A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

エアロスミス@東京ドーム 2011.11.28 (mon)

2011年11月30日 00時20分24秒 | ロッケンロール万歳!


結成40周年!今なおオリジナル・メンバーで君臨する世界最高峰のロックバンド、7年振りに来日!2004年にザ・フーも参加したイベント「ロック・オデッセイ」で来日して以来。ライヴ・レポートは他に色んな人が書くと思うのでここでは個人的なエアロスミスの思い出を綴ろうと思う。

1970年代半ば、中学生の頃ラジカセ・ブームがあり、私も「がきデカ」がキャラクターで「男は18センチ」というキャッチ・コピーの松下電気製の大型スピーカー付きラジカセを購入、日々エアチェックに没頭した。そして出会ったのが洋楽ポップスの世界である。初めてエアチェックしたのがジョン・デンヴァーとビーチボーイズで、アメリカの広大な大地と青い空に憧れたものだ。毎週「オール・ジャパン・トップ20」というせんだみつおさんがDJのチャート番組をチェックして最新のポップス/ロックを吸収した。レコード屋にも出入りするようになり、飾ってあったキッスのポスターのおどろおどろしい化粧姿に衝撃を覚え、ミュージック・ライフや音楽専科などの音楽雑誌を読み耽りどんどんロックの世界に惹かれていった。

毎月の小遣いを貯めて最初に買ったLPはジョン・デンヴァーの2枚組ライヴ。次にビーチボーイズの「イン・コンサート」。その次がキッスの「地獄の軍団」。そして栄えある(?)4枚目がリリースされたばかりのエアロスミスの「ロックス」だった。実はクラシック好きの父がレコード屋で貯めたポイントでプレゼントしてくれたのである。父はその店の常連だったようで、お店のサービスでエアロスミスのポスター・パネルを貰った。LPは黒いエンボス加工のジャケットに金の帯が映えるジャケットがカッコ良かった。1曲目の「バック・イン・ザ・サドル」からファンキーでワイルドなサウンドが流れ出し、ポップで分かりやすいキッスのサウンドとは異質の「ヤバさ」を感じた。誰だか忘れたがライナーノーツが歌詞の対訳を交えたエッセイのように綴られており、隠された卑猥な意味やダブル・ミーニングなどが解説されていて、「ロック=危ない魅力」を中坊の私の頭に叩き込んでくれた。今でもあれほどインパクトのあるライナーノーツはないと確信している。

しかしひねくれ者の私は他の友達のようにキッスやエアロスミス、そのルーツであるパープルやツェッペリンを追求することはなく、ジョニー・ウインターやジェネシスにかぶれ、高校受験の頃にはパンク・ロックの洗礼を受ける。当時98,000円もしたグレコのファイアーバード・モデルを買い、卒業式でドラムレスのロック・バンドでキッスの曲を演奏した。高校へ進学してから中学時代の友達とヤマハのロック・コンテストに出演することになり、そこで演奏したのがエアロスミスの「ドロー・ザ・ライン」だった。高校ではパンク・ロック一本槍でハードロックを聴くことはなくなった。だから私のハードロック体験はキッスの「ラヴ・ガン」とエアロスミスの「ドロー・ザ・ライン」で一旦休止している。

大学へ入ってから音楽サークルに所属しロック三昧の日々を送る。遊びで数々のコピー・バンドに参加した。その中の一つがアロエスミスというエアロスミスのコピー・バンドだった。1978年の2枚組ライヴ・アルバム「ライヴ・ブートレッグ」収録の曲をコピーした。ハードロックというよりブルージーなファンク・ロックとしての彼らの魅力を改めて実感した。

「ライヴ・ブートレッグ」以降のエアロスミスのレコードは聴いていないので、映画「アルマゲドン」のテーマ曲「ミス・ア・シング」や「ジェイデッド」、「エンジェル」といったヒット曲以外はほとんど知らない。それでもスティーヴン・タイラー(Vo)、ジョー・ペリー(G)、ブラッド・ウィットフォード(G)、トム・ハミルトン(b)、ジョーイ・クレイマー(ds)というオリジナル・メンバー5人のカッコ良さは強烈に印象に残っている。



エアロスミスのライヴを体験するチャンスは今まで2度あった。1回目はアメリカで開催されたウッドストック’94でのことである。初日の深夜に彼らがトリを務めたが、私はホテルへ帰るタクシーの手配で演奏を聴くどころではなかった。花火が上がってフェスティバルの空を飾っていたことだけ覚えている。2度目はロック・オデッセイの時である。ザ・フーを観て満足してトリのエアロスミスは観ないで帰った。だから彼らのステージをちゃんと観るのは今回が初めてである。もう還暦を過ぎた5人だがルックスもステージングも衰えることなくエネルギッシュなパフォーマンスを観せてくれた。スティーヴンのしゃがれたシャウト、ジョー・ペリーのブルースに則ったプレイは相変わらず強烈だ。各自のソロがあり、その間他のメンバーが休憩するのはご愛敬。7割が知らない曲だったが「ドロー・ザ・ライン」「ラスト・チャイルド」「ママ・キン」「スウィート・エモーション(邦題:やりたい気持ち)」、アンコールは「ドリーム・オン」~「トレイン・ケプト・ア・ローリン(ブギウギ列車夜行便)」~「ウォーク・ディス・ウェイ(お説教)」と懐かしのナンバーもやってくれて大満足の2時間半だった。



飛べ!エアロ
アロエ・ドリンクを
飲みながら

会場で大学時代のサークルの友人に再会した。一遍に気分は10代に戻っていた。
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蝉/マヘル・シャラル・ハシュ・バズ他@幡ヶ谷 Forest Limit 2011.11.26 (sat)

2011年11月28日 00時32分15秒 | 素晴らしき変態音楽


写真家の田中慎一郎氏主催の「ライフワークスvol.15」。蝉のレコ発も兼ねていて、他にマヘル・シャラル・ハシュ・バズ、アルフレッドビーチサンダル、ザ・ムンズが出演。Forest Limitは初めてだったが、Plan Bくらいの大きさ、コンクリートむき出しの壁でステージはない。Plan Bのように舞踏/ダンス/講演会などでも使える多目的ホールだ。会場の壁には大きく引き延ばした田中氏による出演者のポートレイトが飾られている。

高をくくって開演時間ギリギリに行ったら場内は若者で満員。どうやらアルフレッドビーチサンダルとザ・ムンズが若い世代に支持されているようだ。また田中氏の写真関係のお客もかなりいた模様。場内喫煙可なのでバーカウンターの辺りは煙が酷くて私のような非喫煙者には堪え難い。人を掻き分け前の方へ移動する。

1番目はザ・ムンズ。g&vo、女性b、dsのトリオだが、途中から謎の男性が参加して身体にビニールテープを巻くパフォーマンスを人知れず(笑)やっている。はっきりした日本語ヴォーカルとファズ・ギターが特徴のJ-Rockバンドで悪くはないが、飛び抜けた個性がないのが残念。



ザ・ムンズが終わったところで最前列へ。なんだか大掛かりなセット・チェンジだな、と思ったら長谷川真子さんがバスーンを組み立て始める。てっきりトリ前だと思っていたマヘルが2番目だった。この日のマヘルは鈴木美紀子嬢g、長谷川真子嬢basoon、女性ピアニカ、女性vln、ts、ds、b、tp、アコーディオン+工藤冬里氏vo&gの10人編成。私の目の前にセッティングしてあったメインマイクを工藤氏がドラムの後ろへ移動させる。楽曲ごとに工藤氏が「あなたははこう」という風に一人一人フレーズを指定して、それを重ね合わせ曲に仕上げて行く。適当なようでアンサンブルになると不思議に絡み合った室内楽ポップになるのは工藤氏の天才故。その上に震災以降の工藤氏のスタイル=詩の朗読風ヴォーカルを乗せていく。後半には「休日出勤」や「草枕」といった既成曲を演奏。即興性と構築性が同居した興味深いライヴだった。



3バンド目はアルフレッドビーチサンダル。vo&gの北里氏のワンマンユニット。この日はg&keyと女性ソプラノサックスを加えたトリオによる演奏。黒ぶちメガネで"草食系"を絵に描いたような北里氏の佇まいと歌が会場を満たしていく。曲調はボサノバ風フォーキー。「ドリフのコントのように笑いと哀しさが同居した曲をやりたいんです」と北里氏。ソプラノサックスが優しいフレーズで効果的に曲を引き立たせる。個人的には趣味の範囲外のサウンドだがこういうバンドが必要なことは理解できる。



トリが"博多のラリーズ"の異名を取る蝉。以前から"函館のラリーズ"=シベールの日曜日、"浜松のラリーズ"=UP-TIGHTと並んで語られていたが聴くのは初めて。g、b、dsのトリオ編成でヴォーカルのないインスト・バンドだった。照明がドラムにしかあたらない暗闇の中、観客に背を向けてギターとベースがワン・コードでグルーヴィーなサイケデリック・ロックを延々と展開する。このスピード感はラリーズというよりハイライズを思わせる。聴いていて思い出したのは昔バンドをやっていた頃リハーサルの前に肩慣らしとして同じようにサイケなジャムをしていたこと。クリーム風とかジミヘン風とかクリムゾン風などと名付けて展開する演奏は「曲」をやるよりよっぽど楽しかった。ただそれが単なる自己満足に終わるか外へ発散する表現となるかは大きな違いである。蝉の演奏は放出するエネルギーと創造性の高みから繰り出される強い意志のパワーで立派な「表現」として成り立っているのが凄い。ところでもう"ラリーズ"の枕詞を使うのはやめましょうよ。全然別モノだからして。



表現の
形もいろいろ
あるものだ

4バンドともタイプの違うバンドで思いのほか楽しめるイベントだった。
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アルタードケイジ=アルタードステイツ+灰野敬二@新宿ピットイン 2011.11.25(fri)

2011年11月27日 01時01分19秒 | 灰野敬二さんのこと


内橋和久氏(g,electro)、ナスノミツル氏(b)、芳垣安洋氏のトリオ、Altered Statesの秋の3デイズの二日目。灰野敬二さんをゲストに迎えアルタード刑事いやもとい、アルタードケイジとしてのライヴ。個々のメンバーとは共演歴はあるが、意外なことにアルタードステイツとしては初の共演だという。私もそれぞれバラバラでは観たことがあるがトリオでみるのは初めてなので期待していた。

ステージは左から芳垣氏、ナスノ氏、中央に灰野さん、上手に内橋氏という並び。私は内橋氏の真正面に座る。前説で内橋氏が「今日はアルタードステイツではなくアルタードケイジという新バンドでの演奏です」と宣言。灰野さんの爪弾きからすぐに4人の爆音インプロヴィゼーションへと突入。予想通り灰野さんと内橋氏のギター・バトルが炸裂。灰野さんの激しいアクションから繰り出されるプレイに、内橋氏は鋭角的でノイジーなフレーズで応酬する。ナスノ氏は灰野さんの後ろで影の支配人のような雰囲気を醸し出していて面白い。芳垣氏の嵐のようなドラミングも凄い。このハイテンションを保ち続けるのはさすが。内橋氏はあまりのハードプレイに弦を切ってしまった。1st Setは全編インストで40分で終了。

休憩中に急遽内橋氏の前にモニタースピーカーが設置される。「灰野さんの音が大き過ぎて自分の音が聴こえない」と内橋氏。

2nd Setを始めようとすると灰野さんのアンプのスイッチが入らない。「そのままでいいよ」とチャチャを入れる内橋氏に「ヴォリューム10にしよう」と応える灰野さん。灰野さんがフレットレス・ギター、内橋氏がテレキャスターでスタート。お互いヴォリュームを上げたようで、内橋氏のアンプの音が直接耳をつんざき灰野さんの音が余り聴こえない。灰野さんがヴォーカルを入れる。"灰野敬二 b/w アルタードステイツ"の様相を呈する。前日のアルタードステイツのワンマンを観た知人に尋ねると、この日の演奏はかなり灰野さんに寄ったもので、特にナスノ氏のベースがキーになっていたとのこと。しかし音量合戦になるとはね~。50分に亘るノン・ストップの演奏後、内橋氏は「耳が完全にやられて何も聴こえません」とMC。そのためアンコールは灰野さんがフルートを吹き、しっとりとした演奏。



楽屋に灰野さんに挨拶に行き、内橋氏の真ん前で灰野さんの音が聴こえなかった旨を話すと、灰野さんがガバッと立ち上がり「それは重要。内橋君に伝えなきゃ」と会場に連れて行かれ、内橋氏に「ほら俺の音が聴こえなかった人もいるよ」と変な紹介をされた。「そりゃ最前列でアンプの前に座ってれば仕方ないですよ」と内橋氏。気心の知れたメンバーだからか灰野さんは「俺が長男だからな」と実に楽しそうだ。そういえば2nd Set終了後「明日は超歌謡で歌モノです」と内橋氏が告知すると、すかさず灰野さんが「3人が歌うんだよな」とツッコミを入れていた。こういうやり取りをステージで見せるのは灰野さんとしては珍しい。よっぽどリラックスしていたのだろう。年齢で行くと灰野さん→芳垣氏→内橋氏→ナスノ氏の順だそう。「アルタードケイジ、素晴らしかったので是非またやってくださいね」と伝えて会場を後にした。

この4人
アルタード刑事
楽しげに

ピットインには珍しい大音量のライヴだった。
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灰野敬二/Wabo-Chao/鳥を見た@高円寺 Club Mission's 2011.11.24(thu)

2011年11月26日 00時23分07秒 | 灰野敬二さんのこと


「高円寺Misson’s presents The elevated fate」というイベント。10月23日のUFO Clubのあと海外ツアーに出ていた灰野さんの一ヶ月ぶりの凱旋ライヴ。久々に轟音ギターのシャワーを浴びることができると思うとワクワクする。

トップ・バッターは”即興垂れ流しバンド”ゴイゾンだったが、間に合わず観れなかった。

次の鳥を見たから観戦。なかおちさと氏(vo,g)にバリトン・サックス、ベース、ドラムスの4人組の演奏を観るのは3回目になる。基本的になかお氏のフォーク調の歌メロにノイズ・ギターとアヴァンギャルドなサックス、骨太なヘヴィ・ロック・リズムが絡む音楽性は裸のラリーズの流れを汲む。サイケデリックな轟音ジャムもいいが、個人的には抒情的なメロディをもっと押し出してもいいと思う。あと一息、といったところ。



続いてWabo-Chao。宮下敬一氏(g,synth)、田畑満氏(b)、藤掛正隆氏(ds)よるインスト・トリオ。田端氏、藤掛氏はそれぞれ別のバンドで観たことがあるが、宮下氏を観るのは初めて。パワフルな藤掛氏のドラムに動きの多い田畑氏のベース、そして柔軟な宮下氏のギター。演奏は殆ど即興だが、プログレ的な流れがあり盛り上がるととてもファンキーなサウンドで自然に身体が動く。ROVOやPARAにも似たグルーヴィかつ変態的なインスト・バンドでなかなか良かった。



トリに灰野さんの登場。ステージ前のスクリーンが上がる前にガーンと轟音ギターが鳴り響く。この音を一ヶ月間待ちわびていたのだ。照明はほぼ真っ暗な中スモークが焚かれ灰野さんのシルエットが浮かぶ。長い髪が僅かな照明に透けて見えるのが美しい。ひとしきりギターが叫んだあとヴォーカルへ。ドラムマシーンのエスニックなリズムに乗せて竹の笛を吹き歌を聴かせる。再び耳を圧するギター・ノイズ。ギターを置いてドラムマシーンとヴォーカル。1970年代から続く「うまくできない!」というブレない絶唱。そしてまた激しいギターのストローク。神々しいステージを1時間たっぷり堪能した。



灰野さんは2日前にロシア・ツアーから帰ってきたばかりだという。11月初めのペーター・ブロッツマンとのヨーロッパ・ツアーからいったん日本へ戻ってロシアへ行ったとのこと。11月下旬には再び渡欧する予定、という時差ボケにかかっている暇もない忙しさ。来年はもっと過酷なツアーが待っているとのこと。「でもユーロが弱いからあんまりいい稼ぎにはならないよ」と嘆いていた。

翌日はAltered Statesとの共演。「明日は左手のギタリストになるよ。今日は右手の(と言ってストロークの仕草をする)ギターだったけどね」。ということはかなりテクニカルなプレイが聴けるのだろう。内橋和久氏とのギター・バトルが観られるか?

灰野さん
忙しすぎる
気をつけて

鳥を見たの東郷生志氏、Wabo-Chaoの藤掛正隆氏、どちらのドラマーも灰野さんと共演経験がある、というのも奇遇なイベントだった。
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クイーン展「QUEEN FOREVER」@東京タワー 2011.11.23(wed)

2011年11月24日 01時21分22秒 | 音楽ちょっといい話


今年結成40周年を迎え、いまも世界中で熱狂的な人気を誇る伝説のロックバンド、クイーンの秘蔵映像やゆかりの品などを展示した「QUEEN FOREVER」展が、この日から始まった。

イギリスの人気音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」やコンサートでのパフォーマンス、さらには1975年の初来日時の模様などを収めた貴重映像のほか、メンバーが着用した華麗なコスチュームの数々が展示されるほか、クイーン関連のCDやグッズを販売するメモリアルショップも併設され、会場はバンドの結成40周年を記念する祝賀ムードに包まれた。


展示コーナーのアイテムには、フレディ・マーキュリーが1976年に開催されたロンドン・ハイドパークでのライブにて着用したバレエ・シューズや、同年の来日公演のアンコールにて、ホットパンツの上に羽織っていた着物、70年代前半にフレディがメインの衣装として着用していた、ザンドラ・ローズがデザインした白いケープとパンツなどが含まれる。


会場内のメモリアルショップでは、Tシャツやタオルといったオフィシャル・グッズに加え、クイーンがアルバム『オペラ座の夜』リリース後に実現した、1976年の2度目の来日公演にあわせて出版された、人気音楽雑誌の臨時増刊号「MUSIC LIFE 1976年臨時増刊 クイーン・デラックス号」の復刻版が限定販売されている。


開催翌日の11月24日は、1991年に45歳の若さで亡くなったフレディの20回目の命日。会場にはフレディに捧げる献花台とメッセージボードが設置されている。

また東京タワー近くの東京プリンスホテルではクイーンが来日時に日本茶などを楽しんだ日本庭園が特別に開放され、当時と同じセッティングで東京タワーをバックに写真を撮れるというサービスも。クイーン・ファンならずともロック好きならたっぷり満足できる展覧会だ。12/11まで開催。



フレディの
魂残る
永遠に

往年のファンが子連れで観に来ている姿が目立った。クイーンの素晴らしさは世代を超えて継承されて行く。
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【混ぜるな危険】 ビートルズ全楽曲を混ぜるとカオス状態な件

2011年11月23日 01時31分07秒 | 素晴らしき変態音楽


ビートルズと言えば、1960年代~70年代にかけて一世を風靡したイギリスのロックバンドだ。その楽曲は今でもなお人々を魅了し続け、様々なアーティストがカバーやアレンジをしているまさに名曲である。

イギリス人のDJが全ての楽曲を使ったアレンジ曲を発表した。その気合いは賞賛ものだが、出来上がった曲がカオス状態だと話題となっている。

ビートルズの曲のミキシングに挑戦したのはイギリスのDJ Ramjacさんだ。アルバム14枚分の曲を全て聞いた上で、全ての楽曲を合成。226個のトラックを混ぜ合わせたとんでもない超大作「All Together Now – Everything the Beatles ever did」を完成させてしまった。まさにビートルズの楽曲どおり『All Together Now』状態だ。

聞いてみると、かろうじて『Revolution 9』、『Hey Jude』、『She’s So Heavy』は聞き分けられ、そこはかとなくビートルズ感は出てはいる。しかし中盤に差しかかるとどんどん曲が混ざってきて、まさにカオス状態。何とも形容しがたい異次元からの電波のような曲に仕上がっている。未来を先取りしすぎだ。

ネットユーザーからも「これは盛り込みすぎ」「自分の耳を疑った」「うわぁぁぁ!」などと反応している。確かにアイディアは素晴らしい。だが、聞き終わった後言いようのない疲労感に襲われたのは記者だけではなさそうである。
(Rocket News 24)

驚異のサウンドはこちらから→All Together Now – Everything the Beatles ever did

ジョン&ヨーコばかりじゃなくポールも当時前衛音楽にかぶれていたという。ジョンが今も生きていたら同じことをしたかもしれない。

混沌に
狂喜するのは
わたしだけ?

巷のノイズ・ミュージックを凌駕する音塊が想像力を刺激する。


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アーバンギャルドのディストピア2011@鴬谷・東京キネマ倶楽部 2011.11.20 (sun)

2011年11月22日 00時27分19秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


アーバンギャルド・ワンマン公演2days「アーバンギャルドのディストピア2011」の二日目。会場は先日キノコホテルを観た東京キネマ倶楽部。会場は赤い水玉模様の洋服やセーラー服の少女たちで満員。男性の姿もチラホラ。私は二階席でゆったりとソファーに座って観戦。

二日目は特別編成のUMO(アーバンギャルド・メンタルヘルズ・オーケストラ)によるステージ。UMOとはYMOのもじりでもあるのか。豪華なライヴの予感に心が弾む。

メンバーが登場すると黄色い歓声と水玉の旗で迎えられる。バルコニーから登場した浜崎容子嬢(以下よこたん)の衣装が凄い。フランス人形のようなベルサイユ感たっぷりの豪勢な赤いドレス。「かわいい~っ」と声が上がると「きれい、でしょ。そこ大事」とよこたん。一曲目から激しいテクノ・ビートによこたんのコケティッシュ・ヴォイスと松永天馬氏の弾けたパフォーマンスでアーバンギャルド・ワールドに引きずり込む。お馴染みのコール&レスポンスやヴァイオリンとチェロを交えた「スカート革命」、ブラボー小松氏とホッピー神山氏という80'sニューウェイヴの巨匠との共演、アコギとカホン+執事に扮したテレミンとスティールドラム二人組をバックにしたよこたんのソロ「月へ行くつもりじゃなかった」(この後よこたんは赤のワンピースにお色直し)、最新アルバム『メンタルヘルズ』からハードコア・ポップ・ナンバー「墜落論」、女性4人からなる"前衛都市コーラス隊"を交えて私のフェイバリット「ヴァガボンドヴァージン」と「ももいろクロニクル」(略してももクロ)。総勢17人のUMOの演奏は賑やかで楽しいったらありゃしない。天馬氏のアブナいMCとそれを軽く受け流すよこたんのやり取りも面白い。アンコールでよこたんはセーラー服で登場。やっぱりこれがないとね!



華麗な東京キネマ倶楽部の雰囲気にピッタリのきらびやかなライヴだった。演奏力はとても高いし個性の塊の歌の世界は唯一無二。来年3/20には「SHIBUYA-AXは、病気」と題したワンマン公演も決定。もっと多くの人に聴かれるようになればいいな。

Set List:
01. 恋をしに行く
02. 水玉病
03. コンクリートガール
04. オギノ博士の異常な愛情
05. スカート革命
06. リセヱンヌ
07. 傷だらけのマリア
08. 月へ行くつもりじゃなかった(よこたんソロ)
09. 都市は優しい(天馬ソロ)
10. いちご殺人事件
11. 墜落論
12. 粉の女
13. ヴァガボンドヴァージン
14. ももいろクロニクル
<アンコール>
15. プリント・クラブ
16.女の子戦争

よこたんに
惚れてしまった
どうしよう

連日の水玉攻撃に頭がクラクラしてきた。
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LSD March(feat.亀川千代)/オシリペンペンズ@東高円寺UFO Club 2011.11.19 (sat)

2011年11月21日 00時17分30秒 | 素晴らしき変態音楽


昼から新作TVドラマの試写会~ワタリウム美術館で「草間彌生 Kusama's Body Festival in '60s展」~アンケート調査~UFO Clubと、雨の中盛りだくさんなスケジュールだった。

草間彌生 Kusama's Body Festival in '60s展」は草間さんが1957年に渡米し60年代NYアート・シーンの寵児となり世界的に注目された時期にスポットを当てた展覧会。82歳の現在でも精力的に活動する前衛芸術家の全盛期の作品を観ることができる。当時からブレない水玉模様への偏執狂的な執着心に貫かれており、各地でのハプニングの写真や1968年の自作自演の映画『草間の自己消滅』の上映もある。4Fの「水玉崩壊」と題された水玉に彩られた部屋は草間さんの頭の中に侵入するような不思議な体験ができる。チケットはパスポートになっており期間中何度でも入場できるのでまた行ってみたい。


激しい雨の中UFO Clubへ。元ゆらゆら帝国の亀川氏が出演するのでちよちよガールズが多数押し掛け、前売はSold Out。私は開演10分前に着いたのだが何とか最前列を確保。

LSD Marchの登場。UFO Clubのミキサー/オシリペンペンズのマネージャーを務める道下慎介氏(vo.g)、元不失者の高橋幾郎氏(ds)のデュオに亀川氏(b)がゲスト参加。アシッド感漂うフォーキーなヴォーカルから思い切りファズを効かせたヘヴィ・サイケデリック・ジャムへと突入する演奏は関西サイケ・シーンのベテランならでは。そこに亀川氏の腰の据わったベースが加わり、強烈なグルーヴ感を醸し出す。道下氏のギターもいつも以上に激しい演奏だった。45分のステージ。



これで何度目になるのかオシリペンペンズ。かつて石井モタコ氏(vo)が腰までの長髪だった頃は客席へ乱入してゲロを吐いたり放尿したりするパフォーマンスに嫌悪感を持っていたのだが、数年前映画出演のために髪をバッサリ切り坊主頭になった頃からそうした演出に不潔感を感じなくなり、逆に爽やかなイメージを持つようになった。同時に中林キララ氏(g)と迎祐輔氏(ds)の卓越した演奏力がクローズアップされ、今では日本を代表するサイケデリック・バンドのひとつだと思っている。モタコ氏はこの日はゲロは吐いたが放尿はしなかった。最初からDJブースの上に乗って歌う。「オレはいつも通りやけど、バンドはめっちゃ気合いが入っとるからな」との言葉通り二人の演奏は凄い。それをへらへらした笑顔でいとも簡単にやってしまうところが驚異的。戸川純ちゃんの「バージンブスース」のカヴァーを歌詞を見ながら歌う。あとは来春リリース予定のニュー・アルバム収録の新曲も含めいつものペンペンズ節で60分のステージ。



後で知ったのだが、昭和歌謡や韓国サイケばかり大音量でかけていたDJは特殊漫画家の根本敬氏だった。

とがわじゅん
くさまやよい
おのようこ

妙にサイケデリックに染まった土曜日だった。
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マイナー音楽祭2011@渋谷 UPLINK FACTORY 2011.11.18(fri)

2011年11月20日 00時40分55秒 | 素晴らしき変態音楽


「1978~80年吉祥寺にあったジャズ喫茶「マイナー」は有象無象のミュージシャンを呼び込み、のちの日本のパンク、ニューウェイヴ、ノイズほかさまざまなシーンの源泉となったといっても過言ではありません。そこにかかわった故大里俊晴(ガセネタ、タコ、元横浜国立大学教授、2009年11月17日没)の三回忌(大里俊晴BOX『タカラネタンチョトタカイネ』5CD+1DVD発売)を記念して、吉祥寺マイナーに出入りしていらしたゆかりの方々とともにマイナー音楽祭を開催します」(公魚)

ゲスト:ECD、AYUO、工藤冬里、園田佐登志、竹田賢一、ジュネ/司会・企画:公魚(ポチョ☆ムキンコ[高橋智子]、柿野ぱち子[渡邊未帆])

2年前大里俊晴氏の逝去をきっかけに盛り上がる吉祥寺マイナー再評価。ちょうど非常階段30周年で光を当てられた京都どらっぐすとぅあと並んで1970年代末の混沌としたアンダーグラウンド・シーンの拠点であった。今回のイベントでは大里氏の著書「ガセネタの荒野」に登場する園田氏、工藤氏、ジュネ氏を始め、このシーンに深く関わった人たちをゲストに当時の知られざる真相や逸話を語るトーク中心に進行した。

当時明大現音ゼミを主催し"人を集めるだけで何もしなかった"(ガセネタの荒野より)園田氏は貴重なチラシや音源を収集しており、今までもことあるごとにこの時代の貴重な資料を紹介してきた。氏所有の1978年の灰野敬二さんとAYUO氏の共演の音源を試聴。灰野さんがMCで「祈りが足りない」と語っており、現在と全くブレていないことに感銘を受ける。

園田氏はいかんせん真面目一本槍の人なので、根がロッカーのジュネ氏や奇人の冬里氏と好対照を成す。当時ジュネ氏と冬里氏は高円寺でBlack Poolというロック・バーを経営していた鳥井ガク氏とWorst Noiseというバンドをやっており、そのバンドが後のThe Foolsの川田良氏に乗っ取られ、川田氏の繋がりでマイナー店長佐藤隆史氏と知り合い出入りするようになったとのこと。その頃はまだ小綺麗なジャズ喫茶の面影のあったマイナーが有象無象の変人が出入りし始め崩壊への道を辿ったこと。特に故金子寿徳氏がアブナいブツを持ち込んで全てが狂って行ったこと、などジュネ氏のトークが面白い。ジュネ氏と冬里氏の掛け合いはまさに私が学生時代のバンド仲間と飲む時のノリそっくりで微笑ましかった。


現在ラッパーとして活躍するECD氏は当時客としてマイナーに出入りしており外部から見たマイナー感について語ったが、私の持つ印象に近く共感を呼ぶ部分が多かった。

最後に司会の公魚の二人を含め全員で即興セッション。冬里氏は隅に座り込んで激しくギターを掻きむしる。ECD氏はサックスを演奏。最後にジュネ氏が乱入しテーブルを蹴り倒す暴力的なパフォーマンスで終了。15分ほどの演奏にはマイナーの香りが充満していた。



マイナーに
巣食う亡者の
同窓会

とにかくジュネ氏の話が面白かったので「ガセネタの荒野」に対抗するもう一つのマイナーの真実として書籍化して欲しい。
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突き抜けてしまった男のひとりごと~坂本慎太郎「幻とのつきあい方」

2011年11月19日 00時14分41秒 | 素晴らしき変態音楽


ゆらゆら帝国のラスト作「空洞です」以来4年ぶりの坂本慎太郎氏のソロ・デビュー・アルバム。マネキンと並んで視線の定まらない表情のジャケット写真からもわかるように、突き抜けた先の空虚感漂う孤独な私小説風作品集に仕上がった。

ここにゆら帝の持っていたダイナミズムやグルーヴ感を期待するのは間違いである。そのことは先行シングル「幽霊の気分で」を聴いたときから分かっていた。ヴォーカル、ギター、ベース、キーボードを坂本氏自身が演奏。まさにインドアポップスらしい隙間の多い音作りにボサノバやフレンチ・ポップスを思わせるメロディーがうわずった声で歌われる。それがありがちな取ってつけたようなおしゃれ感に陥らないのは、肉体から遊離したようなヴォーカリゼーションと独特の謎かけに満ちた歌詞ゆえであろう。サウンド面では不釣り合いなほど前面に出たベースと効果的に叩かれるコンガが印象的で、坂本氏の言葉によれば「フィリピン・パブのハコバンがスタンダードをやっているような」サウンドを作りたかったという。そのことはアルバムの初回盤に付属しているインスト・バージョンCDを聴けばより明白である。個性の塊である「歌」をはぎ取られた楽器(と女声コーラス)のみの演奏はまさにパブやレストランのBGMにお似合いな聴く者の邪魔をしない音楽なのである。

この辺の志向は”すべてをあきらめたあとでかすかに響く”音楽を聴かせた「空洞です」のコンセプトに通じる。”完全に出来上がってしまった”果てに解散したゆら帝の後、いったん原点に戻って自分が音楽をやりたくなるまで待ってから制作されたのがこの「幻とのつきあい方」である。”幻”とは坂本氏にとっての”音楽/ロック”であり、聴く者にとっての”坂本慎太郎”でもある。これから先この”幻”がどういう方向へ進むのか興味は尽きない。



声を大にして傑作!と叫ぶべき作品ではなく、坂本慎太郎というひとつの個性の結晶としてさりげなく聴かれるのが相応しい作品だと言える。

幽霊と
幻抱いて
宙を舞う

Disk Unionで購入すると先着で坂本氏デザインのトートバッグとZeloneレコードのステッカーが貰える。
コメント
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