A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【勝手に翻訳】『Black EditionsはP.S.Fレコードの実験精神を生かし続ける』〜生悦住英夫氏一周忌

2018年02月28日 02時14分48秒 | 灰野敬二さんのこと


Black EditionsはP.S.Fレコードの実験精神を生かし続ける。
bandcamp daily February 12, 2018
written by Jordan Reyes

Black Editionsレーベルの物語はP.S.Fレコードと東京生まれの生悦住英夫から始まる。彼は1970年代後半にオープンした有名なレコード店モダーンミュージックのオーナーだった。1984年に彼はP.S.Fの最初のアルバムをリリースした。ハイライズの伝説的なライブアルバム『サイケデリック・スピード・フリークス』の300枚限定のヴァイナル盤。その後、2017年に生悦住が亡くなるまでの33年間のレーベル活動期間にホワイト・ヘヴン、ゴースト、シェシズ、不失者、アシッド・マザーズ・テンプル、ガセネタなど地下音楽アーティストのアルバム(主にCD)を240枚以上リリースした。『Tokyo Flashback』と呼ばれる8作のコンプピにより、生悦住は多くの人々に東京の実験シーンを紹介した。

February 22 1991

【Disc Review】Tokyo Flashback - P.S.F. Psychedelic Sampler

『サイケデリック・スピード・フリークス』がリリースされてから約16年後、ピーター・コロヴォスは友人を頼って日本を訪れた。彼の旅の目的は決まっていた。日本を探索し、レコード店を訪れ、ミュージシャンの灰野敬二のライヴを出来るだけたくさん観ることだった(結局彼は週に3回灰野のライヴを観た)。

コロヴォスにとって訪れるべきレコード店が二つあった。ひとつめの大阪のアルケミーでノイズアーティスト「マゾンナ」として知られる山崎マゾと会った。そして東京のモダーンミュージックで生悦住と会った。言葉が通じない場合に備えてコロヴォスはレコードのリストを生悦住に渡した。その多くは店主のレーベルのものだった。「(生悦住さんは)英語をうまく話せず、私は日本語を話せませんでした。しかし彼は私が探しているものが分かり、私がどれくらい彼のレーベルのアーティストを愛しているかを理解しました」。 2人は友人になり絡先先を交換した。コロヴォスはThin Wrist Recordingsでの仕事と自身のバンド「オープン・シティ」の為に米国に戻らなければならなかったが、それ以降の16年間に10回モダーンミュージックを訪れ、日本、生悦住、そしてP.S.Fのアーティストのことをより深く知るようになった。

2009年に、実験的志向のVDSQレコードを運営するスティーヴ・ローウェンタールが、ニューヨークでの任期を終え、カリフォルニア芸術大学でジョン・フェイヒーの伝記『デス・オブ・デス』の作業をする為にロサンゼルスに移ってきた。そこで彼はコロヴォスに会った。ふたりを引き合わせたのは、実験的バンド「バーニング・スター・コア」のヴァイオリン奏者C.スペンサー・イェーだった。彼はコロヴォスとローウェンタールが似ていると思っていたという。「(コロヴォスとローウェンタールは両方とも)大きな意見を持っていて、どちらもスキルがあり、見過ごされ過ぎたと考える音楽や芸術に貢献していました」とイェーは言う。「二人とも人生の中で深ディープでヘヴィなことをやりたがっていて、きっとお互いに助け合うことができるだろうと感じたのです」。

ローウェンタールとコロヴォスが会った数年後、生悦住はソーシャルメディアにメッセージを投稿した。P.S.Fレコードへの新しい投資家を探していた。景気の低迷はレーベルに大きな歪みをもたらした。生悦住は雑誌「G-Modern」の出版を止めて、モダーンミュージックを閉店しなければならなかった。すぐ後にコロヴォスは日本語を話す友人の力を借りて、生悦住とブレインストーミングを開始した。「生悦住さんは、古典的なレコードがたくさんあるカタログを持っていましたが、そのほとんどが廃盤でした」とコロヴォスは回想する。 "多くの作品が世界中の音楽ファンに認知されることなくこぼれ落ちていました。元々そこにあったとしても。彼は米国やヨーロッパ国内については何もしていないので、P.S.F.のカタログを世界中にリリースする権利を購入する申し出をしようと考えたのです」。

「合意の範囲で生悦住さんはアジアでの権利を保持します。そうすれば、彼が常に望んでいたように、いままでと同じようにレーベルを運営することができるでしょう」。生悦住は契約に同意し、そしてBlack Editionsが誕生した。

P.S.Fの作品の再発が主な目的ではあるが、Black Editionsは、東京の活気に満ちた実験世界を海外のリスナーにもっとアクセスしやすくする使命を、ライヴハウス「マイナー」のオーナーだった佐藤隆史が設立したピナコテカから元々リリースされた灰野敬二の伝説的なソロデビュー作『わたしだけ?』のデラックス・エディションからスタートした。コロヴォスは『わたしだけ?』を次のように説明する。「後のP.S.Fからリリースされる作品のかなめ石。そこには繋がりがある。灰野さんは70年代半ばから東京で活動し、後にP.S.Fに参加する多くのアーティストと交流している」。コロヴォスとローウェンタールは、灰野本人と翻訳者/ジャーナリストのアラン・カミングスと密接に協力してきた。アランにより『わたしだけ?』の歌詞とタイトルが初めて翻訳され、英語圏のリスナーに提供された。「私は背筋をゾクゾクさせながら、自分が長い間聴いてきた音楽の言葉を読んで、とうとう何が語られているのかを理解したのです」とコロボスは回想する。物理的なアルバムの経験を再制作する機会を得て、灰野は当初意図していたメタリックゴールドとシルヴァーの豪華版LPアートワークに作り直した。リマスターは鮮明で深みがあり、付随するデジタルダウンロードでは約30分のボーナス・ライブ・トラックが追加されている。

Keiji Haino - My Whereabouts

このディスク2017(国内編)『灰野敬二/わたしだけ?』
インタビュー 灰野敬二:デビュー・アルバム『わたしだけ?』を語る

即座に圧倒的な反応があり、コロヴォスとローウェンタールは驚いた。彼らは販売予測枚数を過小評価していたため、早急により多くのレコードの生産に注力する必要があった。彼らにとってこれらのレコードは、リスナーが学ぶことができる重要な成果物である。Black Editionsは、P.S.Fの膨大なカタログの探求の最初のリリースとして元々の「サイケデリック・サンプラー」であり、ハイライズ、マァブル・シィプ&ザ・ランダウンサンズ・チルドレン、ゴースト、不失者などを収録した『Tokyo Flashback』の第一巻を取り上げた。それを完全に再パッケージ化して、特別印刷のスリップケースに入れた二つ折り二枚組LPを作成した(このシリーズはもともとはCDのみでリリースされていた)。各レコードはフルカラーのインナースリーブで飾られ、下地英樹のライナーノーツは、アラン・カミングスにより完璧に翻訳された。

Black Editionsのアイデアは、元のレコーディングとパッケージを完全に変更するのではなく、強化することである。音響エンジニアのクリス・ラプケ(インダストリアル・バンド「Alberich」のメンバー)は、今後「静香」再発をリマスターするために参加した。彼は次のように述べている。「元の録音の驚異的な空間と雰囲気を維持することは非常に重要ですが、同時に新しいオーディエンスのために少し磨きをかけることが必要です」。

各リリースは、アーティストの協力と祝福によって行われる。 ほとんどの場合、アーティストは作品が再発されることに喜んで、可能な限り最高のパッケージを制作するために追加の音源や記録資料を提供することが少なくない。これまでのところ、コロヴォスとローウェンタールは興奮で迎えられ、多くの場合驚くべき素材を入手した。チャンスが与えられて、アーティスト自らリマスタリングに手を貸すケースもある。ハイライズのハード・サイケデリック・ガレージの傑作『High Rise II』のヴァイナル再発にあたっては、ハイライズのヴォーカリスト兼ベーシストの南條麻人がオリジナルのテープをリマスタリングすることを熱望した。

High Rise - Pop Sicle

【Disc Review】High Rise / High Rise II

今後数多くのリリースが予定されている。シェシズ『A Journey』、静香『天界のペルソナ』、角谷美知夫の没後編集盤『腐っていくテレパシーズ』など。しかしBlack Editionsは、美麗で忠実に拡張したリイシューを止めることは無い。また、コロヴォスとローウェンタールはロサンゼルスとニューヨークで不失者と友川カズキの演奏公演を企画した。芸術的文脈はライナーノートに限定されない。彼らはコンテンツの量を増やしており、ファンジンの翻訳、チラシの紹介、さらには映画字幕の翻訳に興味を持っている。

生悦住の死以来、2人にとっては情熱以上のものになっている。「生悦住さんは、音楽の精神、妥協を許さないオリジナルの精神を求めていました。彼はジャンルの違いを問題にしていませんでした」とコロヴォスは語る。「彼はその中核を切り開こうと模索した。私はリスナーがその準備ができていると思う。 多くのリスナーがやり始めたばかりで、彼は30年前にそれをやっていたのですから」。

Black Editions forthcoming releases :

-Ché-SHIZU "A Journey" 2LP
-V/A "Tokyo Flashback: Psychedelic Speed Freaks" 4LP
-White Heaven "Out" LP
-Fushitsusha "Double Live" (ie. PSF 15-16) 5LP
-Kan Mikami "I'm the Only One Around" LP
-Makoto Kawashima "Homo Sacer" LP
-Go Hirano "Corridor of Daylights" LP
-Shizuka "Heavenly Persona" 2LP

【特報】2月27日は生悦住英夫氏の1年目の命日にあたり、Black Editionsのサイトに剛田武著/加藤彰編『地下音楽への招待』(ロフトブックス)から生悦住英夫氏のインタビューの英語訳が掲載された。英語で読むと新たな感動がある。
Black Editions website : An interview with Hideo Ikeezumi on his formative years and the beginnings of Modern Music and P.S.F. Records


PSF
意志は続くよ
地下水脈

<PSF関連ライヴ情報>
2018年3月2日(金)東京・秋葉原クラブグッドマン
~深遠にして深淵なる不可思議 vol 2~
不失者1981、The Silence,


19:00 open/ 19:30 start
adv. 3,000円 / day 3,500円 +drink代

不失者1981:
灰野敬二 Gt, Vo
臼井弘行 Dr
渡辺弘之 Bass

The Silence:
馬頭将器 Gt, Vo
岡野 太Dr
山崎 怠雅Bass, Vo
吉田 隆一B Sax, Flt

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平野剛 GO HIRANO LAST SUNDAY PIANO LIVE‬@フクモリ マーチエキュート神田万世橋 2018.2.25(sun)

2018年02月27日 08時03分26秒 | 素晴らしき変態音楽


GO HIRANO LAST SUNDAY PIANO LIVE‬
2018年2月25日(日) 15:00
CHARGE FREE



2年前に観に行った平野剛のフリーライヴが今年3月で終了することをFacebookの投稿で知り、アイドルイベントの合間に時間を見つけて駆けつけた。JRの高架下にファッション/バイクブランドのショップが軒を連ねるマーチエキュート神田万世橋の雑貨インテリアショップ「フクモリ」の店内に置かれたセミコンサートグランドピアノの前に座る平野は白いタートルネックセーターの普段着スタイル。ズボンがフレアパンツなのがサイケデリック世代の矜持を示している。観客は店内通路の壁側に並べた丸椅子に座って聴く。ライヴ目当ての客が数人、通りすがりの買い物客が足を止めて眺めたり、休憩がてら座って聴いていたりする。もちろん演奏者が誰かも気にせずウィンドウショッピングを続けたり、もちろんただ通り過ぎる人も多数いる。音数も感情の起伏も少ない平野の演奏は、日常風景に溶け込み、店内BGM代わりにもなり、街の環境音のひとつにもなる。集中して聴いていても目を瞑れば日曜日の午後の微睡みに任せて船を漕いでしまう。サティの家具の音楽やブライアン・イーノのアンビエントやオブスキュアに似ているが、平野の演奏は媚薬のように特異な空気を纏っている。



昨年初夏に店舗限定でひっそりとリリースされたLPレコード『Go Hirano』には2016年9月と12月にこの場所でライヴ録音された7曲の小品が収録されている。アーティスト小川敦生の手になるミニマルなアートワークに装飾されたレコード盤の溝に刻まれているのは鍵盤のメロディと街の空気とがさり気なく混ざり合う空気の澱み。リアルタイムで演奏する平野の意志と、固定化された過去の音楽をスピーカーやヘッドフォンを通して追体験する聴き手の意志の時空を超えた滲み合いと言ってもいい。澱みと滲みの綻びが意識を朦朧とさせ夢幻へと誘う。リリース元のレーベル名が「music from psychedelic wizard」(サイケデリック魔術師が贈る音楽)だから、午後の微睡みは平野の意図であることは明らか。アシッドトリップの悪夢から醒めたあとの知覚の薄明の先にある風景を描いた音楽。ドラッグやアルコールほどの危険性は無いが、世が世なら有ってはならないと排除される禁断の音楽。それをやり続けるサイケデリック・ウィザードGO HIRANOの世界は次は何処へトリップするのであろうか。

Go Hirano 20170827 「nichijo 日常」

平野剛 Go Hirano@フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 2015.11.25(wed)

最後の日
扉の向こうの
白い壁

【最終ライブのお知らせ】
GO HIRANO
LAST SUNDAY PIANO LIVE FINAL

フクモリ マーチエキュート神田万世橋 タナフクモリ
2018.3.18 15:00〜
CHARGE FREE

突然ではありますがGo Hirano LAST SUNDAY PIANO LIVEは3月18日(日)をもって終了させていただくことになりました。
3月18日(日)がLAST PIANO LIVE!となりますので、最後のGo Hirano PIANO LIVEをぜひ聞きに来てくださいね。
---
フクモリさんでのPiano LIVEは、自身とても楽しみにしていて、毎月聴いてくださっていたお客さま、スタッフの方のために毎月新曲を作ろうと心がけて来ました。
そのため、たくさんの楽曲が生まれ披露することができ、幸せに思っています。
3年間一緒に弾いてきたピアノと、離れることを寂しく感じますが、心を込めてラスト2回弾きたいと思っています。またどこかで弾く機会があれば嬉しく思います。
ありがとうございました。
Go Hirano
---
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【推しごと天国】でんぱ組/ネクロ魔/今泉怜/爆裂女子/HAMIDASYSTEM/・・・・・・・・・/えいたそ

2018年02月26日 08時19分47秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2月最後の土日前後は推しのイベントが盛りだくさん。被った為に干した現場や特典会もあった。ヲタ活とは時間と金と体力勝負と言われるが流石に推し増しはキツいかも。と思いつつ延べ三日間「推しごと」に精を出した自己記録を記しておこう。

2月19日(月)鴬谷 東京キネマ倶楽部

・・・・・・・・・5thワンマンライブ
「Tokyo in Picture」

開場 18:00 / 開演 19:00
普通席(1階席、静止画のみ撮影可)前売 2500円(+1D)

●・ちゃん:ニックネーム「助詞」(・・・・・・・・・)





2月22日(木)秋葉原 書泉ブックタワー

『IDOL FILE Vol.07』発売記念 
「TOKYO IDOL QUEEN 2018」トークショー&サイン会

19:00~ トーク観覧無料!
当日9階で「IDOL FILE Vol.07」をご購入いただくとイベント終了後のサイン会にご参加いただけます。

今井希海(littlemore.)/岩﨑ひかり(かぷりす)/瑳里(NECRONOMIDOL)/嶋木すい(かぷりす)/白井はるか(妄想 Addict)/田山せかい(Q-pitch)/ちゅん(じゅじゅ)/弘島友加里(CHERRY GIRLS PROJECT)/藤田ココノ(FairyRose)

●瑳里(NECRONOMIDOL)






2月24日(土)その1:渋谷VUENOS

new encounters SPvol.18

op10:30/st11:00
前売¥3000+1D
じゅじゅ / 我儘ラキア / NECRONOMIDOL / トキヲイキル / RHYMEBERRY / Alloy / せのしすたぁ / AIBECK / HAMIDASYSTEM / ・・・・・・・・・

●・ちゃん:ニックネーム「助詞」(・・・・・・・・・)


●FLAME KOYAMA (HAMIDASYSTEM)


●瑳里(NECRONOMIDOL)





2月24日(土)その2:みなとみらい パシフィコ横浜国立大ホール

MTV LIVE MATCH
開場 17:00 / 開演 18:00
6480円(税込)
でんぱ組.inc/KEYTALK

●成瀬瑛美(でんぱ組.inc)






2月25日(日)その1:ヴィレッジヴァンガード渋谷本店Bイベントスペース

えいたそ生誕ヴィレヴァン編インストアイベント
1部 13:00 2部 14:30
イベント内容 2ショットチェキ会
対象商品 幸福になれる!☆えいたそのハッピー御守り(¥3000税込)+缶バッジ(¥500税込)のセット
イベント当日10:00より、ヴィレッジヴァンガード渋谷本店B2Fにて対象商品をお買い上げの方へイベント参加券をお渡し致します。

●成瀬瑛美(でんぱ組.inc)




2月25日(日)その2:渋谷CHELSEA HOTEL

「笑顔の決意表明 〜Undying Light〜」
ネクロ魔今泉怜生誕祭

op17:30/st18:00
前売¥2700+1D / 当日¥3200+1D

エレクトリックリボン/SAKA-SAMA/爆裂女子/Zombie Powder/969/今泉怜/NECRONOMIDOL

●今泉怜(ソロアイドル)


●都子(爆裂女子)


●瑳里(NECRONOMIDOL)




恋と推し
何処が違うか
教えてよ



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【えいたそモダニズム】Episode 15『自慢のノド』The Birthday/The SALOVERS/エアロスミス/BiS/KITTIE/デス・イン・ヴェガス/ナンテンマンetc.

2018年02月23日 07時55分15秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


でんぱ組.inc
成瀬瑛美 生誕祭イベント
JOYSOUND presents
「えいカラ2018」
<1部>品川
Open 18:00 / Start 18:30



でんぱ組.incイエロー担当えいたそこと成瀬瑛美さんの生誕イベントは2014年から毎年開催されるカラオケイベント『えいカラ』。生まれたときからくじ運の悪い筆者であるが、えいカラは2014年、2015年、2017年に続き今年も当選。えいたそと赤い運命の糸で結ばれている証拠だと勝手に思っている。定員96人のカラオケ会場のテーブルの間をえいたそが妖精のように飛び回り、踊ったり話しかけたりリクエストに応えたりしてくれるまさに「神イベ」である。昨年に続き今年も特製Tシャツが配られ、参加者ほぼ全員がイエローを纏うという黄色く狂った生誕祭であった。2時間近く堪能したあとはえいたそ本人のお見送り。接触するのは昨年10月のでんぱの神神イベント以来4ヶ月ぶりなのでドキドキしながらポストカードを受け取り「お題を下さい」と頼んだところ、ちょっと考えた彼女の口から発せられた言葉は「喉(ノド)」であった。想定外の難題に一瞬えっ?と思っても心に秘めて、笑顔で「ありがとう」と言うのが従順なヲタクの在るべき姿であろう。



ほぼ休み無しで歌ったあと、ゆっくり水分を取る隙もなく見送りに出たのでノドが渇いていたのかもしれない。それともさんざん酷使したノドを気遣いたかって欲しかったのかも。勿論ずっと歌い通したノドを自慢したい気持ちもあるだろう。さらにこの後第二部も歌いまくる心意気をお題に託して俺に伝えたかったことは間違いない。そんな瑛美の覚悟を託されて俺の妄想心に火がついたことは言うまでもない。生誕記念日に「ノド」という難易度の高いお題を賜った成瀬瑛美さんの決死の覚悟の気持ちは、決して無駄にはしません!HAPPY BIRTHDAY EITASO!!!!!!!!!



【えいたそモダニズム】Episode 15『自慢のノド』

●ナンテンマン『南天のど飴の唄』


南天のど飴~のフレーズが超ポップなナンバーに!お馴染み『南天のど飴』のCMソングが、ピストン西沢プロデュースで遂にCD化。疲れたときはのど飴をなめて声がとおったら、いっしょに歌いましょう!すっきり、リフレッシュできそうな爽やかチューンです。2008/11/12 Release

ノドが痛いときはうがいをするかのど飴なめるかがお勧め。ノドソングの基本のキは余りに安直かもしれないが、妄想論の初心者向けの分かり易い連想でお手本を示すのが親切というもの。ひとにやさしくとヒロトも言っていた。

南天のど飴の唄 / ナンテンマン



●The Birthday 『オオカミのノド』


2006年8月3日の誕生から、シングル/アルバムリリース、全国ツアーと駆け抜け、一気にひとつの頂を極めたThe Birthday。次なる動向が注目される中、2nd Seasonの幕開けを飾った2007年8月リリースの4thシングル『アリシア』のカップリング曲「オオカミのノド」はTV:ANB系『ゾンビローン』オープニング・テーマ。

えいたそ生誕を祝うように妄想論の常連チバユウスケ率いる誕生日バンドThe Birthdayが登場。一部で囁かれるえいたそロケンローラー説の根拠のひとつである。チバのダミ声はオオカミ並みに鍛え上げたノドでしか歌えない。いつか瑛美さんのバビュ声とデュエットしてもらいたい。

The Birthday - オオカミのノド(Live from CLUB CITTA')



●The SALOVERS 『喉が嗄れるまで』


2015年3月25日をもって無期限活動休止を発表したThe SALOVERSの、休止前最後であり約2年半ぶり(2015年時)のフル・アルバム『青春の象徴 恋のすべて』に収録。「喉が嗄れるまで」は10代限定夏フェス“閃光ライオット2014”の公式応援ソング。メンバー4人だけで構想から完成までを手掛けた渾身の1枚。

青春時代はノドが渇きノドが枯れる。体育会系なら甲子園の応援団も悪くないが、文科系の青春はロケンローを歌いまくってノドを枯らすのがカッコいい。そんな気持ちを歌ったサラヴァーズは、名前の通りオサラバしてしまった。

The SALOVERS - 喉が嗄れるまで from LIVE DVD「青春の象徴 恋のすべて LAST LIVE at SHIBUYA CLUB QUATTRO」



●KITTIE『Cut Throat』


カナダ出身の女の子4人組メタル・バンドKITTIEが、デビュー10周年を迎えた2009年にE1 Musicと新たに契約を結び、通算5枚目のフルレングス・アルバム「IN THE BLACK」を放つ!

ノドは英語でスロート(throat)。「Cut Throat=ノド切り」転じて「人殺し」とは穏やかではないが、過激なメタルやパンクやラップにはノド切りソングが少なくない。その中でもデスメタル女子バンド、キティーのノド切りソングなら萌えた心で殺されそう。

KITTIE Cut Throat (new 2009!) Official Video



●Death In Vegas『Hands Around My Throat』


2人組エレクトロニカ・ユニット、デス・イン・ヴェガスのサード・アルバム『スコーピオ・ライジング』に収録 。ロック色の強い音作りを踏襲し、ゲスト・ヴォーカルにはリアム・ギャラガー、ポール・ウェラー、ドット・アリソン他を迎えた作品。

一方ノドに回した手(Hands Around My Throat)に何を求めるかは、男と女の関係でどうにでも変わる。ノドを締められ殺されるか、やさしくゴロニャンと愛撫されるか。どちらにしてもノドに手を回せる関係とは普通以上に親密な筈。瑛美さんとそんな関係になれたら絞め殺されてもいいかな?

Death In Vegas - Hands Around My Throat



●PLAGUE THROAT『Fallible Transgression』


プレイグ・スロートはインド・シロン出身のデス・メタル・バンド。メンバーはNangsan - Vocals, Guitar 、Malice - Drums、Jerry Nelson Ranee - Bassの3人。2017年5月デビュー・アルバム『ヒューマン・パラドックス』をリリースした。

デスメタルのバンド名に『Throat=ノド』はハマる。プラーク・スロート(疫病ノド)という名前のインド人デスメタラー。カレー臭いかと思ったが漂うのは死臭ばかり。ノドの奥から絞り出すデスヴォイスは、アイドル女子のデスヴォとは格が違う。次回のえいカラではえいたそデスヴォイスをリクエストしようか。

PLAGUE THROAT (India) - Fallible Transgression OFFICIAL VIDEO (Death Metal)



●Ruby Throat『in the arms of flowers』


ルビー・スローとは2007年に元デイジー・チェインソー/クイーンアドリーナのヴォーカリストのケイティ・ジェーン・ガーサイドとギタリストのクリス・ウィッティンガムにより結成されたイギリスのネオフォーク・デュオ。

ルビーのノドの持ち主は誰かと思ったら、90年代UKゴスロリの紅一点、デイジー・チェーンソーのケイティの新ユニットだった。キュートな猫なで声は年齢を経ても可愛らしい。ネオフォーク女子は妖艶な魔女のノド元を曝け出す。瑛美さんにもアシッドフォークを歌って欲しい。

ruby throat-in the arms of flowers



●AEROSMITH『ADAM's APPLE』


カリスマ溢れるフロントマン、スティーヴン・タイラー率いるUSの大御所がハードロック・バンドとしての地位を築いた、1975年発表のサード・アルバム『真夜中のヘヴィロック(Toys In The Attic)』に収録。他に1986年にRUN D.M.Cがカヴァーし、全米トップテンにランキングされた「ウォーク・ディス・ウェイ」他、全9曲を収録。

アダムのリンゴ(ADAM's APPLE)とはのど仏のこと。エデンの園でアダムがリンゴを喉に詰まらせたという逸話に基づく。エアロの歌詞は「ひとくち齧ったら恋に落ちた」アダムとイヴの物語。ノドに詰まらせたかどうかは明らかにされない。

Aerosmith - Adam's Apple (Audio)



●Furious Pig


1980年にイギリスのラフトレード・レコードからリリースされたポストパンク・アカペラバンドの唯一の12インチ・シングル。人間の声を使った実験的なサウンドを聴かせる。レコードの回転スピードは好きなように変えていい。

「ノドジャケ」はないか、と考えて思いついたのがこの12シングル。ケチャを取り入れたヒューマンヴォイスパフォーマンスは何でもありのポストパンク時代にあっても奇怪であり異端であった。35年経ってもジャケ写の大口開けたノドから零れる音のアブノーマリティーは変化していない。

Furious Pig - I Dont Like Your Face [1980]



●BiS 新生アイドル研究会 『primal』


前作ではオリコンデイリーチャート26位を記録、ロックフェス出演も果たした新生アイドル研究会“BiS”のニューシングル!アイドルながらもロックファンから支持を得ている破天荒ぶりに要注目!初回限定盤はPVなどを収録するDVD付き。2011/12/21 release

「ノドビデオ」はないか、と考えて思いついたのがこのミュージックビデオ。それまでも全裸やスク水で話題となり、メタル/パンク/ノイズ/地下アイドルのイメージを向上させた新生アイドル研究会=BiSの「内臓ビデオ」。BiS中イチニを争うエモい楽曲「Prima」にグロい内視鏡カメラ映像を組みあわせるアイデアはかなり萎えることは確かだし、筆者は最初に観て「アイドルってコレでいいのか」と勘違いしたまますでに7年が過ぎた。あと5年間は瑛美さんと一緒にドルヲタとして頑張ろうと意志を固めた次第である。

BiS 新生アイドル研究会 primal 【PV】



瑛美さん
ノドの奥まで
愛したい















つくる写真集PR動画(成瀬瑛美ver)

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【第4回解体的ジャケット交歓大会】ジャケ写界のニューモード『パフューム立ち』Perfume/TG/キッス/モーターヘッド/レジデンツ/オーネット・コールマン/タートルズ/エッジ

2018年02月22日 00時23分00秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Perfume、New Single『無限未来』2018/3/14 (水) Release 決定!!
2018/3/17 (土) 公開の映画『ちはやふる −結び−』の主題歌、『無限未来』のリリースが決定いたしました!!
今回のジャケット写真は、グアムの大自然の中、海外ロケにて撮影を行いました。ジャケ写界隈に注目。
Perfume公式サイトより)


初の海外ロケで撮影したジャケ写は、非日常のロケーションで何気に自然なポーズを決めるあ〜ちゃん、のっち、かしゆかの立ち姿は、言わば「ジョジョ立ち」ならぬ「パフューム立ち」と呼べるシチュエーション。今後のジャケ写シーンに旋風を巻き起こすこと必至。しかしながら思い返せば、このシチュエーションはパフュームが初めてではない。過去のパフューム立ちの実例を挙げてみた。
注:このテーマは♡天才野郎(..◜ᴗ◝..)@DubTheWorldさんのツイートにインスパイアされたものです。

●Throbbing Gristle『20 Jazz Funk Greats』

Industrial Records ‎– IR0008 / 1979

インダストリアル・ミュージックの提唱者スロッビング・グリッスル(脈動する男根)の1979年のサード・アルバム。自殺の名所の崖の上でポースを決める4人の微笑みが、無機質なインダストリアル・ミュージックと相俟って不気味な恐怖心を誘うが、目のやり場はノイズ/アヴァンギャルド界のピンナップ・スター、紅一点のコージー・ファニ・トゥッティのミニスカワンピのおみ足しかない。

Throbbing Gristle - Hot On The Heels Of Love 1979



●Motörhead『Ace Of Spades』

Bronze ‎– BRON 531 / 1980

極悪レミー率いる英ハードロック/ヘヴィメタル・バンド、モーターヘッドの1980年の5thアルバム。極悪ロッカーと悪役西部劇ファッションは切っても切れない関係があるが、史上最高に魅力的に体現したのがアリゾナ砂漠で撮影されたこのジャケ写であろう。ベルトに親指をかける不良スタイルで睨みを利かす3人の強面を見ると怖さを飛び越えて笑ってしまう。

Motörhead - Ace Of Spades (Official Video)



●The Residents『Eskimo』

Ralph Records ‎– ESK 7906 / Sep 1979

正体不明のまま半世紀活動を続ける前衛音楽グループ、レジデンツの1979年の代表作。トレードマークのアイボールを初めて冠ったジャケ写は、シルクハットにタキシードの正装で北極に立つポートレート。目玉の中の素顔は真剣なのかニヤケてるのか分からないが誰も気にしない。音楽的にも巫山戯てるのかマジなのか聴き手を煙に巻く地下音楽界七不思議のひとつ。

The Residents - Eskimo (the Movie, p. 1)



●Ornette Coleman Trio『At the Golden Circle』

Blue Note ‎– BLP 4224 / 1965

フリージャズの先駆者のひとりオーネット・コールマンの1965年のライヴ・アルバム。ストックホルムの雪原で撮影されたジャケ写の3人のキメキメなカッコ良さは、当時ジャズメンが最高に尖っていたことを証明する。オーネットは音楽の探究は勿論、最後までダンディ・ファッションを追い続けていた。

Ornette Coleman Trio: David, Moffett & Ornette - Paris 1966 (excerpt)



●Turtles『Turtle Soup』

White Whale ‎– WWS-7124 / 1969

アメリカン・60sポップ・シーンロックのバンド、タートルズの1969年の5thアルバム。「Happy Together」などのヒットチャートから創造的アーティストへの転身を図り、荒波の海辺に立つメンバーの表情は笑っていてもどこか虚しい。強風に靡くロングヘアーもでっぷり腹で帳消しか。翌年解散する彼らの最後のポートレート。

The Turtles - Come Over



●Edge『Edge』

Nose Records - NRS-48003 / 1970

アメリカ・ウェストコーストのB級サイケバンドの唯一作。世の中がサイケからハードロックへ変化した70年の時代性を反映した折衷的なサウンドは、近所の山の上で撮った写真にペイントしたコラージュのジャケ写が象徴している。足元に転がるのはキャンプファイアーの残骸だろうか。一晩中酒盛りをしたのかもしれない。メンバーの顔も何処かお疲れ気味。ギタリストは後にSky Saxon′s New Seedsのメンバーになったらしい。blog

Edge - Callin' Out



●Ornette Coleman & Prime Time『Virgin Beauty』

Portrait ‎– OR 44301 / 1988

70年代末にオーネット・コールマンが自らのハーモロディック理論実践のために結成したフリーファンク・バンド、プライム・タイムの1988年作。今回はアフリカの娘さんたちをモデルにした立ちジャケ。民族衣装を着たモデルさんたちとても嬉しそう。それをニコニコ満面の笑顔で見つめていたであろうオーネットの好々爺ぶりも聴こえてくる。

3 Wishes(Ornette Coleman)



●Perfume『無限未来』

Universal Music / 2018

パフュームの新作には別パターンのジャケ写がある。その一つが「パフューム立ち」ならぬ「パフューム跳び」。立てば芍薬座れば牡丹、跳んだ姿は香水華。メンバーのしたり顔が眩しい。

映画『ちはやふる -結び-』主題歌「無限未来」(Perfume)PV


●Kiss『Destroyer』

Casablanca ‎– NBLP 7025 / 1976

70年代アメリカン・ハードロックを代表するキッスの76年の4thスタジオ・アルバム。邦題『地獄の軍団』。間違いなくパフューム跳びのルーツである。燃える街の上空にジャンプする白塗りメイクのロッカーは、デトロイト・ロック・シティの雷神である。

KISS - Detroit Rock City - Live 1976


ジャケ写とは
妄想ゲームの
出発点

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【Disc Review】灰野敬二+SUMAC『アメリカドル紙幣よ  そのまま横を向いたままでいてくれ 正面からは見られたもんじゃないから』

2018年02月19日 02時01分44秒 | 灰野敬二さんのこと


Keiji Haino + Sumac ‎– American Dollar Bill - Keep Facing Sideways, You're Too Hideous To Look At Face On
灰野敬二+スーマック『アメリカドル紙幣よ  そのまま横を向いたままでいてくれ 正面からは見られたもんじゃないから』

2LP/CD : Thrill Jockey ‎– Thrill 463

Keiji Haino : g, vo, fl
Aaron Turner : g
Nick Yacyshyn : ds
Brian Cook : b

A1.
American dollar bill -
Keep facing sideways,
You’re too hideous to look at face on

アメリカドル紙幣よ 
そのまま横を向いたままでいてくれ
正面からは見られたもんじゃないから

B1/D1.
What have I done?
(I was reeling in something white
And I became able to do anything
I made a hole
Imprisoned time within it
Created friction
Stopped listening to warnings
Ceased fixing my errors
Made the impossible possible?
Turned sadness into joy)

しまった
(白いものを手繰り寄せていったら
 何でも出来るようになってしまった
 穴を開けてしまった
 時間を閉じ込めてしまった
 摩擦を起こさせてしまった
 忠告を聞かなくなってしまった
 誤りを片付けなくなってしまった
 不可能を可能にしてしまった?
 悲しみを喜びに変えてしまった)

B2/C1.
I’m over 137% a love junkie And still it’s not enough
僕は137%以上の愛のジャンキーだ まだ足りない

Recorded at GOK Sound, Tokyo June, 2017.
Mixed September, 2017.
Additional mixing, track edits, mastering October, 2017.

漆黒の自我と重厚な自我の蜜月はいつまで許されるのか?
昨年末からコラボ作品のリリースが続く灰野敬二の最新作は、2017年初夏に来日ツアーを行ったアメリカのヘヴィロックバンド、SUMACとのスタジオレコーディング。7月3日に新代田Feverのライヴで共演したが、その1週間前に吉祥寺GOKスタジオでレコーディングしたという。そのセッションが70分近い壮大なアルバムとなって発表された。レーベルはボアダムズやOOIOOの作品もリリースしているシカゴの名門インディ・レーベル、スリル・ジョッキー。ポストロックのイメージが濃いレーベルだが、昨年25周年を迎え、ヘヴィロックやストーナー系にも力を入れて音楽性の幅を広げている。
SUMAC/灰野敬二/ENDON@新代田Fever 2017.7.3 (mon)

共演ライヴではヘヴィなSUMACサウンドの嵐の中を突き抜ける灰野のプレイが際立っていたが、このアルバムの印象は若干異なっている。灰野がフルートとヴォーカルを担当するA1ではヘヴィなベースとパワードラム、ファズとワウのフィードバック・ギターの三位一体の安定感がカオスよりもコスモスを産み出し、灰野の叫びを下から支え、大気中に拡散するように展開する。ヴォーカリゼーションはネコの目のように目紛しく変化し、ロックともポストロックとも異質なストーリーテリング+環境ロックとでもいいたくなる未体験ゾーンへ突入する。別の曲名やアルバムタイトルを引用した歌詞が歌われるが、異なる曲/演奏/作品がお互い繋がり関係し合う在り方は、灰野独特のエニグマティックな問いかけであろう。歌詞に呼応するように鎮静/昂奮の間を行き来する演奏は、初共演とは思えないシンパシーに満ちている。それにしても曲名(と歌詞)に横溢する嫌米感は、トランプ以降灰野の中で危険水域まで高まっているに違いない。

B1の冒頭で聴かれる灰野とアーロン・ターナーの2本のギターの絡み合いは、単なるギター・バトルやアンサンブルではなく、自我を剥き出しにした本音の語り場と言えばいいだろうか。魂の晒し合いともいえる演奏空間は、単なる日米前衛ヘヴィロックのコラボレーションではなく、ひとつのユニット=共闘体として一体化しようとする意志の蠢きである。

突然演奏がカットアウトされて始まるB2は静謐で厳かな音の粒子が空気中を舞い聴き手の美的中枢を刺激し陶酔させる。言葉のハッキリした灰野のヴォイスが朦朧とした聴き手の心を眩惑し魂を覚醒させる。立ちこめる漆黒のイメージと耳を圧する重厚なサウンドに満ちたアルバムトータルのストーリーはまだまだ聴き手の予想や期待を上回るスケールで脈動するがこれ以上は語るまい。物語の続きは自分自身の耳で聴いて自覚的に理解するべきだから。

それにしても、コンストラクト、ジョン・ブッチャー、SUMACというまったく世界の異なるアーティストとの共演が、いずれも高い完成度と共感/共闘姿勢に貫かれた灰野の充実振りを目の当たりにして、地下音楽の深層に流れる異端の泉の魔性の悦びに酔い痴れる快楽を噛み締め続けていたい。

問いかける
許せないのは
誰なのか

Keiji Haino & SUMAC - 'American Dollar Bill..' (Album trailer)
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【地下音楽おススメ情報】2月24&25日開催『Night of the Fringe 2Days』〜エレファントノイズカシマシ/Konori SP./ケロッピー前田/森川誠一郎他

2018年02月18日 02時34分55秒 | 素晴らしき変態音楽


2018年2月24日(土) 桜台 Pool
Night of the Fringe 2Days – vol.6 Day 1
:Live: 
エレファントノイズカシマシ  LINKRAFT  DΣ/VRI/Z  Straytone
:DJ: 
TBA
:VJ: 
Qliphoth
…and Konori SP. plays the live!

前売・予約: 2500 yen + 1drink
当日: 3000 yen + 1drink
Open 18:30 Start 19:00
予約は 桜台Pool(https://reserva.be/pool)まで



●エレファントノイズカシマシ


エレファントノイズカシマシは、音と音楽の究極に美しい輝きを追求する、東京新世代音楽集団。2012年結成。 2017年、ファーストアルバム『DISCOVERY』を発表し、クラブ、ライブハウス、野外とあらゆる空間での活発なライブ活動を続けている。 現在は、レーベル『PHETISH/TOKYO』代表、そして歌手でもある片岡フグリ。 現代美術家の小林ムーク。 莫大な量の作品を発表し続ける音楽家、剤電。 鉄骨を基点としたオリジナル楽器を操る、岡本ノイズ広場。 金星のスカムR&Bゴリラ『KING KONG JAPAN』としても活動する、小松成彰。 みんなの愛されモテノイズ、ギタリストのΣ(シグマ)。 の6名で活動を展開している。 東京、頂点、エレファントノイズカシマシ。

●DΣ/VRI/Z (デブリ)
グリッチ・エレクトロ二クスをベースにビートの緻密なカットアップコラージュやダブを織り交ぜた、難解な数式のようなサウンドメイクを特徴とするDΣ/VRI/Z。存在意義をアーティスト個人に依存することを避け、“主役はあくまでもそのサウンドと楽曲”というスタイルを取っている。昨年10月には1ST EPとなる“DIZCIPLINΣZ”をリリース。ライブでは各会場のサウンドシステムの限界値に挑む爆音と重低音を響かせる。
official website

●Straytone


電子音楽やエレクトロ・アコースティックのパフォーマンス・作品を通して、装置による自律的な音響生成と人間による即興演奏の関係性を探求。オブスキュアなドローン/音響ノイズを作り出す。ギタリスト増渕顕史との共同イベント Spontaneous Ensembleを主宰する他、Zoo Tapes 佐々木秀典(Plateaux of Noise 現代ノイズ進化論 DOMMUNE)と共に広義のノイズミュージックを扱った Kindle 電子書籍 Recommend Magazineを開発。

●LINEKRAFT


屑鉄!廃材に塗れ!頑迷なる廃人!工業廃棄物!音を暴発し!鉄工活動を行う!!
私は!演奏において!クズ鉄と対峙する一人の!工業患者なのだ!襤褸糞の鉄缶を!
廃材に追い込む!酸素欠乏の果てに!痙攣する重工業地帯!激怒する鉄工の石頭が!
青い金属片を!吐き散らす!喚き散らす!!

●Konori SP.(Secret Guest)


Current93との交流も深い静岡の魔女Konori 率いる音楽集団 Konori SP. 襲来!
konori sp.
ギター 野田篤
ベース 小林貴史
ドラムス西村比呂行
サックスIlkumi
ボーカルkonori

●VJ Qliphoth
タナトスとエロスが共存する生命の樹の鏡像としての邪悪の樹。無意識の領域に潜む根源的な欲望をシジルとしての映像を通じて解放することを目的としている。




2018年2月25日(日)桜台 Pool
Night of the Fringe 2Days – vol.7 Day 2
:Live:
ケロッピー前田&DJTkd  Brain Pulse Music(馬頭將器) NP(すずきふみよし)
:DJ: 
森川誠一郎  DJTkd
:VJ: 
Qliphoth
:Booth: 
八幡書店 (ブレインマシンKASINA 体験スペース有)

前売・予約: 2500 yen + 1drink
当日: 3000yen + 1drink
Open/Start 18:30
予約は 桜台Pool(https://reserva.be/pool)まで



●ケロッピー前田 with DJ TKD


カウンターカルチャーを追う男・ケロッピー前田はツァイトリッヒ・ベルゲルターのメンバーだった過去を持つ。美術家サエボーグへの楽曲提供等で知られるDJ TKDとともに“音”の新境地を探求する!

●DJ TKD


乃木坂DEEPを拠点として、DJ EMMAらと下北沢ZOO、恵比寿MILKなどで活躍。00年からは漫画原作者として、『LAZREZ』『皆殺しのマリア』(ともに作画/竹谷州史)などを手掛け、近年は美術家サエボーグの作品《Slaughterhouse-9》《HISSS》に楽曲を提供している。

<Brain Pulse Music(ブレイン・パルス・ミュージック/脳波の音楽 とは>


長 らく実験的な前衛音楽を中心に活動してきた音楽家、馬頭將器(ばとうまさき)は、今年、従来とは一線を画した全く新たな表現領域へ踏み出した。それは従来の何らかの楽器類を操作して、或は声帯による唱法によって音楽表現をするのではなく、自身の脳波を抽出して純粋にそれのみをジェネレーターへ送り音楽表現 とするものである。具体的には、頭蓋にのせたヘッドセットから前頭葉及び側頭葉の脳波をピックアップしてワイヤレスにて受信機へ送り、ジェネレーターに於 て周波数へ返還して原初の出力とするというものだ。苦労の末に開発したこの装置は、小金井市の音響機器製作会社MKCにお願いし完成したものだ。脳波 を抽出して送信するというのは、現在でも医療系の特殊機器領域でしか開発・使用されていない先端特殊技術だ。
今回のこの馬頭將器の新しい音楽表現は、あらゆる肉体的運動も表徴も伴わない、純粋に脳波のみを媒体として創造される思考的音楽であり、思考や感情、瞑想などにより脳波をコントロールしてその時々の即興性を見せるメタフィジカルなものである。
<従来の即興音楽、実験音楽、アヴァンギャルド等の前衛音楽との違い>
作為的にならず、何の準備もなく、心の赴くままに前衛らしく(突拍子も無い事をやらなくてはいけない)演奏する従来の方法には限界があった。元来、その時そ の時の気分であらゆる概念から解放されて完全にフリーに、スピリチュアルに、有機的に演奏する表現方法を目指したはずが、フリージャズやジャムバンドとい う即興主体のジャンルが出来てブームになってしまった程、これらの表現方法はもはやパターン化して固着している。なぜなら演奏家というものは日々技法を獲 得したり学習するもので、どうしても「習慣」や「パターン」で演奏してしまうようになるからだ。既成の概念を断ち切るのが目的であったこれらの音楽のアイ ンデンティティは昨今厳しいものがある。
「Brain Pulse Music」は、楽器演奏技術や歌を含む全ての肉体的動作と無関係に、ただ座位のまま黙想する事によって即興演奏するため、作為の一切及ばない真の即興音 楽だ。従来の音楽家との比較は無意味だが、また「Brain Pulse Music」のジャンル仕分けも無意味だが、スタート地点の概念が根本的に大きく異なるということにおいて、意義ある実験音楽であり、前衛音楽であ る。

●すずきふみよし


1985年より音楽活動を開始。NPの名義でソロのノイズ作品を制作発表,国内外の数々のコンピレーションに参加する。ゲロゲリゲゲゲとの合同ユニットTHE GERO-Pは80年代のパワーエレクトロニクスの金字塔としていまなお評価が高い。その他のバンド活動ではザトペック・サッカー,ゼニゲバなどに加入。ギタリストとして演奏を残すもいずれも早期に脱退。1993年にはベーシストとしてのリーダーバンド,マクラル・カン・モールディング・カンパニーを結成しプログレッシヴなミクスチャーサウンドを展開した。90年代の終わりごろからはソロ活動に軸足を移し,ギターの即興演奏とノイズ音楽の語法の融合を追求している。2016年には活動開始30年を過ぎてようやく初のソロCDを発表。さらなる展開が期待される。

●森川誠一郎/ミュージシャン


84年より活動。現在は血と雫 je prie pour que la goutte ne tombe pas. Vocalist. 他に主に朗誦による即興演奏等。GrandFish/Lab 主宰。

●ブレインマシンKASINA デモンストレーション
べんいせい氏のモジュラーシンセサイザー即興演奏にシンクロして当日の為に大型化したブレインマシンKASINAが点滅し会場に光を放射します。会場に居合わせた人たちが同時に変性意識を体験するでしょう!

●VJ Qliphoth
八幡書店社主の武田崇元氏の全面的バックアップのもと、KASINAの改良版が出現して観客をトリップさせます。壁面に投影される映像パターンがモジュラーシンセサイザーの演奏で変化して観客をトリップさせるはずです!

地下世界
被ってしまう
仕方なさ




2018年2月24日(土)高円寺グッドマン
即興演奏
イノスボクス (鎌田雄一as 森下雄介tp,syn) + 福田理恵syn/吉野繁as 竹田賢一 大正琴 デュオ
開演:20時 チャージ2200円(400円D付)




2018年2月25日(日)渋谷CHELSEA HOTEL
「笑顔の決意表明 〜Undying Light〜」
ネクロ魔今泉怜生誕祭


op17:30/st18:00
前売¥2700+1D / 当日¥3200+1D

エレクトリックリボン
SAKA-SAMA
爆裂女子
Zombie Powder
969
今泉怜
NECRONOMIDOL
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灰野敬二/身体拡張2018 公園デビュー@アーツ前橋 2018.2.10 (sat)

2018年02月17日 02時22分52秒 | 灰野敬二さんのこと


身体拡張2018 公園デビュー
灰野敬二ライブパフォーマンス


日時:2月10日(土) 14:30~16:00  
   ギャラリー2 開場14:00  開演14:30  (60-90分演奏予定の16:00までには終演 )
出演:灰野敬二



アーツ前橋は2013年10月にグランドオープンした美術館を中心とした芸術文化活動の支援や振興を担う施設。元デパートだった建物をそのまま活用した造りは通常の美術館とは違った独特の雰囲気がある。今年2月に三週間にわたり身体表現(パフォーマンス、音楽、演劇、ダンスなど)に焦点をあてたイベント「身体拡張2018 公園デビュー」が開催中。そのイベントの一つとして灰野敬二のライヴ・パフォーマンスが開催された。群馬県で灰野がライヴを行うのは数年前クラブイベントでDJで出演して以来。90年代には赤城山の私設クラブで何度かライヴを行ったという。余り会場内を観て歩く時間はなかったが、広いスペースのそこかしこにアート作品が設置され、その多くが直接触って楽しめる展示なので子供たちも楽しく観覧できる。大道芸のような言葉と動きのパフォーマンスが行われ、非日常に日常を取り入れた雰囲気の憩いの場でもある。
アーツ前橋公式サイト



地下一階の会場は吹き抜けのホール。椅子席ソファ席立見合わせて100人近い観客は芸術家風の年配者とロックやサブカル好きそうな若者に混じって子供連れの姿もある。普段の美術館とも違うが、普段の灰野のライヴ現場とも違う、開放感と自由な空気に満ちている。主催者の挨拶に続き、灰野が両手に持ったタンバリンを打ち鳴らしながら登場。そのままパーカッション・ダンスに突入。突然始まった非日常の風景に子供たちが昂奮した声を上げる。シンバルやタンバリン、ウォーターフォンなどを持ち替え踊る姿は白い床や壁面から浮き上がって見える。天井が高いから音の抜けがよく響きが風のように広がる。エナジーチャイムの金属質の高音に子供たちが耳を塞ぐ反応が素直でいい。



半ばでポリゴノーラの演奏。新たに口径の大きなLPサイズのポリゴノーラが加わり、音階というより音の振動の周波数の幅が広がった。初めて聴いた時、ガムランと勘違いしたが、見晴らしのいい空間で聴くと、水面に落ちる水の飛沫が円になって広がるように、打撃音が周囲の空気の振動を助長させ、聴き手の耳に届く前に妙なる楽音に変化する過程が想像できる。平らな金属の表面に落ちた雫が、空気中に張り巡らされた見えない葉脈を伝わりながら、自らの振動であらゆる不純物を浄化し結晶化して、光合成ならぬ音合成により音のクロレラを生み出すのである。その様子をステージの後ろの階段に座った子供が見下ろしている。再び大きなシンバルを体全体で鳴らして踊る灰野の姿は、天空に舞う天女の影が白い部屋に投影されるように思えた。約50分で演奏終了。短いながらパーカッション・ダンスの真髄を見せつける熱演に、会場は拍手に包まれた。

打楽器を
打つのではなく
歌わせる

<灰野敬二 LIVE SCHEDULE>
3月2日(金)東京・秋葉原クラブグッドマン
~深遠にして深淵なる不可思議 vol 2~
不失者1981、The Silence,


19:00 open/ 19:30 start
adv. 3,000円 / day 3,500円 +drink代

不失者1981:
灰野敬二 Gt, Vo
臼井弘行 Dr
渡辺弘之 Bass

The Silence:
馬頭将器 Gt, Vo
岡野 太Dr
山崎 怠雅Bass, Vo
吉田 隆一B Sax, Flt



3月21日(水・祝)東京・秋葉原クラブグッドマン
<GIGANOISE 5>

開場 12:30 / 開演 13:00
予約 ¥3500/当日¥3800(+1drink)

【出演】
1.灰野敬二+ドラびでお
2.MikaTen(美川俊治+テンテンコ)
3.ASTRO+若林美保
4.Bilwa (Berlin) x DaveSkipper
5.APOCALYPTO(Motomu Miura+Ataraw)+Shozin Fukui
6.齋藤久師
7.maitadaisuke(青森)+妖精マリチェル(岩手)+noizu(岩手)
8.壊れたホテル(岡山)
9.野本直輝+竹下勇馬
10.遊神(岡山)
11.森田潤
12.ファミコン地獄(岐阜)
13.TENTAK(大分)
14.荒川淳(ReddTemple:郡山)+沼田順(doubt music)
15.百武和馬
16.緊那羅:DESILA
17.メメンカンチン (大阪)
18.丹野美紀(郡山)
19.Spaceship airguitars (大分)
20.矢儀哲也(山口)
21.纐纈淳也
22.Rubi Lopossa(濁郎+ラップ)
23.Outer Lung(DOMMUNE)
24.沖縄電子少女彩(沖縄)
25.宇川直宏(DOMMUNE)




4月27日(金)東京・六本木SuperDeluxe
ブロッツマン/リー/灰野敬二 
BRÖTZMANN / LEIGH Japan Tour 2018


開場 19:30 / 開演 20:00
予約3000円 / 当日3500 (ドリンク別)

出演(トリオ):
ペーター・ブロッツマン(サックス)
ヘザー・リー(ペダルスチールギター)
灰野敬二
詳細&予約 → sdlx.jp/2018/4/27/

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【地下アイドルへの招待】第4回:デスヴォイスのギャップ萌え〜PassCode/Candye♡Syrup/969(クロック)

2018年02月16日 10時35分07秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


地下アイドルへの招待  
第4回:デスヴォイスのギャップ萌え


DJ Necronomicon ネクロノミコン(aka 剛田武)


デスメタル、ハードコアやノイズシーンで盛んな獣の唸り声のようなダミ声は「デスヴォイス」と呼ばれる。メタルアイドルの先駆者BABYMETALはクリーンヴォイスだが、その影響を受けた地下アイドルの多くがより激しさを求めてデスヴォイスを取り入れ、筆者がアイドル沼の深みにハマった2016年には「ライヴアイドル=デスヴォイス」の様相を呈し、無理矢理声を潰して歌う少女の姿に心を痛めた時代もあった。その証拠にネクロ魔、ブクガ、ヤナミュー、偶ドロといった推しアイドルにデス声はいない。しかしライヴ現場で聴くデスヴォイスは決してオヤジの禿頭ほど醜悪ではない。むしろ一回限りの短い青春をダミ声に捧げる乙女の純情に胸キュンする。デス声メンバーの素顔が真逆のおっとり系だったりするギャップ萌えも捨て難い。

●PassCode(パスコード)


2013年大阪で結成。通称パスコ、ファンの総称はハッカー。メンバーは南菜生(21)、高嶋楓(24)、今田夢菜(23)、大上陽奈子(19)。ラウドロックやEDMなど様々なジャンルの融合体である楽曲と、メンバーの今田夢菜のシャウト・スクリーモが特徴。初めて観たのは2015年10月のバンもんフェス。目紛しく変化する曲調とモッシュリフトダイヴ何でもありの現場に恐れを成した。メジャーレーベルと契約して禁止事項が増えてライヴ現場は多少平和になったが、音楽性のスピード感はハンパない。デス声ちゆな(右から2番目)をはじめ美形揃いなのにジャケ写はいつも幾何学模様。外見じゃなく音を聴け!という気持ちの表れだろうが、アイドルならではのヴィジュアル&サウンド両面完備でメジャーブレイクの期待が高まる。

PassCode - Same to you

公式サイト


●Candye♡Syrup(キャンディシロップ)


2017年6月22日始動。原宿のヘアサロンがプロデュースする天使さぁや[エンジェルホワイト] | 初音いちご[コットンキャンディーピンク] | 相咲舞[マーメイドブルー] | 稚杏ころも[ミルキーパープル] | のん[メルティーブラック]の5人組。フェアリーキュートな世界観と超ブルータルなラウド、スカ、メロコア・サウンドという一見相反する要素を融合させ、「ドルヲタとキッズの境界をなくすべき誕生した、アイドルの枠を超えたアイドル」をコンセプトに活動する。うぇいうぇい原宿ガールズが最前列を占める現場は異色だが、超絶ロックとイケイケダンスビートに炸裂するのんのデスヴォイスはギャップをぶち壊してカオス化し、サイリウムが舞う現場がヲタ心をトキメかせる。

Candye♡Syrup -「Candye♡Syrup」 (Official Music Video)

公式サイト


●969(クロック)


2016年3月に結成されたロックアイドルグループ。2017年3月に第二期新メンバーで再始動。全身全霊ロック!史上最強のROCK IDOL目指して活動中!メンバーは赤松澪、月風珠梨、高菜なな、ちりめん。筆者はまだ2回しか観ていないが、ダンスや振り付けのシャープな切れ味とヴォーカルワークの完成度はインディーシーンのトップクラス。ブラック衣装に身を包みダンスビートを排してラウドロックに特化したストイックさは男(女)気あふれる。デスヴォイス担当のちりめんが一番おっとりしているギャップ萌えの権化のような存在。ラウド系アイドルシーンで頭ひとつ抜ける可能性を秘めている。

969 - Catch The Light [OFFICIAL LIVE VIDEO]

公式サイト

萌え声が
声変わりして
デス声に

【告知】剛田武『地下アイドルへの招待』講義します!


『BUBKA presentsオキュパイ・スクール 2018 たま爆発・ザ・公開制作』
2018年4月1日(日)高円寺パンディット

OPEN&STRAT 18:00/入場料(当日のみ)1500円

出演:姫乃たま・じゃぽにか・花房太一・剛田武・石丸元章・ケロッピー前田
サポート NPOヒューマンビーイングクラブ
問い合わせ keroppymaeda@gmail.com
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【完全セトリ公開 動画あり】盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.10

2018年02月15日 01時28分53秒 | 素晴らしき変態音楽


2018年2月12日(月・祝)18:00〜22:30開催
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.10
Le Bizarre Printemps


Complete Set List 完全セットリスト Movies by Albany and DJ Qliphoth
●Undergroud Music Battle #1 : DJ Necronomicon (N) x DJ Paimon (P) x DJ Qliphoth (Q)
1. ・・・・・・・・・ / ねぇ (N)
2. G-Schmitt - L.S.D (P)
3. ヤなことそっとミュート / HOLY GRAiL (N)
4. G-Schmitt - Holy Celebration (P)
5. ゴールデンハーフ / 太陽の彼方 (N)
6. 黒木香 - 時からの誕生 (P)
7. 秋元ともみ / 少女神話 (N)
8. Wink - 時計を止めて (P)
9. 志賀真理子 / オルゴールを止めないで (N)
10. 伊福部昭 - 北の海に死ぬ鳥の歌(「アイヌの叙事詩に依る対話形牧歌」より)(Q)



●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武
1. アマニタ / B1
2. Olivier Messiaen / Oiseaux Exotiques
3. Gerd Zacher / John Cage: Variations I
4. HAMIDASYSTEM / 夢うつつにキスをして
5. Philip Glass / Einstein On The Beach
6. 小杉武久 / マノ・ダルマ′74
7. John Cage / Fontana Mix
8. Maison book girl / 言選り
9. Zoltán Jeney / Üvegekre És Fémekre
10. Frank Zappa / Greggery Peccary
11. xoxo(Kiss&Hug) EXTREME / The Last Seven Minutes (MAGMA COVER)
12. Pierre Henry / Overture / Sirene
13. Go Hirano / track5
14. NECRONOMIDOL / Witching Hour



●DJ Paimon a.k.a. Moppy
Turkish Female Acid Folk Set
1. Merih 2000 - Mars 2000
2. Esin Afşar – Yağan Yağmur
3. Tansu‎– Kime Sormalı
4. Sevil & Ayla – Yiğitler
5. Afet Serenay‎–Maden Dağı
6. Hülya‎– Ilgaz
7. Çığrık‎– Dağlar Dağlar II
8. Şirin – Şeyyy
9. Çiğdem - Sandığımı Açamadım

●DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元 
1. Bruno Spoerri & Reto Weber "First Impression"
2. Ralph Lundsten "Coldness"
3. The Astral Dimension "Eclisse"
4. Luigi Russolo "Ronzatre"
5. Luigi Russolo "Crepitatore"
6. Luigi Russolo "Ululatore"
7. SUGAI KEN "贋扇拍子"
8. Luigi Russolo "risveglio di una città Esempi sonori di Intonarumori"
9. Luigi Russolo "Gorgogliatore"
10. Кыргыс Сорукту "стиль хову каргыраазы хоомей кагыраазы"
11. MERZBOW "WOODPECKER"



●Undergroud Music Battle #2 : DJ Qliphoth (Q) x DJ Athmodeus (A) x DJ Bothis (B)
1. 瘡原亘 – VOX side1 (VOX) (Q)
2. Pierre Schaeffer Bruitage - Étude Aux Chemins De Fer (N)
3. 東京キッドブラザース - 紫陽花邑幻想 (B)
4. LSD – KAREN NASH (Q)
5. ロマンポルシェ。/ 解剖室 (A)
6. GASTUNK - Into The Fire (P)
7. J.A.Seazer - 君は答えよ(オムニバスアルバム 薔薇門)(Q)
8. 川谷拓三 / だよね (A)
9. 黒百合姉妹 - Azul(「夜が星をしたがえて」収録)(Q)
10. Track from 永田一直/和ラダイスガラージ (A)

●DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫
1. Emmanuel Booz – Ode aux rats (dans quel ètat j’erre)
2. Emmanuel Booz – Samedi 15 Dècembre (le jour où les vaches...)
3. Vox populi – Jubé man (Magiques Creations)
4. Ariel Kalma – Bakafrika (Le Temps Des Moissons)
5. Teddy Lasry – Flutando (patchwork)
6. Teddy Lasry – Kikinda(Tutti Fluti)
7. Der Blutharsch – Time is thee enemy! (Time is thee enemy)
8. Combative alignment – Ⅱ (Everlasting Sun)
9. Yamukurae ― Yugami Yami (La Sposa Dello Stagno)
10. 瘡原亘 ― 蠅の王 (Mythos)
11. 瘡原亘(日本住血吸虫)― 天刑星(電気的降霊会)
12. Death in June – Ku Ku Ku



●DJ Athmodeus a.k.a. 持田保
1. Phew / 困っています
2. Archie Sheppard / Brotherhood At Ketchaoua
3. O.S.T. / Decoder
4. Bing / Homenaje A La Musica Colombians
5. Dick El Demasiado / Tocotoc El Caballito
6. Acid Arab / La Hafla
7. El Mahdy Jr. / Eternal Here And Now

●DJ Osmunda Japonica a.k.a. 橋本孝之
1.「津軽海峡冬景色」高橋巖
2.「浜千鳥」田端義夫
3.「A secret track on『SENSES COMPLEX』」.es(ドットエス)&藤本由紀夫
4.「Sabinezu」GUNJOGACRAYON
5.「Dacccho Presley」kito-mizukumi rouber
6.「A Mi Nina Rosa Alba」Tomatito
7.「Revolution 9」The Beatles(with a live alto saxophone performance by DJ Osmunda Japonica a.k.a. 橋本孝之)



●DJ Bothis a.k.a. MSS
1. Not Only Bones - I'm An Empty Dream's Keeper
2. 三島由紀夫 - 全共闘への共感
3. Sachiko - Route 21
4. Gameboymusicclub - Viele Bunte Autos5.
6. The Folk Crusaders - I Only Live Twice(taken from “farewell concert”)
7. 坂田 明 - 祇園精舎
8. Dernière Volonté - Der Zörn Gottes
9. ロレッタ・セコハン - 像
10. Embudagonn 108 - Variations #0
11. 安田成美 - 風の谷のナウシカ
12. Peter Brötzmann Octet - Machine Gun
13. Rassemenschen Helfen Armen Menschen - Alles Ist Mir Recht
14. Westblock - Europa
15. Kowalski - Komm Hier



有り得ない
異端音楽
此処に在り

<次回開催>
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.11
Le Sacre du Équinoxe

2018.3.24(sat)

18:00 Open/Start
Charge ¥1,000 incl. 1 drink
Shibuya DJ BAR EdgeEnd
TEL:03-5458-6385
E-Mail:inqiry@edgeend.com

All Star Regular DJs + Special Guest
★来場者に爆裂ZINE『盤魔殿アマルガム』無料進呈
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