A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【回想録】非常階段結成35周年記念ライヴ@初台The DOORS 2014.8.29(fri)

2014年08月31日 00時45分08秒 | 素晴らしき変態音楽


非常階段ニューアルバム
"咲いた花がひとつになればよい"
発売記念ライブ


出演 : 非常階段、初音階段
ゲスト : PANTA(頭脳警察)、早川義夫、戸川純、坂田明
バックバンドメンバー : HIROSHI(奇形児)、村井英晃(猿股茸美都子)



【回想録 1979年】
非常階段が結成された1979年の春休み、親の勧めでユネスコ主催の中高生ヨーロッパ旅行に参加。ローマ、パリ、ロンドンへ10日間旅行する。夜間自由行動はなかったのでコンサートには行けなかったが、市内観光の自由時間はレコード屋に行って最新のレコードを買った。ローマでは街中にポスターが貼ってあった派手な化粧の男性歌手のレコードを買ったが、パリ行きの夜行電車に忘れてきてしまった。パリではフランス盤では無くアメリカ盤のレジデンツとスネークフィンガーのシングル盤とクリス・スペディング参加のロイ・ハーパーのLP、ロンドンではニューウェイヴのレコードを多数購入。パンクスは見当たらなかったが、ロックぽいファッションやストリートの雰囲気を堪能。「I Hate To Work」と書かれたTシャツをパンクだぜ!と買ってきた。



戻ってから髪を自分で短く切り、整髪剤がないので石鹸の泡で髪を立てた。安い作業着を買ってきて、母親にたくさんジッパーを縫い付けてもらった。気分はロンドン帰りのリアルパンクスだった。東京ロッカーズが話題になり、雑誌やレコード店で写真やチラシを見かけた。それまで日本のパンクとして頭脳警察、村八分、外道などが紹介されたが、東京ロッカーズは現在進行形なのでドキドキした。ライヴ盤『東京ロッカーズ』と『東京ニュー・ウェイヴ’79』 が2ヶ月連続してリリースされ、小遣いの関係で『東京ニュー・ウェイヴ』を発売日に買った。最初に入っているSEXがお気に入りだった。



シティロードでSEXが名前を変えたSYZEが荻窪ロフトに出演することを知り、初めてライヴハウスへ行った。ゴジラレコードの2枚目のシングルを聴いていたミラーズの突進するビートに痺れ、SYZEの堂々たるロックビートに心酔。また東京2チャンネルというバンドのギタリストが凄く切れ味鋭いプレイでカッコ良かったが、その後そのバンドの名前を見ることはなかった。それ以来、クラッシュのLPジャケットを真似て、スプレーでTERRORISTとかHATEとか吹き付けたワイシャツを着てライヴハウスへ出掛けた。


ヒゴヒロシ/ミラーズ@池袋西武デパートCITY (筆者撮影)

1979年ライヴ観戦記
6月16日 東京2チャンネル、美レイ、BOYS BOYS、SYZE@荻窪ロフト
6月23日ミラーズ、SYZE、マリア023@吉祥寺マイナー
7月13日フリクション、SYZE@吉祥寺マイナー
7月21日BOYS BOYS、ミラーズ、マリア023@池袋西武デパートCITY 
7月24日FUCK OFF ホットニューウェイヴ 自殺他@豊島公会堂
8月18日シンクロナイズ@吉祥寺DAC802
10月31日P-MODEL@法政大学学生会館
11月24日映画『ROCKERS』@成蹊大学学園祭
12月8日コールド・ジャック、バッド・コンディション@吉祥寺DAC802
12月19日P-MODEL@渋谷エピキュラス
12月24日MODS PARTY@荻窪ロフト
他にZOOアナーキーコンサート@吉祥寺DACでスピードを観たハズ。

高校の友人にレコードを聴かせて洗脳して「GLANDES/グランディーズ」(意味は辞書を調べて下さい)というバンドを結成、秋の文化祭でデビューした。この年は観客は仲のいい友人数人だけだったが、翌年高3の時は学校中の話題になり教室に入り切れない程押し寄せた。筆者の人生の最大のハイライトだったかもしれない。



GLANDES い・い・か・げ・んツアー 1979年9月29日 PM2:30
Set List
1. Holidays In The Sun(Sex Pistols)
2. From The Heart (Generation X)
3. One Hundred Punks(Genration X)
4. Ready Steady Go(Generation X)
5. Last Gang In Town(The Clash)
6. Liar(Sex Pistols)
7. Unknown - Guitar Solo
8. I Love You(Sheena & The Rockets)
9. Safe European Home(The Clash)
10. T.V.Easy(Sex)
11. Into The Valley(Skids)
12. Anarchy In The UK(Sex Pistols)

1979年に購入したシングル盤


ごめんなさい
ライヴレポートじゃ
ありません




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【初音ミク二題】①「MIKU EXPO」公式テーマソング公開! ②新生「初音階段」本格デビュー!!

2014年08月29日 00時15分15秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


●これはかっこいい!ミクさんがフル英語ソングを披露
10月にアメリカで開催される「HATSUNE MIKU EXPO 2014 in LA & NY」の公式テーマソング「Sharing The World」が公開されました。ミクさんがフル英語ソングに挑戦しています。


Sharing The World
イラスト:apapico

「MIKU EXPO」は、2014年に発表された初音ミク文化を世界に発信する総合イベント。第1弾が5月にインドネシアで開催され、第2弾が10月にアメリカのロサンゼルスとニューヨークで開催されます。

公式ソングは、アメリカ公演を記念して全編英語歌詞となり、創作の連鎖を歌い上げたメッセージ性の強い内容となっています。楽曲は、ミクさんが前座として参加したレディ・ガガの北米ツアーでも披露された「Story Rider」などのBIGHEADさんが提供しました。8月31日よりクリプトン・フューチャー・メディアが運営する「KARENT」で配信が始まります。


初音ミク公式ブログ
MIKU EXPO公式サイト

●二代目初音ミク「るしゃ」さんが加入した新生初音階段ライヴ、本日開催!


2014.8.29 fri. 東京 初台ドアーズ
『非常階段ニューアルバム"咲いた花がひとつになればよい"発売記念ライブ』
出演:非常階段、初音階段
ゲスト:PANTA(頭脳警察)、早川義夫、戸川純、坂田明
バックバンドメンバー:HIROSHI(奇形児)、村井英晃(猿股茸美都子)


るしゃ公式ブログ
アルケミーレコード公式サイト

ミクとるしゃ
JUNKOと純ちゃん
JOJO・PANTA



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【極私的名盤】ダグラス・ファー『ハード・ハートシンギン』~”全員号泣”サイケ・ブルース・バンド

2014年08月28日 00時41分44秒 | 素晴らしき変態音楽


昨夜の灰野敬二のトークショーは、灰野のルーツとなるユニークな音楽が紹介されたいへん興味深かった。同時に印象的だったのは、灰野のレコードへの愛着である。それはLPの丁寧な扱い方に表れていたし、音楽の内容だけでは無く、そのレコードを聴いたり購入した時の状況を語る口ぶりから溢れ出ていた。

とりわけ渋谷ヤマハの「その他」のコーナーでジャケットに惹かれ600円で購入しキズや針トビにも関わらず愛聴したメシアン、神保町トニーレコードの300円コーナーで出会ったSilver ApplesやNightcrawlersの逸話には深く共感した。レコードとの出会いは、愛好家にとっては忘れられない想い出であり、内容の良さだけじゃ無く、どんなエピソードがあったか、ということがレコードへ愛情を注ぐ上での大きな要因なのである。

そんなわけで自分にとってのNightcrawlersは何だろうかと考えた。灰野が通っていた神保町トニーレコードにはかつて吉祥寺店もあった。何度か移転したが、30年前はサンロードの中程の絨毯屋の2階にあり高校の頃よく訪れた。比較的良心的な値付けの中古盤中心で、店の片隅に格安盤コーナーがあり、得体の知れないLPが300~700円で並んでいた。灰野の話に出たアメリカから箱単位で届くレコードだったのかもしれない。小遣いが限られているのでいくら安いからといって知らないレコードを買う余裕はなかったハズだが、ある日、何となく冒険したくなり格安コーナーで品定めをした。ヒット作の在庫処分のカット盤もあったが、折角買うなら未知のものにしようと思い手にしたのがこの森林ジャケLP。

なぜこれにしたかは明瞭に覚えている。発売元レーベル名のMGMはMetro Goldwyn Myerの略で、少し前に買って衝撃を受けたチェキスロバキアのプラスティック・ピープル・オブ・ザ・ユニバースのLPに「Metro Goldwyn Myer」という曲があったのだ。巨大企業名だとは知らずに、不思議な合致に縁を感じて購入した訳である。家で聴いてみたら、古色蒼然としたドロドロのブルースロック。しかし当時ニューウェイヴやレコメン系プログレを聴き漁っていたサブカル少年の耳には超新鮮に響き、別世界へワープする心地がした。ジャケットのクレジットでオレゴン州出身らしいとだけ判ったが、メンバー名を含め他に何の情報もないまま、密かな個人的愛聴盤になった。



筆者によるレヴュー:
オレゴン州ポートランド出身の4人組の唯一のアルバム。ウォーカー・ブラザーズの”孤独の太陽”を百倍泥臭くしたようなディープで哀感たっぷりのブルース・ロック(ドノヴァンのカヴァーもあり)。裏山の森で撮ったようなジャケットから想像すると、山奥で人知れず木々を相手に練習に励み、気がつけば時代に取り残されていた、という図が思い浮かぶ。歌もギターもオルガンもドラムもみんな一緒に泣き叫ぶ、この迫力は日本の山岳系演歌に通じるものがある。(Rock'n'Roll/シンコーミュージック1995年)

当時は、海外で出版されたサイケ本にもこのアルバムの紹介は無く、インターネットも普及していなかったので、殆ど妄想でレビューを書いた。その5年後にレア盤発掘ブームでこのアルバムも海外でCD再発される。ブックレットにはメンバーによる解説が掲載されていたと記憶する(現物行方不明のため確認出来ず)。AMG All Music Guideサイトに詳細な解説が掲載されている。



A FANTASTIC PSYCHEDELIC BLUES BY DOUGLAS FIR!!!
ダグラス・ファーのファンタスティックなサイケデリック・ブルース!!!


バイオグラフィー:
ダグラス・ファーは60年代後半、オレゴン州ポートランド出身のダグラス・A・スナイダー(ds,vo)、ティム・ドイル(Hammond B-3)、リッチー・ムーア(g)からなるトリオ。元々はサン・トリオと名乗り、太平洋岸北西部の「食肉市場バー」をツアーしスタジオ代を稼いだ。日中はスナイダーは木こり兼消防士、ドイルは建設作業員、ムーアは酒類配送トラック運転手として働いていた。彼らはいつの日かレコードをリリースし成功する夢を持っていた。

バンドを贔屓にした地元のレコーディング・エンジニアのマイク・カーターとラス・ゴースラインの協力のもとで、時にはスタジオ料金を工面してもらいながら、レコーディングを行った。2年間レコーディング・プロジェクトに従事して、ダグラス・ファーはいよいよレコード産業の濁水に飛び込むことにした。

スナイダーが愛車のホンダ305スクランブラーを売ってハリウッドへの片道切符を買い、LAのストリートで何時間も演奏しレコード会社にテープを売り込もうとした。幸運なのか事故なのか、スナイダーがサンセット・ヴァイン・タワーのエレベーターで出会った男性は、LAで最も注目されるアレンジャーのひとりだった。

何杯もビールを交わした後、その男はスナイダーを3階のMGM/Quadレコードの重役に紹介し、バンドのテープを聴かせると、即座に契約が決まった。レーベルはスタジオ代を肩代わりし、ブルース・バイがベースで加入しラインナップが完成した。MGM/Quadは「スモーキー・ジョー」をシングル発売。良好にエアプレイされ、バンドは短期のツアーを行った。

しかし、レーベルの閉鎖により、ツアーも突然終了した。唯一のレアLP『ハード・ハートシンギン』だけが残された。

『皆さん、これがショービズってものだよ。でもね...僕らは曲を作って、60年代のバーで演奏して、グルーヴィーな時間を過ごすことができたんだ。それに、ヒット曲はなかったけど、アルバムを売れたしね。聴いてくれてありがとう!』 ーーダグラス・A・スナイダー(テネシー州ヘンダーソンヴィル在住)



AMGレビュー:
『ハード・ハートシンギン』のサウンドを聴けば、ダグラス・ファーがラリッたブルース・ロック・コンボだったことが判る。バー・バンドとしても純粋にエキサイティングだったろうが、陰鬱で不吉でまったりとしたサイケデリック(そのジャンルをどう定義するかによるが)な彼らのロックンロールの性質からは、彼らがサウンドに磨きをかけた太平洋岸北西部のちょっと奇抜な土地柄が影響したに違いない。

音楽の全てに、まるでバンド演奏がが部屋ではなく、小さな箱から発せられるような、濃厚で窒息するような雰囲気が立ち込めている。ザ・ドアーズに通じる重厚で神秘的なロードハウス・ブルースのエッジがあると共に、ザ・バンドのオールドタイムな要素への興味を共有している。それは「スモーキー・ジョーズ」の素晴らしいレイ・チャールズ風ピアノや、「モラトリアム・ワルツ」の絶妙なソウル・ホーンに明らかだ。リッチー・ムーアのギターは、ロビー・ロバートソンのように華美な装飾を排した実直なもので、時にはランディ・カルフォルニアを思わせるサステイントーンを奏でる(両ギタリスト程突出した才能はないが)。

9曲のオリジナルにドノヴァンの「ジャージー・サーズデイ」のムーディ・ブルース風カヴァーからなり、作曲能力は全体的にしっかりしている。珍しいことにアルバムの過半数を占めるバラード・ナンバーは、アップテンポな曲以上に圧倒的にサイケな酩酊感を醸し出す。無名なバンドとしては、平均を遥かに超えており、特に狂信的なタイトル曲や「トムズ・ソング」には、聴き手を圧倒するパワーがある。現実的には突進するハードロックとプログレッシヴ・ブルースの間の何処かに位置する。

全曲ドラマーのダグ・スナイダーとトリオの突出した演奏による優れたバー・バンドのパワフルなプレイが満載。ダグの歌には感情表現に長けた魂の迸りがあり、ドラムもまた驚異的で、飛び抜けたリズムセンスでミスティカルでジャジーなバイブスを産み出す。「アイ・ディドゥント・トライ」や「21イヤーズ」に於けるハモンドはセンセーショナルと言うしかない。

無名のバンドに対してこういう表現は決まり文句かもしれないが、ダグラス・ファーは音楽業界でもっと認められても良い。「ハード・ハートシンギン」はその時代のトップクラスではないとしても、Bリストの筆頭に上げるべきハードロック・アルバムと言えよう。
(スタントン・スウィハート)



勘違いによる偶然の出会いから30年余。今でも聴くと心が別の世界に飛んで行きそうになる。他人にこの気持ちが理解出来るとは思えないが、音楽愛好家にとっての「極私的名盤」とは、このようにして産まれるのではないだろうか。

ボクだけの
名盤持って
隠遁しよう

douglas fir
【名詞】
1 北米西部産の樹高の高い常緑の材木用の木で、樹脂の多い木質と短い針葉を持つ
(tall evergreen timber tree of western North America having resinous wood and short needles)

2 アメリカトガサワラの強くて耐久性のある木材
(strong durable timber of a douglas fir)
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灰野敬二の黒の音楽サロン@代々木ミューズ音楽院 2014.8.25(mon)

2014年08月27日 00時20分58秒 | 灰野敬二さんのこと


オトトイの学校×ミューズ音楽院presents
灰野敬二の黒の音楽サロン
~轟音から静寂まで~


講師:灰野敬二
ナビゲーター : 松山晋也

<講座紹介>
1970年代初頭から現在まで、まさに日本の音楽シーンにおいて、前衛でいつづけるアーティスト、灰野敬二。ロストアラーフや不失者、さまざまなコラボレート、そしてソロにおいても様々な形態があり、その活動は多岐にわたる。あらゆるジャンルをのみこみ、彼の身体を通して体現される音楽。今夜はそうして表現される轟音から静寂まで、灰野本人自ら解説する音楽サロンを開催する。彼が解き明かす音楽の世界は異世界と繋がる穴なのか、全てを包んでしまう闇なのか自分の目で確かめてほしい。

当日は、灰野敬二自ら、彼の音楽人生にとって最も重要だった(である)アルバムを、レコード・CDを含めてセレクト。
音楽評論家の松山晋也をナビゲーターに迎え、それら楽曲の紹介・解説をしながら、彼自身の音楽表現の深奥に触れていきます。


(写真の撮影・掲載については主催者・出演者の許可を得ています)

●凡例:曲目・解説は配布資料より/斜体は筆者のメモ書き

影響されたというより 自分の血の中に入り込んだ楽しいもの。

1.The Beatles「Eight Days A Week」64
ビートルズ64年のシングル曲。アルバム『Beatles For Sale』に収録。


14,5歳 中3 友達 リバーブ付ステレオ 入ってきた
CxO 自然なもの
   ↓
モンキーズ(同じの聴くのイヤだ)
レインボウズ「バラバラ」初シングル
サージェントLP 2枚目 ビートルズはロックじゃなくて作曲家





2.Doors『Strange Days』67
米ロック・バンド、ザ・ドアーズの2ndアルバム。


中3。友人1st聴かせた ピンとこない
人生を決めた曲→俺はミュージシャンになる
   音楽でありながら ドラマ・演劇





3.Third Ear Band『Alchemy』69
英プログレ・バンド、サード・イア・バンドのデビュー・アルバム『錬金術』。


渋谷ヤマハ・輸入盤 2日徹夜. からだがふるえた
パワートリオがロックではない
 ・ヘヴィー
 ・他と違う ふたつの指標。
タブラの使用→自分たちのもの





4.オリヴィエ・メシアン「世の終わりのための四重奏曲」
フランスの現代音楽作曲家が1941年にナチスの捕虜収容所で作曲・初演した作品。


サードイヤーよりも前かも? キズ有 600円。
「その他」で何を見つけられるか?
 現代音楽の夕べ
キズがあっても聴いた。
「目覚めさせた」.(クセナキス。。。
キリスト教は嫌いだけどキリストは好き
けいけんなクリスチャン。





5.トマス・ビンクレー『トルヴァドールの歌』
トマス・ビンクレー(Thomas Binkley)は、70~80年代の古楽復興運動をリードした米人リュート奏者/指揮者。


12世紀吟遊詩人の歌と器楽。中世音楽
数寄橋ハンター
バロック音楽の楽しみ 6:15~7:00 「トルベール」
違う世界に連れて行ってくれた
マジシャン。 バッハ/レオンハルト





6.ジャック・フェブリエの演奏によるエリック・サティ『PIANO MUSIC OF ERIK SATIE』
ジャック・フェブリエ(Jacques Février,1900-1979)は、フランス近代音楽を得意とするフランス人ピアニスト。


セロニアス・モンクと違う音のため方
間/ため




7.韓国の古典音楽(リリコード盤)
『Korean social and folk music recorded by John Levy』64


74-5年 初めて出会った韓国古典音楽。
フリージャズと違うインプロヴィゼーションのあり方
 自由なもの→アカデミック→自由じゃない
なぞらない      技法
「中世トルベール」





8.Silver Apples『Silver Apples』68
手製の原始的シンセとドラムを使ったNYの元祖テクノ/ノイズ・ユニット、シルヴァー・アップルズのデビュー・アルバム。


神保町トニーレコード
日本で最初に聴いた。





9.The Nightcrawlers『The Little Black Egg』67
60年代米フロリダのガレージ・ロック・バンド、デビュー・アルバム。


トニーレコード\300箱
個人的
コードを使った曲に興味がなかった
  ↓(このLPを聴いて)
コードで曲を作るようになった。
哀秘謡
這いまわっている。
ミステリアス
  好きな気配





10.The Jimmy Giuffre 3『Trav'lin' Light』58
クール・ジャズ~フリー・ジャズ系の米人サックス/クラリネット奏者ジミー・ジェフリーが、ギタリストJim Hall、トロンボーンBob Brookmeyerと組んだトリオの作品。


ジャズの洗礼を受けた。
 音楽が回転している=中世音楽
ルネサンス以降=階級制度。





音楽を
語る歓び
いつまでも



<灰野敬二ライヴ・スケジュール>
2014年
8月30日(土)桐生LEVEL-5
鳴子企画4周年"クレナイ"
guest:灰野敬二 (Experimental Mixer)/村田峰紀/前橋にゃもん
dj:nicciee/UG/OKANIWA/YuJ!!

8月31日(日)深谷藝術精米所

「ドキュメント灰野敬二」上映+ライヴ
18:00 START
入場料:1500円(要予約)

9月4日(木)秋葉原CLub Goodman

SENYAWA with 内橋和久 Japan Tour 2014
出演:SENYAWA/内橋和久/灰野敬二/吉田達也/田中悠美子/KK NULL/天鼓
開場 19:00/開演 19:30
前売¥3000/当日¥3500(+1drink)
9/3~4 通し券 ¥5000(+1drink)

9月6日(土) 仙川タイニーカフェ
「JAZZ ART せんがわ2014」同時開催イベント@仙川タイニーカフェ(調布市若葉町1-42-2)

19:00START~ 灰野敬二ライブ(オープニングアクト 末森 樹)
<チケット>
前売3,000円+1drinkオーダー(当日3,500円)
<予約>
タイニーカフェ 03-3305-0400
http://www.sengawa-gekijo.jp/kouen/12377.html#Top

9月9日(火)恵比寿BATICA
桃源郷
<ACT>灰野敬二/HALBACH/小林うてなと急げヘリコプター/もぬけ/もぐらか迷子/LOST IN TLANSRATIONS
open 18:00
adv.\2,000(+2D) / door.¥2,300(+2D)

9月12日(日)秋葉原Club Goodman

サンヘドリン[灰野敬二 / ナスノミツル / 吉田達也]
開場 18:30/開演 19:30
前売 ¥3000/当日 ¥3500(+1drink)

9月17日(水)
HOT ACTION~ドラびでお × 灰野敬二@郡山 ピークアクション
【出演】ドラびでお、灰野敬二、Redd Temple、Rebel One Excalibur、今井正敏、Th eswindles and more!
pen/18:00 start/
前売/2,500円 当日/円 drink/500円
http://www.peakaction.net/PC/schedule

10月17日(金)六本木SuperDeluxe

Red Bull Music Academy presents
Wails to Whispers
出 演:
WAILS:不失者/暴力温泉芸者/Masonna/Melt-Banana/MMMOOONNNOOO
WHISPERS:灰野敬二 with Hurdy Gurdy + Guest
開場 19:30 / 開演 20:00
料金 WAILS: 予約2500円 (ドリンク別) /WAILS+WHISPERS: 予約3500円 (ドリンク別)
WAILS: OPEN 19:30, START 20:00-24:00/WHISPERS: 24:00-05:00

11月17日(月)渋谷WWW

Sound Live Tokyo 裁かるゝジャンヌ - ローレン・コナーズ + 灰野敬二
ローレン・コナーズ(インターネット出演) + 灰野敬二
OPEN/START 19:00 / 19:30
ADV./DOOR
¥2,500 / ¥3,000(税込/全席自由)
INFO PARC - 国際舞台芸術交流センター www.soundlivetokyo.com/contact 03-5724-4660
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羅府夢衆(LAFMS)展@神宮前TOKI ART SPACE 2014.8.23(sat)

2014年08月25日 01時03分03秒 | 素晴らしき変態音楽


羅府夢衆 展
LAFMS (Los Angeles Free Music Society) and Their Friends in Slow Life Avant-garde


1972 年から現在まで、日常に前衛を融合させてしまうユル~い音楽共同体 LAFMS こと Los Angeles Free Music Society とそのフレンズの展覧会を催します。タイトルの『羅府夢衆』とは私の造語。米国日系人の方々が用いる『羅府』を引用しました。それは Los Angeles を表す言葉。"Dreamers" を意味する夢衆をそこに融合。ロサンジェルスの夢見人達を表します。発音は『ラフムス』。もちろん LAFMS の方々を指しています。それに留まらず彼らの精神的友人をも含むでしょう。会場の TOKI ART SPACE は 1977 年と 79 年に LAFMS の中核である Joe Potts の個展を当時銀座に在ったルナミ画廊で催すことに尽力されたトキ・ノリコさんの画廊。新旧とりまぜた作品を展示すると共に LAFMS の音楽を常時紹介するなど濃厚ながらユル~く進行いたしますのでご期待ください。

作品を展示あるいは映像に登場する作家:Chip Chapman/John Duncan/Ace Farren Ford/Juan C. Gomez/Joseph Hammer/Doug Henry/Michael Intriere/Krystine Kryttre/Paul McCarthy/Dennis Mehaffey/Fredrik Nilsen/Joe Potts/Rick Potts/Tom Potts/Tom Recchion/Ju Suk Reet Meate/Jonathon Rosen/Takuya Sakaguchi/Jackie Stewart/Steve Thomsen/Vetza

Live演奏 "Orchestra Le Matin":橋本孝之 Takayuki Hashimoto / 康勝栄 Katsuyoshi Kou / 美川俊治 Toshiji Mikawa / 冷泉 Atsushi Reizen / 清水沙 Migiwa Shimizu / 内田静男 Shizuo Uchida

演奏後、出演者+スペシャル・ゲストによるトークショーも!!!
トーク:竹田賢一 / 藤本和男 (別名・第五列の GESO) / 生悦住英夫 (PSF Records) / 坂口卓也



昨年坂口卓也と会った時に予告された東京でのLAFMS展が開催された。あらましは冒頭に引用した坂口のコメントに詳しい。会場はワタリウム美術館の側のアートスペース。30人くらい入れば満員の部屋の白い壁にアート作品や写真・レコードジャケット・オブジェが展示してある。特に70年代の記録写真の数々は、アメリカ西海岸で人知れず芸術未満・音楽未満・作品未満の活動を繰り広げていた彼らの初期衝動が伺えてたいへん興味深い。学生仲間の馬鹿騒ぎが不思議な縁で世界中に伝播してゆき、40年経った現代でも日本やヨーロッパなどで関連イベントが開催されているのだから。

  

パソコンや携帯電話のなかった時代、音楽を含む情報がどのように一般の人に伝えられたのか。そのひとつの絶好のサンプルが「LAFMS日本事始め」だと言えるだろう。竹田賢一がジャズマガジン1977年11月号で日本で初めてLAFMSを紹介し、購入したLAのライノレコードで「雑音の束だけど本当に買うのか?」と心配されたと書いたことで、興味を持った坂口卓也の友人がたまたまアメリカでLAFMSのLPを買ってきたという偶然の連鎖。今ならググってYouTubeで視聴し、気に入ればアマゾンでポチって翌日に入手出来るが、坂口は渡米時にレコードに記載された住所を元にメンバーの自宅を探し出し、直談判で情報を得た。危うく警察に通報されるところだったと言う。

  

坂口が身体を張ってで得た情報は幾つかの地下音楽紙媒体で紹介され、それが更に多くの好事家の興味を惹くこととなる。方法論は現代のネット上の拡散と同様だが、スピードが遅かったことと、現物に直接コンタクトすることが出来なかったことで、数多くの誤解を産んだ。LAFMSが本質的に訳が分からない活動体だったから、余計に受け手の想像力(妄想力)と好奇心を掻き立てた。WKTK(ワクテカ)な謎との出会いこそ、愛好家にとって最大のトキメキである。すべての謎が解けると思われているネット社会だからこそ、もっともっと羅府夢衆感が必要であろう。

  
カリフォルニアの地下水脈~LAFMS=ロサンゼルス・フリー・ミュージック・ソサエティ

謎と謎
合わせて謎が
増えてゆく


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【勝手に翻訳】内気なアイドル「でんぱ組.inc」はヲタクパワーでJ-POPを革命する。

2014年08月24日 02時58分53秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


J-POPの六人組はヲタク連中の為、そして総てのボッチの為に音楽を作る。

MTV Iggy
2014年8月21日
Words by Daniel Robson(ダニエル・ロブソン)

フェスティバルの名前に「ロック」と謳っているが、ステージ上のグループはどう見てもロックバンドではない。区別し易いように色違いの衣装を着た6人の若い女の子が、見事な振付けで踊り、甲高いMCで聴衆にアピールしながら、ユニゾンでJ-POPを歌っている。でんぱ組.incがロックバンドじゃないのは確かだが、かと言って標準的なポップアイドルグループでもない。

「このフェスには去年出演し、今年もまた呼んでいただきました。だから、私たちにはロックフェスに相応しい何かがあるんだと思います。」Rock In Japanフェスティバルのライヴ前の楽屋でブルー担当の藤咲”ピンキー”彩音が話す。彼女は間違っていない。何故なら、作られたポップグループであるにも拘らず、でんぱ組には「本当の」音楽を好むファン層に固定ファンがいるのだから。



その理由のひとつは彼らの曲が本当の音楽だからである。福嶋”もふく”麻衣子のプロデュースの元で、でんぱ組は、非常識なごちゃ混ぜスタイルと、アッパー過ぎる合成プログラムビートと、安っぽいシンセと歪んだギターリフと、伝統的な歌謡曲と、超緻密なプロダクションをすべて備えている。日本のメインストリーム・ロックが今まで以上に保守的になっていく一方で、でんぱ組のサウンドは、カオスな振付けと合わせて、すべてを歓びと創造性の爆発へと導くエキセントリック性に貫かれており、まさに正しいバカ騒ぎと言えるのである。

しかし、でんぱ組がロックと上手くクロスオーバーするもうひとつの理由は、メンバーが、あなたが好きな感受性の強いロックスターと同じく、ダークで孤独な場所からやってきたことである。ピンキー、夢眠ねむ(ミントグリーン)、相沢梨紗(白)、最上もが(紫)、成瀬瑛美(イエロー)、古川未鈴(赤)の6人は東京・秋葉原で出会った。そこはヲタク(妄想狂)がアニメ、漫画、ビデオゲーム、メイドカフェ、アイドルグループなどへの尽きない愛を永遠に追求出来る聖地である。メンバー自身がヲタクであり、それぞれ自分だけの孤独な趣味を持ち、メンバーのうち二人は部屋から出て外の世界に直面することを恐れる引きこもり(shut-ins)だったことを告白している。ディアステージというイベントバーででんぱ組.incを結成したことが、彼女たちが自分の殻から外へ出る理由を与えたのである。

音楽フェスほど外部に向かって開かれた場所はない。未鈴は認める「内気な人間は、周りにこんなに多くの人がいる場所が苦手なのです。」元引きこもりであり、私が特に彼女に向けて質問をしない限りインタビュー中ひと言も口をきかないほどの、グループで最も内気なメンバーであるもがは、ショーの前はいつも神経質になり、その為に中国の薬に頼っていると言う。「野外フェスは何よりもボクを神経質にさせます。一日中周りから音楽が聴こえてくるので、自分のショーが近づいていることを過剰に意識するからです」と語る。

World Wide Dempaの略である「W.W.D.」という2013年の大胆なシングルで(ちなみに「でんぱ」は放送用電波、「組」はグループの意味)、メンバーは順番に、キュートなアニメ声で、どうやって自分の問題を克服したのかを歌った。オンラインゲームや無限のアニメ愛好など破滅的な中毒を乗り越えて、一緒に立ち上がって世界を目指す、という含みもある。それは肯定的なメッセージであると同時に、ユーモラスな一撃でもあり、自分が世の中にフィットしない、と感じたことがある人なら誰もが納得する魅惑的な組み合わせである。



つまり、内気さは、特に非主流派サブカルチャーのファンにとっては、グループの大きな魅力なのである。。それはまた、アメリカ合衆国やアジア地区の志を同じくするファンの為に定期的に公演するグループにとって、容易く共感を得られる資質でもある。

「アメリカでのサイン会でファンと話した時、ボッチと思われている日本のヲタクは少なくとも他のヲタク連中と付き合えるけれど、アメリカではボッチは本当に孤独なんだ、ということに気付きました」とねむは言う。「彼らはオンラインで友達を見つけるか、遠く日本まで来て何処か自分が所属出来る場所を探すかするしかありません。だから、そんな人たちは、私たちのショーに来て一緒に歌うことで、多少の慰みを得られると思います。」

この世界に通じる魅力は、彼女たちの音楽とイメージに反映されている。例えば、最新シングル「ちゅるりちゅるりら」とそのビデオには、侍・忍者・温泉・巨大モンスター・古風なビデオゲーム・着物など、長年の日本の象徴的イメージの雑多な要素をブレンドして、文化的アイデンティティの感覚を伝えている。



「海外からのツアーのオファーがたくさんありますし、私たちの曲には『でんぱれーどJAPAN』や『サクラあっぱれーしょん』といった、現代日本を要約するような言葉を持ったタイトルがあります」と梨紗が言う。「海外の、侍など日本文化のファンは、そんなテーマを歌うアイドルグループに興味を持ってくれると思います。」

「私たちがやっていることとアニメやビデオゲームなどの世界には共通するリンクがたくさん有ります。だから現代日本文化の感覚を伝え易いのです」とねむが付け加える。

「ちゅるりちゅるりら」はカップヌードルのコマーシャルに使われた。あまりにも日本らしい商品なので、一種のパスポートになるかもしれない。

「私たちはみんなカップヌードルが好きなので、こんなに日本に密接に関連する商品とコラボできて幸せです」とねむ。

「ヲタクもカップヌードルが好きなんです。だってビデオゲームを中断しないですぐに作れるから」と梨紗は笑う。「お湯を注ぐだけで食事の出来上がり。」

でんぱ組は2013年8月にアメリカを訪れ、カリフォルニア州サンタクララでのジャパンエキスポUSAに出演した。大きな通りから膨大な量の食事まで、アメリカでは何もかもが如何に大きかったかが、冗談の種になっている。

「ジャパンエキスポで会ったファンがセーラームーンに似てるって言ってくれたんです」と瑛美がくすくす笑う。「私はずっとセーラームーンが大好きだったから、とても興奮しました。」

もしあなたがロックファンで、まだこのアイドルグループが自分を魅了することが納得出来ないなら、彼らの2012年のビースティ・ボーイズの「Sabotge」のカバーを聴いてみたまえ。「アンタらに言ってやろうか、破壊活動(サボタージュ)だぜ!」と金切り生声で絶叫した直後に、一転してポップなシンセトラックに切り替わり、楽しそうに「ウーフー!」と叫ぶ。狂ったビースティーズのオリジナルに忠実なのに、別モノの独創的な何かに変わっている。

「オリジナルをリスペクトすると共に、正真正銘でんぱ組.incの曲と言えるバージョンにする必要があったんです。だから真っ向から挑戦して私たちのすべてを注ぎ込みました」とピンキー。「ビースティ・ボーイズのファンも気に入ってくれたみたいで、とても嬉しいです。」

ロックバンド?アイドルグループ?それともその間の何処か?。。なぜわざわざカテゴライズしようとするのか?でんぱ組.incは、あなたがポップチャートに感じるのと同じくらい楽しいし、どんなファンでも大歓迎してくれる。

万国の
ボッチとヲタクは
連帯せよ

訳注)表題:Shy Idols Dempagumi.inc Nerd Out(*), Break the J-pop Mold
*Nerdは「仕事にばかり熱中していて社会性のない(つまらない)人」という意味から転じて「無能な人、まぬけ、ダサイ奴、ヲタク」という意味。「Nerd Out」は「猛勉強をする」という意味でもある。

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【英国ロックの迷宮】アンド・オールソー・ザ・トゥリーズ~悠久に沈黙する木々の訪れ~

2014年08月23日 00時52分37秒 | 素晴らしき変態音楽


大学時代にやっていたバンドのカセットを久々に聴いたのだが、曲調やギターがこのバンドにあまりに酷似していて驚いた。And Also The Trees(そして木々もまた/以下AATT)というバンド名の由来については何処かに書いてあったかもしれないが、今では忘却の彼方。80年代初頭に当時最先端のレコードショップWAVEのレーベルからデビュー・アルバム『沈黙の宴(And Also The Trees)』がリリースされた。ペイズリー・アンダーグラウンド(グリーン・オン・レッド、レイン・パレード)やジャーマン・ニューウェイヴ(デア・プラン、アインシュテュルツェンデ・ノイバウテン)、さらにレジデンツまで、先鋭的なロックをリリースしていたこのレーベルは、大手のセゾングループ/PARCOの財力を後ろ盾に様々な雑誌に広告を出していた。そのラインナップの中ではAATTは異色だったし、レビューではキュアーのローレンス・トルハーストのプロデュースということばかり取り上げられ、「もろキュア」などという不名誉な呼び方をされていた。

 

当時キュアーやエコー&ザ・バニーメンなどのネオサイケに痺れていた筆者にとって、WAVEでも宝島でもフールズ・メイトでもアウェーなAATTこそ、マイナー志向の自分にピッタリのバンドだと感じられたのかもしれない。最初に聴いたのは2nd EP『The Secret Sea』(1984)だった。映画の一場面のようなジャケットが素晴らしかったし、「秘密の海」というタイトルが、小学校の時好きだったアーサー・ランサムのツバメ号シリーズの小説名を思わせる(小説の原題は「Secret Water」)のも良かった。特にB面のライヴで聴けるガラスのように繊細なギターに惹かれた。感情表現過多なヴォーカルは正直言って鬱陶しかったが、それを差し引いてもこのギターは魅力的だった。



ゴーゴーズやスージー&ザ・バンシーズのコピーでスタートした自分のバンドは、徐々にパワーポップやニューウェイヴ風のオリジナル曲を作り始めた。3年目からポジティヴパンク色を強めたが、メイクをしたりゴス系衣装を着るほど凝ってはなかったので、普段着のAATTは理想のバンドに思えたのである。とはいっても他のメンバーにAATTのことを話した覚えはない。秘密の海のように、自分だけの秘密にしておきたかったのだろうか。

  

恋仲だったヴォーカルとベースが破局してバンドが解散した頃には、ガレージロックや60年代サイケに夢中になった所為もあり、エフェクターはワウファズ中心になり、AATT的なガラスのギターを弾くことは減っており、いつしかAATTの新譜を追うこともなくなった。



それから20数年経った今年の春、アメリカの灰野敬二非公式サイトの管理人からのメールで、AATTがまだ活動していることを知った。彼は歌詞の素晴らしさを力説していた。デビュー時からオスカー・ワイルドに喩えられ、英米で高く評価されてきた歌詞に加え、サウンドも、派手さはないが、かつてのイノセントでナーヴァスな感性に年輪を重ねて涅槃の域に達している。


And Also The Trees Official Site

1979年にイングランドの西ミッドランドの田舎町で結成されて以来35年の長きにわたってひっそりと沈黙するように活動を続けてきたAATTこそ、英国ロマンティシズムの極北に位置するバンドと言えよう。少数で構わないが、この孤高の魂に共感する人が地上に存在することが、生きる為の大切な宝石のように思われるのである。

木々もまた
それでも世界が
続くなら




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ザ・クロマニヨンズ/SCANDAL@Zepp DiverCity TOKYO 2014.8.19(tue)

2014年08月21日 00時15分15秒 | ロッケンロール万歳!


LIVE BURGER SPECIAL vol.4
ザ・クロマニヨンズ / SCANDAL




有りそうでなかったロケンローのキング対クイーンのガチ対バン。横アリ2daysを成功させノリまくるSCANDALと、A面集・B面集・MV集を経てニューアルバムを9月に控えたクロマニヨンズ。2014年両者の活動のピークのタイミングで初対バンが決まったことは、ロケンローの神様の思し召しに違いない。チバユウスケ風に言えば「ZEPP TOKYOの新しい方」は当然SOLD OUT、クロマT&スキャTが混在する現場は、WKTK(ワクテカ)な期待感でウキウキする。何となく男子率が高い様子。アイドルやコミケに行かなくても、沢山の音楽好き男子を拝める場がロケンロー界隈だとは灯台もと暗し。だが、それほど意外ではない。開演前にレーザーラモンRGが出てきて、あるあるネタを歌った。こんな芸風で生き残っていたとは、コチラはかなり意外だった。

SCANDAL


今夜はザ・クロマニヨンズとのツーマン「LIVE BURGER SPECIAL vol.4@Zepp DiverCity Tokyo」。デビューの時ミュージックステーションでご一緒させて頂いて以来です。ステージ裏で「頑張ってね」って言って下さった事、本当に嬉しかった!こんな日が来るなんて!あの頃の自分たちに教えてあげたいよ。
------TOMOMIメルマガ



2008年10月「DOLL」でメジャーデビューした二日後に制服姿で出演したテレビ番組でザ・クロマニヨンズと邂逅。それがきっかけで今回の対バンが実現したのだから、ポケモンに詳しいSCANDAL四人は気合い充分。初スキャの観客も多かったようだが、女子バンヲタがOiOiコールと手拍子で盛り上がるアッパーな現場だった。が、アイドルヲタの悲しき性で、ケチャやFuu!Fuu!コールを入れたくてウズウズしてしょうがない。現場でやる勇気はないので、ぼっち部屋でのDVDサイリウム鑑賞を密かに誓った。


噂の女子高生バンド、ついにメジャー・デビュー~SCANDAL「DOLL」


ザ・クロマニヨンズ


クロマニヨンズがバンド始めた頃は戦後間もなくて、ロックなんて進駐軍の音楽はダメ、親におじいちゃんの敵と言われたけど、今は女の人でもロックがやれる、すごく素晴らしい国だと思うし…日本は。首相が悪い?悪いよ。原発が悪い?悪いよ。悪い所はあるけど、ロックが出来ない国もあるんです。いい所だけ残して悪い所がなくなればいいのになぁ。
-------ヒロトMC#1



セットチェンジ中のBGMでブルーハーツの「青空」が流れた途端、大歓声が上がり合唱大会に。始まる前から客のテンションはマキシマム。ドラムのカウントが鳴った瞬間からロケンローカオスに突入。全曲歌えちゃうから、ヲタ芸云々言ってる場合じゃない。どんなに歌が下手でも、どんなに踊り方が変でも、まったく気にしない。好き勝手に楽しむのがロケンローの流儀。曲が短いのでたくさんの歌が聴ける。女子供でもロケンローが出来るこの素晴らしきクソッタレな世界。その恩恵を最大限に享受したのがこの夜のお台場ダイバーシティだったに違いない。そして明日も明後日も6年後もロケンロー出来るように、みんな好き勝手に楽しもうじゃないか。



海水浴とかやることには相応しい日「日和(びより)」がある。お日柄もよく、とかね。でもロケンローは毎日、何時やってもいいんだよ。どんなときでもロケンローがあれば最高です。
-------ヒロトMC#2


生まれた所や
皮膚や目の色を
ロケンローは気にしない

ちかん、ダメ、ゼッタイ。
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八十八ヶ所巡礼@新宿LOFT 2014.8.18(mon)

2014年08月20日 01時25分24秒 | 素晴らしき変態音楽


八十八祭
八十八ヶ所巡礼




迂闊にも、八月八日八王子できゃりーぱみゅぱみゅ天国の扉公演にウツツを抜かしていた日は八十八ヶ所巡礼のレコ発日であり、新宿LOFTで「八×八祭」が開催された日で在った。過去ブログを検索したところ、一年以上八八についての記事を書いていない。昨年九月発売の4thアルバム『0088』はフラゲして、相変わらず濃厚な妖怪ロックに舌を巻いたのは確かだが、何となく機会を逃して紹介しないまま。ライヴも他との被りで行けず仕舞いで、1年半もご無沙汰してしまった。昨年半ばは『あまちゃん』とアイドルに関心が向いていたので、暑苦しいプログレサウンドに着いて行けなかったのかもしれない。MVが本人出演なしのアニメだったせいもあろう。



で、今年の初夏。でんぱ組の躍進とBiSの解散で、アイドル熱(フィーヴァー)が多少落ち着き、大森靖子がメジャーデビューを決め、キノコホテルとアーバンギャルドが新作をリリースし、女子アーティストへの懸念が解決し一段落したところで、さて男子諸君は如何?と見回してみたところ、灰野敬二や非常階段ら地下音楽、クロマニヨンズやThe Birthday、浅井健一らロケンロー勢の健在ぶりに比べ、若手バンド男子はイマイチ刺さらないことに気付く。長くてヘンテコな名前のバンドを勉強してみたが、気になるのはゲスの極み乙女。Czecho No Republic、テスラは泣かないなど女子メンのいるバンドばかり。男子オンリーのバンドはGEZAN、BO NINGENを除けば記憶に残らない。心に残る女子禁制バンドはおらんかのぉ?と考えていたところに八八新作情報が届いた。無性に観たくなりきゃりーと被り無理な「八×八祭」の十日後八月十八日に「八十八祭」があることを知り、四の五の言わずに即予約。



お盆明けの平日月曜日、一年でも最も憂鬱な哀愁のマンデイ/I Don't Like Mondays と言えるかもしれない。そんな日に希代の変態バンドを観に来るのは、大半がうら若き女子群。前髪ぱっつんサブカル女子風が散見され、アーバンギャルとの近似性も指摘出来よう。てか、マジ女子ばっかで、一昨日に続きステージの見晴らしが良い。それは大歓迎だが、GEZANにしろBO NINGENにしろ、お気に入りの男子バンのフォロワーが女子ばかりなのは、一体どうした訳だろう?筆者の感性が二周り以上年下の女子とリエゾンしてしまうのは、世界が今、若輩女子中心に回っていることの証か?男子諸君は最早アイドルかボカロかコミケにしか現れないのか?バンド男子を探すより、一般男子の素行調査をするべきかもしれない。



新作『攻撃的国民的音楽』英語にすれば"Aggressive national music"は、正にタイトル通りアグレッシヴなサウンドが躍動する傑作。前作『0088』は、ある意味高圧的でエリート的な難渋さが挑戦状のようなコンセプトがあったが、今作は攻撃的だが、タイトル通り国民=ファンに判り易い音楽を展開している。1曲目「赤い衝撃-R.I.P.-」こそ好例で、凄まじく複雑怪奇なバンドアレンジに関わらず、哀感たっぷりの力強いメロディーが心にストレートに突き刺さる。判り易いことやポップであることを追究するために、難解さや変態性を捨てる必要はないことを証明している。普通のレコードやCDに比べて情報量と音数が十倍以上詰め込まれた八八サウンドがたっぷり堪能出来る。



それはライヴでは更に顕著になる。怒濤という画数の多い漢字を音楽にしたのが八八のライヴ演奏だといっても過言ではなかろう。"愛国心はあるか?貴様ら。"と問われて「イエス」と答えるのに、誰でも一瞬躊躇うに違いない。躊躇という漢字を音にした濃さと重さも共有するのが八八の世界である。世界が崩壊する様を断言調、疑問調、命令調で歌う歌詞と、中指立てて日本万歳!と叫ぶ煽りの真意は、本人に語って欲しいところだが、八八は極端にメディア露出が少ないことで有名である。楽曲と演奏の情報量だけで、あとは聴き手に任せる姿勢は、実際は表現者にとっての理想郷なのかも。音楽よりも言葉が先んじるSNS世代に対する警鐘といえるかもしれない。

▼新MV「攻撃的国民的音楽」⇒写真をクリック


八十八ヶ所巡礼公式サイト

八八の
ライヴを観た夜
脳が痛い

▼物販グッズも極端に少ない。左)今回の目玉グッズ:LiveCDと団扇/右)3年前のオヘンロさんが最も喜ばれそうなグッズだった。
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クイーン/アヴリル・ラヴィーン/きゃりー/森高千里/BANKS@SUMMER SONIC 2014.8.17(sun)

2014年08月19日 00時40分38秒 | ロッケンロール万歳!


SUMMER SONIC 2014
サマーソニック2014


[日程]2014年8月16日(土) 17日(日)
[会場]QVCマリンフィールド&幕張メッセ



先日夏フェスにアン●な意見を呈したが、実情を知らずにディスると、下衆なア×チヲタと同レベルになってしまうので、都市型フェスの草分けサマーソニックことサマソニに参戦してみた。サマソニは2005年以来二度目。


Summer Sonic 05へ行ってきたよ

海浜幕張駅から幕張メッセまで灼熱の太陽の下を歩く苦行を経て会場入。昼過ぎだったので待ち列もなくスムーズに入場できて好印象。SONIC STAGEへ向かう。

●きゃりーぱみゅぱみゅ


メッセで観るのは5月のKAWAii!! NIPPON EXPOに続き二度目。前回はアイドル対バンだったのでサイリウム舞うきらきらライヴだったが、サマソニは光り物なし、舞台装飾なしのストイック空間。きゃりーは男気エキスを注入したパワーを発揮し、入場制限と物見高いフェス客のぎこちない振付けを引き出すユニークな現場をクリエイトした。
きゃりー/でんぱ組/赤い公園etc.~KAWAii!! NiPPON EXPO 2014@幕張メッセ 2014.5.10(sat)

●BANKS


MOUNTAIN STAGEでアメリカのシンガーソングライターBANKSのステージ。予備知識なしだったが、ジョニ・ミッチェルとポーティスヘッドとアニマル・コレクティヴの嫡子と言えるクールな情念が漲る。クリスタルな歌声は凛とした表情を見せるが、MCの可愛らしさは女子力たっぷり。きゃりーやでんぱ組のいない米国では、彼女のようなオルタナ女子が萌えの対象なのかもしれない。

●森高千里 with Tofubeats


フェス飯タイムの後、RAINBOW STAGEへ。森高はアイドル系のリミックスも手がけるtofubeatsこと河合佑亮とのユニットでダンスビートを歌う。まったく衒いのないまーっすぐな歌声はアゲ系テクノによく馴染む。1曲しか観れなかったが、それで必要十分条件を満たしてくれた。



●アヴリル・ラヴィーン


シャトルバスでMARINE STAGEへ移動。1Fスタンド席に場所を定める。丁度アヴリル・ラヴィーンが始まった。カラフルなチュチュを着て「カワイイ!カワイイ!」と歌う。「Hello Kitty Hello Kitty」が「ハラキリハラキリ」と聴こえて前日のアーバンギャルドと被る。12年前のデビュー当時はやんちゃなヤンキー娘という印象だったが、30歳になった今でもやんちゃっぷりは変わらない。アメリカン女子ロックの神髄に触れた。

●クイーン+アダム・ランバート


2005年にポール・ロジャース(フリー/バッド・カンパニー)と共に来日して以来9年ぶりの来日。アメリカのオーディション番組出身のアダム・ランバートを新ヴォーカルに迎えた。P.ロジャースのように強烈な個性がないので、クイーン・ワールドにすんなりハマる。おまけにゲイっぽさがフレディ・マーキュリーの後任にピッタリ。映像のフレディと共演する趣向もあり5万人のファンを沸かせた。



結局未知との出会いはBANKSだけだったが、頭に花輪を付け顔にサマソニ・タトゥーシールを貼った十代女子グループがクイーンに熱狂する様子を見て、フェスファンも悪くないな、と思った日曜日だった。

来年も
行ってみようか
夏フェスに


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