A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

FREE ZINE『盤魔殿アマルガム』最新号公開~岩本清顕/Meitei/Linekraft/IAN McCULLOCH/Nu Creative Methods/蠱的態/聖みろくさんぶ

2020年09月25日 00時25分15秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿DJ 今月の1枚  
盤魔殿DJ陣が毎月お気に入りの音源をご紹介。こだわりの選盤からどんな世界が広がるかお楽しみください。

●DJ Athmodeus a.k.a. 持田保
岩本清顕 / SOUGI (EM RECORDS) 2020


「愛はまた僕らを引き裂く!」。そもそもは2019年の盤魔殿でmoppy氏が岩本清顕 7EP”Love Will Tear Us Apart”をDJプレイしたことから話はスタート。その時&その場に居合わせた僕がこの7EPの「あまりにもあまりな」衝撃をブログで発信し、その余波がエム・レコード総帥の江村氏に伝播。結果38年の時を経て2020年の今日の世界に復刻されたという、まあ言うなれば「われらが盤魔殿がトリガーとなり作品化された」作品(ここマジで大事だから!!!)。問題の”Love Will Tear Us Apart”は言わずもがなジョイ・デヴィジョン、そして70’sポスト・パンクを代表する歴史的アンセムのカバーなのだが、ほらよくあるじゃないですか「いやー僕らこの曲メッチャ影響受けてて超リスペクトの意味込めてカバーしましたNo Music No Life」的なアレ。そんなアレとは全く真逆の「なんかここにゴルフクラブが落ちてるけどコレ今からあいつを撲殺するのに便利そうだから拾っておくか」的なノリでジョイ・デヴィジョン(というかイアン・カーティス)を使用しアレを殺しにかかる真摯さが何度聴いても本当衝撃だ。かつてパンク、ポスト・パンクにあった「引き算の美学」・・・・・いかに装飾をそぎ落とすか&ソリッドになるかがテーマな美学において、最終的にむき出しとなる「自己」といかに対峙するのか。その覚悟ととまどいの狭間で痙攣し続けた岩本清顕のこの活動の記録は、その後の彼の生き様を鑑みてもズシリとくるし、人間の持つ「業」をキメて遊ぶしかない「残された」僕らへのレクイエムでもある。


●DJ Vaby a.k.a. 大場弘規
Meitei ・ 冥丁 / Komachi (Special 2020 Edition)


オリジナルは2019年リリース。広島在住の作曲家Meitei ・ 冥丁のデビューアルバム『Komachi』の限定500部Special 2020 Edition(new sleeve design, beautiful 140gm cream vinyl and a 12 page booklet with words in Japanese & English from Meitei)。今作は彼の99歳で亡くなった祖母に捧げられた作品で、Komachiはつまり小野小町な訳で和のムードを導入し、よりアンビエントやニュー・エイジへと向かっていると思われます。彼の作品は「The Lost Japanese Mood」がコンセプトであり、本人の説明では「闇の中に眠っている魂を蘇らせる」という思いがあるそうだが、曲名も全て日本の地名や場所に人の名前などコンセプトは一貫しています。水が湧出するフィールド・レコーディングを用いた自然主義的なアンビエントの"Seto"や、グリッチ的なリズムとヒスノイズ混じりの音響と、お化けのような奇怪な声を被せて微睡わせるアブストラクトな"Maboroshi"等、アルバムからイメージ出来るのは日本各所を巡るサウンド・スケープだろうが、プレスリリースにもある通り横田進や竹村延和の牧歌的な雰囲気を思い起こさせるアンビエント性は、敢えて強調しない繊細な叙情性に満ちている傑作と言えるであろう。ヤフオクなどで¥10,000を余裕で超えるハイプライスで取引されているが、多くの人に聴いてもらいたい...いや、日本人なら絶対聴くべき作品ではないか!と思う今日この頃なのです。


●DJ Bothis a.k.a. 山田遼
Linekraft - The Man Who Was Plugged In (2008) CDr Three Plugs Records


1999年から2007年までの活動が記録されている日本の金属ジャンク・ノイズ・インダストリアルバンド「MOTHRA」か活動停止後、中心メンバーの大久保正彦氏が新たに始動したソロ・プロジェクトである「Linekraft」が2008年に自身のレーベル「Three Plugs Records」から出版したファーストアルバムが、今回紹介する『The Man Who Was Plugged In』。なぜ私がこの作品を紹介したいのかと言うと、とにかく一曲目の「War Emblem」が、ノイズ愛好家である筆者の心の名曲と言える、この世に存在するノイズ作品の中でも屈指の衝撃作だからです。冒頭にサンプリングされた「ワルシャワ労働歌」が高らかに歌われるなか、突如挿入される喧ましい金属打撃音、そして歪な電子音に並置される人間たちの阿鼻叫喚。これを名曲と言わずしてなんと言うのでしょうか。近年ではポル・ポトをテーマにしたデス・インダストリアル作品など、人間の負の側面に焦点を当てた作品が多く出版されているのですが、そういった死に言及した作品のはずなのに、なぜか私は「War Emblem」を聴くと「頑張って生きよう」と背中を押されるからなんとも不思議です。自分もこういった素晴らしい作品を作らなければならないと考えています。


●DJ Ipetam a.k.a. Rie fukuda
CANDLELAND / IAN McCULLOCH


1989年リリース、Echo&The Bunnymenフロントマン・イアンの最初のソロ作品。
大手チェーンレコード屋のワゴンセールで輸入盤を何気なく購入したところ、程よい刺激と浮遊感の混ざり具合が絶妙で、全く飽きずに長期間に渡る愛聴版となった。実はエコバニって真面目に聴いていないので、焦って一枚目"Crocodiles"からサブスクでDL、ヒットしたのは"Rescue"かな。
来日公演は友人から誘われていたが、聴いていないので行かなかった。。行けばよかった。当時のバイト先の先輩が行っていて、感想を聞かせて貰ったのをよく覚えている。
少し前のベスト盤は定価で購入したが、それも愛聴盤である。
いつ聴いても、イアンは素晴らしいボーカリストだと思う。普段の好みは図太いとかゴリ押しな感じだけど、彼の情緒不安定気味なシャウトは心に響く。この頃のイギリスのネオサイケバンドにありがちなスタイルだが、芯があると言うのか、こちらまで不安になる程ではなく。
このソロは、彼が自身のお子さんを得た後、そしてバンドメンバーの事故死の後にリリースされたものである。繊細さを保ちつつ、円熟味を感じる大層良質なポップスになっている。徹底した美意識もかわりなく。
いくら、彼が昔の西欧コンプレックスに満ちた少女漫画に出て来る様な美青年で、フールズメイトの投稿欄に似顔絵沢山投稿されてて変な先入観持ってても、バニーズを聴くべきだったのだ。
と言っても、彼イギリスの人っぽく、口悪いんだけどね。             


●DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元
Nu Creative Methods / Superstitions


Pierre BastienとBernard Pruvostが結成した
フリーミュージックユニット、その名も”Nu Creative Methods"。

本作は1984年にイタリアのADNレーベルからリリースしたカセット作品にして宅録。
民族楽器や自作楽器等を用いている上に楽曲毎に非常に富んだ表現を魅せているので聴いていてとても楽しい。
しかし、この作品の魅力はそれのみならず、奇天烈の中にも
怪光を迸らせながら突き抜ける鍵盤音や空気を斬るような弦の衝撃音等...
生き生きと動いていて、彼らの相当真剣な発音の記録でもある。

けたたましく響き、四散する”サワリ”に胸は晴れ、プリミティブな音と音との間に舞う熱に幻惑される…
あたかも異次元の世界の未開の大地に住む民族が僕には聞き取ることができない言語でうたうかのように不定形に振動する音々に意識が閉じ込められ、スピードに呑み込まれては酩酊し、頭と脚が入れ替わり、内臓が裏返りそうだ…
そんな不思議な感覚が何度も降り立つユニークな作品だ。
因みにPierre Bastienは後に自作の自動演奏楽団”メカニウム"を創設する。


●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武
KOTEKITAI 蠱的態 / 山谷(やま)- やられたら やりかえせ オリジナルサウンドトラック


拙著『地下音楽への招待』の園田佐登志のインタビューで80年代中旬に、音楽評論家の平井玄が中心となって、吉祥寺マイナー周辺の地下音楽家たちが政治活動に関係を持ち始めたことが語られている。平井と共に音楽誌『同時代音楽』を刊行した竹田賢一が主宰する音楽ユニットA-Musikは世界の反戦歌や労働歌を演奏し、アイヌや在日問題に言及した。劇団・風の旅団の音楽制作を担当し、A-Musikにも参加した工藤冬里は朝鮮語でプロテストソング歌うなど、より直截的な活動に転じた。
もうひとり、絶対零度~ルナパーク・アンサンブルの大熊ワタルは、東アジア反日武装戦線の救援イベントや寄せ場の支援活動を通じて、山谷の労働者解放組織に接近し、日雇い労働者と山谷を支配する右翼暴力団との闘争を描いたドキュメンタリー映画の音楽制作を担当した。大熊(p,cl)、篠田昌已(sax)、中尾勘二(sax,ds)、風巻隆(perc)、西村卓也(b)等、A-Musik、PUNGO、Che-shizu、マヘルシャラルハシュバズ、ルナパーク・アンサンブルといったバンドのメンバーを集めて録音したサントラ音源が正規CD再発された。オリジナルは86年のカセット。管楽器をメインとした演奏は、ブレヒト演劇や戦前の軍楽隊を思わせる哀感のあるブラスバンドにフリージャズや現代音楽が乱入するサウンドは、否応なしに政治闘争の悲哀を感じさせる。映画の方は、ふたりの監督が右翼により殺害されるという大波乱の上に完成。学生運動や過激派の活動が衰退し、平和ボケが始まる80年代の日本の裏側で斯様な悲惨な闘争があったことは忘れてはならない。
これを境に地下音楽と政治運動の関係は薄れていくが、音楽性は大熊と篠田が結成したシカラムータに引き継がれることとなる。35年経っても古臭さを感じさせない文字通り蠱惑的な地下音楽ドキュメントである。


●DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫
『聖みろくさんぶ』[ First Edition to 100 : Includes - Picture Innerbag with Biography ]
- V. A... ( LP/12") : 定価3,500円(税抜) . .... 2020年09月15日 発売 -



これは静岡市弥勒にある特殊おでん屋『 みろくさんぶ 』監修の記念的なコンピレーションアルバムである。野田篤経営の同店は、静岡の繁華街に多いおでん屋でありながらライブスペースと録音スタジオならびに中古レコード屋を兼ねた、静岡独自の場所である。
このアルバムは同店発行のサブカルフリーペーパーMultiplex Magazine『 MilkyWay 』(※同店が2012年冬から発行。2013年夏の3号を最後に中断 望月治孝 編集 )の流れを受けた最終完結盤。店主である野田篤が創業時の音楽貸スタジオ→おでん屋→ライブスペース→民泊→中古レコード屋と多業務に常に変貌を遂げてきた最終章とされている。
静岡インディーロックシーンにおいて、本アルバム参加ミュージシャン達は同店主の野田篤がかねてから互いに影響し合った、独特で希少な表現者達である。
その筆頭は80年代から静岡アンダーグラウンド演劇の女王として活躍した鷹匠訓子ことKonori。アングラ劇団熾天使舘(死天使館)を経て現在は水銀座看板女優であり、Current93のDavid TibetやNurth With WoundのStevenStapleton、WhitehouseのWilliam Benettなどとの交流も深く、1989年のCurrent93来日公演の際にはスーパーナチュラルオーガニゼーションの不誠実な対応に路頭に迷ったCurrent93のメンバーたちを温かく迎え、自らのバンドMagick Lantern Cycle との共演で録音した音源はCurrent93のアルバムに収録されている。このアルバムには現在Konoriが率いるバンドKonori spの新曲2曲が収録されている。Konoriのロリータから魔女まで変幻自在なボイスと魔術的な歌詞、野田篤のサイケでアグレッシブなギターを聞くことができるのも大きな魅力だ。野田はほとんどすべてのバンドに参加し変幻自在なギターを聞かせてくれる。
このアルバムは、静岡独自のアンダーグラウンド・ミュージックの魔力に触れようと思ったら買い逃せない1枚である。注文は以下のアドレスを参照されたい。
http://fuzainoisu.html.xdomain.jp/mirokusunbu.html?fbclid=IwAR12ynxwE8hXr2kne5j2qFIW1KSWsj_1Fh2IYkuBBlELkrYa2qMzuwkthoo

収録曲
A1 Power of pleco / Kevin
A2 ソナー/ ユー・メイ・ドリーム
A3 Konori sp / Hotel 熾天使舘
A4 ソナー / 天国への階段
B1 望月治孝 / ミューズに
B2 Konori sp / 母への手紙
B3 ソナー / スタンド・バイ・三―
B4 power of pleco / F.O.S.
B5 ソナー / くじら12号

オタのします
クラウド盤魔殿
公開中



--------------------------------EVENT INFORMATION---------------------------------------
盤魔殿 presents
NEO UNDERGROUND

異端DJ イベント『盤魔殿 』が贈るライヴ+ DJ イベント『 NEO UNDERGROUND 』スタート。新時代のアンダーグラウンド・ミュージックの現在を詳らかにして、来るべきコンピレーション『 Tokyo Flashback 2020( 仮 』への布石とする。


盤魔殿 presents
NEO UNDERGROUND vol.1

2020/9/27 sun
渋谷DJ Bar EdgeEnd
19:00 open/start
¥1000 (+ 1drink 別
*定員に達したため予約終了

Live Act :
Marc Lowe
UH(内田静男+橋本孝之)+剛田武
Lower Than God (Marc Lowe + Takeshi Goda)

DJ's :
DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫
DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
DJ Bothis a.k.a. 山田遼


盤魔殿 presents
NEO UNDERGROUND vol.2

2020/10/31 fri
阿佐ヶ谷TABASA
19:00 Open/Start
¥1,000 + 1 drink 別 Live 投げ銭制

Live Act:
モリモトアリオミ(vo, g)
Risaripa (vo, electronics)
*スペシャル・コラボ有

DJ's:
DJ Athmodeus a.k.a. 持田保
DJ Vaby a.k.a.大場弘則

Talk "Underground Now"
宇田川岳夫×剛田武
コメント

クラウド盤魔殿9月

2020年09月25日 00時09分30秒 | 素晴らしき変態音楽


●ケロッピー前田 & 持田保 presents 狂気音楽 a.k.a. クレイジーミュージック探訪~ ダダとパンクとキャバレー・ヴォルテール 編

ケロッピー前田 & 持田保 presents
狂気音楽 a.k.a. クレイジーミュージック探訪
~ ダダとパンクとキャバレー・ヴォルテール 編

2020年9月7日@阿佐ヶ谷TABASA
カウンターカルチャーの最先端・身体改造を日本に紹介してきたケロッピー前田が、『INDUSTRIAL MUSIC FOR INDUSTRIAL PEOPLE!!!』の著者・持田保とともに、数々の音源を振り返りながら、クレイジーミュージックのカリスマたちの文化的な背景やカウンターカルチャーとのかかわりを読み解く!!
今回は、1910年代に起こった反芸術運動「ダダ」の活動拠点となった店の名をグループ名としたキャバレー・ヴォルテールに焦点を当てる。
1974年頃、のちにハフラー・トリオの創立メンバーにもなるクリス・ワトソンの自宅には、リチャード・H・カークとスティーブン・マリンダーが集まって、テープレコーダーを使って、実験的な音楽の制作を始めていた。1978年、彼らはキャバレー・ヴォルテール(以下キャブス)として、ラフ・トレードからデビュー。インダストリアル・ミュージックの騎手として名作「ボイス・オブ・アメリカ」(1980)などをリリースするが、翌年クリスは脱退する。その後、バンド形態で積極的にライブもこなし、82年には来日も果たしている。
いち早くダンスビートを取り入れ、のちのボディミュージックやテクノの先駆者となってきたが、キャプスが特別な存在であり続けるのは、ダダ、ネオダダ、フルクサスなどの芸術運動のエッセンスをパンク/ポストパンクの音楽創作に活かしてきたことにある。
 いま改めて、キャバレー・ヴォルテールの数々の貴重音源を聴きながら、前衛的な芸術運動の系譜と音楽やカルチャーのかかわりを検証する!
Photo by Ryo Yamada

●DJカナブン

DJカナブン
1.In Deinem Kopf/Kronstadt
2.My Freak/Cripure S.A.
3.Funky/Toshiyuki Hiraoka
4.E-electrical/Kronstadt
5.Chatiment (C'est la mere Michel)/Cripure S.A.
6.Yoshikawa/Toshiyuki Hiraoka
7.Zehnmal im Leben/Kronstadt
8.Raw Tango/Cripure S.A.
9.Askania/Kronstadt
10.As far as I know/Cripure S.A.
11.Weiter/Kronstadt

今回も80年代のカセットカルチャーから選曲しました。当時、いろいろなレーベルのコンピレーションなどに多く参加していたKronstadt(ドイツ)、Cripure S.A.(フランス)とToshiyuki Hiraoka(日本)の作品から、キャッチーで聞きやすい曲を選んだつもりです。


●DJ lain

浅倉玲音です
DJ lain tape collage mix
いつもはソロベースの生演奏で参加させて戴いてましたが、今回はDJの枠で得意としてるtape collage mixをしてみました
セットリストは決めて無くてどの曲使ってるかわからなかったりしてます ソロベースと変わらずゆっくり聞ける内容となっております


●DJ Bothis

DJ Bothis Soundcloud版 盤魔殿 Set list
1.Linekraft - War Emblem
2.S.P.K.- Emanation Machine R. Gie 1916
3.Irukandji - Prey For Me I-V
4.Mark Solotroff - Instrumental Demonstration Of Death-Noise (Edit/Remix 01)
5.Navicon Torture Technologies - Mind Is A Prison.
6.TNB - Antinomia
7.Iconoclasm - Fight War,To The War
8.Merzbow - In To The Void (Decomposed & Performed By Masami Akita)
9.JAH EXCRETION - LEGALIZE IT SERIOUSLY!

インダストリアルノイズ、ハーシュノイズ、パワーエレクトロニクスの作品を選んでみました。


●DJ Qliphoth

Dark Tribal Techno- Industrial Musick

1. iszoloscope - awe gratitude rapture
2. Various Artists Compilation - EUROPEAN GHOST - Nothing changes
3. Flint Glass - Brain Speaking Machine (By Xabec)
4. Second Spectre - Champ Libre - Vous êtes Le numéro x - 02 273
5. BLUSH_RESPONSE - SELF-AWARE III -XIMG005- - 07 BREACH & DISRUPT
6. Siamgda - Stimulation

テクノイズとネオフォークでまとめました。


●DJ BEKATAROU

DJ BEKATAROU 2020/09/20
1.Javier Diez-Ena / Wailua Lui
2.Extendid Organ / Vibe
3.Luc Marianni / Voyage Vers L' Harmonie Part 1 〜 4
4.Anestis Logothetis / "Hör!-spiel"
5.哀秘謡 / 君の瞳は10,000ボルト
6.Luc Marianni / Voyage Vers L' Harmonie Part 8, Part 9

前半は気持ちをゆったりと落ち着かせ、
後半から徐々に熱を帯びるよう
楽曲を選び、廻させていただきました…
まずは愉快なテルミンの音色からお楽しみ下さい…


●DJ Vaby
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【JAZZ ART せんがわ 2020】DAY3『福島泰樹・短歌絶叫コンサート』@せんがわ劇場 2020.9.18(fri)

2020年09月22日 00時01分08秒 | 素晴らしき変態音楽


JAZZ ARTせんがわ2020は初日こそ少し空きがあったら、2日目以降はほぼソールドアウトとなった。完全防止のため座席数を半分にしているので当然といえばそうだが、コロナ禍が続く中、コンサートやイベントに行くことを自粛している音楽ファンも少なくないことを考えると、「分かりやすくない音楽ばかり扱う(巻上公一談)」フェスとして根強い支持がある事を証明している。せんがわ劇場を訪れると、当日券を求めて来場したお客さんに、係員がソールドアウトであることを詫びているところだった。



9月18日(金)20:00-21:15 
もっと電車よ、まじめに走れ・・・唯一無比、至高のリーディング・パフォーマンス。
『福島泰樹・短歌絶叫コンサート』
福島泰樹(短歌絶叫)、永畑雅人(pf)、石塚俊明(drs)、坂本弘道(cello)

38年前、大学1年生の頃にアルバイトしていた吉祥寺のライヴハウスGATTYのスケジュール表に福島泰樹の名前があった。短歌絶叫コンサートという印象的なタイトルと共に記憶に残っている。それ以来いろんな場所で名前を見ることはあったが、なぜか一度もライヴを観る機会はなかった。「絶叫」という言葉から連想して、勝手に体格のいいい筋肉質の人物をイメージしていたが、ステージに登場した詩人は面長で細身の、どちらかというと哀愁の漂う男性だった。しかし77歳という年齢を感じさせない朗々とした艶のある声と、ボクサーやアスリートを思わせるきびきびした動作は、35年前に絶叫バンドを結成して以来、海外を含め1200回を超えるコンサートを行ってきた不屈の表現者の証である。
 


拠点にしている吉祥寺のライヴハウス曼荼羅で35年間一度も休まず続けてきた短歌絶叫コンサートがコロナ禍で中止になり、予定していた35周年記念コンサートも開催できない状況の中、JAZZ ARTせんがわの出演はとてもうれしいと語る。長年のパートナーの永畑雅人(pf)と頭脳警察のドラマーでもあるトシ(石塚俊明)に加え、JAZZ ARTせんがわのプロデューサーでもある坂本弘道が参加した絶叫バンドは、ピアノの哀感たっぷりの旋律を、ドラムとチェロが時にメロディアスに、時に破壊的(こっちのほうが多い)に解釈(介錯)し、ノスタルジックでアヴァンギャルドな音世界を作り出す。



その中心にいるのは常に福島の身体であり言葉である。若くて世を去ったボクサーや、戦没した学生詩人や芸術家たちを主人公に、大正・昭和の時代模様を濃厚に描き出す詩と短歌は、音階やメロディがないにもかかわらず、音楽の核として楽器演奏を先導する。「絶叫」という言葉から想像しがちな怒鳴り声や金切り声は一切なし。あくまで冷静さを保ちながら、言葉の力を最大限に活かすための発声法を身に着けている。オペラや演劇に有りがちな大仰さはないが、明快な言葉のイントネーションの妙は、派手なフォルテッシモの数百倍、心の芯を揺さぶる。演技はないが頭の中に広がる妄想は極めて具体的な映像だった。



思い返してみると、筆者はポエトリー・リーディングのライヴをほとんど見たことはない。言葉を連射するラップも得意ではない。エクストリームな即興演奏は大好物だが、それとて楽器の演奏による音であり、音程という概念は常に纏わりついている。しかし会話や朗読は音程ではなく、スピードとリズムだけだといえる。1部2部あわせて2時間弱、音程のない言葉だけで演じられた福島のリーディング・パフォーマンスでは、普通の音楽ライヴでもめったに味わえない音楽の旅路(Musical Journey)にどっぷり浸ることが出来た。その旅路の果てに筆者が思い出したのは、どこへ行くにも中原中也の詩集をお守りのように持ち歩いていた”痛い”高校生時代の自分の姿だった。



38年前に出会うべきだったかもしれないこの素晴らしい音楽体験を与えてくれたJAZZ ARTせんがわに心から感謝したい。

短歌絶叫
昔の自分に
会える旅

福島泰樹 / 六月の雨

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【新たなる地下音楽を求めて】『盤魔殿 presents NEO UNDERGROUND vol.2』10/31(sat) 阿佐ヶ谷TABASAにて開催決定。

2020年09月21日 01時01分46秒 | 素晴らしき変態音楽


異端DJイベント『盤魔殿 』が贈るライヴ+DJイベント『NEO UNDERGROUND』早くも第2回の開催が決定!。アンダーグラウンド・ミュージックの現在を詳らかにして、来るべきネオ・アンダーグラウンド・エラを予感する。

盤魔殿 presents
NEO UNDERGROUND vol.2


2020/10/31 fri
阿佐ヶ谷TABASA

19:00 Open/Start
¥1,000 + 1 drink別
Live投げ銭制

Live Act:
モリモトアリオミ (vo, g)
Risaripa (vo, electronics)
*スペシャル・コラボ有

DJ's:
DJ Athmodeus a.k.a.持田保
DJ Vaby a.k.a.大場弘則

Talk "Underground Now"
宇田川岳夫×剛田武

【ご注意】感染予防のため入場制限する場合があります。参加希望の方はFacebook特設ページにて参加表明お願いします。

【Live Act紹介】
●モリモトアリオミ

東京出身。90年代より宅録とライヴにて活動。エスノイズアーケストラ、電機姉、堕空、餓鬼道、ウサバラシ等、数えきれないほどのバンドに参加。アメコミと探偵小説、ホラーとマカロニウエスタンが趣味。最近作にブランコレーベルとの共著「和ンダーグラウンドレコードガイドブック」がある。




●Risaripa

Risaripa ; a.k.a. Risa Reaper (Gallhammer)。2017年より「奇妙な音」を求めて、アナログシンセサイザー、メタルパ ーカッション、声で即興自宅録音を開始。翌年モジュラーシンセサイザーに出会い、以降更なるねじれたインダストリアル/NWサウンドを追求している。現在はソロワーク以外にSleepingBeauty、ギ酸でシンセサイザー・ヴォイス等を担当、Galaxy Express 666でドラムを担当。



秋の虫
地下の音楽
活性化

クラウド盤魔殿9月MIX音源募集中!
SoundCloud 盤魔殿 2020年9月分募集(通算第6次募集)のお知らせ。
初秋の候、残暑の中皆さまお元気にお過ごしでしょうか。
9月下旬の公開に向けて以下の要領で募集いたします。皆様のご参加お待ちしております。
盤魔殿本体のイベントがまだ開催未定の状況の中、新しい地下音楽イベントNEO UNDERGROUNDが剛田武氏の主催で9月27日渋谷EdgeEndにて開催されます。11名限定イベントがすでに予約で満員です。皆さまのご支援うれしい限りです。感謝いたしてもしきれないほどです。さて、今回も以下の要領で募集いたしますのでよろしくお願いします。

Soundcloud版盤魔殿参加要項です。 各自以下の要領でファイルを送ってください。 
フォーマット MPEG-1 Audio Layer-3 いわゆるMP3 またはWAV または AIFF
サンプリング周波数 44.1kHz または48kHz 
ビットレート 192kbps以上 
チャンネル数 2チャンネル 
送付方法 Gigafile便, Wetransfer, Dropboxなど を利用 
収録時間 30分程度 
ファイル名は DJ名の後に拡張子(.mp3 , .aiff, .wav など)を追加 たとえばDJQLIPHOTH.mp3 といった具合に付けてください。 
なお、ファイルと別途にメールにて DJ,名義と セットリスト(必須)とジャケ写(あれば可 できるだけほしい…)と簡単な聞きどころを解説した文章(140字以内)もお願いします。 

これらを宇田川岳夫が持っているサウンドクラウドアカウント Disque_Daemoniumに アップします。
ご協力できる方はfacebookメッセージなどにてお返事ください。
https://www.facebook.com/takeo.udagawa
現在届いたものから順次アップしていきます。

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【JAZZ ART せんがわ 2020】DAY 1『JAZZ ART TRIO』巻上公一+藤原清登+坂本弘道+北陽一郎@せんがわ劇場 2020.9.16(wed)

2020年09月18日 02時14分03秒 | 素晴らしき変態音楽


JAZZ ART せんがわ13年目はコロナvs ミュージック。
JAZZ ART せんがわは、13回目を迎えます。 開催の危機から継続を勝ち取った昨年、 2020年はコロナウイルスとの戦いという新たな難敵が現れました。 ミュージックがワクチンになるなんて夢のまた夢、 地球規模での変動は、人類をどこに連れて行くつもりでしょうか。 知恵あるものが、知恵を使える社会になるために、 息をして、目を開いて、のびのびいきましょう(巻上公一)



世界中でコロナ禍が収まる気配がないこのご時世に音楽フェスティバルを開催するのは難しい。しかし5月29日~6月1日に無観客配信のみで開催されたドイツのメールス・フェスティバルのように、何とかして音楽祭を実施しようとする不屈のフェス精神を持つオーガナイザーは世界各地に存在する。元々はメールス・フェスティバルと同じドイツ(旧東ドイツ)出身のペーター・ゲスナーを芸術監督として2008年にスタートしたJAZZ ARTせんがわが、不吉な数字の「13」回目もなんとか開催にこぎつけたのは、不屈のフェス神のご加護のおかげ、ではなく巻上公一、藤原清登、坂本弘道の3人のプロデューサーをはじめとする関係者やミュージシャン、愛好家たちの熱意の賜物に違いない。この奇跡の幕開けをこの目で確かめようと、初日のせんがわ劇場へ向かった。



9月16日(水) 20:00-21:15 
8月25日にパリで逝去したトランぺッター、自由人・沖至を追悼する。JAZZ ARTの特別プログラム!
『JAZZ ART TRIO』
坂本弘道 (cello)、藤原清登 (b)、巻上公一 (vo, theremin,etc)、スペシャルゲスト北陽一郎 (tp)

感染防止のために規模縮小・入場制限のうえでの開催なので、例年ならば仙川駅前に設置されたJAZZ屏風や街中で行われた野外パフォーマンスは無し。JAZZ屏風はせんがわ劇場内に設置、劇場入場者は人数制限され、一席ずつ間隔を空けた客席に座る。しかしステージが明るくなりJAZZ ART TRIOの三人が登場すると、いつもと変わらぬ熱心な音楽愛が会場を満たす。冒頭で巻上公一が今年の開催に至る経緯を語る。(例1:本当は来年3月に延期しようとしたが、すでに予約がいっぱいだったため、今やるしかない、ということになった。例2:政府や自治体の援助金や補助金を申請したら、これまでは却下されていた補助金も許可が出て財政的に大いに助かった)。さらにこの日の追悼ライヴの主、故・沖至のパートナーの菊池マリの手記を読み上げる。沖は今年もJAZZ ARTせんがわに出演しようと死の間際まで相談していたという。そして2017年のJAZZ ARTせんがわでの沖のトランペット・ソロ演奏に、巻上、藤原、坂本が演奏を被せるヴァーチャルコラボからライヴが始まった。



バックに映し出された沖至の演奏は驚くほど生き生きとして自由で、まるでこの劇場にまだ沖の分身が生きているかのようであった。三人のプレイもライヴ演奏そのままで、今ここでしか聴けない生演奏に違いなかった。気が付くと沖の映像は消え、JAZZ ART TRIOだけの演奏になっていた。チェロの弦にオブジェを挟んだり、金属板を擦りつけたり、ギターのように抱えて弦を掻き毟る坂本のプレイはいつ観ても鬼気迫るものがある。それに対抗するようにテレミン、ホース、おもちゃの笛やトランペット、尺八など様々な楽器と音具を取り換えつつ、異形の声芸を聴かせる巻上の逸脱ぶりに幻惑される。



そしてこの日最も目を(耳を)惹いたのは藤原のベースだった。歪み系エフェクター(おそらくファズかディストーション)によるノイジーなサウンドは、ソフト・マシーンやヘンリー・カウ等カンタベリー系プログレッシヴロック特有の音を想起させ、藤原を正統派のジャズ・ウッドベース奏者と思い込んでいた筆者にとっては嬉しい驚きであった。さらにワウワウを使ったストレンジなプレイも披露し、JAZZ ART TRIOの「JAZZ」が、JAZZ ARTせんがわの「JAZZ」と同じく、「ジャンル」ではなく「精神」であることを明らかにした。



第2部ではスペシャルゲストのトランぺッター北陽一郎が参加しカルテットに。バックに沖至の演奏風景の動画が投射される中、北は沖のプレイを真似ることなく、自分自身の演奏スタイルを貫き通した。それこそまさにJAZZ ARTせんがわに流れる「自由音楽」の発露に違いない。四者四様でありながら、同時にひとつのグループとして一貫性のある音楽をクリエイトする。JAZZ ARTせんがわならではのライヴステージを観たら、コロナウィルスも感染するのを忘れて踊り出すかもしれない。そんな夢想に浸った90分だった。

JAZZ ART 実行委員会 / JAZZ ART TRIO for ART TOKYO


JAZZ ART
自由な音楽
生まれる場

JAZZ ARTせんがわ2020は9月20日まで開催されている。当日券が出るそうなので、行ける方はぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。行けない方はライヴ配信もあるのでどこからでも楽しめます。

9月17日(木)
20:00-21:15「ミソヅラ団と赤斬月」
ミソヅラ団:中村達也(drs)、滝本尚史(tb,tuba)、栗原健(sax)、ゲスト:スガダイロー(pf)
チケットSold Out

9月18日(金)
20:00-21:15 「福島泰樹 短歌絶叫コンサート」
出演:福島泰樹(短歌絶叫)、永畑雅人(pf)、石塚俊明(drs)、坂本弘道(cello)
チケット有

9月19日(土)
17:00-17:15「ヒカシュー」
巻上公一(ボーカル、コルネット、テルミン、尺八)、三田超人(G)、坂出雅海(B)清水一登(P、Synth、B-cl)、佐藤正治(ds、perc)ゲスト: 梅津和時(sax、cl)
チケット有

20:00-21:15「道場」
出演:八木美知依(箏、エレクトロニクス)、本田珠也(ds)
チケット有

9月20日(日)
15:00-16:15「Quadrangle」
出演:石井 彰)(P)、石井智大(Vn)、吉野弘志(B)、池長一美(Ds)
チケット有

詳細は⇒JAZZ ARTせんがわ公式サイト
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【9月22日(火祝)配信ライヴ決定!!!!】灰野敬二が率いるリアルロックバンド『THE HARDY ROCKS』を紐解く7つのSCENE(現場)

2020年09月16日 01時05分52秒 | 灰野敬二さんのこと


2020年9月22日(火) 渋谷LUSH
THE HARDY ROCKS
無観客・配信ライブ at LUSH

配信START 20:00
電子チケット ¥2000+(投げ銭)

チケット購入URL
https://qumomee.toos.co.jp/products/0922lush

灰野敬二が率いるリアルロックバンド「THE HARDY ROCKS」の4年ぶりのワンマンライブが9月22日に配信決定!
"Born To Be Wild"そのものの灰野敬二が、自らの原点といえる曲を選んでヴォーカリストに徹し、若手メンバーと共に挑むロックのネクスト・レベル。ロックンロール、R&B、ソウル、ジャズ、歌謡曲・・・すべてロックとして炸裂させる。

THE HARDY ROCKS:
灰野敬二 Keiji Haino : vo
川口雅巳 Masami Kawaguchi : g
なるけしんご Shingo Naruke : b
片野利彦 Toshihiko Katano : ds

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THE HARDY ROCKSを紐解く7つのSCENE(現場)
THE HARDY ROCKSとしては3年半ぶりの再始動となる今回の配信ライヴの予習として、筆者がナマで体験したTHE HARDY ROCKSと関連ユニットのライヴレポートをまとめてみた。いわば7つの現場体験記である。今では配信も「現場」のひとつだから、筆者にとっては8回目の現場(Scene)となる今回の配信ライヴで彼らがどんな世界=ROCKを見せてくれるのか、ヒントがあるかもしれない。

【Scene 1】2016.4.28(thu) 高円寺HIGH
SEE HARD ROCKS PLAY
THE HARDY ROCKS / キノコホテル


歌謡曲の英語バージョンからスタートしたデビューライヴは、いっさい手抜き無しの灰野の咆哮をリズム隊の柔軟なビートと二人のギタリストの精神開放プレイが燃え上がらせる、緊縛感あふれる濃密な空間。ギターを弾くとき、いやそれ以上に豪放なアクションでステージ全体の「気」を召還する灰野は、まさにバンドサウンドの指揮者としてメンバーにサインを送り、音と精神のアンサンブルを重ね合わせていく。スタイルとしてのハードロックとは異なるが、このサウンドは<ハード(激しい)ロック>と表現するしかない。彼らの激しいロックを体験することは、新たな音楽のチャクラ(第三の目)が開かれる圧倒的なエナジーの奔流であった。

Setlist
1 黒い花びら(水原弘)
2 骨まで愛して(城卓也)
3 昭和ブルース(天知茂)
4 born to be wild(Steppenwolf)
5 Strange Fruit(Billie Holiday)
6 end of the night(The Doors)
7 Gimme Some Lovin(Spencer Davis Group)
8 It's A Man's, Man's, Man's World(James Brown)
9 Money(The Beatles)
10 in my room(The Walker Brothers)
11 Witch(Sonics)


【Scene 2】2016.6.26 (fri) KOENJI HIGH
THE HARDY ROCKSワンマンライヴ


前半45分、後半65分トータル110分のロングセット。結成して2度目のライヴとは思えない強固なアンサンブルはバンドの急激な進化のスピードを示している。灰野は時にダンスを踊るように軽やかに舞い、サウンドの尻尾を捕まえ自らの色に染め上げるような歌を聴かせる。バンドメンバーは灰野の予測できないアクションに身構える緊張感の中に、演奏しながら曲を形作る行為への歓びに満ちている。誰よりも歓んでいるのは灰野自身に違いない。「音楽」を「遊ぶ」とは、文字通り子供が遊びを通していろんな発見をして成長して行くこととイコールなのである。THE HARDY ROCKSの描く色は、この5人だからこそ配色可能な唯一無二のカラーなのである。

Setlist
1. 黒い花びら(水原弘)
2. Wild Thing (The Troggs)
3. 骨まで愛して(城卓也)
4. Witch(The Sonics)
5. in my room(The Walker Brother)
6. 風が泣いている(ザ・スパイダース)
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7. end of the night(The Doors)
8. Five to One(The Doors)
9. Strange Fruit(Billie Holiday)
10. Money(The Beatles)
11. さすらい(小林旭)
12. born to be wild(Steppenwolf)
*第1部の冒頭でLove me tenderを一節歌った事、その後に記載していなかったHard days nightを演奏した。第2部の1曲目も記載していなかったWhole lotta loveだった。


【Scene 3】2016.9.19 sun 六本木SuperDeluxe
Sound Live Tokyo 2016
私がこれまでに書いたすべての歌:バンド・ナイト
モーマス, 工藤礼子, マヘル・シャラル・ハシュ・バズ, The Hardy Rocks, ジェイコブ・レン


主催者の話では前日のソロライヴは動員が厳しかったとのことだが、地下音楽のメインフォギュアが揃うバンド・ナイトは、立見が出る盛況ぶり。トップのThe Hardy Rocksは灰野敬二(vo)、川口雅巳(g)、片野利彦(ds)のトリオ編成での出演。灰野によると元曲と同じコードを使っているというが、独自過ぎて聴き取れない。ベースレスだが、物理的な低音域の有無を超えたヘヴィネスに貫かれる。川口の切れ味鋭いギターと変則ドラムの絡み合いはレッド・クレイヨラを思わせる。灰野のヴォーカルのパワーが圧倒的。灰野はジェイコブの書く詩の世界が気に入っているとライヴ後の対談で明かした。


【Scene 4】2017.1.14 sat 荻窪club Doctor
ソニマージュ・レコーズ
「サボテンだらけの部屋」
鳥を見た アルバム「The Feedback from Yesterdays」発売記念ライブ

出演:鳥を見た / 灰野敬二+山崎怠雅 / 壊れかけのテープレコーダーズ


灰野敬二(vo, hca)、山崎怠雅(g)
地下音楽の象徴ともいえる灰野敬二は、鳥を見たの山崎怠雅とのデュオで登場。THE HARDY ROCKSのメンバーでもありシンガーソングライターでもある山崎がつま弾くジャジーな伴奏でティム・バックレー、ジョニー・サンダース、ザ・ドアーズ、ステッペンウルフなど洋楽ナンバーを英語でカヴァー。曲ごとにハーモニカを取り替え、ブルージーなプレイで魅せる。驚いたのはモーターヘッドのナンバーをデルタブルースで歌ったこと。灰野は以前モーターヘッドのレミーのことを「ブルースマン」と呼んでいたと記憶する。エンディングの「奇妙な果実」まで、音量的にはミニマムに近いが、音の強度はマキシマムなステージは、とても魅惑的且つ危険な香りに満ちていた。


【Scene 5】2017.1.22(sun) 新宿JAM
金子寿徳10周忌
KANEKO JUTOK 1958-2007
"HE IS ALREADY LIVING,WHILE WE ARE STILL DEAD."

出演:灰野敬二(THE HARDY ROCKS) / ザ・スートンズ(工藤冬里g.vo,西村卓也b,高橋幾郎ds) / 割礼


THE HARDY ROCKS=灰野敬二(vo)、川口雅巳(g)、なるけしんご(b)、片野利彦(ds)(山崎怠雅は都合により不在)の2017年初ライヴ。「Summertime Blues」「End Of The Night」「Money」「Strange Fruits」等洋楽ナンバー加え、金子寿徳のカヴァーを披露。英語の曲では絞り出すようなシャウト中心のヴォーカルが、金子の詞では深いクリアヴォイスになり、天国で荒ぶる魂を鎮める慈愛を解き放つ。川口のギターのシャープなカッティングもさることながら、歌と対峙する竹を割るようなドラムと野太い豪放ベースがバンドの核を形作っているように思えた。その意味では光束夜のトリビュートとして最も相応しかったかもしれない。


【Scene 6】2017.3.30(thu) 新宿SOUL KITCHEN
灰野敬二 25名完全限定予約制LIVE
KEIJI HAINO SPECIAL LIVE!

オープニングアクト:藤井政英(ExYBO2、飢餓道 ETC)
出演:Ephemeral Rock?(灰野敬二・川口雅巳・山崎怠雅)


Ephemeral Rock?(灰野敬二・川口雅巳・山崎怠雅)
川口と山崎がギター、灰野はハーモニカとヴォーカル。全曲英語のカバーソング。二本のギターが流れるように絡み合う美しいアシッドフォークと、ブルースハープが軋みヴォーカルが叫ぶブルージーなナンバーが奏でられる。至近距離で観る灰野のパフォーマンスから、音だけでなく「気」がストレートに伝わり、一瞬も気を抜くことが出来ないほど。全13曲90分に亘る演奏は慈愛と熱情に満ちた濃厚な真剣勝負だった。

Set List
1. Indian Summer(The Doors)
2. So Alone(Johnny Thunders)
3. 黒い花びら(水原弘)
4. Cosmic Dancer(T.Rex)
5. Satisfaction(The Rolling Stones)
6. As Tears Go By(The Rolling Stones)
7. Song To The Siren(Tim Buckley)
8. Money (Barrett Strong)
9. Summertime Blues(Eddie Cochran)
10. Strange Fruit(Billie Holiday)
11. In My Room (Scott Walker)
12. Spy(The Doors)
13. Soul Kitchen(The Doors)


【Scene 7】2017.4.11 (tue) 渋谷LUSH
MoE JAPAN TOUR
LIVE:MoE / 灰野敬二 & His Heavies


灰野敬二 & His Heavies:灰野敬二:vocals, harmonica/川口雅巳:Guitar/片野利彦:Drums
THE HARDY ROCKSのメンバー二人とのトリオは2016年11月にスーパーデラックスで披露された。今回は新ユニット名を冠してのステージ。究極のHeavyを追求するユニットである。"BEST OF THE HARDY ROCKS"といえるセトリだが、音数が少ない分、アレンジの骨組みがダイレクトに発揮され、シンプルかつヘヴィな痺れるビートが炸裂する。灰野のブルースハープがヴォーカル以上の説得力で迫り来る。所謂ロッケンロールのスタンダード・ナンバーばかりなので、MoEのメンバーや西欧人のオーディエンスが驚くと同時に感動していた。

Set List:
1. End of the Night (The Doors)
2. Born To Be Wild (Steppen Wolf)
3. Money (Barrett Strong, The Beatles)
4. Summertime Blues (Eddie Cochran)
5. In My Room (Walker Brothers)
6. Wild Thing (The Troggs)
7. Five To One (The Doors)
8. Satisfaction (The Rolling Stones)

ROCKとは
SOULとBLUES
そして今?

Keiji Haino - Born To Be Wild


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【地下アイドルへの招待】2020年秋、ポストコロナに輝く地下アイドル:爆裂女子/ネクロ魔/マナクル/キスエク/ナッチワ/始発待ち/めろん畑/彩Saya/クロノス【プレイリスト付】

2020年09月15日 02時09分20秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界

緊急事態宣言が解除されてから徐々にライヴハウスでのイベントが解禁されている。SNSや配信でしか会えなかった推しの地下アイドルにも、半年ぶりで現場で会えることが出来るようになった。みんな自粛期間をただじっと我慢して過ごしていたわけではない。虎視眈々と次の活動へ向けて準備をしていたのである。コロナ禍が収束するのはまだ先になりそうだが、そんな状況の中でも光り輝こうと努力する推しの姿に勇気をもらえる。久々に会えた地下アイドルたちの最新状況をまとめてみた。

●爆裂女子

5月20日にミニアルバム『Story』、さらに収録楽曲「Against The Drain」「スリルジャンキー」「miracle story」の7インチシングルを3か月連続リリース。元偶想Dropの”若”が加入し新体制になり、9月30日渋谷WWWワンマンライブ『爆裂大乱闘-バーストコロシアム-』へ向けて爆走中。

爆裂女子-BURST GIRL-/ スリルジャンキー【OFFICIAL MUSIC VIDEO】

 

●NECRONOMIDOL

6月に月城ひまり、神乃菜愛、流川慈綺、兎蛇髏亞の新体制で活動再開し、新曲「Tupilaq」と「Santa Sangre」を発表、9月23日東京キネマ倶楽部での NECRONOMIDOLワンマンライブ『higan』へ向けて邁進中。

NECRONOMIDOL - santa sangre

 

●MANACLE

元ネクロ魔の今泉 怜、柿崎李咲、高辻ひな(旧名夜露ひな)に、元Aibeckの茉音(旧名ラン・マオ)からなる新グループ。9月13日に『MANACLE 始動。〜ボクらのイースター〜』でデビュー。新曲2曲を披露。本格的に活動を開始した。

 

●XOXO EXTREME

7月にシングル『フェニキスの涙』をリリース、8月30日に研修生として真城奈央子(元朝ぼらけの紅色は未だ君のうちに壊れずにいる)が加入し4人組になり、11月27日 (金)渋谷クラブクアトロでの『XOXO EXTREME 3rd ワンマンライブ ~Re:UNION~』へ向け着実に前進中。

 

●ナックルチワワ

Vo.しばくぞ零ちゃん(元爆裂女子)、Gt.サエキティ、Ba.ベニ子、Dr.ヤマビコからなる楽器を持っているパンクアイドル、ナックルチワワは9月に2ndアルバム『おかわり』をリリース、10月~12月の『ナックルチワワの全国マーキングツアー』へ向けて鋭意ダッシュ中。

【MV】ナックルチワワ「豚小屋暮らし」

 

以上が自粛明けにライヴ現場で会えた推したちだが、その他にも活躍が楽しみなアイドル女子の最新MVを貼っておこう。

始発待ちアンダーグラウンド - くだらない世界【MV】

めろん畑a go go『無敵のIDOL』MV


MV『Dancing in the distance』Saya(沖縄電子少女彩)Okinawa Electric Girl Saya


クロスノエシス / MY LAST DANCE

 

地下にいる

推しに会うため

日々精進

 

▼Spotify Playlistも作ったのでよろしければお聴きください。

 

 

 

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【ウルトラミニマル×パンク即興コラボ音源UP】ゾルタン・イェネイ『OM』×剛田武 Reed-Flute Improvisation

2020年09月14日 01時13分15秒 | 素晴らしき変態音楽

ゾルタン・イェネイ Zoltan Jeney『OM』×剛田武 Reed-Flute Improvisation

筆者が偏愛するハンガリーの作曲家ゾルタン・イェネイのレコードやCDが少しずつ集まってきた。1943年3月4日に生まれ、60年代末から音楽活動を始めて2019年10月28日に亡くなるまで、ずっと作曲家・演奏家・音楽指導者として精力的に活動を続けていた割に、録音作品は多くはない。Discogsによれば単独作品はレコードで5作、CDで3作しかリリースされていない。それ以外は他の作曲家とのオムニバス作品である。しかし考えてみると、日本の現代音楽家も武満徹のような有名作家以外は単独作品集は決して多数発表されている訳ではない。コダーイやバルトークを生んだハンガリーに於いても、現代音楽家の作品の愛好者は少ないのかもしれない。そんな状況の中で79~89年にイェネイのレコードが5枚もリリースされたことは、この作曲家が如何に大きな影響力を持っていたかの証明であろう。

【クラシックの嗜好錯誤】第七回:ハンガリーのハングリーな新前衛主義者、ゾルタン・イェネイ Zoltán Jeney への遅すぎる追悼

音楽以外の様々な素材(テキストの引用、チェスのマッチの動き、ソリティアのゲームの動き、テレックスのテキストのリズムなど)を形式、旋律、リズム、音色の要素として導入し、因習的な楽器編成や楽曲構成を超越したスタイルの作風は、単なる前衛・実験「音学」に陥ることなく、「音響」として楽しめる、つまり「音楽」として成立している。その中でもミニマリズムの極北を体現した怪作『OM』のストイックな美しさは際立っている。2台のオルガンが短いフレーズをひたすら繰り返す52分32秒。アンビエントやミニマル・ミュージックの慎ましさと静謐さは微塵もなく、姦しいほど明快に同じ行為の反復することだけに命を賭けている。どこにもつけ入る隙のない頑強さは、まさに音の壁である。

この壁を突き崩してゾルタン・イェネイの強靭な意思に固められた胸の内側に隠された生暖かい部分に触れることが出来ないかと考えて、このレコードとの対話を試みることにした。筆者の「武器」は今年から本格的に即興演奏に使い始めたリードフルート。つまりフルートにサックスのマウスピースを付けた自家製の楽器である。やり方は単純明快、自室のレコードプレイヤーに『OM』をセットしてプレイボタンを押すだけ。あとは録音しながらリードフルート(もしくは他の楽器)で思う存分インプロヴィゼーションするのだ。それによってオルガンを弾くイェネイとアンドラーシュ・ウィルヘイムと心の触れ合いが生まれれば最高である。

 
 

それにしてもLP片面25分を休みなく吹き続けるのは至難の業だ。どんなに激しく吹いても、懐柔するために撫でるようなモデラートを奏でたりしても、回転するレコードから流れ出す演奏の強度は変わらない。まるで風車に挑むドンキホーテのように、決して勝ち目はなさそうだ。いや、本当にそうだろうか。まだ一回の挑戦だけで諦めるわけにはいかない。『OM』対『オレ』のコラボレーションはまだまだ続くだろう。

ゾルタンの

心の殻を

突き破れ

 
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【アンビエント音源UP】姦しく耳殻を破る蝉の声~フィールドレコーディング 2020年8月25日(火) 東京都立小金井公園

2020年09月13日 01時27分07秒 | 素晴らしき変態音楽

2020年8月25日(火)35度超えの猛暑が少しだけ収まった夏休みの終わり近く、久々に公園を訪れてみると姦しいほどの蝉の大合唱。その驟雨の響きの真ん中で心を開いてみると、何種類もの違った鳴き声が四方八方から耳を襲う。頭蓋の中で木霊するD#の音は、決して騒音や雑音ではなく、かといって楽音でもない。空気の振動を伴なって鼓膜を震わせることで神経に届くとはいえ、これは大自然の念動力というしかない。大地に深く根を下ろす神の樹木の幹や枝や葉が俺に何かを伝えている。俺はそいつの聴こえない言葉にフルートのリードを噛んだ甲高い音で応えようとする。何の返事もなければ聴こえた素振りすら見せやしない古木の頑固さに、俺はしかし人間の力が遥かに及ばない森の生き物の頑固なまでの生への執着を感じ、マウスピースを噛み締める口唇から一筋の体液の涎が滴り落ちるのを黙って見つめことしか出来なかった。半世紀以上生きてきて初めて幸せとは何か知った頭(かぶり)になった。

 

神の糸

手繰りよせては

音擦れる

▼2020年5月6日の小金井公園

 

 

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【私のB級サイケ完全コレクション#17】Cの最後は”田舎のジョーと魚類”~カントリー・ジョー&ザ・フィッシュ Country Joe & The Fish

2020年09月10日 00時02分15秒 | 素晴らしき変態音楽

80年代前半筆者がサイケデリックロックに興味を持ったころ60年代のサイケバンドの動く映像を観ることが出来たのは『モンタレーポップ』(67)と『ウッドストック』(69)の二本の映画だけだった。特に1967年6月にカリフォルニア州モンタレーで三日間開催されたモンタレーポップ・フェスティバル'67はデビュー前のサンフランシスコのサイケバンドが多数出演し、サマー・オブ・ラヴの幕開けを告げた象徴的なイベントだった。映画の中ではギターに火を点けるジミ・ヘンドリックスと楽器を破壊するザ・フーの過激な映像が印象的だったが、ベトナム戦争へ反対するフラワーチルドレンの祭典を象徴していたのは、ヘルメットを被って顔に花模様をペイントしたサングラスのシンガーの姿だった。それがサンフランシスコのサイケ・シーンの第1世代カントリー・ジョー&ザ・フィッシュを率いるカントリー・ジョー・マクドナルドだった。映画で演奏された曲「Section 43」はアシッド・ギターとオルガンが不思議に絡み合うインストゥルメンタル・ナンバーで、ジミヘンやザ・フー、ジャニス・ジョプリンらの強烈さとは違った、シュールな美しさを持っていた。

メンバーはCountry Joe McDonald (vo,g), Barry "The Fish" Melton (vo,g),  Gary "Chicken" Hirsh (ds), David Bennett Cohen (g,org), Bruce Barthol (b)。1942年ワシントンDC生まれのジョー・マクドナルドは60年代にカリフォルニア州バークレーでバスキングをはじめ、出会ったバリー・メルトンとデュオとして65年半ばにCountry Joe & The Fishを結成。フォーク・シーンで活動しながら自主制作でレコードをリリースし、左翼的な言動で支持を受ける。メンバーチェンジにより演奏面が充実するとともにサイケデリック・ロックに変貌する。

●Country Joe & The Fish / Electric Music For The Mind And Body


1967 / US: Vanguard ‎– VSD-79244 / 1986.8.29 お茶の水Disk Union3 ¥980

67年5月にヴァンガードレコードからリリースされた1stアルバム。『心と身体の為の電子音楽』というタイトルとサイケデリック・ライトショーのジャケットが示す通りサイケデリック時代を象徴するアルバムである。全曲アシッドロックの傑作だが、特にA1. Flying Highのなまめかしいヴォーカル、B4. Bass Stringsの幻想的なサウンドが素晴らしい。

Country Joe & The Fish "Flying High"



●Country Joe And The Fish ‎/ I-Feel-Like-I'm-Fixin'-To-Die


1967 / US: Vanguard ‎– VSD-79266 / 1987.8.7 新宿Disk Union ¥1,200

67年11月リリースの2ndアルバム。「ヴェトナム・ソング」としても知られるA1. I-Feel-Like-I'm-Fixin'-To-Dieの軽やかなジャグ・サウンドからスタートし、刺激的なアシッドロック、ドリーミーなフォーク、政治的なステイトメントが交錯するヴァラエティに富んだアルバムになっている。時代との共鳴を模索したジャケットの仮装姿の風刺精神に注目したい。

Country Joe&The Fish-Pat'sSong



●Country Joe And The Fish ‎/ Together


1968 / US: Vanguard ‎– VSD-79277 / 1986.11.25 お茶の水Disk Union3 ¥900

68年8月リリースの3rdアルバム。レコーディング直前にジョー・マクドナルドが短期間バンドを離れバンド名をThe Fishとして活動した時期があった。全11曲中マクドナルド以外のメンバーの曲が半数を占め、リード・ヴォーカルもメンバーが担当している。ジェームズ・ブラウンに捧げたA1. Rock and Soul Music、哀愁サイケのB3. Waltzing in the Moonlight、反戦ドローン・サイケ B6. An Untitled Protest等名演もあるが、マクドナルドの艶めいた歌声が少ないことが物足りなく感じる。

Country Joe & The Fish "Waltzing In The Moonlight"



●Country Joe & The Fish / Here We Are Again


1969 / US: Vanguard ‎– VSD-79299 / 1986.12.28 吉祥寺PARCOバーゲン ¥1,400

69年7月リリースの4thアルバム。ウッドストック・フェスティバル(69年8月15-17日)出演直前だが、マクドナルドとメルトン以外のメンバーは流動的だった。アルバムにはメンバー・クレジットは載ってないが、オリジナルメンバーのチキン・ハーシュ(b)とデヴィッド・コーエン(g,org)は参加しているようだ。初めてストリングスやブラスを取り入れメインストリーム路線を目ざしたアルバムだが、ドノヴァンに捧げた三拍子サイケA2. Donovan‘s Reefや、演奏面では最高傑作かもしれないアシッド・ブルースA5. Crystal Bluesをはじめ良曲も多い。

Country Joe & The Fish - Crystal Blues



●Country Joe And The Fish / C.J. Fish


1970 / US: Vanguard ‎– VSD 6555 / 1998.2.13 下北沢Flash Disc Ranch ¥1,000

70年5月の5thアルバム。マクドナルドとメルトン以外のメンバーは一新。Greg Dewey (ds), Doug Metzner (b), Mark Kapner (key)。一般的には60年代の輝きを失った残り香のようなアルバムと評されるが、浮遊感たっぷりのギターをフィーチャーしたA2. She's a Bird、パワフルなA3. Maraなど聴きどころはある。何となくサイケよりもパンク的なストレートさを感じる。すでにソロ活動を始めていたマクドナルドの今後の活動への布石と言えるかもしれない。

Country Joe And The Fish "She's A Bird"



●Country Joe And The Fish / The Life And Times Of Country Joe And The Fish From Haight-Ashbury To Woodstock


1971 / US: Vanguard ‎– VSD 27/28 / 1985.8.27 下北沢レコファン ¥3,950

71年9月にリリースされた未発表ライヴを含む2枚組コンピレーション。実は筆者が最初に買ったカントリー・ジョー&ザ・フィッシュのアルバムである。Disc1はベスト盤でヴァンガード以前の初期音源2曲入。4年間の活動を駆け足で振り返るのに最適。Disc2にはFillmore EastとWest、そしてWoodstock Festivalでのライヴ音源を収録。他のサンフランシスコのサイケバンドと同様に彼らの魅力がライヴ・パフォーマンスにあることを証明するドキュメントである。特にバリー・メルトンの変幻自在のアシッド・ギターは最高すぎる。

Country Joe & the Fish - Rock and Soul Music / Love



●Country Joe And The Fish / Peter Krug / Country Joe McDonald & Grootna ‎/ Collectors Items: The First Three EPs


1980 / UK compilation: Decal ‎– LIK 8 / 1987.8.20 渋谷ディスクポート西武 ¥980

ジョー・マクドナルドが発行していたミニコミ(今でいうZINE)Rag BabyのTalking Issue(音源版)としてリリースされた自主レコードの音源を集めたコンピレーション。65年・66年の初期ヴァージョンは、粗削りな録音故に、プロテスト精神に満ちた時代の胎動を感じさせる。65年のEPのカップリングのフォーク歌手Peter Krugの弾き語りと、71年ジョー・マクドナルドとGrootnaのコラボレーションも収録。

Country Joe & the Fish - Country Joe & the Fish (1966)



●Country Joe McDonald ‎/ Paris Sessions


1973 / US: Vanguard ‎– VSD 79328 / 1987.1.17 吉祥寺ジョージ ¥800

69年からソロ・アルバムをリリースし、サイケ色のほとんどない純粋なフォーク&カントリー路線を歩むマクドナルドの73年のアルバム。南北戦争時代の将校に扮したジャケットのポートレートと、メンバーに電子サイケバンドThe United States Of AmericaのDorothy Moskowitzが入っているのに興味を惹かれ購入したのだが、やはりサイケとは程遠い王道アメリカンロックだった。唯一エレクトロニクス・フリークアウトのB1. Zombies In A House Of Madnessが異色。タイトルが意味深なB2. Sexist Pigの歌詞も面白い。

Country Joe "Fantasy"


Grateful Dead, Jefferson Airplane, Big Brother & The Holding Company, Quicksilver Messenger Service等と並ぶシスコ・サイケ第一世代のCountry Joe & The Fishであるが、再発や発掘音源、海賊盤などの数を考えるとかなり過小評価されているといわざるを得ない。特に日本での低評価はWikipediaの日本語ページがない(Big Brotherもないが)ことでも明らかだ。しかしこうして再度聴き直してみて、音楽性だけでなく政治性や思想・文化面でのユニークな個性を認識した。そして映画『モンタレーポップ』で感じたように、最大の魅力はライヴ・パフォーマンスにあることは間違いない。

以下に彼らのライヴ映像・音源をまとめてみたので、じっくりと「田舎のジョーと魚類」のサイケデリックな世界に浸っていただきたい。


Country Joe & The Fish - A Day In The Life Of Country Joe & The Fish (Film - 1967)


Country Joe & The Fish: Live at the L.A Fantasy Fayre -1967/7/16 [FULL CONCERT]


Country Joe & The Fish: Live at the Carousel Ballroom - 1968/2/14 [FULL CONCERT]


Country Joe & the Fish + Chambers Brothers (69) + Chicago (70)


Country Joe & The Fish ~ Donovan's Reef Jam

January 11, 1969 - Fillmore West, SF, CA
Country Joe McDonald: vocals, acoustic guitar, bells, tambourine
Barry Melton: electric Guitar
David Cohen: electric guitar, organ
Jack Casady: bass guitar
Gary "Chicken" Hirsh: drums
Jerry Garcia: guitar
Mickey Hart: drums
Jorma Kaukonen: guitar
Steve Miller: guitar, harp
David Getz: drums

サイケ道
やっとCを
通過した

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