3)
《CD 3》1) Plein jeux、2) Kyldex 【録音】2008年(1)、1973年(2)
《CD 4》1) バベルの塔、2) 緑の女王、3) ロック・エレクトロニック(『緑の女王』)【録音】1998年(1)、1963年(2, 3)
《CD 5》1) Histoire naturelle、2) Facies 【録音】1997年(1)、1960年(2)/
《CD 6》エジプトの死者の書 【録音】1988年
《CD 7》1) アルトーのための断章、2) Variations pour les cordes du piano 【録音】1970年(1)、1953年、1988年(2)
《CD 8》1) セレモニー(アンリ/シェフェール)、2) 60度の黒 【録音】1969年(1)、1961年(2)
《CD 9》1) Levitation (Corticalart I 1971)、2) Corticalart III、3) Investigations 【録音】2013年(1)、1973年(2)、1959年、2008年(3)
《CD 10》1) Voile d'Orphee、2) Deuxieme symphonie、3) 占星術、4) スパイラル 【録音】1953年(1, 3)、1972年(2)、1955年(4)
《CD 11》1) Microphone bien tempere、2) Spatiodynamisme、3) Haut-Voltage 【録音】1950年、1952年(1)、1953年(2)、1956年(3)
《CD 12》1) ひとりの男のための交響曲(アンリ/シェフェール)、2) Musique sans titre、3) あいまいさの協奏曲 【録音】1950年

Pierre Henry - Polyphonies (Trailer VF)
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【私の地下ジャズ愛好癖】現代亜米利加ジャズ二態『クリス・ピッツィオコス/殺鼠剤』『レント・ロムス/生命の血合奏団』

2017年12月27日 08時31分27秒 | 素晴らしき変態音楽


ウェブマガジン「JazzTokyo』の新年号で恒例の年間ベスト・アルバム&ライヴ企画が発表される。今年筆者が選んだのはアメリカの二人のサックス奏者。どちらもネットのおススメ機能で出会ったので、恋愛に譬えれば出会い系サイトがきっかけで本気の恋が芽生えたようなもの。年も押し迫った師走に届いた2枚のレコードが、燃えるガチ恋に火を灯した。それにしても『Rodenticide(殺鼠剤)』と『Life′s Blood(生命の血)』とは好対照な2作である。生と死の間の三角関係に陥った愛好家の歓びをクリスマス翌日、雨が雪へと変わるであろう夜更け過ぎにヴォリュームに気をつけながら噛み締めるのも悪くない。

●Rodenticide『RODENTICIDE』(2017 Self Sbotage Records - no number)


Samantha Riott (vo)
Richard Lenz (g),
Isaiah Richardson Jr. (winds),
Chris Pitsiokos (ds)

NYのサックス奏者クリス・ピッツィオコスがドラムを担当する即興ノイズバンド。殺鼠剤という意味のバンド名から想像が着く通り、攻撃的で喧しく姦しく五月蝿いジャンクロックを聴かせる。サマンサ・ライオットのヴォイスは歌でもラップでもなく、よく言えばポエトリーリーディング、一般的には罵声の羅列。レコードの内袋に歌詞が掲載されいるが、詩というより短編小説。ドラムとサックスとギターがフレーズもリズムも何もかも無視して怒濤のように絶え間なく騒音を出し続ける中、息継ぎする間も惜しんで喋りまくる状態が45回転AB面合わせて30分間続く。NO WAVEの歌姫リディア・ランチに通じるが、パフォーマンス的な演出がほとんどなく、本能のママに暴れ回るステージを彷彿させる21世紀New Yorkらしい作品である。ジャケット写真のNYのアパートメントの中で何かヤバいことが起こってるのではないか、と不安な気持ちに駆られてしまう。来日時にピッツィオコスは身の危険を感じてこのバンドから脱退することにしたと語っていた。極限状態ポエトリーシャウティングは人の耳に傷跡を残したまま記憶の海に漕ぎ出していく沈没船をイメージした。

Rodenticide - at St Vitus, Brooklyn - April 28 2017

Rodenticide bandcamp



ギターのリチャード・レンツはピッツィオコスがコロンビア大学在学中にやっていた即興トリオ「Bob Crusoe ボブ・クルーソー」のメンバーだった。そのトリオの2012年のライヴアルバム『Live 2012: Faint Praise』もbandcampでDLリリースされている。
Bob Crusoe bandcamp


●Rent Romus′ Life′s Blood Ensemble『Rising Colossus』(2016 Edgetone Records - EDT4169)


Timothy Orr- drums, percussion
Rent Romus - alto saxophone, flute
Joshua Marshall - tenor saxophone
Heikki "Mike" Kosikinen - e-trumpet, tenor recorder
Mark Clifford - vibes
Safa Shokrai - double bass
Max Judelson - double bass

一方サンフランシスコのベイエリアを拠点に活動するレント・ロムスの『Life′s Blood Ensemble(生命の血合奏団)』は『Lords of Outland(辺境の君主)』と並ぶレギュラー・プロジェクト。Lords〜がジャンルの垣根を壊して即興/前衛/実験音楽を拡大するのに対して、LBEはジャズの伝統とロムス自身のフィンランドのルーツをアコースティックな編成で継承する地に足の着いたグループである。2015年にレコーディングされた本作『Rising Colossus(立ち上がる巨人)』は、ロムスやサンフランシスコの作曲家、さらにジョン・チカイ「Cherry Vanilla」、アンソニー・ブラクストン「Composition 23J」を含む6曲を収録。そのうち2曲はLP片面すべてを使った組曲である。オーネット・コールマンの『チャパカ組曲』を思わせるコンセプトには、西海岸の即興シーンの首領であるロムスの企画力・組織力・発想力が凝縮されている。掟破りを生き甲斐に都会に出てきた異端の魂の苦悩は、広いアメリカの大地と比べてみれば何と小さい悩みなのだろう。この空すべてを愛で満たしたい、それが唯一の生命の証。そんな物言いが通用する世界ではないけれど、生命の血の歌声には、じわじわ盛り上がる希望の萌芽が見える。

Red Poppy Art House - Emotism Rent Romus Lifes Blood Ensemble

Rising Colossus bandcamp

縁結び
殺鼠剤と
生命の血

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ドッツ/のいペン/ハミシス/クロタン/ゴキ帝etc.@渋谷Milkyway 2017.12.24 (sun)

2017年12月26日 01時25分39秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


new encounters vol.68
〜アイドルXmasコスSP〜

12/24(日)渋谷Milkyway
前売/当日 2500円/3000円+1d
開場/開演 16:30/17:00



ここ数年クリスマスはアイドルイベントに参戦している。今年はクリスマス当日が月曜日でライヴに行き辛いこともあり、イブのドルイベに参戦した。とはいっても推しのでんぱ組は12/30大阪城ホール(行けないけど)までイベント無し、ネクロ魔はUSツアー中、偶ドロ改め爆裂女子は始動前、ブクガは12/28Zepp Tokyoまで我慢、ヤナミューは先日のワンマンで堪能したからまだ大丈夫、推し気分上昇中のエモクルスコップは12/16ワンマンで観たからお預け、ご無沙汰のMMMは相変わらず対バンがいまひとつ、といった具合で残る推しはドッツ東京くらい。これ以上推しは増やさないことを固く胸に誓ってクリスマスイブの渋谷ヘ向かった。

●のいずペンギン(・ソロ)


ドッツの推しメン、クエンカ駅ちゃんのソロ・ノイズ・ユニット「のいずペンギン(のいペン)」を観るのは2回目。前回のマゾンナに影響されたエフェクターノイズにリズムトラックとサンプラーが加わり、踊れてMIXが打てる楽しいノイズをクリエイト。流石に初見でMIXはむずかしいし、ディレイかかりまくりのMCは聞き取り不可能。それを差し置いてのいペン自身のアイドル性がノイズ・シーンの逆ノイズとしてノイジシャンに評価される日が来るかもしれないが、来なくてもまったく問題はない。


●・・・・・・・・・


グループとしてのドッツ東京は初アルバム『 』をリリースに先立ってototoyで無料DL中。ライヴで何度も聴いた曲ばかりだが、改めてまとめて聴くと各メンバーのヴォーカルの個性や声の可愛さが際立ち、誰がどのパートを歌っているか気になって、ライヴで確認しようと決意して臨んだが、やはり現場ではサウンド・ヴィジュアルの奴隷となって記憶するのを失念していまう。これをアイドル現場の記録喪失と名付けたい。


●HAMIDASYSTEM


ネクロ魔渡米直前ライヴに出演したハミダシステム(ハミシス)を初めて観て、まったく盛り上げない低血圧なパフォーマンスに何故か惹き付けられた。特に首の長い子と姫カットの小さい子が気になった。まんまと釣られた感じで最前エリアで品定めをしつつディープな「メロディック・エレクトロニカ」を堪能した。推しは秘めカット娘に決定、って誓いは何処へ・・・。クリスマスイブのヲタクの誓いほど当てにならないものはない。

並行物販で先にドッツ(クエンカ駅=のいずペンギン)、次にハミシス(小山振夢 KOYAMA FLAME)の長い列に並ぶ。そのため他のグループを観ることが出来なかった。


●CLOCK & BOTAN


柳沢あやの(ex.BELLRING少女ハート)のギター弾き語りソロ・ユニット。何度か対バンで観ているが、歌唱力も楽曲クオリティも進化の徴は認められない。ベルハー時代に培った個性的な音感は天然なのか?しかしこの現場では「上手い+高品質=正義」ではない。ヲタクの心を惹き付ける磁力が何処にあるか、筆者には分析不可能だが21世紀のアシッドフォークと捉えれば、サイケ/プログレファンにはアピールするに違いない。もう少しウィスパー要素が加わればゴング/アシュラ・テンペル/ホークウィンド/フレンチロリータ/オノヨーコ・ファンも虜になるだろう。


●劇場版ゴキゲン帝国


ゴキ帝の1stアルバム『インディーズ・ベスト』は意外なほどまともな作品集で。十二分に楽曲派(笑)の耳にアピールする好アルバムだった。しかしながらクリスマス・イベントなのに色物コスプレで登場する破天荒キャラは予想通り。「実は好み?」と最近気になっている九軒ひびきがまさかの顔出し無しのミニョンズ仮装で肩透かしだった(生足は良し)が、そのお陰で推し増しせずに現場を離脱。一応誓い破りは一件のみでギリギリセーフ。

クリスマス
推し増ししても
許される?

クリスマス&誕生日当日の12月25日にNECRONOMIDOL「DEATHLESS」ウィジャボード付き限定グリーンLPと、クリス・ピッツィオコスがドラムのバンド「RODENTICIDE」のLPが届いた。奇跡的な最高のプレゼント!






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ヤなことそっとミュート 2ndワンマンライブ “echoes”@赤坂BLITZ 2017.12.22 Fri

2017年12月24日 04時17分32秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


ヤなことそっとミュート
2ndワンマンライブ “echoes”


OPEN 18:30 / START 19:15
TICKET 1F立見¥4,000 / 2F指定¥5,000 ※要・別途drink代



ヤなことそっとミュート、通称ヤナミューを初めて観たのは2016年10月20日(木)新宿ロフトのブクガ、おやホロとの対バンイベント「YOTEI HA MITEI」だった。デビューしたのが同年6月18日で8月には1stシングル『8CM EP』をリリースしており、知り合いの目敏い魔ヲタが観て「オルタナ/ノイズロックがカッコいい。けれど物販がユルくて面白い」と言っていた。「ユルいけれどきちんとしてるんですよ」と謎めいた発言も聴こえてきた。オルタナ/ノイズと聴いてイメージしたのはソニック・ユースだったが、ロフトで聴いたヤナミューはパール・ジャムやアリス・イン・チェインズを思わせる王道モダンロックだった。耳を圧するギターロックにメンバーのヴォーカルがクリアに聴き取れるサウンドのクオリティに驚いた。筆者はどちらかと言うとショートヘア好みではあるが、キリッとした表情で伸びのある歌声を聞かせるなでしこに一目惚れした。CDリリース時にフリーライヴを開催するのが通例で、手抜き無しのフルライヴに痺れて複数CDを購入しなで列をリピートするのが恒例になった。しかし主現場は別なので頻度は回数は少なく、毎回「久しぶり」と挨拶される顔馴染みにはなったが名前は覚えてもらえない。それでもヤナミュー現場の臨場感は他では味わえない至高体験として中毒性がある。



2017年3月26日 渋谷 WWWでの1stワンマンは客席中段でたっぷり音に浸った。余りにヴィヴィッドなサウンドに、バンド編成でやる必要はないのではないかと思った。「天気雨と世界のバラード」の天真爛漫な笑顔が新鮮で、それまで笑わないイメージを抱いていたヤナミューが箸が転んでも笑う年頃の天然女子であることを今更ながらに思い知った。特典会の笑顔は作り笑いではなく、本当に楽しんでいる気持ちが湧き出る放射熱で顔が火照ってしまう。つまり「ヤなことだらけの日常をそっとミュート」していた彼女たちが、日常を楽しむ術を身につけて「とりあえず」ではなく“心“から「ロックサウンドに切ないメロディーを乗せて」歌いたい気持ちが溢れ出ているのである。その輝きが2017年12月に向けてどんどん加速して行き、ついに迎えたクリスマスイブイブイブの12/22、赤坂ブリッツのステージで展開された二時間のワンマンショーでは自信に満ちた4人の笑顔と自然体のパフォーマンスが炸裂し、顔は勿論、身体全体が熱に浮かされて踊っているのかヲタ芸しているのかモッシュしているのか意識する暇もないほどのスピードで進行した。望郷のバラード「HOLY GRAiL」、瞬殺のスピードロック「クローサー」、オルタナメタル「Phantom calling」といった新曲の王道振りは、バンドサウンドのドライヴ感にスピードアップしたメンバーとファンの心のコール&レスポンスがキャパ1,418人の赤坂ブリッツをその3分の1の新宿ロフトに変えてしまった。その一体感はどんなロックやJ-ポップも到達し得ない、アイドルならではの心の接触の深みから溢れ出る共感SYMPATHYと愛LOVEの絶頂感に達した。

ヤなことそっとミュート - HOLY GRAiL【MV】


素晴らしいことにお楽しみはまだまだ続きそうである。2回目のワンマンを通過したヤナミューとファンは皆、次の到達点ヘ向けてスタートダッシュすることしか考えていないのだから。

ミュートして
お次は何処で
会いましょか


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蓮見令麻トリオ feat. 須川崇志, 田中徳崇@渋谷 公園通りクラシックス 2017.12.21(thu)

2017年12月23日 11時03分20秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


蓮見令麻トリオ

19:30start / 19:00open
当日 ¥3.000 / 予約 ¥2,800

蓮見令麻(piano/voice)
須川崇志(b)
田中徳崇(d)

音楽サイトJazzTokyoのJazzRight Nowコーナーで「ニューヨーク:変容するジャズのいま」 を連載中のニューヨーク在住の即興演奏家(ピアノ・ヴォーカル)/音楽ライター、蓮見令麻が帰国し東京でライヴを行った。蓮見とは一度会ったことがあるが演奏を見るのは初めて。昨年9月の来日のあと出産して母となり、パートナーと共に子連れで前日に帰国したばかりで時差惚けまっただ中だと語る。そのせいだろうか、前回下町のカフェで会った時に印象的だった切れ長の瞳は猫の目のように爛々と輝き、話をする時一点をじっと見つめる目力は、皮膚の表面に覗き穴を穿ち、コチラの下心を白日の下に晒す、レントゲン光線顔負けの鋭さだった。自己のトリオのデビュー作『Billows of Blue(青の渦巻き)』で聴かれた高潔な美意識は、この女(ひと)の意識の冴え方次第で飴にも鞭にも変わるのだろう。
【Disc Review】渦巻く青の退廃と官能〜『蓮見令麻 Rema Hasumi/Billows of Blue』



ベースの須川、ドラムの田中二人とも髪を丁髷のように後ろで結った落武者?スタイル。ろうけつ染めの蓮見の衣装と無意識にリエゾンしクラシックスという会場に相応しい典雅な雰囲気を醸し出す。しかし音楽はクラシック(古典/伝統/模範)から遥かに逸脱したコンテンポラリーな共鳴を齎した。蓮見は真剣な表情で鍵盤を凝視する。見つめる視線の先は自らの白くて細い十本の指。まるで目を離すとそれぞれ勝手に動き出し意志と無関係に悪戯を始めてしまうのを監視しているかのようだ。ピアノを「流暢に」あるいは「叩くように」演奏する奏者もいるが、蓮見の場合は「音を削り出す」演奏だと言える。意志の力で制御しながら指と鍵盤の摩擦で心とピアノに内包された音の粒子を切削するのである。ビーズのように輝く粒子は空気中に解放される前にほんの一瞬躊躇して指先にまとわりつく。それゆえピアノの音とベース/ドラムの音の間に存在しないはずのゆらぎが生じ、聴き手の感性に心地よい電気ショックを与えるのである。それはクールな歌声も同じで、言葉が逃げ出さないように譜面を見つめる視線の呪縛で、発せされる言葉は瞬時の躊躇いを纏って聴き手の聴覚に伝達される。その間鍵盤の上の指への監視が疎かになるが、十指は従順に蓮見の意に従っている。意に反するとどのような罰が待ち受けているかを本能的に察知しているのだろう。



「筋書きのない即興演奏ばかりしていると、構成のある曲をやりたくなるんです」と語って英語とポルトガル語(フランス語のように聴こえた)の曲を1時間強歌った後に「インプロをやりましょうか」と語りかけて完全即興演奏を披露。それまでも何度か田中が試みた挑発的な乱調ビートにクールな表情で同調し抽象度の高い破調フレーズを表徴、その一瞬だけ指たちが呪縛を離れて羽目を外したかに見えたが、ほどなく自ら監視の配下に収まった。多分指たちも筆者と同じく彼女の瞳に恋をしているに違いない。



終演後「剛田さんは激しいのが好きだからどうかと思った」と言われたが、削られる音の摩擦熱の激しさは見かけ上の激しさの数倍迫真性を持って筆者のハートに火をつけたことを告白したい。また、終始低血圧と言ってもいいほど冷徹な美意識に貫かれた90分の演奏に於いて最も熱を帯びていたのはチェロも弾く須川の存在感のあるベースだったことを付け加えておく。

母なるピアノ
下僕となれど
悔いは無し

【本日開催!】
12月23日(土)東京・四谷 喫茶茶会記
開場13:30/開演14:00
前売り2,700円/当日3,000円
蓮見令麻 x Seshen ソロ+デュオ
 蓮見令麻 (piano)
 Seshen (voice+movement)

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【プラ板瑳里と逝くイギリス紀行】Day 5,6,7,8:恐竜〜オアシス〜ラヴクラフト〜クイーン〜レコ屋〜帰国

2017年12月22日 01時19分28秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


イギリス旅行
Thu. 7th - Fri. 15th December, 2017年12月7日(木)〜15日(金)

12月11日(月)
国立自然史博物館


恐竜の骨


大きなホール


SOHOのレックレス・レコード


(What's the Story) Morning Glory?


SOHOのシスター・レイ店内


イタリアン・レストランのデザート


12月12日(火)
買い物デイ


ロンドン最古の書店


ラヴクラフト大全


紅茶の名店フォートナム&メイソン


屋台が出ていました


Cafe Otoでライヴ


12月13日(水)
パディントン駅


スーパーマーケット


カップヌードル


ホテルの近くの公園のツリー


ノッティングヒルゲートのMUSIC & VIDEO EXCHANGE


高級デパート「セルフリッジ」でお茶タイム


O2アリーナでクイーン&アダム・ランバートのコンサート


WE WILL ROCK YOU


12月14日(木)
イギリス旅行最終日ホテル近くでブレクファスト


夜の飛行機だから昼間は観光


RYOJI IKEDAのインスタレーション


教会


ジェフリー美術館


素敵な名前のレコードショップ発見


ヒースロー空港


12月15日(金)
機内 もうすぐ帰国 ただいま〜


ネクロ魔も
まもなくUSツアー
から帰国

フレディにお姫様抱っこされちゃった きゃー♥ーっ
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【私のポストパンク禁断症状♯4】追悼ラルフ・カーニー〜ティン・ヒューイ『不思議な落とし物』&スウォーレン・モンキーズ『クールの誕生後』

2017年12月21日 01時14分11秒 | 素晴らしき変態音楽


2017年12月18日早朝にサックス奏者ラルフ・カーニーの訃報が報じられた。同じ日にインダストリアル・パーカッション奏者のゼヴ(Z′EV)の死去が発表され、筆者の周りの異端音楽界隈ではゼヴの話題で持ち切りだが、筆者にとってはゼヴよりラルフ・カーニーの方が馴染み深い。日本での報道は「トム・ウェイツやThe B-52'sらとのコラボレーション」と「ザ・ブラック・キーズ(The Black Keys)のパトリック・カーニー(Patrick Carney)の叔父」程度の紹介しかされていないが、ラルフは筆者が長年偏愛する地下ロックバンドの中心メンバーなのである。
トム・ウェイツの作品などに参加したサックス奏者のラルフ・カーニーが逝去。享年61歳

1956年1月23日オハイオ州アクロン生まれ。メインの楽器はサックスだが、シンガーであり作曲家でありマルチ・インストゥルメンタリストである。幼い頃から音楽に興味を持ち、小学時代からバンジョーやバイオリンやハーモニカでブルーグラスとカントリー・ブルースを演奏していた。15歳でサックスを始める。地元のショッピングモールのレコード屋でアルバイトをしていたいう。1972年に結成されたローカル・バンド、ティン・ヒューイに参加。折しもディーヴォの大成功でオハイオ州アクロンとペレ・ウブの出身地クリーヴランドが「ニューウェイヴ時代のリヴァプール」として注目を浴びる頃であった。

●Tin Huey / Contents Dislodged During Shipment


ローカル・レーベルから2枚のEPをリリースした後、スティッフ・レコードのコンピレーション『The Akron Compilation』(79)に「Chinese Circus(中国曲技団)」を提供。それに続いてワーナーブラザーズからリリースされたデビュー・アルバムが本作。キャプテン・ビーフハート、フランク・ザッパ、ボンゾ・ドッグ・バンド、ソフト・マシーン等の影響を受けたアヴァンロックはポップ性たっぷりで、モンキーズのカヴァー「アイム・ア・ビリーヴァー」がスマッシュヒットした。特にB面の「スクワーム・ワーム」「中国曲芸団」の変態ポップ性はディーヴォの数倍ネジ曲がっている。白眉はカーニー作曲の「パペット・ワイプス」で、ヘンリー・カウ&スラップ・ハッピーのレコメン歌曲を3分間のロックンロールに封じ込めたニューウェイヴィーなカンタベリーロックである。アルバム全体カーニーのサックスプレイが秀逸で、サックスロックの名盤と呼びたくなる。日本盤もリリースされ、今野雄二氏が分かり易い解説を書いている。しかしまったく売れなかったようで、中古市場では見本盤しか見たことが無い。アメリカでもぱっとせず、ワーナーとの契約は破棄され、バンドは解散状態に陥り、2ndアルバムが出たのは約20年後の1999年だった。公式サイトの更新は2007年で止まっている。

Tin Huey on Crooked River Groove (Tri-C), 2004

Tin Huey Official Site

●Swollen Monkeys / After Birth Of The Cool


84年に輸入レコードバーゲンで偶然ラルフ・カーニーが入っているのを見つけて購入したLP。81年にリリースされた唯一のLP。サックス4人、トランペットひとりを含む8人編成。クレジットに「ポルカとメキシカンダンス、そしてMax Fleischer(アメリカのアニメの創始者)には目がない」「シェイク・ラトル&ロールからワールド・リズムまで」と書かれている。スカやカリプソ、ポルカやマリアッチなど世界中のポップスの要素をコミカル・パンクで料理したお祭りバンドである。カーニーは3曲でヴォーカルを担当し、アヴァンギャルドなサックスプレイも聴かせる。最高なのは「エレファント・セックス(象の性交)」という40秒の曲。プロデューサーはニーノ・ロータやセロニアス・モンク、クルト・ワイルなどのトリビュート・アルバムで有名なハル・ウィルナー。多分ウィルナー発案の単発プロジェクトだと思われる。未CD化であるが、オリジナルLPは見つかりさえすればバカ安。ジャズ/ワールド界隈のミクスチャーの早すぎた試みとして面白いので好事家は探してみてはいかがか。

Swollen Monkeys Live at Hurrah - "I Can't Come"


セッション・ワークでは、もちろんトム・ウェイツとのコラボは素晴らしいが、個人的にはペル・ウブのデヴィッド・トーマスや、ゴングのデイヴィッド・アレンとのコラボが興味深い。またソロ名義での前衛/実験音楽ももっと評価されるべき。

Trailer, This Is Ralph Carney: King Of The New Wave Horn


惜しむべき
才能ひとつ
旅に出た

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灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ/crys cole and Francis Plagne@六本木SuperDeluxe 2017.12.18 mon

2017年12月20日 02時11分16秒 | 灰野敬二さんのこと


灰野+オルーク+アンバーチ

開場 19:30 / 開演 20:00
料金 前売3000円 / 当日3500円(ドリンク別)
出演:
灰野敬二+ジム・オルーク+オーレン・アンバーチ
オープニングアクト: crys cole and Francis Plagne



今年の2月27日にエレクトロニクスライヴを開催したトリオの2017年二回目の公演。丁度2014年10月のライヴ二枚組LPがリリースされた記念ライヴの意味合いもある。ロンドンも寒かったが東京も寒い。師走のド真ん中の月曜日のスーパーデラックスは大盛況とは言えないが、外国人客やミュージシャンの姿も多く静かな熱気が漂っていた。
灰野+オルーク+アンバーチ/TAMARU/澤井妙治@六本木SuperDeluxe 2017.2.27 (mon)

●crys cole and Francis Plagne(オーストラリア)
オーレンのパートナーでもあるカナダ出身の女性アーティストのクリス・コールはオーレンと一緒にたびたび来日しているが、今回初めてオーストラリアの音楽家フランシ・プラーニュとのデュオで出演。サウンド・アーティストの肩書き通りコンタクトマイクを使い平面板を擦る音をピックアップした弱音演奏が延々と続き、徐々にキーボードやシンセのドローン音に取って代わる。後半は足踏みオルガンの伴奏でフランシのヴォーカルをフィーチャー。ロバート・ワイアットを思わせる歌声とカンタベリー風のメロディが、暖房をかけても感じる冷気を少し忘れさせてくれた。二人のデュオ・アルバム『Two Words』が来年早々リリース予定とのこと。

●Keiji Haino + Jim O’Rourke + Oren Ambarchi


ブレイクのあと客電が落ちてから2・3分して灰野、オーレン、ジムの順にステージに登場。灰野は右手にセットされたドラムに座る。ジムとオーレンは左側でそれぞれギターとオルガンでアンビエントなドローン演奏。その壁に亀裂を入れる居合い抜きの灰野のドラムが聴き手の耳にもシャープに突き刺さる。覚醒と催眠がクロスする前奏風の展開から、灰野がドラムから立ち上がり紙片を手に歌う。「正義って弾丸に当たらないってこと?」「君は今日も何千回もボタンを押している 知らないうちに あのことに「賛成!」と参加してしまっているよ」。片手に持ったスマホ(?)を指で操作する仕草はボタンを押すジェスチャーだろうか。英語まじりの歌をオーレンとジムが静謐にバックアップする。



灰野がギターを手にしてアブストラクトなフレーズを紡ぐと、オーレンのドラムとジムのベースが雷同するように音を発し出す。暴力的なギターのスクリームを合図に連打するドラムの雷鳴と細かい指裁きでのたうつベースが一斉掃射開始。我が意を得たように激しいアクションで繰り出す3人の軋轢は「悪のまっただ中にいて 今週教会に行けば 許してもらえるって ふざけるな お前」という攻撃的な歌を誘発し、一瞬の凪のような憩いのひとときを経て再び荒れ狂う。「何があっても生き抜く覚悟の用意をしろ」という馴染みの言葉に続いて沸き上がるように発せられる言葉の数々は過去のパフォーマンスで何度も耳にした灰野哲学の真髄だった。ドラムの前に歩み寄った灰野の両手で誘うような合図で三者のインストゥルメンタル交感は極みに達し、聴き手の欲求の高まりを諌めるように収束して行った。

寒い夜に繰り広げられた燦々とした狂演の熱に浮かれて家路を急ぐ六本木の街はクリスマスの予感に戦いているかのようだった。

燦燦と輝く
誠の「異なること」
さて何処へ行く

<LIVE SCHEDULE 2017>
12月30日(土)東京・高円寺 ShowBoat
灰野敬二 Keiji Haino 2017年最終公演
不失者 Fushitsusha

開場 18:00/開演 19:00
前売¥4,320/当日¥4,860(税別・別途ドリンク代¥600)

【チケット取扱】
■ShowBoat 12月12日(水)発売
店頭販売 初日のみ:00~
電話・メール予約&代引注文受付 初日のみ16:00~
(翌日以降、14:00~23:00受付)
■プレイガイド 12月16日(土)10:00~発売
ローソン/イープラス eplus.jp

※入場整理番号あり。当日は、整理番号順の入場となります。
※ShowBoatチケットはご購入順に入場整理番号が発券されます。
※ご予約のみでは整理番号はつきません。
※代引郵送にてご購入希望の方は、メールにて下記をお送り下さい。
(別途発送手数料¥580)
《公演日・公演名・住所・氏名・電話番号・購入枚数》

【問い合わせ】
ShowBoat
■Tel 03-3337-5745(14:00〜23:00)
■Mail info@showboat.co.jp
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ジョン・ブッチャー/マット・デイヴィス/ドミニク・ラッシュetc.@Cafe Oto, London 2017.12.12(tue)

2017年12月17日 02時53分21秒 | 素晴らしき変態音楽


JOHN BUTCHER / ANGHARAD DAVIES / MATT DAVIS / DOMINIC LASH / DIMITRA LAZARIDOU-CHATZIGOGA
TUESDAY 12 DECEMBER 2017, 7.30PM
£10 £8 ADVANCE £6 MEMBERS



ロンドン旅行で最も行きたかった場所のひとつがCAafe Otoだった。西ロンドンのダルストン地区に2008年に設立されたこのヴェニューはそれまで活動拠点のなかったイギリスのフリージャズ/実験音楽家ばかりでなく世界中の異端音楽家が出演する世界でも有数の前衛音楽専門のライヴハウスとなっている。日本からも灰野敬二、大友良英、メルツバウ、三上寛、非常階段、工藤冬里をはじめ多数の地下音楽家が出演している。OTOROKUというレーベルも経営し、フィジカル/デジタル両方で多数のライヴ音源をリリースしている。



ダルストンは以前は寂れた住宅街だったそうだが10年ほど前から若者が住み始め、Cafe Otoをはじめアートやファッションスポットとして人気を博している。ダルストンに限らず、地下鉄(Underground)に対してオーバーグラウンドと呼ばれる地上鉄道線の沿線が新たな文化拠点として開発されている印象を持った。



ロンドン到着日の12月7日にパティ・ウォーターズ(60年代にESPで2枚のLPをリリースして以来96年に復帰するまで行方不明になっていた幻の女性シンガー)のライヴがあったので何とか行きたかったが、ホテル着が遅れて断念。10年振りの雪に見舞われた10日(日)にはクリスマス・フェアが開催され中古レコードや古着などが販売されたという。念願適って訪れたのは雪の影響が残る寒い夜だった。思いのほか広い店内は段差がなく自由にステージをレイアウトできるフリースペース。バーカウンターの横に2列程度のレコード/CD/書籍販売コーナーがある。



この日の出演はイギリス前衛ジャズ界のベテラン・サックス奏者ジョン・ブッチャー(54年生)をはじめ、マット・デイヴィス(tp、70年生)、ドミニク・ラッシュ(b、80年生)、アンガラッド・デイヴィーズ(vln 生年不明)、ディミトラ・ラザリドウ=チャツジゴーガ(発音不明)(ツィタール、81年生)の5人のコラボレーション。昨年12月にCafe Otoで初共演、今回は2度目のライヴとなる。



7:30PMに入店したらサウンドチェック中だったブッチャーと軽く挨拶。今日は寒いからお客が来るのか心配だった/30年前に奥さんがダルストンに住んでいたが何も無い街だった/日本にはいつでも行きたいが来年行けるかどうかはわからない/2016年7月の灰野敬二とのライヴ盤が年内に発売される等話をしていると、お店のスタッフから物販用のCDケースの中が空だとの連絡。ブッチャーがCDを入れ忘れてケースだけ持ってきたことが判明。有りがちな笑い話で落ちがついた。



8:30PMに開演時間になると椅子席は8割埋まり30人程度の入り。熱心な音楽ファンらしき中年男性客と、演奏家とおぼしき若い男女が半々。ヴァイオリンとウッドベースのクラシカルな二重奏に物音的なトランペットとツィタールの電子音響、テナーサックスのロングトーンが重なる弱音演奏。通常咳をするのも憚られる静かな演奏中は客席にも緊張感がありそうだが、何故かこの会場は不思議なリラックス感がある。ロンドン独自の雰囲気なのか、ブッチャー等の演奏態度が自然体だからなのかはわからない。普段こうしたドローン演奏は苦手な筆者もゆったりと鑑賞できた。



20分程度の休憩の後2ndセットがスタート(1stの時もそうだったが、何のMCもなく演奏が始まる)。ブッチャーはソプラノサックスでより物音的なドローンを発する。ディミトラはツィタールの弦をマレットで叩いたり、メタルで擦ったり、E-BOW(電気的に弦を振動させ音を延ばすエフェクター)を使ったりして、最早電子楽器としか思えないサウンドを発する。ラッシュのベースとデイヴィーズのヴァイオリンもボディを叩いたり、弦をクリップで挟んだりの反則奏法。1stに比べ音数と音量が倍加した演奏だが、心地良過ぎて睡魔に負けてしまった。終演は11時近かったが、演奏者と観客の談笑は夜中まで続きそうだった。この開放的でフレンドリーな雰囲気が世界の異端音楽家・愛好家を惹き付けるのだと感じた。



カフェの音
自由な街の
BGM

Keiji Haino duo with John Butcher in London





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