A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【100フォークスのススメ】第5回:風待ち草のチルアウトフォーキー〜ふきのとう

2019年08月15日 09時22分21秒 | こんな音楽も聴くんです


遅過ぎたフォーク再評価の中で、前回取り上げたN.S.Pと並んで筆者が推しているのが北海道出身のふきのとうという二人組である。出会いは1年4ヶ月前、渋谷HMV Record Shopの100円コーナーで目に留まった『風来坊』というLPだった。何もない草原の真ん中に立つ白い枯れ木の枝にラジカセを置いてヘッドフォンで何かを聴くパーマヘアーと、ジャンパーを脱ごうと(いや着ようと)している長髪の青年ふたり。地平線の先は海だろうか。タイトル通り風来坊のように、ラジカセ一台持って日本中を旅しているのかもしれない。カセットテープには風の音しか録音されていないに違いない。風と共に現れ、風と共に去りぬ。「水色の木もれ陽」「白い霧」「銀杏の木」「それぞれの幸せ灯る頃」「雨はやさしいオルゴール」「夜」。。タイトルだけで景色が目に浮かぶ詩情主義。封入されたポスターには背の高い白樺の木となだらかな丘陵が波打つ壮大な大地に立つちっぽけな二人のポートレート。嗚呼、壮大な大地に比べて、人間とはなんて些細で無力な存在であろうか。風が吹けば飛ぶ砂塵のような人生は、悠久の宇宙に比べるとほんの一瞬だけの命しかないが、それでも一寸の虫にも五分の魂。五分のソウルを5分のフォークソングで歌いましょう。風に吹かれて歌声は、地平線の果てまで届くと信じている。そんな決意が二人の今ひとつ冴えない表情から読み取れるだろうか。



一緒に旅をしているからといって二人の関係は義兄弟でもホモセクシャルでもない。ルパン三世と次元大介のような同志もしくは仕事上のパートナーのイーブンな関係。契約書は必要はない。離れたければ離れ、恊働したければ共に戦う。どちらが欠けても他方は自分で生き残る。しかし一緒にいるからにはお互いの為に全力で使命を全うする意志が溢れている。3年後、5年後がどうなっているかは分からないが、俺たちに明日はないという自暴自棄な気持ちは全くない。夢がなければ作り出せばいい。二人でダメなら一人で考えればいい。目先の損得を考えることなしに本音で語り合えば、時がふたりを分つまで少しだけ理解した気持ちになれるだろう。それを悟ってしまったから二人の表情が冴えないのかもしれない。しかしそれは地獄ではない。かといって天国でもない。春になる前に地面から芽を出すふきのとうは、風を待ちながら陽の光に嫉妬する。呪詛の言葉が愛の歌に聴こえることもある。運命の柵や楔を引き抜いて船に乗せて北国の海の沖へ流してしまおう。歌を聴く時僕はいつも地平線を想像する。その先に何があるのか、風来坊の行方を見極めたい。それまで旅は終わらない筈だから。

ふきのとう/白い霧 (1977年)


音を聴く前に1枚のジャケットだけでこれほどの妄想を抱けるとはまるで夢みがちなティーンエイジャーのようだが、このアルバムが発売された1977年に中学3年生だった筆者は同年リリースされたザ・クラッシュのデビュー・アルバム『白い暴動』のジャケットを眺めながらイギリスの経済・人種問題、天皇制を含む日本の政治問題、そして自分の生きる先にある筈の革命について夜な夜な夢想していた。その時ザ・クラッシュでなくふきのとうと出会っていたなら、髪の毛を切ることも、Tシャツを破くことも、白衣に赤いペンキでTERRORISTとペイントすることもなく、ラジカセを担いで日本一周の旅に出発していたかもしれない。

風来坊 ふきのとう


1972年に北海学園大学にて山木康世と細坪基佳によりふきのとうの前身グループが結成された。山木は 1950年10月22日生まれ、細坪は1952年10月26日生まれ。ザ・クラッシュのジョー・ストラマーは1952年8月21日生まれだからほぼ同世代である。1974年「白い冬」でデビュー。数々のヒットで1970年代のフォーク/ニューミュージックブームの牽引役となった。1986年最初で最後の日本武道館コンサート「緑輝く日々」を行い、1万人を動員。その頃から二人の関係に亀裂が入りはじめ、1992年に解散。その後一度も再結成されていない。

流星ワルツ ふきのとう



抒情派フォークの一方の騎手N.S.Pは青春をテーマにポジティヴィティを拡散したが、ふきのとうのテーマは大自然の中の二人の関係と言っていいだろう。先に考察したように運命の悪戯ではなく、独立した二人の魂の恊働と離別が穏やかな歌声で綴られるサウンドインスタレーションは、聴き手の心をトランキライザーのように沈静化し、大宇宙の中に漂う孤独な魂の淋しさを五分間だけ忘れさせるチルアウト・ミュージックなのである。

春の雨/ふきのとう


しかしながら70年代にリリースされたベスト盤のジャケットが黒一色に統一されていた事実は、実はヴェルヴェット・アンダーグラウンドや阿部薫、さらには不失者といった地下の住人へのシンパシーを持っていたのかと錯覚させる。ふきのとうの歌の中に中に黒く色どられている処があったらすぐ電話をしてほしいものである。



白い冬
革命夢みて
春の雨

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【生誕祭】沖縄電子少女彩/灰野敬二/美川俊治/ドラびでお/ASTRO/galcid/マキノユキ@小岩オルフェウス 2019.8.11(sun)

2019年08月14日 01時59分17秒 | 灰野敬二さんのこと


沖縄電子少女彩:生誕祭
夜の部:アヴァンギャルドステージ

18:00 open 18:30start
前売:3,500円 当日:4,000円(+1d)

出演:沖縄電子少女彩/ドラびでお/灰野敬二/ASTRO/美川俊治/galcid/マキノユキ



2016年6月に15歳で沖縄アイドルグループTincyのメンバーとしてデビュー。2017年3月からソロ活動を開始した沖縄電子少女彩。ノイズ演奏を始めたキッカケは、元オルタナノイズ系ミュージシャンだったプロデューサーが聴かせたSPKを面白いと言ったことだったという噂。アイドル活動と並行して、というより「融合して」エレクトロノイズ演奏や路上ノイズライヴを行い、現在はアヴァンギャルドアイドル&ノイズミュージシャンとして活躍中。8月7日に19歳の誕生日を迎えた彩の生誕イベントは、昼の部は「アイドルステージ」としてキスエクやめろん畑、リリカオなどが出演し、アイドルらしい華やかなイベントになった。夜の部は打って変わって「アヴァンギャルドステージ」として、日本の地下音楽の重鎮中心に、ドラびでお主催の「GIGANOISE」の番外編のようなコア中のコアなラインナップ。昼と夜/白と黒/陽と陰/光と闇/表と裏/生と死・・・真逆のイメージが列挙できるが、現実世界では二つの世界はメビウスの輪のように繋がっている。どちらがどちらに転じるかも分からない呉越同舟は、まさに筆者の頭の中ではないか。夜に生きる者たちが集う「アヴァンギャルドステージ」はまるで闇の表現者の百鬼夜行であった。

●マキノユキ


高校時代に学研『大人の科学』のシンセサイザーを買ったことがキッカケでモジュラーシンセにハマったという女子ノイジシャン。腰に響く重いビートのテクノイズで前衛生誕祭の幕開けをダークに飾った。

●ASTRO


80年代に日本のノイズバンドの草分けC.C.C.Cを結成すると共にASTRO名義でソロ活動を始めた長谷川洋に2013年女性ノイジシャンRohcoが加わりデュオとして活動中。スペーシーなエレクトロノイズとデュオならではの音の厚みが会場を暗黒のブラックホールに導いた。

●galcid


GIGANOISEではお馴染みのはっちゃけたテクノイズ女子Lenaによるワンマンユニット。高速テクノビートにモジュラーシンセのパラノイアノイズが炸裂するダンス天国で、バースデー・イベントに相応しい祝祭を産み出した。

●美川俊治


最近海外で過去の作品のリイシューが盛んなインキャパシタンツの美川俊治のソロパフォーマンス。一見玩具かガラクタに見えるオリジナル機材を駆使して産み出すサウンドは、単なるハーシュノイズとも雑多なミュージックコンクレートとも異なるノイズ美学の結晶体。音が1ヵ所に留まらず、常に動き回るので飽きることがない。ただし耳が殺られる。

●灰野敬二


エレクトロニクス中心の出演者の中で、アンプ4台を総動員してギターの爆音を響かせる灰野敬二はロック美学の体現者である。エフェクターを踏む度にヴォリュームが増し聴覚を圧迫する。「義務より礼儀正しく」と歌い、音を左右に分断するエフェクターとエアシンセの電子音がノイズの壁の中で飛び回る。再びギターを手にして「誕生日おめでとう」のMCのあとを爆音で締めくくった。

●ドラびでお


レーザー光線が描く幾何学模様が、銃声のようなエレクトロニクスと同期し聴覚と視覚を刺激する。機材のライトとレーザー光線の明かりに浮かぶ顔が鬼のように見えた。ドラびでおのレーザーショーはTDLやTDSやUSJの平和ボケした生半可な“アトラクション”を焼き尽くし、喜怒哀楽/創造と破壊/希望と絶望すべてを含む真の“エンターテインメント(スルー・ペイン)”を構築するのにピッタリだと思う。

●沖縄電子少女彩


ヴォーカル無しのエレクトロニクス一本勝負。レーザー光線の描く模様が、ドラびでおのときより優しくなった気がする。空気の重さを忘れさせるピンクノイズの無重力感は、19歳の彩ならではのフットワークの軽さと思考力の自由さの証である。俯くと機材の半分を覆い隠すブロンドの髪の美しさに魅了された。

●沖縄電子少女彩&ドラびでお+ASTRO+T.MIKAWA 『アルバム黒の天使セッション』


総勢5人全員エレクトロニクスのセッションは、誰がどの音か分からなくなり混乱することもなく電子音アンサンブルとして聴き手に心地よい時間をプレゼントした。個々のミュージシャンが誕生日を祝うスペシャルムードに包まれていたことが演奏に反映され、夢と愛に任せた信頼関係の中結ばれた友情の徴である。

沖縄電子少女彩&ドラびでお&ASTRO&T.Mikawaセッション20180811
Okinawa Electric Girl Saya & doravideo & Astro & T.Mikawa



最後に彩の実の母親から花束贈呈のサプライズ。アイドル女子に囲まれ華やかだった昼の部とは趣向が異なるが、彩の19歳の誕生日を祝う気持ちは同じ。爆音の連続で毛布をかけられたように熱を帯びた聴覚を、慈愛が優しく醒ましてくれた。

昼の部に
ビッグサプライズ
発表された

▼昼の部:アイドルステージのフィナーレ。




*初出時に不十分な表現があり関係各位にご迷惑をおかけしたことをお詫びします。
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【灰野敬二新作CDレビュー】『灰野敬二+SUMAC/ほんの少しだけでいいから 「償い」をチャージし続けてくれ〜』『サンヘドリン/密度を変えろ 義務の海から 這い上がるように』

2019年08月11日 01時21分58秒 | 灰野敬二さんのこと


7月31日NHKのTV番組『ガッテン!』のスイカ特集に突然灰野敬二が登場したことが話題になった。植物学者の広島大学・櫻井直樹教授が、スイカを叩いた音の良さにヒントを得て開発した楽器「ポリゴノーラ」の紹介だった。また、8月3日に瀬戸内国際芸術祭のDommune Setouchiに出演し<義務よりも礼儀正しく>という金言を残した。8月9日発売の雑誌『ユリイカ』遠藤ミチロウ特集号にPANTA、BUCK-TICK今井寿、七尾旅人等と並んでインタビューで登場。さらに明日8月11日にはアヴァンギャルドアイドル沖縄電子少女彩の生誕祭夜の部にドラびでお、美川俊治、ASTRO等と共に出演する。



妥協のない演奏スタイルや一貫した音楽思想が変化した訳ではないが、謎に満ちた灰野敬二の世界がこれまでとは異なる文脈で紹介されたりリンクしたりする機会が増えている。時代が追いついたなどと陳腐な常套句を言うつもりはない。正しく生きていれば白と黒/表と裏/陰と陽が交差する瞬間は何度も訪れることは紛れもない真理である。そんな出会いをキッカケに灰野敬二の真髄である『音楽』に触れてみてはいかがだろうか。最近リリースされたばかりの新作CD2作を紹介したい。

●KEIJI HAINO + SUMAC『ほんの少しだけでいいから 「償い」をチャージし続けてくれ 少しは良くしよう を接続して』
CD: Trost Records ‎– TR183 / Austria


2017年初夏に来日したアメリカのヘヴィロックバンドSUMACは灰野敬二とスタジオとライヴで共演した。2017年6月末のスタジオ録音の方は2018年2月にThrill Jockeyより『アメリカドル紙幣よ  そのまま横を向いたままでいてくれ 正面からは見られたもんじゃないから』としてリリースされた。そして今年7月にTrost Recordsからリリースされた本作は、2017年7月3日新代田Feverでの共演ライヴ音源である。1週間前のスタジオレコーディングによりお互いを理解し合っていた為、ライヴ当日も初顔合わせとは思えない一体化したグルーヴを持っていたと記憶する。その印象はこうしてライヴアルバムとして聴くことでより深くなる。トリオ編成でありながら重層的なヘヴィロックをクリエイトするSUMACに、ヴォーカル/ギター/チャルメラ/フルートで加わる灰野敬二。どちらがどちらに合わせるといった迎合性は全くない。KEIJI HAINO+SUMACというひとつのバンドの音である。ステファン・オマーリーとオーレン・アンバーチとのトリオNAZORANAIや、約10年前に裸のラリーズのメンバーとやっていた灰野敬二+どろんこ+サミーに近いヘヴィロックと言えるが、アメリカ土着のスケールの大きいサウンドと、4人の有機的なアンサンブルはバンドをやる意義を再認識させてくれる。今年5月23日にバンクーバーで3度目のコラボを果たしたこのユニット、機会があればまた日本で共演してほしい。
SUMAC/灰野敬二/ENDON@新代田Fever 2017.7.3 (mon)
【Disc Review】灰野敬二+SUMAC『アメリカドル紙幣よ  そのまま横を向いたままでいてくれ 正面からは見られたもんじゃないから』

●サンヘドリン『密度を変えろ 義務の海から 這い上がるように』
CD: Trailights Record - TRLT-0016 / Japan

 
灰野敬二(不失者)、ナスノミツル(Ground Zero, Altered States)、吉田達也(Ruins, 是巨人)という地下音楽界の名手により2004年に結成されたサンヘドリンの秋葉原Club Goodmanでのライヴ録音。日付クレジットはないが、恐らく2014年3月7日のワンマンライヴではなかろうか。ゼロ(2000)年代のサンヘドリンでは灰野はヴォーカルはもちろん、様々な楽器を弾き分けていたが、テン年代のサンヘドリンは灰野がギターに専念するユニットへと変貌した。灰野の旗艦グループ不失者が、各メンバーの個人技ではなくバンド構成員の細心の注力を必要とする機能体へと進化する一方で、灰野のギターだけを思い切り堪能できる場が少なくなった。その希求を昇華させることがサンヘドリンに託されたのではなかろうか。この日のトリオは冒頭から気迫溢れるプレイで聴き手に畏怖の想いを抱かせた。全4曲75分を超える長尺CDに灰野のギターマジックがたっぷり注入されている。ナスノと吉田の卓越したクロスプレイはもはやリズムセクションと呼ぶことを許されない凌ぎ合いとなり、三つの魂の切磋琢磨がリスナーの聴覚を解放する。7月半ばの西日本ツアーで各地の音楽ファンに大きな衝撃を与えたサンヘドリンの東京公演が望まれる。
サンヘドリン(灰野敬二+ナスノミツル+吉田達也)@秋葉原Club Goodman 2014.3.7(fri)

雪崩堕ちる
ヘヴィネスと
ギタリズム

<灰野敬二2018年8月のライヴスケジュール>
8月11日 (日)東京 小岩オルフェウス
沖縄電子少女彩:生誕祭:夜の部


18:00 open 18:30start
前売:3,500円 当日:4,000円(+1d)

出演:
沖縄電子少女彩
ドラびでお
灰野敬二
ASTRO
美川俊治
galcid
マキノユキ


8月17日(土)東京 秋葉原CLUB GOODMAN
GIGA NOISE SPECIAL !! レジェンド オブ ノイズ 2nd


18:30開場 19:00開演
前売り3000円 / 当日 3500円 (1ドリンク代別)
【出演】
灰野敬二+HIKO+T.美川+ドラびでお
LINEKRAFT+Daisuke Maekawa(GRIM)
Numb+Masayoshi Sakaguchi+VJ M.U.//Mikudarihan Uppercut
ASTRO+進入禁止


8月23日(金)東京 成城アトリエ第Q藝術
ハイパー能「睡蓮」


開場:19:00
開演:19:30 (21:00 終演予定)
入場料:前売り\3,500 当日¥4,000 

アーティスト
シテ:桜井真樹子(妖精、ジャンヌ・ダルク、龍笛)
ワキ:灰野敬二(クロード・モネ、ポリゴノーラ)
後見:加藤ひろえ(蓮、生け花)
協力:アトリエ第Q藝術、(有)生物振動研究所

ご予約・お問い合わせ
090-6034-7716, makiko_puti@mac.com(桜井)
03-6874-7739(13時-19時) q.art.seijo@gmail.com (アトリエ第Q藝術)
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【地下音楽の冒険者たち】疎水響/The Mickey Guitar Band@荻窪Club Doctor 2019.8.7 wed

2019年08月10日 10時51分57秒 | 素晴らしき変態音楽


club Doctor, Purifiva, Pataphysique Records, Taiga Yamazaki Presents
August 2019 3 days ogikubo club DOCTOR
6bodies60minutes6months vol.6
各日 open 19:00 / start 19:30
¥2000+drink 3日間通し券 ¥3000
8月6日(火)
D,D,D,Deep Psychedelia… 愛の裏側 8月の熟れたウタ!
川口雅巳ニューロックシンジケイト (川口雅巳、ヨシノスイセイ、野中名人)
20Guiders (タバタミツル、スズキジュンゾ)

8月7日(水)
D,D,D,Deep Sonic Attack… 邪な清涼 真夏の音響対決!
The Mickey Guitar Band (松谷健、ASTRO長谷川洋、ルイス稲毛、福岡林嗣)
疎水響 (コサカイフミオ、長谷川裕倫、内田静男)
8月8日(木)
D,D,D,Deep Make Up… 狂った太陽 腐乱の華!
組原正+黒田三四郎+山崎怠雅
クリッペンリボン (濁朗・トバちゃん・コイデ君・斉藤さん・ケイちゃん)


荻窪Club Doctorは2017年1月に閉店した高円寺Mission'sのあとを継いで地下音楽の中心地になった感がある。今回はPurifiva(川口雅巳)、パタフィジックレコード(福岡林嗣)、山崎怠雅という中央線地下ロッカーがClub Dcotorと共同主催で三日間のツーマンイベントを開催した。本ブログでもお馴染みのミュージシャンが揃って出演する興味深いラインナップ。その2日目を観覧した。

●疎水響 (コサカイフミオ、長谷川裕倫、内田静男)


最近続けてライヴを観ている内田静男(b)の別のユニットが疎水響。あぶらだこ/kito mizukumi rouberの長谷川裕倫(ウクレレ)と、Incapacitants/元非常階段のコサカイフミオ(electronics)とのトリオである。金属板を叩いたり擦ったりする物音ノイズを核に、ウクレレもベースもアトーナルな音響発生装置と化し、静謐さの中繰り広げられる演奏行為の果ての残響は、音の磁場でClub Doctorを歪め特殊空間に変容させた。コサカイのTangerine Dream Syndicate、長谷川と内田の長谷川静男、内田のUHに通じるアンビエント/ドローンと呼ばれるサウンドだが、金属的(metalic)かつ鉱物的(mineral)な感触は脳内に鉛のように硬質な印象を残した。



●The Mickey Guitar Band (松谷健、ASTRO長谷川洋、ルイス稲毛、福岡林嗣)


5年前に観たMicky Guitarはマーブルシープの松谷健と魔術の庭/元Overhang Partyの福岡林嗣のギターデュオにリキッドライティングを加えた編成だったが、その後バンド形態になって活動している。松谷以外女性メンバーだったこともあるが、現在は東京地下音楽界のベテラン4人によるスーパーバンドとなっている。福岡林嗣がドラムとヴァイオリンを担当、比較的動きの少ない他のメンバーに比べアクション面でアピールする。クラウトロックを思わせるスペーシーなヘヴィサイケは酩酊感たっぷり。聴きながらラ・デュッセルドルフを思い出した。福岡のヴァオリンが入るとレコメン系チェンバーロックの香りが漂い、エモーショナルな波に飲み込まれる。60分間澱みなく流れ出るサウンドの万華鏡は、サイケな照明がなくても十二分にトリップさせてくれた。



この日の2組を含め、3デイズの出演アーティストの多くは、徒に新奇な音楽スタイルを求めることなく、過去現在未来に拘らず、音楽表現の深みを探求することで、未経験の聴取体験と未知の情念を掘り起こすことを目論む冒険者たちである。

医者倶楽部
地下音楽者の
交歓場

▼5 Years Ago
MICKEY GUITAR + dbqp - 18 April 2014 Penguin House Koenji Tokyo -

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【開催案内】8/16(fri) 猛暑に効くDJイベント『盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會Vol.27 battre la chaleur de l'été 暑鬼払い』

2019年08月08日 01時14分55秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會Vol.27
battre la chaleur de l'été 暑鬼払い


2019.8.16 fri Shibuya DJ BAR EdgeEnd
20:00 Open/Start - 22:30 End Charge ¥1,000 incl.1drink
*通常より遅いスタートですのでご注意ください。

盤魔殿Selected DJs ; DJ Necronomicon / DJ BEKATAROU / DJ Vaby / DJ Bothis and more

TIME TEBLE
20:00-20:40 DJ BEKATAROU aka 伊藤元
20:40-21:20 DJ Vaby aka 大場弘規
21:20-22:00 DJ Necronomicon aka 剛田武
22:00-22:40 DJ Bothis aka 山田遼
????? 謎の大物ゲストDJ出演か??????(当日のお楽しみ)


【異端DJの聴かせどころ】
●DJ Necronomicon a.k.a.剛田武
Religious Summer!お盆休みに相応しい宗教音楽特集。ジーザス、ブッダ、ムハンマドといったメジャーどころから、ガイアナのあの教祖や地下鉄サ●ンの危ないグル、ネクロ魔暗黒教団まで、世界中の宗教を二台のターンテーブルでミックスしちゃえばみんな仲良し、戦争なんて起こらない。でんぱ組に対抗して『レリジャスサマー!』で萌えキュン宗教を世界にお届け♡します。




●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
以前廻させていただきましたイントナルモーリの圓盤ですが、今回は趣向を変えて廻させていただきます…




●DJ Vaby a.k.a.大場弘規
前回の続編としてオールジャンル7inchオンリーで攻めていこうと思います!ノイズの名盤からあの著名なギタリストが日本語で唄う珍盤?までヴァラエティに富み且つ盤魔殿に相応しいマテリアルをチョイス!あなたのハートを震わせること間違い無し!!かも?(笑)




●DJ Bothis a.k.a.山田遼
こんかいはAFRICAN HEAD CHARGE 等のUKダブ・ナイヤビンギ・インダストリアルテクノ・アンビエントテクノをミックスしまして、夏バテで瀕死の皆様を黄泉の国へと御案内申し上げます。

African Head Charge - Pursuit -


さらに大物シークレットゲスト交渉中、続報を待て!

墓参り
行った帰りに
盤魔殿

でんぱ組.inc「プレシャスサマー!」
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【新着7インチ型極端音楽】クリス・ピッツィオコス&フローリアン・ヴァルター『モワレ研究』/春日井直樹『SUPER GURU』

2019年08月07日 09時04分04秒 | 素晴らしき変態音楽


梅雨明けから1週間、日中摂氏35℃を超える猛暑の中、仕事から帰宅すると2通の大きめの封書が自宅に届いていた。ひとつは国際航空便でドイツから、もう一方はゆうメールで愛知県から、どちらもただの郵便物じゃないオーラを孕んでいた。というのは嘘で、筆者が楽しみにしていたご褒美が同時に届いた喜びに、家人が寝鎮まったころを見計らって、夜というのに派手なレコードかけて朝までふざけるワンマンショーで陶酔した。

『Lisboa & Moiré Studies / Lonberg-Holm/Camatta & Pitsiokos/Walter
7inch EP: Umland Records 22


1. Fred Lonberg-Holm (cello) & Simon Camatta (drums) - Lisboa
2. Chris Pitsiokos (altosax) & Florian Walter (altosax) - Moiré Studies

"LISBOA"
Fred Lonberg-Holm - cello
Simon Camatta - drums
recorded live by Marcos Silva at ZDB, Lisboa - 13th nov 2018
mixed by FLH
photo by Nuno Martins
thanks to Simrit Dhesi & Sara Camatta

„MOIRÉ STUDIES“
Chris Pitsiokos & Florian Walter
recorded in cologne - 3rd jan 2019
photo by Simon Camatta
thanks to Leo & AM19

Artwork by Lena Czerniawska

ドイツ・の即興レーベルUmlandレコードからのホワイトヴァイナル7インチEPレコード。A,B面共にドイツ・エッセンのミュージシャンとアメリカのミュージシャンのデュオ音源が収録されている。A面はドラム/パーカッション奏者サイモン・カマッタとシカゴのチェリスト、フレッド・ロンバーグ=ホルムの2018年11月リスボンでの録音。弦の摩擦音と打楽器の打音がガサゴソと交錯する共演は、演奏家の情念をオブラードのように隠して風通しのいいサウンド・オブジェを作り出している。B面はフローリアン・ヴァルターとニューヨーク出身のクリス・ピッツィオコスのサックス・デュオ。2018年5月のメールス・フェスティバルで初めてデュオ共演した二人が、再度コラボした2019年1月ケルンでの録音。どちらがどちらか分からないほどエキセントリックな二人のプレイが音のレイヤーを産み出し、酩酊するような多重のサウンドの波を作り出す。「モワレ研究」というタイトルに相応しい。どちらも4分弱のショートピースだが、それだけに集中度の高い凝縮されたトラックになっている。
Umland Bandcamp


『SUPER GURU / 春日井直樹 Naoki Kasugai』
CDR: Daytrip Records ‎– none


1 Super Guru 1
2 Super Guru 2

Tape, Noises, Bass, Electronics – 春日井直樹

名古屋在住の音楽家、春日井直樹のレーベルDAYTRIP RECORDSから2018年に木箱入特殊パッケージでリリースされたカセット作品のCDR化。7インチレコード盤にハンドメイド・コラージュがほどこされたフェイクレコード・ジャケ仕様。限定30枚、1枚1枚すべて異なる一点モノ。某宗教団体の某教祖の声をコラージュ及び電子変調して制作したトータル45分の音源は、80年代インダストリアル/リチュアルフォーク/アンビエント/ドローン的なノイズ・ミュージック。雑音塗れの教祖の法話は意外なほどハッキリしていて、24年前の地下鉄事件が起こる前に某教団を容認していた日本社会が陥っていた情報麻痺の日常風景が浮き彫りにされる。寝落ちしそうな意識の中にSHOKO SHOKOというチャントが木霊していた。夢の中で十四代目トイレの花子さんとデュエットする白い法衣の自分がみえた。
DAYTRIP RECORDS公式サイトDAYTRIP RECORDS Twitter

8/16盤魔殿vol.27ではこの2枚を同時プレイしてお盆の彷徨える霊魂の法要としたい。

即興と
教祖の法話
飽和して

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【地下音楽・地下ジャズ愛好家に朗報】米Black Editionsと日Jinya Discが提携、高柳昌行アナログ・リイシューをスタート。

2019年08月06日 10時21分28秒 | 素晴らしき変態音楽

Photo by Tatsuo Minami

Black Editions GroupとJinya Disc Japanは、日本の高名なギタリスト高柳昌行(1932-1991)のアーカイヴの決定的なヴァイナル再発について独占的な合意に達した。高柳が亡くなって以来、Jinya Discは過去のアルバムをCD再発するとともに、残された大規模なアーカイヴから発掘した全く新しい音源をリリースし、高柳昌行の遺産を保存し発展させてきた。

Black Editionsは第一弾として高柳の1970年の驚異的な演奏の3枚組LPを予定している。元々P.S.Fから『Call in Question』と『Live Independence』としてCDリリースされた音源に未発表音源が追加される。第二弾は1975年に日本のISKRAレーベルから100枚限定でリリースされた日本のフリー・インプロヴィゼーションの最高傑作の一つであるLP『Eclipse』のリイシューを予定している。

高柳昌行は間違いなく20世紀音楽の巨人の一人だった。16歳で音楽家としてのキャリアをスタートした高柳は、1950年代初頭に東京で開花したジャズシーンで、スウィング/バップ/モーダルジャズの達人としての地位を確立した。高柳の演奏は1960年代初頭には急進的な方向に進み、自由な形式の即興演奏を取り入れ、伝統的なメロディー、ハーモニー、定型リズムの概念を拒否し慣用的な形式を破壊した。彼の演奏はしばしば、フィードバックや他の不協和的な要素を取り入れた激しく暴力的なエネルギーを特徴としていた。1960年代後半までに、完全にリアルでとことんユニークなパーソナルな音楽言語を発展させたが、細心の注意を払って構想された概念と理論に根ざしていることが第一だった。高柳は「マス・プロジェクション(集団投射)」と「グラジュアル・プロジェクション(暫次投射)」と名付けた二つのアプローチを導入した。さらに後にソロ・ノイズ・ギター探求の手段として「アクション・ダイレクト」を加えた。

また、Black Editionsは、高柳の著作の多くを初めて英語に翻訳し出版する予定である。音楽演奏に加えて、彼は評論に於いて、音楽を他の要素、とりわけ社会的ダイナミクス、政治、権威、環境に関連させて妥協のない哲学を展開することで知られており、しばしば物議を醸した。

1981年の高柳の執筆によると、「現在に生きているにもかかわらず、権威の構造や人間と自然の疎外を含む社会の極度の危険に疑問を抱かない者、自らの怒りによって物事の本質の探究に駆り立てられない者、そしてそうした芸術へのアプローチに疑問を持たない者、彼らすべては芸術家としての地位を放棄しなければならない」。

Black Editions Groupは、Jinya Discと恊働できることを深く光栄に思います。この合意は、妥協のない真にユニークなアーティストを擁護し、彼らをより深い文化的文脈で提示し、未来の世代に届ける、という私たちの使命における重要で長期的なステップです。
Black Editions公式サイト



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Masayuki Takayanagi And New Direction Unit - Eclipse (1975) Full Album
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【えいたそモダニズム】Episode 29『テンの声』Ten Years After/10-FEET/天鼓/TEN/テンテンコ/きどりっこ/松永天馬/Dotstokyo/でんぱ組etc.

2019年08月05日 00時40分16秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


太陽の女神えいたそ☆成瀬瑛美さんへの信心深さを証明すべく毎日のリプと思い出したような妄想ブログの投稿が天に認められたのか、えいたそのディアステージ10周年記念イベントのチケットが連続して当選した。今年の生誕イベントが全滅で精神的に堕ちるところまで落ちたにも関わらず自堕落にも自暴自棄にもならず、せっせと他の現場、主に爆裂女子ストロング都子とネクロ魔みしぇるに会いに通い続けていたのを不憫に思って、天の女神が救いの手を差し伸べてくれたのかもしれない。6/25『でんぱ組.inc 全国ホールツアー UHHA! YAAA!! TOUR!!! 2019』@八王子オリンパスホール、6/29『いのちのよろこびリリイベ』@渋谷タワレコ、6/30『いのちのよろこびリリイベチェキ会』@品川グランドホールに続き3週間で5回も瑛美に会える幸せを誰に感謝すればいいのだろう?もちろん太陽の女神以外にはいない。神の不在を暴こうとする無神論者よ悔い改めるがいい。女神はアキバにおわせられる。



マキシマムえいたそ10周年大大大記念祭!
~この地でバビュするトキメキ伝説~大好きなディアステージ編!☆

2019年7月13日(土) 秋葉原ディアステージ
2Fフロア(座席)③21:00~22:30
チケット料金・2,3Fフロア 各回3500円(税込)

でんぱ組発祥の地秋葉原ディアステージを訪れるのは年に1,2回しかない非ディアメンではあるが、初めてではないので「ディアステージへようこそ」の田中のようなドキドキ感は薄れている。それでもディアガの萌え衣装や調度備品のアキバ感はヲタク心をワクワクさせる。スペシャルドリンクやチェキくじとディアガやゲストとのちょっとしたおしゃべりを楽しむ間もなく1Fでライヴスタート。この小さなステージから武道館や代々木体育館の大ステージにのし上がったでんぱ組の歴史を思って感慨に耽る間もなくえいたその輝くパフォーマンスにぶち上がる。



ライヴ終了後2階にえいたそが挨拶に登場。入口真横の席だったので衆人環視の中いきなり「痩せたね!」と声をかけられてドギマギするが、負けずに『飾り』のお題をクリアしたことを報告。「センスいいね。いつか出版できるように私も伝説になるからね」と嬉しいお言葉。続いて新たなお題『テン』を授かった。一瞬、天=HEAVENのこと?と違いしそうになったが、当然ながら10周年の10=TENであった。女神のお言葉は奥が深い。ヲタクの萌え心と同時にえいたそ信者の敬虔なる信仰心に火が灯された瞬間であった。




マキシマムえいたそ10周年大大大記念祭!
〜この地でバビュするトキメキ伝説〜秋葉原でワンマンLIVE編!☆

2019年7月16日(火)  秋葉原CLUB GOODMAN
18:30開場/19:00開演 前売り3,800円(税込)※ドリンク代別途600円必要

馴染みのディアステージ周年イベント2デイズの直後にライヴハウス・ワンマンLIVEを開催。会場の秋葉原Club Goodmanは灰野敬二、非常階段、Incapaciotants、ドラびでお、Chris Pitsiokosなど多数の前衛音楽/極端音楽を観てきた地下音楽愛好家の聖地もある。もちろんアイドルイベントも多々行われるが、まさかでんぱ組関連イベントがここで開催されるとは夢にも思っていなかった。瞬殺に近い倍率を勝ち抜いてチケットが当たった奇跡には、地下音楽の神のご配慮もあったのかもしれない。小雨降る中、ディアステージの先行物販で女神(えいたそ)署名入り御影を入手し、その場で知り合ったえい推しと一緒に向かったクラブグッドマンはイエロー一色。奇を衒ってふなっしーTで臨んだ筆者もちょっと浮き気味。



整理番号は後半だったが、ちょっとした幸運でステージがよく見える場所を確保。キャパ250人パンパンの動員で超満員のクラブグッドマンは初めてだが、えい推し同士の思いやりで無理な圧縮もなく、快適にライヴを楽しめた。これまでディアステージのイベントや生誕イベント「えいカラ」でひとりでパフォーマンスしたことはあったが、単独で歌と踊りをオーディエンスに披露する、いわゆる「ワンマンライヴ」は初の試み。ずっと夢みてきて10年目に実現できた喜びを語る瑛美は、間違いなくライヴパフォーマーの顔をしていた。まずは小規模の会場をソールドアウトしてから、倍々で増やして行けば東京ドームも夢じゃない。瑛美の夢を実現するために筆者が出来ること、それはえいたそ妄想論を書き続けることしかない。少し時間が経ってしまったがお題の「テン」を妄想分析するとしよう。



【えいたそモダニズム】Episode29『テンの声』
10を敢えて英語の「テン」と言った瑛美の意図はどこにあるのだろう?10は10でも日本語の「じゅう」ではなかろう。「じゅう」は「銃」に繋がるので、宇宙の平和を守るプリキュアでもある瑛美にとっては避けたかったのかもしれない。さらに筆者が勘違いしかけた「天」だけでなく、もっと自由な視点で「テン」を分析せよという課題でもある。ディアステで瑛美が口にした「センスの良さ」を証明してみろ、という挑戦とも言えよう。これまで何度も瑛美の無茶振りをクリアしてきた筆者にとっては臨むところ。えいたそ女神の『テンの声』に応えてみせよう。

●テン・イヤーズ・アフター / Ten Years After


テン・イヤーズ・アフター(Ten Years After)は、イングランド出身のブルース・ロックバンド。1960年代に隆盛したハードブルースの代表的グループ。後のハードロックを形成する過渡期において、重要な役割を果たした。一度解散したが、1980年代以降から再始動している。

「10年後」を目指して1966年に改名したが8年後の74年に解散した。当時世界一の速弾きギタリストと呼ばれたアルヴィン・リーをもってしても10年続けるのは困難だった。ディアステージで10年間めげることなく活動を続けた成瀬瑛美の努力はどんなスーパーギタリストよりもキラやばに輝いている。

Ten Years After 1968



●テン・イヤーズ / 10 Years


1999年テネシー州ノックスヴィルで結成されたオルタナティヴメタルバンド。現在までに8枚のアルバムをリリース。

こちらの<10年>ロックバンドは既に20年目に突入。ロックが社会的に不良の音楽と呼ばれ、世間の非難の目に晒される苦難の時代であった20世紀に比べ、21世紀のロックは市民権を得てミュージシャンは活動を続け易くなったのである。同様にかつては差別と偏見の対象であった「ヲタク」も、2010年代にはメインストリーム化し、ある程度市民権を得た。ヲタク系アイドルとして成功を掴んだでんぱ組と瑛美にとって前途洋々たる未来が開けている。

10 Years - Wasteland (Official Video)



●テン / TEN


テン (ten) は、イングランド出身のハードロック・バンド。デビュー当初は日本で人気を博し、1990年代末から欧米からの支持も広げた。リーダーはゲイリー・ヒューズ(Vo)が務め、全面的なプロデュースも担っている。

元々はゲイリー・ヒューズのソロアルバム制作の為に始まったユニットだったが、着実に活動を続けて24年、ハードロックファンからの信望も厚い。続けることがすべてではないが、続けなければ何も始まらないことも確か。「継続は力なり」に倣って「えい推しは力なり」というキャッチコピーを掲げて、えいたそのソロ活動を支えて行くことをここに宣言する。

TEN - "Travellers" (Official Music Video)



●10-FEET / テンフィート


1997年に地元である京都で結成。ジャンルは主にメロディック・ハードコアに分類されるが、ミクスチャーナンバーもこなす。京都を代表する夏の大型フェス【京都大作戦】を2007年から主催し、開催された2008年から2017年で10周年を迎え、バンドも20周年を迎えた。

スケールの大きな名前にしたくて最初は1000-FEET(センフィート)を考えたが、日本語だとダサいので「テンフィート」にした。10フィート=約3メートルでちょうどバスケットボールのゴールの高さであり、ジャンプしても「届きそうで届かない距離」の意味だという。でっかい夢もいいけれど、もう少しで届きそうな目標から攻めるのが成功の秘訣。その意味で瑛美が秋葉原Club Goodmanを選んだ判断は正しかった。

10-FEET - 蜃気楼 LIVE VERSION(10-FEET野外ワンマンライブ2019 in 稲佐山)



●天鼓 / Tenko


80年代のニューウェイヴシーンで、女性ロックバンド水玉消防団で10年間の音楽活動。同時に、80年代初頭にニューヨークの即興演奏に触発され、声によるデュオの即興ユニット、ハネムーンズを開始。その後、ソリストとして活動を続けるうち、86年頃よりヴォーカリストではなく"ヴォイス・パフォーマー"と称するようになる。

声を武器に世界で活躍する天鼓の声はドスの利いた怒声に近い。瑛美の声は真逆のハイテンションヴォイスだが、特徴を活かして声優やアニソンシンガーだけでなく、新世代ヴォイスパフォーマーとして<萌えきゅんヴォイスを世界にお届け>してはどうだろうか?夢は膨らむ。

天鼓 (Tenko) - Passing by the Night



●テンテンコ / Tentenko


1990年8月27日生まれ。北海道出身。身長142cm。 2013年BiSに加入し、2014年の解散とともにフリーランスとして活動を始める。 2016年にTOY'S FACTORY / MIYA TERRACEとマネージメント契約。「90年代からの日本の"インディー霊"を全て背負っているといっても過言ではない、ヴァリエーションに富んだアヴァンギャルド表現者」と人は彼女を評し、オーバーグランドとアンダーグランドを自由に行き来し、朝から真夜中まで型にはまらない聖域なき活動を行っている。

元BiS(2013年解散)の中で唯一ソロで活動を続けるテンテンコはアイドルでありアーティストでありノイジシャンであるという独自のスタンスを築き上げてきた。ソロ活動にも力を入れたいという瑛美も自分らしく好きなように活動していけば道が開けるに違いない。

テンテンコ / なんとなくあぶない



●きどりっこ(てんちゆみ)


てんちゆみ(vo)、佐藤隆一(key)、松前公高(syn)によるテクノポップユニット。プログレポップ×童謡的な楽曲とてんちゆみの変幻自在ではっちゃけたボーカルでサブカルシーンで話題となった。

80年代末のバンドブームの頃はテクノポップは過去のブームになっていた。その時代に当時したきどりっこのチープなシンセサウンドは今聴くと斬新。てんちゆみの個性が際立っている。変な声と言われることが多い瑛美も、自分らしい独自な音楽をクリエイトして行けば問題ない。自分の道を突き進め。

きどりっこ / このこのこねこ~流行通信簿



●・・・・・・・・・(てんちゃん)


「・・・・・・・・・」は日本の女性アイドルグループ。公式な呼び名(読み方)はなく、ドッツ、dots、ドッツトーキョー、ドッツ東京、dotstokyo、てんきゅー、dotnine、中黒、てんてんてん、てんちゃんズなどと様々に呼ばれており、定まってはいない。

2019年3月24日に東京キネマ倶楽部定期公演で活動停止したドッツ。全員てんちゃんと呼ばれたメンバーは個別に活動を開始し、筆者の推しメンのコットンちゃんは素顔で是枝優美の名前で渡辺美優紀ガールズユニットオーディションに挑戦、最終選考まで勝ち進んだ。夢は決して諦めてはいけないね、瑛美さん。

20190324 ・・・・・・・・・9thワンマンライブ 「Tokyo in Natural Machine」第2部 ライブ映像@東京キネマ倶楽部



●松永天馬 / Tenma Mastunaga


松永 天馬(まつなが てんま、本名同じ、1982年8月12日 - )は、東京都江東区生まれの日本のミュージシャン・作家・詩人・俳優・映画監督である。日本のポップロックバンド・アーバンギャルドのヴォーカル、コンセプター、リーダーである。

現代サブカルの寵児にして「いま、もっとも気持ち悪い男」。筆者がでんぱ組と出会ったのは天馬率いるアーバンギャルドのアイドル対バンライヴだったから、筆者のアイドル歴の恩師といえる。天馬がアイドルグループじゅじゅに提供したオリジナル楽曲「非実在聖少女」は素晴らしい。現時点で瑛美との接点はないが、機会があったら絡んでみても面白いかもしれない。

松永天馬 - ラブハラスメント TEMMA MATSUNAGA - LOVE HARASSMENT


テンとテン
テンからテンへ
テン結び

●でんぱ組.inc


`萌えキュンソングで世界に元気を発信♪`を掲げ、秋葉原を中心に活動するアイドル・グループ、でんぱ組.incのファースト・アルバム。作詞を畑亜貴が手掛けたシングル曲「Future Diver」ほかを収録。跡部みぅが2011年12月をもっての卒業を発表、メンバー5人での最初で最後のアルバムです! (2011/12/14)リリース

えいたそがディアステージの面接に合格し入店したのが2009年夏、でんぱ組.incに加入したのが2010年6月3日。そしてえいたそから成瀬瑛美に改名したのが2011年1月28日。瑛美にとってまさに怒濤の3年間だったが、それがあったからこそ秋葉原Club Goodmanに立つことが出来た。原点を忘れないためにも、2011年半ばと思われるテレビ神奈川の天気予報の動画を貼っておこう。ピンキーこと藤咲彩音ともがこと最上もが加入前、跡部みぅがいた5人組時代、ディアステージでの「わっほい? お祭り.inc」のライヴパフォーマンス。

【ヲタ天】tvkテレビ神奈川の天気予報【でんぱ組 inc】
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【JazzTokyo#236更新】橋本孝之/フローリアン・ヴァルター/スーパー・ジャズ・サンドイッチ

2019年08月04日 00時18分11秒 | 素晴らしき変態音楽


音楽情報サイト『JazzTokyo - Jazz and Far Beyond』最新号が公開された。カヴァー特集はアクセル・ドナー、他に新生東京キューバンボーイズ、ジョアン・ジルベルト追悼など。剛田武は以下の3本の記事を寄稿した。

●Super Jazz Sandwich / Super Jazz Sandwich plays the Enneagram Vol. 1

Photo by Caroline Schlüter
#1623 『Super Jazz Sandwich / Super Jazz Sandwich plays the Enneagram Vol. 1』

ドイツ前衛インプロヴァイザーによる性格分析的ジャズ進化論。
「ジャズ」スタイルの可能性・汎用性をとことん探索し、「ジャズ」で遊ぶ喜びを十二分に謳歌する三人は、前衛のための前衛や、破壊のための破壊とは次元の異なる音楽エンタテインメントの実践者に違いない。Bandcamp

Super Jazz Sandwich: The Individualist



●フローリアン・ヴァルター Japan Tour 2019

#1090 フローリアン・ヴァルター Japan Tour 2019

地下音楽と地下アイドルの融合の夢を叶えるラインアップ
まだ余り知られていない有望な若手ミュージシャンを日本に紹介する活動もJazzTokyoの目的のひとつ。フローリアン・ヴァルターの日本での活動に微力ながら貢献できていることは、いちコントリビューターの筆者にとっても嬉しい限りである。

Florian Walter Solo (July 18th, 2019)



●橋本孝之 Solo Improvisation

Photo by turbo
#1085 橋本孝之 Solo Improvisation

睨みつける視線の先の自己との対話。
ジャンルを縦横無尽に横断する音楽家としてとして独自の存在感を放つ橋本孝之の初めてのソロ・ワンマン・ライヴは、二度と取り戻せない「塗りつぶすことが出来ない時間」を体験できた貴重な一夜だった。

TAKAYUKI HASHIMOTO SOLO IMPROVISATION 2019.07.28 live cafe giee (PART3: alto sax)


ジャズじゃない
アンダーグラウンド
ジャズサンド

▼8月はこのアルバムに注目!
沖縄電子少女彩 セカンドアルバム『黒の天使』CM Okinawa Electric Girl Saya『Black Angel』CM
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kito-mizukumi rouber/てろてろ/Daimon orchestra/ふきた+大鹿之介@新大久保Earthdom 2019.7.31 wed

2019年08月02日 10時05分18秒 | 素晴らしき変態音楽


てろてろ2ndCD発売記念ライブ
19時30分開演
2300円+1ドリンク代(予約前売り:2000円+1ドリンク代)
出演:
てろてろ
kito-mizukumi rouber(長谷川裕倫+大國正人+内田静男+橋本孝之)
Daimon orchestra
ふきた(POPLAND OFF GALLARY)+大鹿之介(舞踏)



橋本孝之と内田静男はデュオで活動するUHと並行してしてあぶらだこのメンバーによるロックバンドkito-mizukumi rouberでも活動している。先週から二人と縁があり、7/24UH、7/27内田DJ、7/28橋本ソロと続いたところで締めを飾るべkiro-mizukumi rouberの出演するライヴイベントへと赴いた。最近はアイドルイベントで訪れることも多い新大久保アースダムは、灼熱の真夏が嘘のようにヒヤリとした地下の香りが漂っていた。

●O.A. てろてろ unplugged


この日のイベントの主人公、ロックバンドてろてろのメンバーによるアコースティックセット。ヴォーカルの軽妙なMCとかなりテクニカルなヴァイオリン&ギタリストのフォーキーサウンドが楽しい。

●ふきた+大鹿之介


黒いテレキャスで野太い弾き語りを聴かせるふきたが素晴らしい。彼が率いるロックバンドPopland off galleryもチェックしてみたい。白塗りの暗黒舞踏が王道ロックソングの地下の香りを燻し出す。

●てろてろ


7人組ロックバンド編成で再登場。ヴァイオリン入の変拍子ロックに、言葉数の多いヴォーカルが乗るスタイルは、プログレともオルタナとも異なる個性を発揮する。8,90年代レコメン系チェンバーロックの21世紀的解釈と呼びたくなる。

●kito-mizukumi rouber


個性派ハードコアバンドあぶらだこの長谷川裕倫(vo,g)と大國正人(vo,g)に内田静男(ds)と橋本孝之(sax)が加わった自称ダンスバンド。ダンスと言っても盆踊りやお囃子である。なりふり構わない土着演奏と、過剰なまでのロックスタイルの発散は、カッコ悪いことの美学を追求している。

●Daimon Orchestra


巨体のバストロンボーン奏者、キュートな女子ヴォーカル、芸人風のギタリストとバラバラなルックスの大所帯バンド。ジャンルを横断するエンターテインメント性たっぷりのステージ。特にトロンボーン・ソロの面白さは地下インディーバンドにしておくのが勿体ないほど。

初見のバンドも含め、さすが地下アイドルと地下音楽の同居する地下ライヴハウス、アースダム、と言えるイベントだった。個人的なハイライトはドラムを叩く内田静男の満面の笑顔だった。

地下にある
天国行きの
お楽しみ

てろてろ2nd ep 「何度も戻る時計、そして監獄について」ダイジェスト
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