A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

『ラジカセ for フューチャー: 新たに根付くラジカセ・カセット文化の潮流』6月10日発売

2016年05月30日 22時19分29秒 | 書物について


■タイトル: 『ラジカセ for フューチャー: 新たに根付くラジカセ・カセット文化の潮流』
■編著: 松崎 順一 + 熊谷 朋哉
■判型: ABサイズ・176ページ
■出版社: 誠文堂新光社 (2016/6/10)
■価格:2,300円+税
■ISBN978-4-416-71613-7

■企画について
世界的に、ラジカセとカセットテープへの熱い視線が集まっている。
ラジカセの中古市場価格は高騰し、レコードショップではアナログに続いてカセット売り場が新設され、また、世界各地にカセットテープ専門店が新たに出現。人気ミュージシャンたちもこれまでのCDやダウンロードに加え、カセットでのアルバムリリースを行い始めた。デジタル全盛の中、ラジカセやカセットテープというアナログなカルチャー/テクノロジーへの注目はなにを意味しているのか?
このブームの日本における仕掛け人のひとり、松崎順一(家電蒐集家)を中心に、2016年、最も新しいものとしてのカセット/ラジカセの現在と未来とを明らかにする。


■書籍内容詳細
アナログ・ルネサンス
いま、なぜラジカセとカセットか?/松崎順一
対談・宇川直宏 × 松崎順一 ── 声なき声を受信するラジカセ+カセットのエクトプラズム
ラジカセあるいはBoombox、もしくはゲットー・ブラスターとその復権/椎名謙介
デジタルのゲットーを破壊せよ ── 中西俊夫の語るラジカセとその未来
“チーズボイガー!”パンクとヒップホップが出会った時/椎名謙介
ヒップホップ小史 ── ラジカセが鳴らしたヒップホップ/水谷光孝
カスタム・ブームボックス・ムーヴメント/椎名謙介
ラジカセのグラフィズム/大和田良
あの頃のソニー、そしてラジカセ ── 音響機器の未来に向けて/清水潤一
YOU THE ROCK★ ── ラジカセ・マッドマックス
カセットを“弾き鳴らす”フランスの注目アーティスト ── テープトロニックの冒険
メディアとしてのカセットテープ~カセットテープの復権/佐藤薫
今野裕一 × 佐藤薫 ──『夜想』カセットブックを語る
“オルタナティヴ・ファッション・ワールド”としてのカセットブック ── TRA/ミック・イタヤ
“滑氷梨”── いま明かされるスケーティング・ペアーズの全貌/小暮秀夫
NEdSレコードからの挑戦
duenn
Zombie Forever
ヤン富田: Audio Science Laboratory Archives
C.E Cassettes
サード・ウェイヴのカセットテープ、そしてZINE/永井秀二
バーガー・レコーズ ── 新たなアメリカ・ミュージック・サクセス・ストーリー/井上由紀子
めくるめく地下音楽 ── 幻のカセットレーベルをめぐって/剛田武
カセットテープの音質あれこれ/白川幸宏
カセットテープの熱狂2016/岡村詩野
HMV record shop SHIBUYA 渋谷的カセット事情最前線/竹野智博
K太郎兄さんに捧ぐ、カセットの魔力と不思議/今村方哉


■著者について
松崎 順一:
家電収集家、そしてデザインアンダーグラウンド工場長。1960年東京生まれ。2002年にデザイン会社を退職し、2003年にデザインアンダーグラウンドを設立。東京・足立区内にファクトリーを構える。日本製ラジカセやレトロ家電の魅力を伝える“レトロフィッター”として、主に1970年以降の近代工業製品を発掘・蒐集し、整備・カスタマイズしてイベントやアート展を企画。

熊谷 朋哉:
編集者、プロデューサー。株式会社スローガン代表取締役。アート/音楽系の書籍や広告/イベント/展覧会等を数多く手がける。編著書に『Yellow Magic Orchestra×SUKITA』『四代目市川猿之助』『坂本龍一+編纂チーム/いまだから読みたい本・3.11後の日本』『デヴィッド・ボウイ・アーカイヴ』『中西俊夫自伝/プラスチックスの上昇と下降、そしてメロンの理力』、展覧会に『Time - David Bowie by Masayoshi Sukita』等多数。


■撮影: 大和田良
■デザイン&DTP: 渡部伸(SLOGAN PK2)
■協力: 石塚康彦、ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

■販売リンク:
AMAZON
http://www.amazon.co.jp/dp/4416716133
楽天
http://books.rakuten.co.jp/rb/13854553/
セブンブックス
http://7net.omni7.jp/detail/1106654591
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【動画公開】ファウスト/灰野敬二/PHEW/明天即興@TOMORROW FESTIVAL 中国 深セン

2016年05月28日 01時46分35秒 | 灰野敬二さんのこと

Photo by Ye

第三届明天音乐节 3rd Tomorrow Festival Shenzhen China
2016.5.11 - 5.15
B10现场(深圳市南山区华侨城创意园北区C2栋北侧)
B10 Live (North Side of Building C2, North District of OCT-LOFT, Shenzhen)

去る5月14,15日に灰野敬二が出演した中国深センの『第3回明天音楽祭 TOMORROW FESTIVAL』の公式動画が公開された。アーティストのパフォーマンスとともに、現地の観客の姿も映され、現代中国の極端音楽・実験音楽への熱狂ぶりが実感できるだろう。

2016.5.14 sat
●faUSt ファウスト


ファウスト+灰野敬二@中国 深センTOMORROW FESTIVAL 2016.5.14(sat)

faUSt 《It's rainyday(sunshinegirl)》――3rd Tomorrow Festival- Live160514



faUSt 《Listen to the fish》 ――3rd Tomorrow Festival- Live160514



2016.5.15 sun
●灰野敬二 Keiji Haino

Photo by Ye
灰野敬二/明天即興@中国 深センTOMORROW FESTIVAL 2016.5.15 (sun)

Keiji Haino 《ここ(Here)》――3rd Tomorrow Festival- Live160515



●明天即兴 Tomorrow Improvisation Unit
Photo by Bullet

Tomorrow Improvisation Unit ――3rd Tomorrow Festival- Live160515


明日祭り
極端音楽
交歓会


L to R:Mamer, Jean Hervé Péron, Werner "Zappi" Diermaier, Zhang Dong, Maxime Manac'h

2016.5.12 thu
●PHEW フュー
Phew―3rd Tomorrow Festival- Live160512


●马木尔 / 张东 / 李剑鸿  Mamer / Zhang Dong / Li Jianhong
Mamer/Zhang Dong /Li Jianhong ――3rd Tomorrow Festival- Live160512
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山崎怠雅/鳥を見た/魔術の庭/山崎怠雅グループ/山崎怠雅クインテット@高円寺Mission's 2016.5.25(wed)

2016年05月27日 09時10分55秒 | 素晴らしき変態音楽


Koenji Mission's 9th Anniversary!!
山崎怠雅×高円寺Mission's 9th anniversary
「生れて、すみません。」


ACT:山崎怠雅/鳥を見た/魔術の庭/山崎怠雅グループ/山崎怠雅クインテット
【DJ】花ヲ(ジンギスパンチ)
OPEN18:30 START19:00 CHARGE20日間通し券 ¥3,500 /前売1日券 ¥2,000 / 当日 ¥2,500 [+1Drink ¥500]



マーシャル・アレン師が地球到着92年を祝った5月25日は、山崎怠雅の誕生日でもある。シンガーソングライター、ギタリスト、ベーシスト、フォーク歌手といくつもの顔を持つこのミュージシャンが、自ら参加する代表的プロジェクト5組を一堂に会する生誕イベントを企画した。イベントタイトル「生れて、すみません。」は太宰治の『二十世紀騎手』(昭和12年)の中の言葉。山崎は昔嫌いだった太宰を最近になって読むようになったと言う。
青空文庫『二十世紀騎手』

●山崎怠雅

(写真の撮影/掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

まずは最も静かなフォークギター弾き語りソロ。他のバンド活動や風貌からは想像しがたいジェントルでリリカルな歌声を聴かせる。フィンガーピッキングを多用するギタープレイも素晴らしい。ドノヴァンの「ハーディガーディマン」の日本語カヴァーを披露した。

山崎怠雅 - 太陽@JETROBOT 2013/08/11 Taiga Yamazaki



●魔術の庭


Fukuoka Rinji: vocals, guitar/YAMAZAKI Taiga: guitar/Louis Inage: bass/Morohashi Shigeki: drums
90年代地下ロックシーンで活躍した福岡林嗣が率いるサイケデリックロックバンドOverhang Partyは、筆者も好きでライヴに通っていた。同じ頃山崎もよく観ていたというから、どこかで遭遇していたかもしれない。2008年に発展的に魔術の庭になってからも我が道を行く活動を続けている。山崎が加入したのは2013年12月から。ツインギターの轟音ロックが耳に突き刺さる。この日はピンク・フェアリーズのカヴァーを含むガレージインストロック中心のセトリ。

魔術の庭 Majutsu no Niwa - Club Mission's 22 October 2015 -

.es(ドットエス)/インキャパシタンツ/魔術の庭@新大久保Earthdom 2013.12.14(sat)


●鳥を見た


なかおちさと(G.Vo.Sax)/山崎怠雅(B.)/東郷生志(Dr.)/浅野廣太郎(SAX)
詩人/シンガーなかおちさとを中心とする4人組。初めて山崎を観たのが2011年2月高円寺Mission'sでの鳥を見ただったので、彼はベーシストだと思い込んでいた。ジャック・ブルースばりにSGベースを弾きまくる山崎を始め、ドラム東郷もバリトンサックス浅野も相当の実力派だが、このバンドの核はなかおの歌とギターである。文学的な歌詞は漫画『ガロ』の世界に通じるレトロな感覚を感じる。この日は特に破滅的なパフォーマンスで会場の空気を痺れさせた。

鳥を見た - Little Red Rooster@Club Mission's 2015/02/09 toriwomita

灰野敬二+亀川千代+kiyasu/鳥を見た他@高円寺 Club Mission's 2011.2.17 (thu)


●山崎怠雅グループ


山崎怠雅(vo,g)/なるけしんご(b)/片野利彦(ds)
山崎本人の名前を冠したロックトリオ。大音量のハードロックをやるために結成したという。サイケデリックなファズギターが最大限に発揮される。その一方で、日本的な叙情を讃えた歌メロディーが印象的。灰野敬二のTHE HARDY ROCKSのリズム・セクションでもなるなるけと片野は、そんな山崎の世界に対抗するように激烈なプレイで応戦し、このトリオがサイケでもハードロックでもない唯一無二の「ROCK BAND」であることを宣言している。

山崎怠雅グループ「百夜」



●山崎怠雅クインテット


山崎怠雅 (vo,g)/伊藤 きんぐ 昭彦(Ag)/浅野廣太郎(sax)/小池 実(Bass)/井上順之介(Dr)
山崎のリリカルな面を拡大するのがこの5人組。独特のアンサンブルの編成は歌の魅力を惹き立てる為に効果的。伊藤のコーラスワークは、フォークがフォークロックに移行した時代を思わせるし、浅野の前衛的なバリトンサックスは、ジャズミュージシャンがポップスの伴奏に参加した50/60年代の空気感を持つ。しかし過去の繰り返しとは異質のエヴァーグリーンなサウンドを生み出す才能は、山崎を始め百戦錬磨の演奏家揃いのメンバーならでは。

山崎怠雅 「北」


延べ3時間近いロングイベントを走り切った後にはイチゴ満載のバースデーケーキとMission's特製鍋料理で誕生日を祝った。

誕生日
ロック尽くめで
おめでとう

5/27(金) マウントレーニアホール渋谷
『第伍回 真夜中のヘヴィロック・パーティー』
あヴぁ階段/上野階段/キノコホテル/土屋公平 with JAH-RAH/No Lie-Sense/山崎怠雅グループ/ROLLY+和嶋慎治/蛸地蔵



6/25(土)KOENJI HIGH
THE HARDY ROCKS

灰野敬二 / Vocal 川口雅巳 / Guitar 山崎怠雅 / Guitar なるけしんご / Bass 片野利彦 / Drums



“born to be wild”そのものの灰野敬二がおのれの原点の曲を選んでヴォーカリストに徹し、自分の子供世代のメンバー4人と挑むロックのネクスト・レベル。水原弘も、城卓矢も、天知茂も、ステッペンウルフも、ビリー・ホリデイも、ドアーズも、スペンサー・デイヴィス・グループも、ジーン・ヴィンセントも、ジェイムス・ブラウンも、ビートルズも、ウォーカー・ブラザーズも、ソニックスも、すべてロックとして炸裂させる。完膚無きまでに打ちのめされるしかない。(行川和彦)



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【祝!マーシャル・アレン(サン・ラ・アーケストラ)92歳生誕記念】単独インタビューへのプロローグ。

2016年05月26日 02時46分19秒 | 素晴らしき変態音楽


サン・ラ・アーケストラの音楽監督マーシャル・アレン Marshall Belford Allen は1924年5月25日に地球に到着した(普通にいえば誕生日だが、アーケストラは宇宙から来た楽団である)。人間歴でいえば92歳になった不偏不党の変態音楽家にインタビューさせていただくまでのちょっと恥ずかしいエピソードを晒すことで、我が音楽歴に師として輝くマーシャル・アレン師の92歳のご到着日(誕生日)のささやかなプレゼントとさせていただきたい。



5月4日新木場STUDIOCOASTで開催された「Worldwide Sessions 2016」に出演するため来日するサン・ラ・アーケストラを率いるマーシャル・アレン師にインタビューをすることになった。筆者が寄稿している音楽サイト「JazzTokyo」に取材依頼が来て筆者に白羽の矢が立った、というより自己アピールで勝ち取ったインタビュー権である。2月頃にインタビューできることになったときは、マイフェイバリットサックスプレイヤーに会えると思っただけでワクワクしたが、日にちが近づくにつれて不安になった。好き好き大好きであることは間違いないが、実はサン・ラや彼のアーケストラのメンバーのバイオグラフィ的なことはあまり知らなかったのである。



2週間前になって慌てて図書館で『サン・ラー伝~土星から来た大音楽家』 ジョン・F・スウェッド (著), 湯浅 恵子 (翻訳) を借りてきたが、403ページの大著である上に、仕事やライヴで忙しい身の上、ほとんど読むことは叶わない。インタビュー相手はサン・ラじゃないから、伝記を読む必要はなかろう、と開き直って、ネットで調べたマーシャル・アレン師の生い立ちをもとに、質問状を書き上げた。しかしなんと言っても相手は92歳の老人、しかも60余年間、自分は宇宙人だと主張し続けてる頑固者である。社会的コミュニケーション能力の欠如した奇人変人の類いではないとの保証はない。



とにかく当たって砕けろと、Jazz Right Nowのパートナー齊藤聡氏にカメラマンとして同行いただき、新木場STUDIOCOASTの楽屋に乗り込んだのである。事前に連絡が来た取材時間は30分間。通訳さんを間に話すと時間が無くなりそうなので、頼りない英語で直接話すことにした。楽屋は広いがメンバー13人とスタッフで騒がしい。楽屋の外の通路にあるスタッフ用の4人掛けのミーティングテーブルでインタビューすることになった。マーシャル師は90歳を超えているとは思えない、しっかりした話し振りで、こちらの質問を適当に無視して独り語りのように饒舌に話してくれた。


Photo by Akira Saito


用意してきた質問の半分以上は聞けなかったが、奇しくも「事前の知識や準備は、本番では役に立たない」とマーシャル師が話してくれたそのままの状況が、筆者の心を震えさせたことは事実である。インタビュー終了後に持参したレコードジャケットにサインをしてもらったが、その文字は地球外生命体が残したナスカの地上絵にも似た不思議なオーラに輝いていた。



インタビュー記事は、6月1日更新のJazzTokyo No.218に掲載予定。

▼103分に亘る最新ライヴ映像公開!
Sun Ra Arkestra Boiler Room London Live Set


マーシャル師
我が人生の
先達に

Marshall Allenインタビュー質問状 2016.5.4 wed 新木場 STUDIOCOAST

1924年5月25日ケンタッキー州ルイスビル生まれ、Marshall Belford Allen
as,fl,piccolo,oboe,EVI(Electric Valve Instrument)

母が歌手で幼い頃から音楽的環境に恵まれていた。10歳のときクラリネットを始める。
1. 幼少期の音楽体験
2. ジャズを好きになったきっかけ、最初のヒーローは?


第二次大戦中18歳のとき「92nd Infantry Division:第92歩兵師団)に所属し、17th Division Special Sevice Bandでクラリネットとアルトサックスを演奏する。フランスのパリに駐在中にArt Simmons pとDon Byas saxと共演。また、40年代後半James Moodyとツアーしレコーディングにも参加。名誉除隊後、パリ音楽院 Paris Conservatory of Music で学ぶ。
3. パリ(Army, Art Simmons, James Moody)時代のレパートリーは? 

1951年米国に帰国しシカゴを拠点に自分のバンドを率いてクラブやダンスホールで活動。同時に作曲やアレンジも行う。
4. シカゴ時代には地元のシーン(のちのAACM Association for the Advancement of Creative Musicians, Art Ensemble Of Chicago)との関連はありましたか?

1956年にSun Raと出会い、彼の音楽コスモロジーの熱心な学徒となる。
1958年Sun Ra Arkestraに参加、それ以来サン・ラのリードセクションのリーダーとなる。
5. Sun Ra(ハーマン・プール・ブラント/ソニー・ブラント、1914年5月22日-1993年5月30日、アラバマ州バーミンガム生)との出会い
6. Sun Raのどこに惹かれたのか?
7. John GilmoreやPat Patrick 等他のメンバーについて


●Paul Bley Quintet - Barrage 1965
Paul Bley p, Eddie Gomez b, Milford Graves ds, Dewey Johnson tp, MA as
1964-10-15 NYC
7. Paul Bley 、Milford Gravesなどとの出会い、当時のNYシーンの印象は?
8. Sun Raとは別のソロ活動は他にもしていたのか?


サックスのPyrotechnic effectを習得「"wanted to play on a broader sound basis rather than on chords" (1971 interview with Tam Fiofori cited in). コードに沿うのではなくもっと広いサウンドのプレイをしたかった」
9. 手をキーの上をスライドする独自のプレイを習得したのはいつ頃?きっかけは?
10. E.V.I.をプレイしだしたのはいつ頃?きっかけは?


1960年代 Olatunji and his Drums of Passionと演奏、アフリカの弦楽器KORAを演奏、ワールドミュージックの先駆けとなる
11. KORAをプレイし始めたのは?きっかけは?
12. Art Ensemble Of Chicagoもアフリカの楽器を使っていたが、影響/交流はあったか?


評論家Scott Yanowは「別次元のJohnny Hodges」のようにプレイする、と評した

Sun Ra1993とJohn Gilmore1995の死後、Arkestraを率いて2枚(*要確認)のアルバムをリリース。
2004年5月NY第9回Vision Festivalで80歳記念コンサートを開催
2008年NY Sullivan Hallで生誕記念コンサート開催

Sun Raの200作超のレコーディングに参加するとともに、NRBQ、Phish, Sonic Youth, Medeski, Martin & Wood等の幅広いグループのコンサートやレコーディングに参加。

13. Sun Raの影響は今の若いジャズ、ジャムバンド、クラブミュージックに大きいが、どう思いますか?
14. 50~80年代の活動中にSun Raの音楽がこれほど大きな影響をもたらすとは思っていましたか?
15. Sun Raの何が最も大きな魅力だと思いますか?


●Surrender To The Air - s/t 1998
Trey Anastasio g(Phish)によるフリージャズアンサンブル。20世紀に於けるサン・ラの重要性を問い直す目的で結成された。MA, Damon Choice vib, Michael Ray tp(Sun Ra Arkestra), John Medeski key, Marc Ribot g, 1996-4 1回限りのコンサートのライヴ録音

●Terry Adams (NRBQ p Louisville, Kentucky August 14, 1948) & Marshall Allen - Ten by Two 2005 (Toronto Downtown Jazz Festival, June 27, 1997. /Brooklyn Museum, August 18, 1996).

●Medeski, Martin & Wood - The Dropper 2000

16. 90年代半ば:Surrender To The Air(Phish)、Terry Adams (NRBQ)、Medeski, Martin & Wood、Sonic Youthなどオルタナ系アーティストとコラボをするが、それ以前に異ジャンルのコラボはあったか?

●Lou Grassi's PoBand  Joseph Jarman, John Tchicaiとも共演
Lou Grassi(ds Summit, NJ,1947生)のプロジェクト 1999,2000に共演。

●Konstrukt
Variation Of The Day 2011 2010-9-30 Istanbul
Live at San'Anna Arresi Jazz Festival 2014 2013-8-30

●Caribou Vibration Orchestra 2011
All Tomorrow's Parties Minehead England クラブミュージック

●Weasel Walter,Elliot Levin, Denis Beuret, 2012 Philadelphia

●Marshall Allen & The Heliocentrics 2015 Worldwide Awards ジャズファンク
17. 2000年代以降共演している新世代ミュージシャンThe Heliocentrics(2015)、 Konstrukt(2010,13)、Caribou Vibration Orchestra(2011)、Weasel Walter(2012)について
18. Robert Glaspar, Flying Lotus, Kamasi Washingtonなどクラブミュージックの影響を受けたアーティストについて。


●来日歴
1988年8月 Live Under The Sky、新宿ピットイン
2002年9月 よみうりランド True Peoples Celebration
Medeski, Martin & Wood , フアナ・モリナ、こだま和文、Voredoms、レイハラカミ、Little Tempo、山本精一&勝井裕二
2014年7月4、5日ブルーノート東京:Sun Ra生誕100周年

19. 日本の音楽について、関心はありますか?
20. 日本のジャズ、フリージャズについて知っていますか?
21. サン・ラ・アーケストラに影響を受けた生活向上委員会や渋さ知らズを知っていますか?
22. 渋さ知らズと共演してみたいですか?


●Cinema Soloriens - Cult of Saint Margaret 2015
1994年に映像作家/音楽家のJames Harrar tsとMAにより結成されたマルチメディアプロジェクト。Rogier Smal dsを加えたコアトリオによるElectric Jazz, Rock, Classical, Folk, Techno のハイブリッドユニット。Daevid Allen, Arthur Doyle, Chris Cutler & Geoff Leigh (Henary Cow, Artaud Beats), 808 Stateのメンバー 等
24. 1994年に映像作家/音楽家のJames Harrarと結成したCinema Soloriens について


●The Celestrial Communication Orchestra - H.Con.Res.57 / Treasure Box 2003
Alan Silva bが1969年から率いる即興オーケストラ。Alan Silva 指揮,Syn, William Parker b, Bobby Few p, Joseph Bowie tb, Baikida Carrol tp, 沖至 tp etc. 2001-5-24,27 Poschiavo, Switzerland録音

●Milford Graves / Marshall Allen / Henry Grimes at a Benefit Concert for The Under_Line 2012-12-4
●The Magic Science Quartet (MA, Henry Grimes, Avreeayl Ra, Cornelia Muller) 2015-9-19 Poschiavo, Switzerland
25. Arkestra 以外の現在の活動は? Henry Grimes, Milford Graves, Alan Silvaなど?

●Sun Ra All Stars
Sun Ra, Archie Shepp, Don Cherry, Lester Bowie, John Gilmore, Don Moye, Richard Davis, Clliford Jarvis etc1983-10-27~11-1 ヨーロッパツアー

●The Sensational Guitars Of Dan & Dale
Sun RaとBlues Projectのメンバーによる匿名(Pseudonym)バンド。廉価版レーベルDiplomat Recordsより60年代にヒット曲のインストカヴァーLPを数枚リリース。Andy Kulberg, Danny Kalb, Steve Katz, Sun Ra, John Gilmore, Pat Patrick etc.

26. 最後の質問:長生きの秘訣は?

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【アウトサイダーアートの地平】アウトサイダーミュージックの水平線 G.I.S.M.ShaggsOUTO

2016年05月25日 01時36分03秒 | アート!アート!アート!


Hikarie Contemporary Art Eye vol.4
「アウトサイダーアートの地平」
渋谷ヒカリエ8階 8/ CUBE、5月24日[火]- 6月5日[日]

出展作家:Jemes Castle, Michel Dave, Johann Fischer, Madge Gill, Franz Kernbeis, Donald Mitchell , J.B. Murray, 成瀬麻紀子 , Heinrich Reisenbauer, 坂上チユキ, Harald Stoffes, Oswald Tschirtner, 山本純子, August Walla, Anna Zemánková

日本の美術シーンを新しい視点で切り開いていくギャラリーや美術に関わる人に焦点をあてる「ヒカリエコンテンポラリーアートアイシリーズ」第4弾を開催。

アウトサイダーアートが好き!というと、アウトサイダーアートのすべてがジャンルとして手放しで素晴らしいとなりがちです。でも、既成の美術の枠にとらわれて成立している”インサイダー”アートと同じように、アウトサイダーアートにも、美術として優れたものもあれば、そうでもないものももちろんあるはずです。インとアウトの境目のもどかしさがいつも付き纏いますが、境界の所在にばかり気を取られることなく、アウトサイダーアートの広い世界を見てみたい、というのが今回の試みです。人間にとって描くとはなんなのか、制作するとはなんなのかを突きつけるアウトサイドの素晴らしいアーティストたちの表現を、是非、お楽しみください。
(小山登美夫)



渋谷ヒカリエにディスクユニオンが期間限定でレコードセールを開催中、ということで行った帰り、隣のギャラリーで面白そうな展覧会をやっていたので覗いてみた。閉館時間ギリギリなのでゆっくり観てる時間はなかったが、個体的/社会的に特別な才能のある人々による「アウトサイダーアート」は平凡な日常の中に潜む非日常を見つける天才の技に感嘆すること頻りであった。



音楽に於いても「アウトサイダーミュージック」と呼ばれる存在は少なくない。シャッグス、ペル・ウブ、キャプテン・ビーフハート、ヤンデック、シド・バレットなどが、OUTSIDERとして知られる。

The Shaggs "My Pal Foot Foot"


Jandek--Down In A Mirror



●THE OUTSIDERS(米)


他方、THE OUTSIDERSという60年代ガレージロックバンドを筆者は偏愛している。1965年オハイオ州クリーヴランドで結成された5人組。全米TOP5ヒット「タイム・ウォント・レット・ミー」の他、「ヘルプ・ミー・ガール」「恋する乙女」「レスペクタブル」がTOP40ヒットした。ブリティッシュビートの影響の濃いガレージロックだが、投げやりなヴォーカルとマイナー調のメロディーが特徴。

The Outsiders - Time Won´t Let Me (1966)



●THE OUTSIDERS(蘭)


60年代オランダのビートサイケバンドに同名のTHE OUTSIDERSがいる。1965年デビュー、69年解散したが、オランダでは人気グループとしてヒットを連発した。後期はサイケデリックなサウンドに転向し、現在高い評価をされている。

The Outsiders - Don't You Worry About me 1967.



●Various Artists / OUTSIDER


アルバム・タイトルが『OUTSIDER』というハードコアパンク中心のオムニバス。「社会のはずれもの」という意味で使えば、最も点数が取れそうな科目である。G.I.S.M./THE COMES/Laughin'Noseなど、豪速球の集まりは時代を超えたファイアボールとなりうる。

VA - Outsider LP (1982)



アウトサイド
外へ出かけて
汗が欠く

GISM outsider (1982)


OUTO Live
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【ネクロ魔 Discography】NECRONOMIDOL LIQUIDへの魔道 連動企画その1

2016年05月24日 01時53分39秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


【イープラスe+にてチケット発売開始!】NECRONOMIDOL 4th ワンマンライブ

2016年6月30日(木)恵比寿リキッドルームで4thワンマン公演『TENEBRAE ASCENDANT』を開催する暗黒系アイドルユニット、ネクロ魔ことNECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)。アイドル界の最前衛と言えるアヴァンギャルドなスタイルの本質は、誰よりもキュートで誰よりもポジティヴな紛れもないアイドルオーラそのものである。本当の光は、最も暗黒に近い心の中に宿り、発芽のときを待ち受けている。日本の音楽シーンに新たな至福をもたらすに違いない5人の目覚めの瞬間を、ぜひとも体験してほしい。その予習として、2014年の結成以来これまでに発表された音源をまとめてみた。

SINGLE

1st single 遺骨猛吹雪(2014/6/1)


1. VULTURE(ヴァルチャー)
2. あたいの爪痕

東京中心として活躍している日本の4人組暗黒系アイドルユニット「ネクロノマイドル」、通称「ネクロ魔」のデビュー・シングル。iTunesで購入できる。
#1はEBMっぽいエレクトロなシンセがビヨビヨ鳴るポップな曲。アンニュイな歌声でキャッチーなメロディを歌っている。#2は日本のシューゲイザーブラックメタルバンドAl-Kamarのつきしま君が作曲を手掛けたポスト・ブラックメタル風なナンバー。童謡「とおりゃんせ」をベースとした#1と同様のゆるい歌唱に和風のアレンジ、そこにノイジーなトレモロとバタバタ叩かれるブラストビートっぽいドラムも入ってる。

NECRONOMIDOL あたいの爪痕 MV



2nd single 霊魂消滅 (2014/11/12)


1. Kholat Syakhl(ホラート シャフィール)
2. Azathoth(アザトース)

トラック1が国内のポストブラック・シューゲイザーバンドAl-Kamarのつきしまが作曲して、50年代のロシアで起きた不可解ディアトロフ峠事件をイメージしています。 真冬の雪山の妖艶を感じさせる様な一曲です。トラック2がフランスのDan Terminusが作曲して、ラブクラフトのクトゥルフ神話の全銀河の混沌を支配しているアザトースをイメージしている。 神秘的な雰囲気とレトロなシンセの力強くてノリの良い曲です。


アーティストについて
2014年に結成、世界初の暗黒系アイドルユニットで、ダークウェーブ(レトロホラー映画のサントラみたいなシンセ系の音楽)やポストブラックメタルを歌いながら死人の可愛い子達がファンを引き寄せる踊りやパフォーマンスをする。

NECRONOMIDOL KHOLAT SYAKHL MV



3rd single ETRANGER(エトランジェ)(2015/4/22)


1. Skulls in the Stars(スカルズ イン ザ スターズ)
2. Nayenezgani(ナイエネズガニ)
3. 暗黒少女戦隊

1曲目が超待望されているSKULLS IN THE STARSとなります。作曲担当がフランスのDan Terminusとなって、80年代のホラー映画やアニメOAVの影響が溢れていてライブ会場でも非常に盛り上がる曲です。
2曲目はAl-Kamarが作曲したNAYENEZGANIとなります。クラストをモチーフした雰囲気でアイドル曲に今までなかった捻くっているビートを使われていて、漆黒に染めたハードな曲です。
3曲目は同人音楽サークル明鏡-meikyoのこうたさんが作曲したコラボ曲です。元々クトゥルフ少女戦隊と言う小説のテーマソングとして使われ、こちらはネクロノマイドルが特別にアレンジしたほぼオリジナルバージョンとなります。ポップでアキバ風な楽曲でディープなクトゥルフ神話的な歌詞でアイドルファンでもコアなラブクラフトファンでも楽しめる一曲です。

柿崎 李咲 (かきざき りさき) ピンク担当
瑳里 (さり) 透明色担当
碧海 涙雨* (あおい るう) 浅葱色担当
九十九ほたる (つくも ほたる) 若紫色担当




4th single EXITIUM (エクシティウム) (2015/9/30)


1. puella tenebrarum(プエラ テネブラルム)
2. LAMINA MALEDICTUM(ラミナ マレディクタム)
3. SARNATH(サーナス)
4. puella tenebrarum ※Karaoke Ver.
5. LAMINA MALEDICTUM ※Karaoke Ver.
6. SARNATH ※Karaoke Ver.

アイドル界の穴馬の逆襲!
破壊! 復讐! 滅亡!
NECRONOMIDOLが5人体制になってより強化した超絶アングラアイドルに生まれ変わった。
今回のシングルはNWOBHMからウィッチハウスまでの幅広いジャンルを含めた今まで想像出来なかった強力な一枚!
ジャケットイラストは伝説の千之ナイフが担当!



NECRONOMIDOL - LAMINA MALEDICTUM PV



tour single LE TOUT EN UN ET UN EN TOUT(2016/3/23)


1. 'Umr at-Tawil(ウムルアトタウィル)フランス語ver.
2. SKULLS IN THE STARS(スカルズ イン ザ スターズ)フランス語ver.

2016年3月22日~27日ニューカレドニア・ツアー用スペシャルCDR。フランス語ヴァージョンを2曲収録。発音がどうかは判らないが、バラードの#1はロリータ色が強調されキュート。アップテンポの#2は言葉の入り方が日本語と違うのが、邪教っぽくて悪くない。アナザー・サイド・オブ・ネクロ魔を楽しめる。ライヴ会場物販で購入できる。タイトルは『ひとつはすべて、すべてはひとつ』の意。


ALBUM
1st slbum NEMESIS(ネメシス) (2016/2/17)


1. あたいの爪痕
2. VULTURE(ヴァルチャー)
3. SKULLS IN THE STARS(スカルズ イン ザ スターズ)
4. ASTODAN(アストダン)
5. KHOLAT SYAKHL(ホラート シャフィール)
6. AZATHOTH(アザトース)
7. NAYENEZGANI(ナイエネズガニ)
8. LAMINA MALEDICTUM(ラミナ マレディクタム)
9. 暗黒少女戦隊
10. ICHOR(アイコア)
11. puella tenebrarum(プエラ テネブラルム)
12. SARNATH(サーナス)
13. 童歌(わらべうた)
14. 'Umr at-Tawil(ウムルアトタウィル)

結成から18ヶ月、NECRONOMIDOLの超絶待望1stフルアルバムが発売!
全曲のボーカルが完全撮り直し、曲もすべてアルバムの為にゼロからリミックス。
ダークウェイブからNWOBHM,プログレからウィッチハウス - 今までアイドル界に絶対になかったジャンルを14曲に絞った一枚。暗黒の時代がこれから始まる。
※ジャケットは丸尾末広の描き下ろし!

NECRONOMIDOL Image Video NAYENEZGANI


ネクロ魔の
魔力は心の
糧になる

NECRONOMIDOL LIQUIDへの魔道


2016年6月15日リリース!
new ep from chaos born
待望の1stアルバムを発売してから4ヶ月経たずに【完全新曲のみ】のEPを発売!

1. psychopomp
2. 死民解放軍
3. Nyx
4. Tamam Shud
5. MIDNIGHT DOMINATOR
6. IDOL'S ELEGY
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【中国前衛音楽見聞録】音と国の端境に生きる先鋭楽隊~IZ Band/马木尔/张东

2016年05月23日 02時04分30秒 | 素晴らしき変態音楽


中国深センの『明天音乐节 Tomorrow Festival』の最終日の即興セッション<明天即兴 Tomorrow Improvisation Unit>には地元中国から李剑鸿(リー・ジェンホン)、马木尔(マーマー),张东(ツァン・ドン)の3名のミュージシャンが参加した。ギタリストのリー・ジェンホンは、PSFから『D!O!D!O!D!』『山海経』の2枚のCDがリリースされ、日本に紹介されている。石をピック代わりに弾く硬質なインプロヴィゼーションは日本のノイズ/インプロシーンに衝撃を与えた。



他の二人、マーマーとツァン・ドンに関しては日本では全く知られていないに違いない。セッションでは、マーマーはベースをエフェクターを通して多種多様な電子ノイズを発生させ、ツァン・ドンはプロパンガスのタンクを二つ並べてメタルパーカッションとして演奏した。一回限りのジャムセッションとはいえ、一癖ありそうな頑固な演奏スタイルには、未知の国の隠された地下音楽水脈の迸りを感じさせた。
灰野敬二/明天即興@中国 深センTOMORROW FESTIVAL 2016.5.15 (sun)





二人はウイグルの草原地帯の同じ街の出身で、現在二人を中心に5つのバンドをやっているという。マーマーは2002年に北京を拠点に活動し、2008年に英国のReal Worldレーベルからアルバム『Eagle』がリリースされ、国際的な評価を得た。「ドンブラ」という中国伝統の二弦楽器の名手としても知られ、現代中国を代表するミュージシャンである。ツァン・ドンはマーマーとの演奏活動に加え、故郷の街でライヴハウスを経営しているが、他の都市から遠方にあり、地元のバンドの数も少ないので、ライヴは多くて週に2回しかできないらしい。

Mamer - Mountain Wind


Tomorrow Festivalの企画者が経営するブックストアで彼らのCDを入手した。中国では自主制作CDやレコードは大手CDショップでは手に入らない。もっぱら先進的な書店やカフェに併設されたCDコーナーで現物を見て購入するのが唯一の方法だ。日本での入手は困難だと思われる彼らの自主制作CDを紹介しよう。


『IZ / 2007』 (2007)
マウスハープの即興演奏で幕を開け、民族楽器のアンサンブルのアコースティック演奏に、呪術的なユニゾンのヴォーカルが聴ける。エスニックではあるが、ワールドミュージック的なヒーリング感とは無縁の邪教の音楽。


『IZ / Kelengke 影子 SHADOW』(2010)
風刺画風のイラストのジャケットから想像がつくように、ポップな色彩感覚を発揮した作品。東ヨーロッパの地下プログレッシヴロック、特にチェコスロバキアのPlastic People Of The Universeに近い怨念じみた歌を聴かせる。個人的にこのCDが最も気に入った。


『IZ / Jangqerek 廻声 Echo』(2013)
前作のカラフルなプログレ色が再び暗黒に回帰し、80年代インダストリアルミュージックに接近。黄泉の国から地響きが聴こえ、チベットの仏教僧の読経に似たディープな低音ヴォイスが魂を誘う。ライバッハ LAIBACH、テストデプト Test Dept.、カレント93 Current 93などを思わせるが、得体の知れない邪悪さに、息をするのも困難になる。


『MAMER 马木尔 / Sky 星空 Kengistik』 (2012)
マーマーによるドンブラ・ソロCD。即興を含む新楽曲を12曲収録。伝統楽器ではあるが、古さ/堅苦しさ/懐古趣味とは無縁の自由度を求めた結果、「癒し」とは異なる聴き手の頭脳改革効果を実現した。

Mamer and IZ - Kazakh/Chinese industrial folk band


「辺境」というバランスを欠いた名称は唾棄すべきだが、我らには「未到達」の中国少数民族にとって<音楽>とは、日常と精神の端境を行き来するマジックカーペットなのかもしれない。

個人的
願いは神に
告ること

▼お土産にもらったジャズフェス茶

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Albedo Fantastica(アルベド・ファンタスティカ)/.es(ドットエス)@大久保ひかりのうま 2016.5.20(fri)

2016年05月22日 03時20分21秒 | 素晴らしき変態音楽


Albedo Fantastica Presents
「さつき待つ 花橘の 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」
古今和歌集・巻第三 〇一三九 詠み人知らず

出演
Albedo Fantastica (アルベド・ファンタスティカ:ヒグチケイコ piano,voice,vocals / Sachiko violin,voice,electronics)
.es (ドットエス:橋本孝之 & sara)
open 19:00 start 20:00/2000円+D



グンジョーガクレヨンの22年ぶりのニューアルバム『Gunjogacrayon』は日本の前衛ロック/地下音楽の最西端(なぜ西なのかは別の機会に)を提示する一方で、この不撓不屈の脱ロックバンドにとっては、37年目にして初の自己改革の挑戦でもあった。過去3作すべてバンド<グンジョーガクレヨン>のメンバーだけで築き上げてきたレコーディング作品に、史上初めて他者、即ち<異物>を混入する、自己崩壊の危険も辞さない決死の試み。その結果が吉と出たか凶と出たかは、あなた自身の耳で確認していただきたいが、<異物>として劇薬の役割を果たした猛者こそ、大阪の即興ユニット.es(ドットエス)のリード奏者橋本孝之その人であった。人間的には鎮静剤、しかし楽器を持つと覚醒剤へと豹変する"タカ君"こと橋本が本籍を置く.es(ドットエス)の1年ぶりの東京公演。筆者が観たのは2014年9月の四谷茶会記以来だから、20ヶ月ぶりとなる。主催は東京極端音楽を象徴する女性アーティスト二人のによる濃厚なデュオユニット。「女子3人」対「橋本男子一人きり」の構図も興味深い。ひかりのうまは顔見知りの地下音楽家の姿も多く立ち見も出る盛況ぶり。
【DISC REVIEW】"脱ロック37年"グンジョーガクレヨンの新作『Gunjogacrayon』
『音ほぐし』ジョセフ・ハマー/.es(ドットエス)/Reizen(冷泉)@喫茶茶会記 2014.9.27(sat)

●Albedo Fantastica


ソロパフォーマーとして即興音楽シーンで異彩を放つヒグチケイコと、90年代から光束夜やOVERHANG PARTYのベーシストとして活躍し、現在ソロで活動するSachikoによる新生ユニット。どちらもヴォイスパフォーマーとして定評あるが、表現形態は大きく異なる。ヒグチの奔放なピアノプレイに絡み付く生歌唱と、エレクトロニクスによりパルス変換されたSachikoの声。「ヴォイス」×「ヴォイス」×「生ピアノ」×「玩具&ヴィオラ」。連歌を詠むように二人の表現が重なりながら対立し自己主張する色彩感に溢れた遊びの時に幻惑された。

●.es


壁面に投影された現代美術作家・稲垣元則の映像「OBESAS 2014」×saraの「生ピアノ」×橋本の「アルト&改造尺八&ハーモニカ」の三つ巴パフォーマンス。一転してモノクロームに統一された空間は、映像の反射光で顔も判別できないsaraのシルエットと、照明に浮かび上がる橋本の細身のボディと、スクリーンに映る橋本の影法師の三つの貌(かたち)が互いに滲み合う一方で、サックスの甲高い軋声を包み込むピアノの海の生温さに聴き手の意識が滲み出し、その間も絶えずにフィルムの中の生物(静物)が滲み続けるという、「三竦み(さんすくみ)」ならぬ「三滲み(さんにじみ)」状態は、自己の存在を不安に陥れるどころか、逆に観るもの聴くものすべてが曖昧の海に呑み込まれた世界で、それを見つめ耳を澄ます自分の存在の確かさを再確認する至福に似た体験であった。

曖昧は
貌(かたち)が無くなる
訳ではない

.es(ドットエス)& 稲垣元則コラボCD
『曖昧の海 / Ambiguity Sea』
レギュラーエディション    &    スペシャルエディション
 

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夢幻レジーナ/リリックホリック歌劇団/サミツミサ/HALOPERI Doll@吉祥寺クレッシェンド 2016.5.8(sun)

2016年05月19日 04時01分52秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


春野恵 夢幻レジーナ卒業公演
~大惨事スーパー春野大戦M完結編~


夢幻レジーナ/リリックホリック歌劇団/サミツミサ/HALOPERI Doll/春野恵ソロ



アイドルには卒業がつきもの。年齢的にも体力的にも気力的にも<アイドル>でいられる期間には限界がある。『永遠のアイドル』の称号を誇る松田聖子も35年のキャリアの一時期は意識的に<アイドル>の看板を下ろしていたことがあるはずだ。とりわけ<誰でもアイドルになれる>とされる地下アイドルの世界では、30秒に一度アイドルが生まれ、卒業する、という説がまことしやかに囁かれているかもしれない。



2015年のクリスマスライヴ(今思えばこのイベントは筆者が地下アイドルの深みに嵌る大きな転機であった)で出会った夢幻レジーナの歩みは、こうした地下アイドルのモデルケースと言えるかもしれない。センターメンバーの卒業という危機を乗り越えてさらに大きな世界を目指す鈴木あやめ、刻田麻亜子、園崎ありさの3人にエールを贈るとともに、卒業した春野恵の女優への夢が叶うことを心から祈りたい。

夢幻レジーナ観戦記:
偶想Drop/ネクロ魔/夢幻レジーナ/ハロペリドール他@目黒鹿鳴館 2015.12.25(fri)
夢幻レジーナ/爆音少女症候群/リリックホリック歌劇団etc.@新宿MARZ 2016.4.14(thu)

出典:
夢幻レジーナ Official Website
アイドル走り書き



夢幻レジーナ(Mugen Regina, むげんれじいな)。2013年10月、春野恵と鈴木あやめを中心に結成。幾度かのメンバーチェンジを経て、鈴木あやめ/刻田麻亜子/園崎ありさの3人編成で活動中のアイドルユニット。

既存の音楽へのオマージュや真似に収まらない唯一無二の楽曲と、誰も踊ったことがない新しい表現手法に挑戦するダンス。「“アイドル”の再定義」をミッションに掲げ、東京(日本)を拠点に鋭意活動中。



Regina
活動期間:2011.12~2013.7。個別活動の増加、学業の優先など、メンバーがなかなか揃わなくなったため話し合いの末活動休止。

メンバーの変遷
2011年
12月、松本寧々、刻田麻亜子、若原麻希、カカ(上海出身)で結成。

2012年
4月、カカが卒業。
4月、松本香穂が加入。
8月、若原麻希が休止。
8月、刻田麻亜子が卒業。
9月、夏宮エル、北嶋麗奈、森園れんが加入。

2013年
3月、矢ケ崎奈菜、桜木みきが加入。
3月、松本香穂が脱退。
7月、解散。



夢幻レジーナ
活動期間:2013.10~現在。「Regina」をプロデュースしていた若原麻希が中心となって結成。実質的な後継ユニットである。

メンバーの変遷
2013年
10月、桜木みき、春野恵、七瀬リオ、鈴木あやめで結成。

2014年
1月、萌木七海が加入。
7月、萌木七海が卒業。所属事務所の都合。
7月、七瀬リオが脱退。家庭の事情。
7月、刻田麻亜子が加入。
8月、水月エナが加入。


2014/09/23『愛しかあげない / 暗い太陽』
テーマは女と男の「情念」。愛に狂った女性を歌うTr.1「愛しかあげない」、想いを寄せた少女が大人の女になってしまったことを悔やむ男性心理を代弁するTr.2「暗い太陽」。バンド系サウンドに変拍子等プログレッシブな要素も取り入れた、夢幻レジーナのファーストシングル。収録メンバーは春野恵、水月エナ、刻田麻亜子、鈴木あやめ。

12月、桜ゆきのが加入。
12月、水月エナが脱退。ソロに専念。


2014/12/04『MUGEN / 麗しき凶暴な世界』
夢幻レジーナの第二弾シングル。テーマは「光と闇」。夢へ向かって進む少女とその葛藤が描かれるTr.1「MUGEN」、ただただ死を美化して憧れる少女を描くTr.2「麗しき凶暴な世界」。両曲共に変拍子をふんだんに取り入れ、キャッチーなメロディーと哀愁漂う歌詞が際立つ、夢幻レジーナらしいチューン。収録メンバーは春野恵、水月エナ、刻田麻亜子、鈴木あやめ。

2015年
2015/02/14『5 seasons』
テーマは「季節」。Tr.1〜5の各楽曲で、夢幻レジーナの見るそれぞれの季節を描く。
単体非売品。ライブ会場限定販売オフィシャルTシャツの付録として配布。収録メンバーは春野恵、刻田麻亜子、鈴木あやめ、桜ゆきの。

3月、桜木ゆきのが脱退。病気療養。
3月、成瀬ゆりが加入。

2015/09/16『ポップコーン!(コンピレーション)』
トラッシュ・カルチャー雑誌「TRASH-UP!!」監修のアイドルコンピレーションCD。夢幻レジーナはTr.10「恋と革命」で参加。収録メンバーは春野恵、刻田麻亜子、鈴木あやめ、成瀬ゆり。

10月、成瀬ゆりが卒業。体調不良。


2015/10/21『女王失格』
ファーストアルバム。テーマは「進化、過去から未来」。立ち止まることを放棄する夢幻レジーナらしく、前衛的な新曲3曲に加え、かつての夢幻レジーナメンバーや関連プロジェクトのメンバーをゲストボーカルに迎えての新録/新ミックスによる既発表曲4曲を盛り込んだ意欲作。収録メンバーは春野恵、刻田麻亜子、鈴木あやめ、An'z、成瀬ゆり、桜ゆきの、若原麻希、玉樹るい。

2016年
2月、園崎ありさが加入。
5月、春野恵が卒業。女優業に専念。

夢幻レジーナ 「花びら、ひらり」 20160503 新宿MARZ


卒業で
君に幸あれ
夏ゲッチュ

Mugen Regina - NATSU! get you! / 夢幻レジーナ - 夏げっちゅ♡


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灰野敬二/明天即興@中国 深センTOMORROW FESTIVAL 2016.5.15 (sun)

2016年05月17日 10時04分34秒 | 灰野敬二さんのこと


明天音乐节 TOMORROW FESTIVALの主催者は会場となったライヴハウス「OTC-LOFT」を経営するとともに、中国各地で音楽フェスやコンサートを企画している。OTC-LOFTでは2011年から毎年10月に約20日間のジャズフェス<THE OCT-LOFT JAZZ FESTIVAL>を開催している。毎年ヨーロッパ各地を訪れ自らの目で観て出演ミュージシャンを選ぶという。



ラインナップは中国はもちろん、ロシアを含むヨーロッパ中心。いわゆるメインストリーム・ジャズではなく、主催者が「観せたい」「紹介したい」と思うアーティストをブッキングし続けて、5年経った現在はヨーロッパでも良く知られる名物フェスになった。日本からは2015年にペーター・ブロッツマン・トリオのドラマーとして豊住芳三郎が、イタリアのミュージシャンとのデュオで秋山徹次が出演している。



その姿勢をより幅広い音楽に拡大したTOMORROW FESTIVAL2016の最終日。夕方突然のスコールに襲われた深センの日曜日の夜は、灰野敬二のソロ演奏と、複数の出演者によるジャムセッションが行われた。会場ロビーには出演アーティストのCDに加えて、フェスティバルの公式Tシャツやポスター/パンフレット、関連書籍やデザイングッズが並んでいる。前日同様に若い客層が多く、賑やかな活気に満ちている。



演出 Concert
●灰野敬二 Keiji Haino


灰野敬二は昨年12月に広州の美術館でパーカッションソロライヴを行ったが、エレクトリックのソロ公演は中国本土では初めて。深いリバーヴに包まれたヴォーカルに始まり、エレクリックギター、エアシンセ、発振器、ドラムマシーンなど様々な機材を駆使して展開される灰野ワールドに、最初は歓声を挙げていた観客も徐々に静まり息を潜めて聴き入っている。スプリングコイルとヴォイスパフォーマンスの爆音に続き慈しむような静謐なギターフレーズで幕を閉じる。ため息をつくような間が数秒あって、突如わき上がる拍手。前夜のファウストのロックコンサート風の歓声とは明らかに異なる反応は、表現の世界観の違いが中国のオーディエンスに確かに伝わったことの証であった。

●明天即兴 Tomorrow Improvisation Unit


faUSt:Jean Hervé Péron (b,vo), Werner "Zappi" Diermaier (ds), Maxime Manac'h (key, Hardy-gurdy, electronics)/Oliver Ackermann (g)/Keiji Haino (g, vo, electronics)/Mamer (b)/Zhang Dong (perc)/Li Jianhong (g)

フェスの最後を飾るのは、ファウストのジャン・エルヴェ・ペロン、ヴェルナー・ザッピ・ディーマイヤー、マキシム・マナック、エフェクターのレクチャーの講師としてフェスに参加したアメリカのオリヴァー・アッカーマン、中国の実験演奏家、马木尔(マーマー),张东(ツァン・ドン),李剑鸿(リ・ジョンフン)、そして灰野の総勢8名による即興セッション。灰野の指揮で繰り広げられる即興演奏は、集団即興にありがちなカオスではなく、場面ごとに表情が変化し、意外性に満ちた創造的な音楽劇となった。個人的には初めて観る中国のミュージシャンの独特の演奏スタイルが興味深かった。



世界各地のエクストリームな音楽が中国の地で交歓するTOMORROW FESTIVALに相応しいフィナーレだった。

明日には
自分の音が
響くはず


Tomorrow Improvisation Unit:
(L to R) Mamer, Maxime Manac'h, Oliver Ackermann, Li Jianhong, Werner "Zappi" Diermaier, Jean Hervé Péron, Keiji Haino
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