A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【動画有!ライヴ・レポート】NRYY×Yong Yandsen/MOGRE MOGRU/eifonen/Oriental Love@高円寺Fourth Floor II 2022.12.18 fri

2022年12月18日 02時14分02秒 | 素晴らしき変態音楽


2022年12月16日(金) 高円寺Fourth Floor II
free zone

高円寺の地下音楽の拠点Fourth Floorの2号店として2021年12月末にオープンしたライヴスペースがFourth Floor II(以下FF2)。白い壁の長方形のスペースはアコースティック楽器の音がよく響く。サウンドチェックの時にフルートの音がよく反響するのに驚いた。PAを通した電子楽器の音もよく聞こえて、モニターなしでもアンサンブルがしっくりくる。スタイルの異なる特殊音楽家4組が集まったこの夜は、FF2の特性をフルに活かす音響的にも面白いイベントだった。

●Oriental Love


旧Fourth Floorが12月10日にOriental Forceと名前を変えて新装オープンした。そのオーナーがモジュラー奏者のOriental Love。レトロエフェクターのスペース・エコーを持ち込んだ実験的なモジュラー演奏は、裏で鳴り続けるメランコリックなピアノが魅惑的な郷愁感を感じさせ、爆音の波の中で瞑想するような体験だった。ストリーテラーとしてのオリラヴ氏の魅力に溢れた30分だった。





●eifonen


ヴォイスパフォーマーeifonen氏とは吉祥寺NEPOで何度か対バンしたが、いつもデュオ編成のユニット、ラロトンガだったので、ソロのステージは初めて。マイク1本、声と身体で出す音だけで作り上げる濃厚なパフォーマンスは、サプライズとユーモアに満ち溢れ、ともすれば俯きがちになる地下音楽現場を笑いの渦で発光空間に変貌させる。声の持つ計り知れぬパワーに驚愕する。自分たちはまだ声の潜在能力の半分以下しか使っていないのかもしれない。





●MOGRE MOGRU


「朗読~鳥/密林~ミニマル」の流れ。馴染みの「潜れ」の詩から始まったが、途中から初耳の別の詩になる。初めて聴く言葉に影響されて自分の演奏が変化するのが我ながら面白い。聴き手には伝わりにくいかもしれないが、これが即興の醍醐味と言える。特に意識しなくても場面切り替えがスムーズに出来るのはメンバーの意識が繋がっているからに違いない。中央線ディープ地帯の中心・高円寺で深く潜るのは楽しかった。





●NRYY(g)×Yong Yandsen(sax)


ヤン・ヨンセンは阿部薫の大ファンだと言うので、何故(阿部と同じ)アルトじゃなくテナーを吹いているのかと尋ねたところ「アルトは音がキンキンして頭が痛くなる」との返事。ヤンのテナーの豪快な爆音を聴くと、こっちのほうが頭に良くないのでは?と思ったりもする。マウスピースを外してサックスを吹く特殊奏法がヤンの得意技。パーツ管だけを笛のように吹くのは、小学生の頃ジュースの瓶の口を吹いて遊んだことを思い出す。子供心に通じる探求心を演奏に取り入れているのが嬉しい。NRYYのギターが轟音ノイズだけでなく繊細な微音をも見事に奏でる。理想的なデュオ・インプロヴィゼーションに感動した。



FF2とOriental Force。2023年はモグモグが高円寺に出没することが増えそうな予感がする。

潜るには
最高の街
高円寺

【MOGRE MOGRU今後のスケジュール】
2023年
1月20日(金) 高円寺Oriental Force
盤魔殿レーベル Les Disques Du Daemoniumリリースイベント(仮)
MOGRE MOGRU
Rie Fukuda
BEKATAROU

2月3日(金) 吉祥寺NEPO
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP Vol.5~Physical Graffiti(仮)
MOGRE MOGRU
愚弁
maguna-tech
鈴木和美(flute)&ひるり(dance)デュオ

詳細後日。お楽しみに!
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【週末ライヴ情報】『Free Zone』12/16(金)高円寺Fourth Floor II~MOGRE MOGRU/NRYY×Yong Yandsen/Oriental Love/eifonen

2022年12月13日 02時17分57秒 | 素晴らしき変態音楽


2022年12月16日(金) 高円寺Fourth Floor II
free zone
19:00 open 19:30 start
2300yen+1drink(500yen)
予約 https://fourthfloor.jp/contact-us/

「Free Zone」のタイトルの元、坂田明バンドのメンバーとして来日中のシンガポールの変態サックス奏者ヨン・ヤンセンと即興ノイズギタリストNRYYのデュオをはじめ、モジュラーシンセのOriental Love、唯一無二のボイスパフォーマーeifonen、そして我がインプロ・アンビエントユニットMOGRE MOGRUというスタイルの異なる4組が出演する金曜日の高円寺の夜は、自由地帯ならぬ無法地帯になるに違いない。集え音楽の無法者どもよ!

TIME TABLE(各30分)
19:00 Oriental Love
20:15 eifonen
21:00 MOGRE MOGRU
21:45 NRYY(g)×Yong Yandsen(sax)


●Oriental Love


北海道生まれ、東京在住。現在は東京を中心にライブと制作を中心に活動中。自然界の持つ暴力性と美しさを自身の表現理念の中心に置き、現代の民族音楽の構築を志す。音源は海外から7枚のアルバムをリリース。12/10高円寺にライブスペース&ギャラリーOrietnal Forceをオープン。



●eifonen(エイフォネン)


eifonenは、即興ボイスパフォーマンスの他、Gnu Boys、Hymne、センチメンタル入道、fat boy explosion、Minna Taiyo、ラロトンガ、Dreadledge、ダブルエレメントなどといった様々なグループで活動しているボーカリスト。今回はボイスソロを聴かせる予定。



●MOGRE MOGRU(モグレモグル)


剛田武(flute, clarinet, violin, accordion,etc)、Tanao(guitar)、黒い瞳(musical saw, glockenspiel, recorder, toy instruments, voice, etc)からなるトリオ。2021年7月結成。ライヴ・パフォーマンスを“DIVE ACTION”と呼び「DIVE DEEP!/深く潜れ!」を合言葉に表現活動を行っている。アコースティック楽器の即興演奏とディープなアンビエントギターで“Improv-Ambient(インプロヴアンビエント)サウンド”の新たな地平を切り拓く。2022年6月限定メタル缶入り4枚組CD-R BOX『DIVE ACTION BOX 1』をリリース。



●NRYY


Improvised guitar,Harsh Noise,Noise performer,ragtime guitar。大阪出身。国内のみならずマレーシアを拠点に東南アジア各国で活動。ソロの他にもコラボレーションも積極的に行なってきている。



●Yong Yandsen(ヨン・ヤンセン)


サックス奏者。
クアラルンプール・コンテンポラリー・ミュージック・フェスティバル、アジア・ミーティング・フェスティバル(日本)、モザイク・フェスティバル・シンガポール、チョップ・エクレクティック・インプロバイズド・ミュージックフェスティバル(シンガポール)、フリー・ジャズ・アンド・インプロヴィゼーションフェスティバル(シンガポール)、ミュージック・マターズ・フェスティバル(スリランカ)などで演奏を行う。
ダレン・ムーア、ブライアン・オライリーと「Game of Patience」として活動。日本、シンガポール、スリランカ、タイで即興演奏を行う。
デビューCD「Trial and Error」とアルバム「The Bad Sleeps Well」をリリース。音楽家 Sudarshan Chandra Kumar とアートスペースオーナーの Tey Beng Tze と共に、2017年に LaoBan Records を設立。Sudarshan とのデュエット「His Hubris Clinamina」をリリース。


モジュラーと
声とインプロと
アンビエント

▼アウトドア派アンビエントユニット。
MOGRE MOGRU 2022年11月13日(日) 埼玉・風来の森 『不思議なおんがく』森のバーべーキュー&音楽会

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★全音源試聴可!!【異端音楽イベントレポート】盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.44@阿佐ヶ谷TABASA 2022.12.9(fri)

2022年12月12日 00時45分18秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.44

2022.12.9 fri 阿佐ヶ谷TABASA
18:00 Open/Start
Charge 1,000YEN + 1 drink

Live:恐山vibration(持田保, TKD, 剛田武)
Guest DJ:aBiSyEikAh⊆(アビシェイカー)

DJ Ipetam a.k.a. Rie fukuda
DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
DJ Vaby a.k.a.大場弘規
DJ Bothis a.k.a.山田遼
DJ Necronomicon a.k.a.剛田武

早いもので2022年もあと20日余り。平日の満月の夜の開催となった盤魔殿vol.44は予想を超えて多くのお客さんにご来場いただき、ゲストDJのアビシェイカー氏、ライブアクトの恐山vibratonの熱演に加え、レギュラーDJ陣もそれぞれの持ち味を発揮して、本年度一二を争う盛り上がりを見せた。サブカル/フリンジカルチャーとメインカルチャーの境界が曖昧になりつつある今、盤魔殿のプレイリストが世界標準になる日も遠くないかもしれない。万国の異端音楽ラヴァーズよ、いまこそ団結せよ!

●DJ Vaby a.k.a.大場弘規


1990年にPSFからリリースされたGhostの1st CDは大きな衝撃だった。ヨーロッパ中世音楽の香り立つサウンドはワイルドなファズだけがサイケじゃないことを教えてくれた。現在The Silenceを率いて活動する馬頭將器の活動をアーカイヴするプレイリストは日本のサイケ史のひとつとして世界に発信すべきだろう。

テーマ: ワークス オブ 馬頭將器
1.Helena Espvall & Masaki Batoh / Little Blue Dragon
2.Helena Espvall & Masaki Batoh / Kling Klang
3.Helena Espvall & Masaki Batoh / Sueño Con Serpientes
4.Damon & Naomi With Ghost / I Dreamed Of The Caucasus
5.The Silence / Little Red Record Company
6.Ghost / Who Found A Lost Rose In The Warship?
7.Ghost/ Motherly Bluster
8.Ghost / Caledonia



●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武


筆者(剛田武)が(フリー)ジャズに興味を持つきっかけになった80年代ニューウェイヴ系アーティスト(JBウルマー、リップリグ、スポイル)、ノイズ+ジャズ(ドン・チェリー、C.ピッツィオコス、井上敬三)、自分のバンド(機関銃爆発合奏団、モグモグ)を繋ぐことで自分なりの(非)ジャズ観を開示しようとしたが、最終的に最も強烈な(非)ジャズはサム(ザ・マン)テイラーの咽び泣くテナーであることの証明する結果となった。

【Jazz Not Jazz】
1. MOGRE MOGRU / Untitled
2. ザ・スポイル / 昼と夜のように。DAY AND NIGHT
3. 機関銃爆発合奏団 Machine Gun Explosion Emsenble / Explosion 1
4. James Blood Ulmer / Lay Out
5. Rip Rig & Panic / She Gets So Hungry at Night She Eats Her Jewellery
6. Jon Appleton & Don Cherry / ABO
7. Chris Pitsiokos & Philip White / Paroxysm Part 1
8. 井上敬三 / Analogue Pendulum
9. 機関銃爆発合奏団 Machine Gun Explosion Emsenble / Explosion 2
10. サム(ザ・マン)テイラー / ハーレム・ノクターン



●DJ Ipetam a.k.a. Rie fukuda


80’sダーク・ニューウェイヴのロマンティシズム、ツイン・ピークスの歌姫ジュリー・クルーズの耽美サウンド、ジャックスの浪漫主義、知られざる少女漫画コンセプト作のシンセサイザーで、Ipetamの少女時代の嗜好性を炙り出すプレイリスト。ツイン・ピークスの最終回を観ないまま過ぎ去った空白の30余年の月日を思い涙した。

1. Xmal deutschland / Xmass in Australia
2. The Sisters of mercy / Body electric(1984)
3. The Sisters of mercy / Valentine
4. Xmal deutschland / Begrab mein herz
5. Julee Cruise / Rockin back inside my heart
6. ジャックス/ ラブ・ジェネレーション
7. Neurosis & Jarboe / His last words
8. 安西史孝 / プロローグ〜瞑想〜(樹魔・伝説イメージアルバムより)
9. Julee Cruise / Floating



●Guest DJ:aBiSyEikAh⊆(アビシェイカー)


CDJ2台とサンプラーによる「ヴィジュアル・コンクレート」。どうやらV系ロック・ナンバーを素材にしたようだが、ミキサーやサンプラーのフェーダーやスイッチを休みなく切り替えるため、メロの断片しか聞こえない。脳brainのDJプレイとは似て非なるクールなノイズ音響コラージュDJプレイだった。




●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元


「カセットテープDJ」「盤魔殿の頑固王」「ミスター・ストイック」と言った異名をとるBEKATAROUは安定の禁欲音響プレイ。得体の知れないカセットテープ群の最後に灰野敬二のハーディガーディが輪をかけて異端性を拡張する不思議の国への招待だった。

1.Mort Garson / Plantasia
2.Yoonkee Kim / 이지끼에 
3.Yoonkee Kim / wfehuvnbc 435
4.YPY / OVER SMILING DUB
5.Kayo Makino / Au contraire
6.ENNO VELTHUYS / The Royal Woods
7.Kayo Makino / Au contraire
8.灰野敬二 / My lord Music, I most humbly beg your indulgence in the hope that you will do me the honour of permitting this seed called Keiji Haino to be planted within you.



●Live : 恐山vibration(持田保, TKD, 剛田武)


Japanese Pagan Dance Associationと自称する疑似ヒップホップユニット。今回がおそらく3回目のライヴだと思う。TKDがトラックをミックスし、持田がサンプラーとラップでリードして、剛田がフルートやトイ楽器で茶々を入れるコラボを予定していたが、本番で霊的なアレで持田のサンプラーがダウン。ローファイかつスカムな似非ヒップホップになったが、逆にゲリラ感があってよかったと思う。次回は何が起こるか怖いが楽しみ。

1:涅槃dub
2:黒石
3:ナニャドヤラ
4:寝ロジャ
5:国鉄少年





●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫


前回vol.43に続いてPCを使ってテクノイズプレイ。ジャケットが無くてアーティストが分からない分、音だけに集中できるかも。T.S.I.D.M.Z.はイタリアのエレクトロニクスユニットで、インダストリアル、ポップ、エスニックから影響を受けているとのこと。

1. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / Intro
2. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / El Ultimo Avatara
3. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / Armanenschaft (Arehisosur Mix)
4. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / Simbolos De La Ciencia Sagrada
5. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / Il Capitano
6. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / Il Volo delle Aquile
7. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / Final War in the Desert
8. T.S.I.D.M.Z.(ThureSehenzucht In Der Maschinen Zeit) / The Fourth Political Theory
9. This Morn’ Omina / Enuma Elish [ccf]



●DJ Bothis a.k.a.山田遼


前回から始まったDJ BothisのM.B.=maurizio bianchi特集第2回。世界的に最も評価の高い80年代前半の音源は本当にすごい。バイオニックノイズと呼ばれる有機的な電子音響は、精神の軸を歪めるほどの異端のパワーを発揮する。異端音楽イベント盤魔殿のトリに相応しくメンタルを病みそうなクライマックスを迎えた。

1.Maurizio Bianchi - Industrialisme
2.Maurizio Bianchi -CMRS Part 1
3.Maurizio Bianchi - Untitled(From “Regel” sideA)
4.Maurizio Bianchi - Yra
5.Maurizio Bianchi - Fetish Pinksha
6.Maurizio Bianchi - Terzo Ciclo (Cianotico) : Carcinosi Oswiecim (1979)
7.Maurizio Bianchi - Untitled(From “Armaghedon” sideA)


師走の夜
音が病んだら
心が躍る

▼大盛況の阿佐ヶ谷TABASA盤魔殿


★次回vol.45は『盤魔殿レコード大賞決定戦』。盤魔殿レーベルのリリイベも別途計画中。決まり次第お知らせします。
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【盤魔殿アマルガム vol.42】機関銃爆発合奏団/黒人音楽史/Darren Tate/2nd Communication/Kayo Makino/宮台真司/Julee Cruise

2022年12月11日 01時13分28秒 | 素晴らしき変態音楽
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UK発激烈インプロ&ノイズ・コンピ『BIGGG KNYF IN THA NOGGG』~新フリージャズユニット"Machine Gun Explosion Ensemble"登場!モグモグも参加。

2022年12月07日 02時37分07秒 | 素晴らしき変態音楽


BIGGG KNYF IN THA NOGGG – Erst-while Antrum #24

伝説的フリージャズ奏者ロスコー・ミッチェルとの共演作もあるロンドン在住の覆面ドラマー、キカンジュ・バク編集のインプロ&ノイズ・コンピレーションCDR。限定312枚、破天荒なアートワークとハンドメイドでスプレー塗装されたCDRのインディー精神の塊のような作品。徹底してアンチ体制・アンチ商業主義を貫くキカンジュは、一般のレコードCDショップや通販サイトはもちろん、デジタル配信やストリーミングも一切拒否し、自らのホームページhttps://www.gakishidosha.net/と、参加アーティストを通しての直販でしか販売をしないという。

収録曲のほとんどにキカンジュ・バクがドラムやパーカッションで参加している。日本では、ルイス稲毛(ベース)、山澤輝人(サックス、フルート)、剛田武(バイオリン、フルート、パーカッション)がキカンジュ・バクのドラムの音源にオーバーダブする方法でインプロヴィゼーションをレコーディング。60年代フリージャズ精神に、地下音楽の実験精神を加えた強烈なトラックが完成した。新星ハードコアフリージャズユニットMachine Gun Explosion Ensemble(機関銃爆発合奏団)の誕生である。日本からはインプロ・アンビエントユニットMOGRE MOGRU、秋田のノイジシャンSewageも参加。

他にもサン・ラ・アーケストラのチェロ奏者カッシュ・キリオンとロンドン地下シーンの詩人/アジテーター、ナイルス・アシュバーのコラボ、イギリス在住の中国伝統楽器の達人レイ・マン、オランダ&イギリスのスカムノイズトリオKuttekop、90年代からNaplamedとして活動してきたチェコのベテランノイジシャン、ラデック・コペルなど、有名無名を問わずいずれも他では聴けない超個性的なミュージシャンが参加している。

ヨーロッパの地下音楽シーンが、東京NEO UNDERGROUNDシーンと結びついた記念すべきコンピレーションと言えるだろう。



下記はキカンジュ・バクによる紹介文だが、英語的にも破天荒な表現の中に、彼が理想とする音楽へ信念が籠められた“宣言”になっている。

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Erst-while Antrumの第24弾『Biggg Knyf in the Noggg』は耳鳴りである。
フレンスコア、アヴァン・エスノ・ジャズ、ガンク、リン・ファンク、中国伝統民謡・宮廷音楽、ハーシュノイズ、アポプシー、グリフ・ホップ、ノースクール・ノイズコア、ヒステリック・フリージャズ、グラインドノイズ、リチュアルな手品などが、焼けただれた銃弾にまみれたスエラ・ブラヴァマン(イギリスのトラス前政権の末期に、機密保持の規則違反を理由に内相を引責辞任したパキスタン系の女性政治家)の体をカミソリ巻きのワイヤーで繋いだガラスのBMX(モトクロス用自転車)に乗ってジャングルの小道を疾走するシャムの女神のマイクロデニムのホットパンツから飛び出す。
エキゾチックで歴史的、目を見張るほどの難解さ、飛び切りの折衷主義、そして熱狂的なひねくれもの。

全18トラック、約80分のこの作品は、あなたのチャンネルを混乱させ、回路をショートさせる、非常にエネルギッシュな精神拡張装置であり、業界の戯言や芸術評議会のゴミ、既成概念の合成は一切含まれていない。
限定312枚。一枚一枚手書きナンバー入りのCDR盤はネオンレッドのスプレー塗装が施され、美的感覚に優れたカバーアートとインナースリーブがペーパークリップで封印されている。商業用の店舗や販売サイトでは手に入らない。

このディスクは、不可侵の自律性、自発的な不屈精神のための、揺るぎない、何からも自由な、正真正銘のアナーキーな芸術絶対主義の産物である。

【キカンジュ・バク関連記事】
【総力特集】キカンジュ・バク~爆裂ドラマーにして挑発的音楽テロリスト①出会い。ロスコー・ミッチェル、クレイグ・テイボーンとクリス・ピッツィオコス
【総力特集②】本邦初インタビュー!覆面即興ドラマー、キカンジュ・バク Kikanju Baku~Part 1:前衛ジャズと日本カルチャーへの愛を語る。
【総力特集③】過激発言続出!覆面ドラマー、キカンジュ・バク Kikanju Baku インタビュー~Part 2:「僕は扇動者」SNS,U$A,ロンドンの欺瞞を弾劾する。
ロンドンの覆面ブラストドラマー、キカンジュ・バクとオランダのノイジシャン二人によるローファイ・ジャンク・ノイズコア・ユニット『KUTTEKOP(クッテコップ)』 登場!!

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Tracks:
1 MOGRE MOGRU – Untitled 2:40
2 機関銃爆発合奏団 Machine Gun Explosion Ensemble  – Explosion 1 6:29
3 機関銃爆発合奏団 Machine Gun Explosion Ensemble  – Explosion 2 4:51
4 機関銃爆発合奏団 Machine Gun Explosion Ensemble  – Explosion 3 6:13
5 Piscatorial Boat Herder – Untitled 2:58
6 Kuttekop – Untitled 3:04
7 Kuttekop – Untitled 1:31
8 Ray Man Trio – Untitled 2:11
9 Niles Asheber & Kash Killion – Untitled 7:25
10 Sewage (Hiroshi Masaki) – Untitled 4:22
11 Piscatorial Boat Herder – Untitled 3:17
12 Niles Asheber & Kash Killion – Untitled 2:22
13 Uzbek & Aztec with The Jungle Trails Killer – Untitled 5:26
14 Ray Man Trio – Untitled 2:27
15 RDKPL (Radek Kopel) – 220818_02 5:01
16 Niles Asheber & Kash Killion – Untitled 9:33
17 Piscatorial Boat Herder – Untitled 5:32
18 Ray Man Trio– Untitled 2:47

Musicians:
MOGRE MOGRU : 剛田武 Takeshi Goda (vln, fl), Tanao (g), 黒い瞳 Aura Noir (vo,perc)
機関銃爆発合奏団 Machine Gun Explosion Ensemble : 山澤輝人 Teruhito Yamazawa (sax, fl), 剛田武 Takeshi Goda (vln, fl, perc), ルイス稲毛 Luis Inage (b), Kikanju Baku (ds)
Piscatorial Boat Herder : Boneless Mbastard (b), Kikanju Baku (ds)
Kuttekop : Dennis van Geldrop (vo, b, electronics), Sjak von Bussel (electronics, g), Kikanju Baku (ds)
Ray Man Trio : Ray (Chinese strings), Cheung (Chinese perc), Kikanju Baku (Chinese perc)
Niles Asheber & Kash Killion : Niles Asheber (vo), Kash Killion (cello), Kikanju Baku (ds)
Sewage : Hiroshi Masaki (electronics)
Uzbek & Aztec with the Jungle Trails Killer
RDKPL : Radek Kopel (electronics)

Kikanju Baku : All drums on all tracks
Mastered By – Ben Jacobs (tracks: 13), Christian Kriss Rivard (tracks: 8, 14, 18), Jos (tracks: 6, 7), Nacky Ishikura (tracks: 2 to 4)
All tracks rukd between 2011 to now
Produced by Kikanju Baku emergencyemancipation@protonmail.ch
Sprained and Brained in October 2022

ダイジェスト版試聴リンク

★送料込み1000円(日本国内)。購入ご希望の方はコメント欄、もしくはTwitterかFacebookからご連絡下さい。
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【ライヴレポート】『東京インプロカーニバル vol.10』MOGRE MOGRU/村中裕季(舞踏)+大久保組(パーカッション)@大久保ひかりのうま 2022.12.3 sat

2022年12月06日 00時36分22秒 | 素晴らしき変態音楽


東京インプロカーニバル vol.10
2022年12月3日(土) 大久保ひかりのうま

●出演
19:30-20:10 MOGRE MOGRU
20:20-21:00 村中裕季(舞踏)+大久保組(パーカッション)
21:10-22:00 フリージャムセッション

「インプロは表現者が生みだす筋書きなしのエネルギー!私たちはその目撃者になる!」というテーマでマリプラさんが2022年1月にスタートしたライヴ企画の記念すべき第10回目。筆者も2021年12月23日に『盤魔殿即興道場』として参加型インプロイベントを開催したが、翌年2022年2月に予定していた第2回が新型コロナ感染状況の悪化により断念し、それ以降中断したままになっている。それに比べて2022年ほぼ毎月開催されてきた『東京インプロカーニバル』は素晴らしい。出演者もゴリゴリの即興ジャズからノイズ、アンダーグラウンドロックまでジャンルの偏りがない。それゆえ「対バンを探すのが難しい」と某ライヴハウスオーナーに言われるような既存ジャンル外・辺境音楽体MOGRE MOGRUに出演依頼をいただけたわけであろう。数多くの地下演奏家に愛されるひかりのうまは、BGMにドノヴァンが流れ続けるサイケ感たっぷりで、初出演にもかかわらずマイホーム的な安心感があった。

●MOGRE MOGRU


黒い瞳の朗読に、トリスタン・ツァラのダダ的な作詞法や、シュールレアリスムにおける優美な死骸、言葉遊びのいわゆる「誰がどこで何をしたゲーム」等にヒントを得て、その場で即興で詩を展開する試みを導入。具体的には軽い雛形と、沢山のワードを用意してくじのように引いていくというもの。何が飛び出すか分からない言葉の意外性が、演奏する側でにとっても新鮮な驚きを与えてくれる。その意味ではアンビエント感よりも即興性に重点を置いた演奏になった(特に管楽器)と思う。

MOGRE MOGRU -digest video- 東京インプロカーニバル vol 10 2022/12/03 sat 大久保ひかりのうま



●村中裕季(舞踏)+大久保組(パーカッション)


大久保潤と女性2名のパーカッション・トリオ。事前にアフリカン・パーカッションと聞いて、祭り太鼓のような享楽的なサウンドを想像していたが、ミニマル・ミュージック的なクールで禁欲的なプレイで、打楽器版アンビエントと呼びたい気持ちになった。世界各国から集めたというパーカッションの音は、土産物エスニックとは格が違う本物の大地の音がした。舞踏の村中裕季が着物を脱ぐにつれ次第に動きが激しくなり、後半はパーカッションの乱打の中、独楽が転がるような予測不可能な舞を見せた。一見ミスマッチな組み合わせが生み出す新鮮なパフォーマンス表現を堪能した。




●フリージャムセッション


来場者が自由参加できるジャムセッション。大久保(perc)、剛田(vln,cl,fl)、瞳(vo)をバックに吉野繁(sax)、前嶋知明(p)など、ベテラン即興演奏家が入れ替わりで参加する怒涛のセッション。上野憲治と村中裕季が身体を絡ませるアクロバティックな踊りを見せる。最後はゴーレム佐藤(vo)によるラップ?漫談?言葉のマシンガンで、東京インプロカーニバル10回目の祝杯を挙げた。



2年目に入る東京インプロカーニバルから目が離せない。

大久保で
音の深みに
潜れたよ

【次回のモグモグライヴ】
2022年12月16日(金) 高円寺Fourth Floor II

free zone
19:00 open 19:30 start
2300yen+1drink(500yen)

NRYY(g)×Yong Yandsen(sax)
MOGRE MOGRU
Oliental Love
eifonen


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【JazzTokyo#296更新】血と性(さが)が生んだ二つの音の形~マリ・オボムサウィン『甘党(Sweet Tooth)』/今井和雄カルテット @なってるハウス

2022年12月05日 01時31分20秒 | 素晴らしき変態音楽

音楽情報サイト「JazzTokyo Jazz and Far Beyond」の最新号が公開された。剛田武は以下の記事を寄稿した。

●マリ・オボムサウィン『甘党(Sweet Tooth)』

#2218 『Mali Obomsawin / Sweet Tooth』『マリ・オボムサウィン / 甘党』

北米先住民族の伝統と革新を歌うフィメール・シンガー/ベーシストのデビュー作。
このアルバムに収められた壮大かつ豊潤な音楽は、ファースト・ネイションという特定のコミュニティに限定されるものではなく、人間一人一人に流れる血の歴史の永続性に思いを巡らすために、重要なヒントを与えてくれる「導き」と言えるだろう。

Wawasint8da - Mali Obomsawin



●今井和雄カルテット

#1239 今井和雄カルテット 

2022年11月24日(木) 合羽橋 なってるハウス
今井和雄(g)
藤堂勉(sax)
井野信義(b)
山崎比呂志(ds)

現在・過去・未来の壁を消失させる異形のカルテット。
60年代末の日本のフリージャズの初期衝動そのままの激烈なインプロヴィゼーションが目の前で展開される奇跡。半世紀近く過ぎてなお、なぜこれほど冷徹で凄まじい演奏行為をやり続けているのだろう。



人の血は
争えぬものとは
よく言った

Mali Obomsawin Sextet - Sweet Tooth, Movement 1


Mali Obomsawin Sextet - Sweet Tooth, Movement 2


Mali Obomsawin Sextet - Sweet Tooth, Movement 3


Mali Obomsawin Sextet, "Sweet Tooth" Movement 3 pt 2

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