A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【日本のパンクロックの凄み】THE STAR CLUB "悪たれ不良" TOUR@新宿ロフト/BOLSHIE『1979 Unreleased Studio Tracks』

2022年02月28日 02時13分38秒 | ロッケンロール万歳!


2022年2月26日(土)  新宿LOFT
THE STAR CLUB
GIGS SC 45TH ANNIVERSARY
"悪たれ不良" TOUR EARLY DAYS 1977-1984
[guest]STRONG STYLE



今年結成45周年を迎えるTHE STAR CLUBはおそらく世界最長寿のパンクロック・バンドと言えるだろう。70年代にデビューして一度解散・活動停止して90年代辺りに再結成したバンドは多数いるが、45年間一度も立ち止まることなくストレートなパンクロックを演奏し続けるバンドはスタークラブだけだろう。スタークラブが結成された1977年は中学3年生で14歳だった筆者がパンクロックに出会い人生が変わるほどの衝撃を受けた年。それから40年過ぎてすっかり忘れていたパンクロック衝動が、パンクロックアイドル爆裂女子と出会って再燃して以来、筆者はスタークラブのギグに通い続けている。コロナ禍でモッシュも声出しもできないライヴ現場は、パンクスにとっては(アイドルヲタク同様に)不完全燃焼に陥りそうだが、そんなフラストレーションなど忘れさせるほど容赦なく激しいスタークラブのパフォーマンスは、45年前のパンクロック衝動を上回る衝動を与えてくれる。

今回の"悪たれ不良" TOURは1977-1984年の初期ナンバーのセットリスト。前半は1983年のライヴアルバム『HOT & COOL』(City Rocker)をほぼそのままの曲順で再現、さらに80~83年のインディー時代の代表曲を連発。メジャー時代に開花するポップな曲調ばかりではなく、ダークでサイケデリックな曲も多いが、社会や政治へ問題意識を提示したHIKAGEの歌詞は、現代も通用するどころか、アンコールで「まさか今この曲が似合う時代になるとはな」と自嘲気味なMCで歌った『WORLD PEACE』に象徴される、今こそ発信すべきメッセージに溢れている。

STAR CLUB " WORLD PEACE " HIKAGE


サポートのSTRONG STYLEを合わせて2時間半の熱いライヴに心地よい疲れを感じながら帰宅して、昼間に高円寺BASEレコードで購入したBOLSHE(ボルシー)のCDを聴く。



ボルシーは1979年にリリースされたオムニバスLP『東京ニュー・ウェイヴ'79』にSEX、自殺、PAIN、8 1/2とともに収録されていた平均年齢16.5歳のパンクバンド。それから43年経って突然未発表のスタジオ録音と当時のライヴ音源がまとめてCDで発売された。メンバーのインタビューを読むと78年に高校に進学したというからおそらく筆者と同学年。結成のきっかけとなった原宿のパンク・ブティックSMASHには、筆者も2,3度行ったことがある。クラッシュのTシャツやバッジを買ったが、こづかいが少なかったのでボルシーのメンバーのように入り浸ることはできなかった。79年5月の解散直前のスタジオ録音を中心にした『1979 Unreleased Studio Tracks』には<1979年>という時代の空気がたっぷり詰まったソリッドなパンクロックが聴ける。『東京NEW WAVE’79』のG,B,Dsのトリオにキーボードが加わっているが、サウンドの幅を広げるのではなく、厚みを増す役割をしているのが潔い。メンバーの解説にもあるようにWIRE的な方向性を見せていることはピンク・フロイドの1stの曲のパンクカバーでもわかる。

Bolshie '79 UNRELEASED TRACKS


2年前に再発されたオムニバス盤『都市通信』にも感じたが、1979年という年は日本の(パンク)ロックに於いて特別な年だったことは間違いない。1977年に英米のパンクロックに感化されてアンダーグラウンドから湧き上がってきた未成熟なロック衝動が、80年代になるとニューウェイヴ・ブームの中で商業化され牙が抜かれて初期衝動は忘れられていった。そのギリギリの時代の空気がボルシーの音楽に真空パックされている。ライヴ音源などを集めた5枚組CD-BOXを聴くのも楽しみだ。

『都市通信』と79年の塩ビ盤〜東京ニュー・ウェイヴ'79/スジバン/シナロケ/パワーポップ/ピストルズ/ツネマツ/ミラーズ/フリクション

そう考えると、1977年のパンクロック精神を現在まで保ちつけるTHE STAR CLUBがますます輝きを増すのも確かである。

いつまでも
心の中に
パンクロック'77

コメント (1)
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【えいたそモダニズム】Episode 38『終わりなき超冒険』~でんぱ組/虹コン/LinQ/菊池桃子/のりピー/つボイノリオ/テレヴィジョン/R.E.M./クレイジー・キャッツetc.

2022年02月26日 03時05分54秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2022年2月19日(土) べノア銀座
マキシマムえいたそ生誕祭えいカラ2022!

昨年は卒業とコロナ禍のため開催されなかったえいたそ☆成瀬瑛美さんの生誕記念イベント「えいカラ」が復活!えい推しになって約半年後の2014年2月7日の第1回(まだえいカラというイベント名ではなかった)に参加して以来、2015年、2017年、2018年、2020年(オンライン視聴)と参加してきたドキ+ワクな恒例行事。感染防止のため例年のようにえいたそがテーブルを回って会話やデュエットをすることは出来ないが、8年間に亘る不動の推しメン、マキシマムえいたその弾けた歌と踊りを至近距離で観られる幸せにドキ+ワクしながら銀座のど真ん中の豪華カラオケホールの階段を地下2階まで下っていった。



VIPチケット(8130円)なので、入口でサイン入りポストカードを受けとり前列3列目に座って開演を待つ。最新ソロ・シングル『ハートフルフル♡超冒険記』のジャケット通りのメイクと衣装でえいたそ登場!大歓声で迎えたいところだが声出し禁止なので拍手で迎える。いつもの調子でにぎやかなトークを交えながら、来場者が送ったリクエスト曲リストを見ながらリアルタイムで選曲し、リモコンで検索&入力し、1コーラス歌う、という一人4役の離れ技。J-POP、J-Rock、歌謡曲、アニソン、でんぱ曲、アイドル曲が次々飛び出す。知らない曲でも歌ってしまう度胸は見習いたい。「リンダリンダ」は出なかったが、もう1曲リクエストした蜉蝣の「縄」を歌ってくれて超サンクス!2017年の神神イベントでえいたそがはにかみながらそっと教えてくれた想い出の曲であることを彼女も思い出したに違いない。



最後にでんぱ組の『子♡丑♡寅♡卯♡辰♡巳♡』と最新曲『ハートフルフル♡超冒険記』をフルで披露、4月に新曲CDをリリースするという嬉しいお知らせとともに全31曲のステージが終了。その後VIP特典ツーショット撮影。ツーショは2年以上ぶりだが思ったほど緊張感はない。接触がなくても常に心の中で思い続けてきたえいたそとは、黄色い糸で結ばれていつも一緒にいてくれたからだろう。物販で購入したえいたそ&きりのクッションを抱いた筆者を満面の笑顔で迎えてくれて、前回のブログでの『ハートフルフル~』の分析がよく書けていたとお褒めの言葉を賜った。別れ際に「次は冒険で書くから」と伝えると「楽しみにしてるね」と期待の籠った視線を投げてくれた。こうして筆者の2022年最初のドキ+ワクな一日はハートフルフルなトキメキとともにハッピーに過ぎて行った。

ハートフルフル♡超冒険記



【えいたそモダニズム】Episode 38『終わりなき超冒険』
子供の頃は冒険が大好きで、危険な遊びも気にしないでやっていたが、大人になると理性や恐怖心が働き、ちょっとでも危ないことやリスクがある冒険に挑戦することが少なくなる。何も怖くなかったあの頃に戻りたい、という気持ちは殆どの大人の心の中にあるだろう。それだけに「冒険=Adventure」をテーマにしたエンターテインメントは冒険映画、冒険ドラマ、冒険小説、冒険漫画、冒険ゲーム、冒険アトラクションなど数多い。しかしながら冒険音楽という言葉は聞いたことが無い。一体全体音楽は冒険足りえないのか?

Wikipediaによれば「冒険(ぼうけん)」とは、日常とかけ離れた状況の中で、なんらかの目的のために危険に満ちた体験の中に身を置くことである。あるいはその体験の中で、稀有な出来事に遭遇することもいう。冒険するためには、危険な体験に“身を置く”こと、もしくは物語や映像により“疑似体験”することが必要なのであって、聴覚メインの音楽では、危険を(疑似)体験することが難しいということだろう。いやいや、80年代のハードコアパンクのライヴでは喧嘩や流血騒ぎは日常茶飯事だったし、ハナタラシのライヴはドラム缶やビール瓶、板ガラスや爆竹を客席に投げ込み、挙句の果てにユンボやダイナマイトを持ち出して破壊行為・爆破未遂まで起こす危険な体験だった、という人もいるかもしれない。しかしそれらはただの暴力の暴走やフラストレーションの発散であって、冒険とは呼べないことは明白である。冒険にはドキドキやワクワクが必要なのだ。

しかしながら、冒険に於いて他のエンタメ・ジャンルに比べて不利な立場に置かれた音楽家の中にも、敢えて冒険をテーマとして危険の中に潜むドキ+ワクを歌おうとするチャレンジャーが少なからず存在する。分析をしていくと、そんな挑戦者、いや冒険者の筆頭に挙げるべきが我らがでんぱ組.incに他ならないことに気づかざるを得ないのである。

●でんぱ組.incの<冒険>ソング
1.♪信じる女の子は無敵 パラレルパノラマ大冒険♪ 「BEAM my BEAM」発売日(以下同)2011年12月14日
2.♪ジャパンの果ての果てまで 君と私の冒険(テクるか徒歩るか?)♪ 「でんぱれーどJAPAN」 2012年5月23日
3.♪冒険だ!でんでんでんでんでんでんぱっしょん!あどべんちゃ?♪ 「でんでんぱっしょん」 2013年5月29日
4.♪あっぱれあっぱれアドベンチャー♪ 「サクラあっぱれーしょん」 2014年3月12日
5.♪僕ここに来るのは初めてで、というか普段あまり冒険したりするタイプではなく、どちらかというと・・・♪ 「Dear☆Stageへようこそ」 2014年5月14日
6.♪これからさ まだ終わらんよ 大大大冒険さ♪ 「FD2 ~レゾンデートル大冒険~」 2015年2月18日
7.♪コロコロコロと心は 冒険に出て世界と繋がりだすのさ♪ 「アキハバライフ♪」 2015年9月16日
8.♪描き出せ 伝説のあどべんちゃ♪ 「ファンファーレは僕らのために」 2016年2月5日
9.♪ララ大大大大 大冒険!♪ 「Ψ発見伝!」 2018年1月30日
10.♪NEO NEO SEKAI 冒険時代♪ 「FD3, DEMPA ROCKET GO!!」 2019年1月1日

でんぱ組の歌詞は字数が多いので歌詞カードの文字が細かすぎて読みにくいことで定評がある。しかも老眼の筆者が拡大鏡を使って苦労しながら調べた曲だけなので、他にもあるかもしれないが、少なくとも2011年から2019年までの9年間に10曲、つまり毎年1曲を超える頻度で<冒険><アドベンチャー>という歌詞の曲を発表しているグループは他にはいないのではないだろうか?特筆すべきは5.「Dear☆Stageへようこそ」で、この歌詞はメンバーではなく、歌の中に登場する田中と称するしがないサラリーマンが、でんぱ組が所属する秋葉原のイベントバー、ディアステージを初めて訪れた時に発するセリフである。つまりディアステージに来ること自体が<冒険>という訳だ。そんなディアステージで誕生したでんぱ組.incこそ、“冒険の冒険による冒険のためのアイドルグループ(Idol group for the adventure by the adventure of the adventure)”であることは間違いない。そして成瀬瑛美=“マキシマム”えいたそは生まれながらの<“超”冒険者>なのである。



でんぱ組.inc「WWD大冒険TOUR2015」LIVE Blu-ray&DVD Trailer


さらにでんぱ組に繋がりのあるアイドルグループがやはり<冒険>を歌っていることも明らかになった。

●虹のコンキスタドール『限りなく冒険に近いサマー』


2014年結成、ディアスステージ所属のアイドルグループ、通称「虹コン」。自称アイドル界イチの夏曲の多さを誇るが実際は直射日光が苦手な室内派という一筋縄ではいかないコンセプトがディアステらしい。でんぱ組のプロデューサーのもふくちゃんこと福嶋麻衣子がプロデュースを務めていた縁もあるが、なんといってもでんぱ組との繋がりは虹コン第1期メンバーのねもこと根本凪が2017年12月30日にでんぱ組に新メンバーとして加入したことである。夢眠ねむの引退に伴いミントグリーンを継承し、虹コンの活動と兼任しながら、でんぱ組一のグラマーボディで歌に踊りにグラビアに活躍してきたが、体調不良により2022年4月でアイドル活動を卒業予定。今後はクリエイターとしてディアステージに所属し、イラストレーターや衣装デザイナーとして新たな冒険に挑戦するという。これからもでんぱ組やえいたそとコラボしてくれることを期待したい。

【MV】虹のコンキスタドール「限りなく冒険に近いサマー」(虹コン)



●LinQ『冒険』


LinQは福岡を拠点に2011年に結成されたアイドルグループ。グループ名は「Love in Qsyu(九州)」の略語だという。でんぱ組との繋がりは2014年の10枚目のシングル『ウェッサイ!!ガッサイ!!』のタイトル曲をでんぱ組プロデューサーのもふくちゃんが全面プロデュース、ミュージック・ビデオを夢眠ねむと映像監督のスミスによる映像ユニット・スミネムが監督し、相沢梨紗が衣装デザインを担当したことである。そのカップリング曲が「冒険」というのも、LinQがリスクを顧みずあらたなコラボレーションに挑戦した意気込みを感じさせる。

冒険 · LinQ



●DIALOGUE+『大冒険をよろしく』


DIALOGUE+(ダイアローグ)は、2019年6月に結成された女性声優8人による声優アーティストユニット。音楽プロデュースは全曲UNISON SQUARE GARDENの田淵智也が務めている。さすが声優だけあって声のバラエティと歌のうまさは群を抜いている。でんぱ組との直接の繋がりはなさそうだが、メンバーのひとり稗田寧々がでんぱ組が主題歌を提供した「斉木楠雄のΨ難」やえいたそがハマっていた「弱虫ペダル」に出演していたので、少なくとも声は聞いている可能性が高い。この「大冒険をよろしく」のスカビートと電波ソングを融合したような曲調はでんぱ組に通じる気がする。どこかでえいたそと運命が交差する日が来れば面白い。

DIALOGUE+「大冒険をよろしく」MusicVideo full ver.【Mini Album「DREAMY-LOGUE」】


以上、でんぱ組にまつわる冒険分析をしてきたが、当然音楽界には他にも冒険を歌うアーティストが存在する。

【歌謡アイドル】
●菊池桃子『アドベンチャー』


1983年デビュー、1984年第26回日本レコード大賞新人賞受賞。2012年(平成24年)に法政大学大学院政策創造研究科で雇用問題を専攻し、修士号を取得。最近はシティ・ポップブームで山下達郎・竹内まりやなどとともに再評価されている。『アドベンチャー』は1986年のサード・アルバムのタイトル曲。東京湾をスクール水着で水中冒険するのだろうか。

菊池桃子 ADVENTURE



●酒井法子『夢冒険』


1986年デビュー、愛称のりピー。90年代からアジアで人気タレントとなり、日本でも育児と女優活動を両立して活動していたが2009年に夫とともに覚醒剤取締法違反事件を起こし有罪判決を受ける。しかしながら夢を忘れず現在も紆余曲折ありながらも芸能活動(冒険)を続けている。『夢冒険』は87年の4thシングル。

酒井法子 夢冒険(1988年1月27日)



●中村由真『さよならの冒険者たち』


1986年デビュー。ドラマ『スケバン刑事III 少女忍法帖伝奇』に出演し、大西結花、浅香唯とともに風間三姉妹としても活動。2005年3月下旬にアメリカに渡りロサンゼルスを経て現在はオースティン在住。『さよならの冒険者たち』は90年の11作目のシングル曲。このシングルを最後にアイドル歌手としての活動(冒険)にさよならした。

中村由真 さよならの冒険者たち



●中山美穂『女神たちの冒険』


1982年モデル・デビュー、85年女優・アイドル歌手デビュー、愛称ミポリン。『女神たちの冒険』は90年の11作目のシングル曲。1980年代にデビューした多くのアイドルが女優もしくはバラエティーアイドルへと転向を図る中、90年代も歌手と女優の活動を両立していったミポリンの心境を歌ったのだろうか。しかし彼女も2000年以降は女優、モデル活動が中心になった。また冒険(歌手活動)を始めてほしいものだ。

【HD画質】中山美穂 女神たちの冒険(1990年7月21日)



【洋楽ロック】
●テレヴィジョン『アドヴェンチャー』
Television / Adventure


1973年にニューヨークにて結成されたパンク・ロック・バンド。リーダーのトム・ヴァ―レインの文学的な歌詞とデリケートなギター・サウンドが後のニューウェイヴやオルタナティヴロックに大きな影響を与えた。『アドヴァンチャー』は1978年のセカンド・アルバム。緊張感に満ちたデビュー作ほどのインパクトはないが、リラックスした中に豊かな詩情が漂う良作になっている。

Television - Adventure



●ザ・スリッツ『アドヴェンチヤーズ・クロース・トゥ・ホーム』
The Slits / Adventures Close To Home


1976年にロンドンで結成された女性パンク・ロック・バンド。パンク・ムーヴメントに女性の進出する大きなきっかけをもたらした。『アドヴェンチヤーズ・クロース・トゥ・ホーム』は79年のデビュー・アルバム『CUT』収録曲。泥を塗ったヌード写真のジャケットが印象的だが、ダブ・ミュージックの巨匠デニス・ボーヴェルをプロデューサーに迎えた冒険的なサウンドこそがパンク/ニューウェイヴ・シーンに本当の衝撃をもたらした。

The Slits Performing 'Adventures Close to Home', London, Early 1980s | Don Letts | Premium Footage



●R.E.M.『ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』
R.E.M. / New Adventures in Hi-Fi


1980年にアメリカ、ジョージア州アセンズで結成されたオルタナティヴ・ロックバンド。文学的・政治的なメッセージや、楽曲の高いアート性で、80年代アメリカのアンダーグラウンド・ロック・シーンの活性化をもたらした。『ニュー・アドベンチャーズ・イン・ハイ・ファイ』は96年の通算10枚目にしてオリジナル・メンバー4人でのラスト・アルバム。この後彼らは本当の新たな冒険に旅立つことになった。

R.E.M. - Bittersweet Me (Official Music Video)



【コメディ・ソング】
●ハナ肇とクレイジー・キャッツ『大冒険マーチ』


1955年に結成され60年代に一世を風靡したコミックバンド。ハナ肇(ドラムス)、植木等(ボーカル・ギター)、谷啓(ボーカル・トロンボーン)など昭和を代表するコメディアンが在籍。『大冒険』は1965年に結成10周年記念として制作された主演映画。当時流行していたスパイ映画を題材に初めて円谷英二の特撮を取り入れた冒険活劇である。「無責任男」と自称する植木等の底抜けな明るさは、えいたその口癖“バビューン”に継承されている。

大冒険マーチ/ハナ肇とクレイジー・キャッツ



●つボイノリオ『金太の大冒険』


1970年デビューのラジオパーソナリティ兼シンガーソングライター。70年代前半名古屋を中心にラジオDJをしつつ放送禁止指定曲を多数発表。もっとも有名な「金太の大冒険」は1975年に発売され発売後20日で日本民間放送連盟の要注意歌謡曲指定制度によりAランクの放送禁止となったが、子供たちの間で徐々に歌い継がれ人気を博した。筆者はより過激な「吉田松陰物語」が好きで、今でも時々心の中で口ずさむことがある。Hな同人誌に慣れ親しんだえいたそにとっては刺激が足りないかもしれないが・・・。

つボイノリオ先生改「金太の大冒険」


えいたその超冒険に終わりが来ることは一生無いに違いない。

えい推しは
一生かけて
冒険たそ

●小嶋りん & ひろミサ『終末の冒険譚』

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【地下音楽ライヴ・レポート】World Wide Size/MOGRE MOGRU/eifonen + ILLUS 2.0/MOTOMU MIURA@吉祥寺NEPO 2022.2.16(wed)

2022年02月21日 00時33分28秒 | 素晴らしき変態音楽


2022/2/16(Wed)@吉祥寺NEPO
【Deep Science】
open 17:00 /start 17:30
adv/door ¥2,200(+1order)
streaming ¥1,000

〈出演〉
World Wide Size
MOGRE MOGRU
eifonen + ILLUS 2.0
MOTOMU MIURA



我らが即興アンビエント・ユニットMOGRE MOGRU(モグモグ)の2022年初ライヴが、昨年12月6日に続き進化形ライヴヴェニュー吉祥寺NEPOにて開催された。イベント・タイトル「Deep Science」の意味をネット検索すると「タッチモーション予測を実行するための深層機械学習(deep machine learning to perform touch motion prediction)」という専門用語風の解説がヒットした。意味不明なので直訳で「深層科学」と訳してみよう。対バンはいずれも生楽器・生声とエレクトロニクスを組み合わせたスタイルで、我々も純粋なエレクトロニクスは使っていないものの、生楽器とエフェクターの組み合わせ、つまり科学実験に似ている。それでありながら全く異なる表現(パフォーマンス)を見せる四組の化学反応が深層心理で繋がり合うことにより、音楽表現の深みを垣間見せることを意図したのではなかろうか。「もぐれもぐれ/どんどんもぐれ/秘密はふかい/めまいは近い」という詩にインスパイアされた我々モグモグにぴったりのコンセプトといえよう。

●MOTOMU MIURA


エレクトロニクスとサックスを変調した音響とシンクロするラインティングはMIURA氏が持参したもの。サンプラーでリピートされ幾重にも重なるサウンドと同様に拡散し脈動するアメーバのような光輪が、決して広くないNEPOの場内に無限の宇宙を作り上げる。光の渦がエンディングが近づくにつれてMIURA氏の心臓の中に収縮していく様は、誕生からビッグバンまでの星の一生を20数分間に収縮したような体験だった。

●World Wide Size


テクノ風のシンセから激烈な電子雑音まで繰り出すエレクトロニクスとトライバルなダンスビートを叩き出すドラムによるテクノイズ・デュオ。人間の心の奥にある踊りへの欲求を暴き出し心臓の鼓動と同期させるビート感はグルーヴという言葉では言い表せない。NEPOのクラブ仕様のPAシステムの威力が最大威厳に発揮され精神のダンスフロアと化した。

●MOGRE MOGRU


オザンナ風メイクに緑の衣装の剛田武と妖艶な赤い着物の黒い瞳が異教的なムードを高める。剛田がエレクトリック・ヴァイオリンを導入し、TanaoのE-Bowギターと瞳のミュージカル・ソーとの三つ巴アンサンブルがドローン・サウンドの洪水で会場を包み込む。中間部のポエトリーリーディングは囁きとスペースギターの波間に沈み込み、フルートとグロッケンシュピールとクラリネットの絡みが、次第に音量をあげるギターのダイナミズムに呼応して、ハイトーンの叫びと化しどこへ向かうか予測できない結末へと導く。トリオとしての一体感がこれまで以上にアップし、モグモグならではの世界が少しずつ出来上がってきたように思える。キーワードは「DEEP(深く)」になるだろう。さらなる<深化>を目指してどんどんもぐっていきたい。

MOGRE MOGRU 2022.2.16 wed 吉祥寺 NEPO Filmed by Marc Lowe



●eifonen + ILLUS 2.0


ヴォイス・パフォーマーのeifonenとエレクトロニクス+ドラムのデュオ。巻上公一をハードコアにしたようなeifonenの激烈な声芸が、ドラムビートに乗るとまるでラップやヒップホップのように聴こえる。再びダンサーの血が騒ぐが、あまりに変幻自在なヴォイス・パフォーマンスに目が釘づけで、身体の動きにまで神経が回らない。終わった後の爽快感は、オリンピックでアスリートの美技を堪能した後の気持ちに似ていた。

魂の
深いところへ
還りたい

吉祥寺NEPOのイベントは、いままで知らなかった素晴らしい才能との出会いがある。共演者の誰かが「モグモグはNEPOらしいバンドだ」と言ってくれたことが嬉しかった。

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【えいたそモダニズム】Episode 37『ハートがドキワク』~ドアーズ/GFR/ルー・リード/フロイド/イエス/ヘンリー・カウ/オックス/アナーキー/ブルハ

2022年02月18日 21時31分00秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


2021年2月15日(月)16日(火)豊洲PITにて開催された「ウルトラ☆マキシマム☆ポジティブ☆ストーリー!!~バビュっといくよ未来にね☆~」でえいたそこと成瀬瑛美さんがでんぱ組.incを卒業してから1年と一日。その日以来筆者は、1998年のテオ・アンゲロプロス監督映画『永遠と一日』の重病を患った主人公の詩人の問い「明日の長さは?」に対して妻が「永遠と一日」と答えたように、永遠の推しメンであるえいたその幻影を求めて現在と過去と現在を旅するように過ごしてきたわけではない。実のところ、えいたそ卒業ライブのアンコールでサプライズでステージに登場した5人の新メンバーの中のひとり、ピンク色担当で金髪のりあぴこと小鳩りあちゃんに心奪われ、でんぱ組の新たな推しメンとしてピンク色を身に纏いピンクのサイリウムを手にして、まるで「初体験」のような新鮮な気持ちででんぱ現場で応援するドキワクな日々を過ごしてきた。コロナ禍のため大声で「りあちゃ~~ん!」とコールできないもどかしさすら愛おしい。

【字幕】でんぱ組.inc「プリンセスでんぱパワー!シャインオン!」Live Movie from「ウルトラ☆マキシマム☆ポジティブ☆ストーリー!! 〜バビュッといくよ未来にね☆〜」


・・・などとりあぴにばかり惚気(のろけ)ていると、えいたそのことを忘れたのかと誤解されるかもしれないがさにあらず。成瀬瑛美さんはもはや単なる推しメンではなく、天照大神の如く絶対的シンボルにして女神として筆者の心の中に鎮座しておられる。そして幸せなことに今でも会い(愛)に行(生)ける<現人神>であらせられるのである。その証拠にこの1年と一日の間にリアルに5回、バーチャル(オンライン)を含めると優に20回を超える頻度で謁見賜っているのである。

2021年
4月3日(土) 代官山UNIT 
2021年春のえいたそトキメキお花見コンサート!「チェリーブロッサムバビューイング!☆〜バビューッとキミをゴーインに連れて行くよ花見にね☆」



卒業後初のライブイベント。ジェームス・チャンス&ザ・コントーションズやSWANSやヒカシューやEP-4やNAZORANAIやBO NINGENなどアンダーグラウンド・ロックを多数観てきた地下倶楽部に太陽の女神が降臨した奇跡のライブショー。えいたそ地下アイドル化戦略のはじまりか。


5月19日(水) 秋葉原ディアステージ
トキメキ瑛美宣言!秩序のない現代に突発ファンミーティング



でんぱ組の聖地・秋葉原ディアステージで間近で話ができる神イベントに当選。感染対策のためライブ・パフォーマンスはスクリーン観戦だったが、帰り際に「ブログ見たよ!」と手を振ってくれたえいたその眩しさに精神がホワイトアウトする超常体験をした。


8月8日(日) 秋葉原ディアステージ(オンライン視聴)
えいたそディアステージ所属12周年記念イベント!



女神は二度微笑まなかった・・・現場イベントは残念ながら落選したが、同時配信にて舐めるような視線でじっくりとえいたその一挙一動一語一句を堪能しようと挑んだが、彼女の四肢と姿態の弾ける美しさに意識が攪乱されて何を歌ったのか思い出せない自分がいる。


9月13日(月) 早稲田Gallery&Barくらげ 
えいたそワールドへようこそ!☆~ディアステージ所属12周年なKHAOSな記念展~



えいたその漫画や絵画の展示イベントにえいたそ本人が在廊。最近のアー写やカラフルな油絵が並ぶ1Fもいいが、圧巻は地下帝国。小3から高校時代までに描いた漫画や小説のヤバさといったら、ここまで見せちゃっていいの?と驚愕レベル。えいたそから「風」というお題をいただいたのだが、カーニバルボーイズというバンドを結成する妄想に気を取られて、ブログを書くタイミングを逸してしまった。申し訳ない。


9月18日(土) 早稲田Gallery&Barくらげ(オンライン・イベント)
えいたそワールドオンラインイラスト



記念展最終日のオンライン・イベント。えいたそぬいぐるみを抱いてえいたそハットをかぶった筆者の写真を元に、えいたそ画伯が描いてくれた似顔絵イラストは一生の宝。おぬし、果報者よのう。


10月9日(土) 鶯谷・東京キネマ倶楽部 
マキシマムえいたそ秋の大収穫祭コンサート!!!☆



キノコホテルやアーバンギャルド、大森靖子やじゅじゅやネクロ魔といった女子グループを多数観てきた元グランドキャバレーの絢爛なホールに太陽の女神が降臨した奇跡のライブショー。秋の味覚を収穫する寸劇仕立てのステージは、女優えいたその本領発揮だった。


2022年
1月10日(月・祝) 川崎CLUB CITTA'
ドギャーン!マキシマムえいたそ伝説の大ハートフル宇宙誕生コンサート! ~奇跡起こしスキルが9999(カンスト)!?バービュの神殿っ☆~



ソニック・ユースやワンダー・スタッフ、裸のラリーズやハイロウズ、OUTRAGEやドッグス・ダム―ルなどロックバンドを多数観てきた日本最初のオールスタンディング大型ライブハウスに太陽の女神が降臨した奇跡のライブショー。クラブチッタに前回来たのはThe Birthday、次回行くのはザ・クロマニヨンズ。つまり筆者にとってのえいたそはロックンローラーなのである。




えいたそモダニズム Episode37『ハートがドキワク』
2022年2月16日はえいたそ生誕の日であるとともに、でんぱ組卒業から1周年記念日。その日にソロ新曲『ハートフルフル♡超冒険記』が配信リリースされた。「あったまおかしくなるくらいドハピネスな♡エナジー♡ビタミンソングです」という本人のコメントからして尋常じゃないパワーが漲っている。そのパワーを1000倍に濃縮した3分間はタイトル通り“心が震える冒険譚”に違いない。筆者は2014年のえいたその1stソロ曲『トキメキ☆すちゃらかテキサス』をこう評した(ミュージック・マガジン2014年8月号)
“トキメキ界のカリスマ、成瀬瑛美語録をサンプリングしたアヴァンギャルドな詩と、イエスの『危機』を3分間に圧縮したようなパラノイア・トラック。でんぱ組の太陽が戦慄するハイテンションでトレンディーな狂気の電波ソング。”

それから8年経ってえいたそが世に問う新曲『ハートフルフル♡超冒険記』をこう評したい。
“ハードコアパンク顔負けの高速ビートで連射される言葉の洪水。突如無重力化するプログレッシブな展開が冒険的。疾走感の中心に確かな心(ハート)があるからこそポジティブを歌える。ガールズポップのもうひとつの王道がここにある。”

ハートフルフル♡超冒険記


えいたそのピュアなハートの中に隠された秘密を紐解いてみよう。

●ザ・ドアーズ『ハートに火をつけて』
The Doors / Light My Fire


ロック界のカリスマ、ジム・モリソン率いるザ・ドアーズの代表的ナンバー。原題「Light My Fire(私の火をともせ)」を心ではなく“ハート”に火をつけてと訳した日本タイトルの素晴らしさ。J-POPに同じタイトルを使った同名異曲がいくつもある。えいたそがともした筆者のハートの火は永遠に消えることはない。

The Doors - Light My Fire ( HQ Official Video )



●グランド・ファンク・レイルロード『ハートブレイカー』
Grand Funk Railroad / Heartbreaker


レッド・ツェッペリンのアメリカ公演の前座を務めた際に、その歌と演奏力で聴衆を熱狂させ、ツェッペリンを食ってしまったと言われる70年代アメリカンハードロックの雄グランド・ファンク・レイルロードの大ヒット曲。対抗したわけではないだろうが、ツェッペリンにも同名ナンバーがある。井上陽水がこの曲のコード進行をパクッて「傘がない」を作曲したことでも有名。Heartbreakerとは、相手を夢中にさせておきながらつれなくする人のこと。えいたそは筆者を夢中にさせるが、ツンデレではないのでハートブレーカーではない、と信じたい。

Grand Funk Railroad -- Heartbreaker -- 1974



●ルー・リード『レジェンダリー・ハーツ』
Lou Reed / Legendary Hearts


ロックのもうひとつの(オルタナティブな)王道と呼べるザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドの中心人物ルー・リードの1983年の12thアルバムのタイトル曲。彼は『ロックンロール・ハート』というアルバムも出している。まさに確かなハートを持ったロックンローラーの代表格である。ルー・リードは「Legendary Heart(伝説の心)」だが、トキメキ界のカリスマ=マキシマムえいたそのハートは「Charismatic Heart(カリスマの心)」と呼ぶのが相応しい。

Lou Reed - Legendary Hearts - 9/25/1984 - Capitol Theatre (Official)



●ピンク・フロイド『原子心母』
Pink Floyd / Atom Heart Mother


英国のプログレッシヴ・ロック・バンド、ピンク・フロイドの70年のアルバム。牛のジャケット+原題直訳四文字熟語+“ピンク・フロイドの道はプログレッシヴ・ロックの道なり”というキャッチコピーで哲学的なイメージが喚起される、60年代から70年代への時代の変化を象徴するアルバム。21世紀の精神高ぶり女子(21stセンチュリー・ハイテンションA-POPガール)=えいたその母性は「Dempa Heart Mother(電波心母)」と呼ぶのが相応しい。

Pink Floyd - Atom Heart Mother: '71 Hakone Aphrodite



●イエス『ハート・オブ・サンライズ』
Yes / Heart Of The Sunrise


ピンク・フロイドと並ぶ英国プログレの雄イエスの71年のアルバム『こわれもの(Fragile)』に収録。邦題は「燃える朝やけ」。“Dream on on to the heart of the sunrise 日の出のハートにあなたを夢見続ける”という歌詞は筆者のえいたそへの想いそのままである。でんぱ組.incの太陽と呼ばれたえいたその輝きは、卒業しても「世界が萌える朝やけ」に他ならない。

Yes - Heart Of The Sunrise Live 1972 Yessongs [HD]



●ヘンリー・カウ『リヴィング・イン・ザ・ハート・オブ・ザ・ビースト』
Henry Cow - Living in the Heart of the Beast


英国プログレのもうひとつの(オルタナティブな)雄と呼べるヘンリー・カウの75年のアルバム『傾向賛美(In Praise of Learning)』に収録。「野獣の心に住む」という意味で、政治的な歌詞の難解な構成の15分におよぶ組曲。えいたそのハートの中に野獣の心があることは、2017年に筆者による論考『えいたそ野性時代』で考察したが、それから5年経った今でも獣のハートを保ち続けるパワーには恐れ入るしかない。ついにえいたそのハートの難解性を分析する研究が求められる時代が到来したのかもしれない。

Henry Cow - Living in the heart of the beast



●オックス『僕のハートをどうぞ』


グループ・サウンズ(以下GS)全盛期の1968年にデビューし「失神バンド」としてセンセーションを巻き起こしたオックス(OX)のセカンド・シングル「ダンシング・セブンティーン」のカップリング曲。17歳の誕生日(えいたそ談)を迎えた彼女にピッタリのドーナツ盤。もしえいたそから「私のハートをどうぞ」と言われたら、筆者は恐れ多くてハートアタック(心臓麻痺)で失神するに違いない。えいたそこそ「失神アイドル」なのかもしれない。

「僕のハートをどうぞ」オックス



●アナーキー『心の銃』


パンクロックのハートの中には何がある?その答えはアナーキー(亜無亜危異)がすぐに出してくれた。81年の3rdアルバム『亜無亜危異都市(アナーキーシティ)』に収録。“心の銃を使って戦っていくのさ”という青臭い歌詞は、41年経っても心に刺さる。言葉は単純なほうがいい。“人生百年上り坂”、“人生なんとかなるなる成瀬”といったえいたそ語録は、心の銃に負けない心の武器になるだろう。

アナーキー / 心の銃 《Music video》



●ザ・ブルーハーツ『リンダリンダ』


パンクロックのハートは何色だろう?1977年14歳の時に出たセックス・ピストルズの『勝手にしやがれ』は有名な黄色ジャケではなく、蛍光ピンクのアメリカ盤を買ったので、黄色とパンクは結びつかなかった。その10年後の1987年に『THE BLUE HEARTS』のジャケットを見たとき“パンクロックは青だ!”と確信した。35年経ってもザ・クロマニヨンズでロックンロールし続けるヒロト&マーシーのハートは今も青いままに違いない。えいたそのハートの色は黄色のままだろうか?見極めなければなるまい。

リンダ リンダ/THE BLUE HEARTS


明日開催される「マキシマムえいたそ生誕祭えいカラ2022!」に「リンダリンダ」をリクエストしたが、果たして瑛美は歌ってくれるだろうか?ドキワクである。

ハートから
溢れる愛に
ドキワクしたい



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【勝手に翻訳】パティ・ウォーターズの「ブラック・イズ・ザ・カラー」はフォーク・ソングの悪魔払いである。

2022年02月10日 02時22分12秒 | 素晴らしき変態音楽


パティ・ウォーターズの「ブラック・イズ・ザ・カラー・オブ・マイ・トゥルー・ラヴズ・ヘアー」は、フォーク・ソングの悪魔払いである。

by JEFF TERICH
2022年2月3日 TREBLE

フォーク・ソングは誰のものでもない。定義の上ではフォーク・ソングは民衆のものであり、寓話や他の文化的伝統のように民衆の間で共有される芸術形式である。そのストーリーやメロディーはよく知られているが、例えばニック・ケイヴによる「スタッガー・リー」の不敬なバージョン、スマザーズ・ブラザーズによる「絞首台から解放されたメイド」(「ハングマン」として知られる)のコミカルな再演、あるいはフェアポート・コンベンションによる古典的な英国民謡の複雑なフォークロック的解釈など、様々な解釈によって真価を発揮するのである。これらの曲は何年も生き続け、変化し、進化し、常に新しいもの、しばしば全く異なるものに生まれ変わる。19世紀のイギリスや1900年代初頭のアパラチアなど、特定の時代や場所で歌われたものだが、その亡霊はその時代が過ぎてもなお、私たちに付き纏い続けている。時には、その亡霊はより不吉な形をとることさえある。

パティ・ウォーターズがデビュー・アルバム『パティ・ウォーターズ・シングス(Patty Waters Sings)』を録音したとき、彼女はまだ19歳だった。このアルバムは、闇と破滅の底流を秘めた、簡潔でありながら驚きに満ちたジャズ・ヴォーカル集である。野心的なアルバムだが、決して詰め込みすぎではなく、収録曲のいくつかは2分以下という切り詰めた長さである。しかし、音楽には自信と熟練があり、実際にウォーターズの喚情的でありながら控えめなヴォーカル・パフォーマンスは、若きシンガーの年齢を超えた計り知れない才能を詳らかにしている。なんといっても彼女は10代の頃全米各地で演奏し、マイルス・デイヴィスやアルバート・アイラーといったジャズの伝説的人物と出会って共演をした経験があるのだ。そしてアイラーの紹介で、彼女は有名なアンダーグラウンド・レーベル、ESP-Diskと契約することになった。

しかし『パティ・ウォーターズ・シングス』の1曲が残りの曲に影を落としている。アパラチア(スコットランド発祥かどうかは不明)のフォーク・ソング「ブラック・イズ・ザ・カラー・オブ・マイ・トゥルー・ラヴズ・ヘアー(Black is the Color of My True Love's Hair)」をアヴァギャルドに朗読したもので、これまでレコーディングされた曲の中で、最も深い不安感を覚えさせる曲の一つである。この曲はウォーターズが歌う以前には、ジョーン・バエズやニーナ・シモンが録音したし、おそらく何百ものヴァージョンが存在する。最近では、ドローン・メタル・アーティストのビッグ|ブレイブとザ・ボディのコラボレーション・アルバムで取り上げられている。しかし、ウォーターズの「ブラック・イズ・ザ・カラー」ほど有名な、あるいは悪名高いレコーディングはないだろう。しかし、彼女がこの曲を所有していると言うのは間違いである。むしろ彼女がこの曲に所有されていた、というべきである。

Patty Waters - Black is the Color of My True Love's Hair


「ブラック・イズ・ザ・カラー・オブ・マイ・トゥルー・ラヴズ・ヘアー」は長い。収録時間27分の『パティ・ウォーターズ・シングス』の半分を占めるこの曲は、アルバム・タイトルに公然と挑戦している。パティ・ウォーターズは伝統的なフォーク・ソングは歌わない。彼女は悲惨な試練の連続と、計り知れない痛みと悪意のある力に耐えているようだ。ホラー映画のような緊張感と目に見えない脅威として忍び寄り、よろめく。曲の終わりには、彼女が試練を乗り越えたかどうかさえ、まったくわからなくなっている。

ジャズ・ヴォーカルとフリー・ジャズの生々しい衝突として、ウォーターズの「ブラック・イズ・ザ・カラー」の朗読には、スタンダードを歌うというアイデアを解体する以上のものがある。スタンダードにガソリンをかけ、ジッポーで火を点ける。アヴァンギャルドを凌駕して、肉体的な苦痛であり、聴くというより、純粋に直感的な経験をもたらす。冒頭のピアノの弦のこすれる音は、スロッビング・グリッスルの最も対決的な演奏や、後期のスコット・ウォーカーの死んだファシストやアメリカーナの陰気な悲哀についての不協和音の陰鬱な寓話に通じる、無気味な体験の前触れである。

ウォーターズは、たったひとつの詩節で、スタンダード曲を悪夢へ変転させた。ウォーターズは13分51秒のこの曲の中で「ブラック」という言葉を100回近く繰り返した。最初は無感覚の孤立の表現として、次に深く抱えた悲しみの繰り返しを、そして、曲の大半は、まるでこの現実との綱が切れ、行き場所が狂気の世界に巻き込まれるしかないかのように、混沌の渦の中へ降りていく。彼女は吠え、叫び、彼女という存在の芯から悲惨な悲鳴を解き放つ。いや、これは歌ではない。悪魔祓いだ。

この「ブラック・イズ・ザ・カラー」は、アヴァンギャルドの傑作として評価されるにふさわしいヘヴィな体験である。このような魂を揺さぶるヴォーカル・パフォーマンスは1966年には前例がなく、パティ・スミス、ディアマンダ・ガラス、リディア・ランチなど、同様に革新的なアーティストに忘れがたい傷跡を残した。芸術的にも素晴らしいが、その裏側にある単なる芸術性以上のものを感じずにはいられない。この曲は「(自殺者の)遺書」と呼ばれることもあり、我々の目の前で起きた完全な人格崩壊のように感じられる。

その後30年間、ウォーターズが楽曲のリリースやライブ活動を行わなかったという事実が、「ブラック・イズ・ザ・カラー」をより強烈なサスペンスドラマにしている。情報が得られない状況では、ミステリーが物語そのものになることは周知のとおりだが、これが長い隠遁生活の前の最後の言葉だと考えれば、その意味の重さから、かなりダークな結末を想像してしまうのは仕方がないだろう。

事実は噂から導かれるほどドラマチックではなかったが、その中心に本当の悲しみがなかったわけではない。ウォーターズが2004年にJazzTimes誌に明かしたところでは、黒人ジャズ・ミュージシャンのクリフォード・ジャービスとの関係のせいで両親から勘当され、息子のアンドリューを育てるために音楽から長い間離れていたという。しかし、彼女は完全に姿を消したわけではなかった。しばらくステージから離れていたが、1996年に30年ぶりの新作を発表して復帰し、その後、再びジャズ・フェスティバルで演奏するようになった。何がきっかけでステージに戻ってきたのかと聞かれると「誘われたから」と答えるだけだった。

そしてリンダ・パーハクスやビル・フェイのように、遅すぎた復帰の成果として、つい4年前にも彼女はまだ歌い続けていた。どんなに遅くなったとしても、彼女の作品のファンがまだ存在するだけでなく、過去56年間で大きく広がっていることに(その結果、彼女の音楽がストリーミングサービスで容易に聴けることにも)安心する。拷問のように心をとらえ、その跡に残された空虚な空間さえも、いまだに私たちの心をとらえる「ブラック・イズ・ザ・カラー・オブ・マイ・トゥルー・ラヴズ・ヘアー」のような傑作を作れるのは、一世一代のアーティストに違いない。

ブラックは
バートン・グリーンと
ウォーターズ

バートン・グリーンはもういない・・・・。

Patty Waters (with Burton Greene & Mark Dresser) - Live at The Vision Festival [New York City, 2003]


Patty Waters performs alongside Burton Greene and Mark Dresser at the 8th annual Vision Festival in May of 2003 in New York City.

1. Intro [0:00]
2. Strange Fruit [11:23]
3. Lonely Woman [14:44]
4. Moon, Don’t Come Up Tonight [32:59]
5. Don’t Explain [39:45]
6. Nature Boy [52:03]

Patty Waters - Voice
Burton Greene - Piano
Mark Dresser - Bass
Raymond Ross - Videographer

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Americo/ニイマリコ/OCHA∞ME/kito-mizukumi rouber/FLASHLIGHTS@国分寺モルガーナ 2022.2.6(sun)

2022年02月08日 02時27分53秒 | ネコ動画


”SILENT RUNNING Vol.26"
~Americoソノシート発売記念~


Americo
ニイマリコ
OCHA∞ME
kito-mizukumi rouber
FLASHLIGHTS



約10年前、アイドルにハマる前はガールズガレージを中心にロックバンドの対バンイベントに通っていた。何度も通った推しのバンドもいたし、物販をメンバー自身がやっていたので、あいさつ程度の話は出来たが、それ以上に親しくなることもなく、バンドが解散したりすると会うこともなくなってしまった。またその頃は筆者も煙草を吸っていたので、スモーカーの多いバンド現場も苦にならなかったが、煙草を辞めた今では、ちょっとでも煙草の臭いがすると音楽を楽しめなくなってしまった。今回会場が禁煙であることを事前確認をしたうえで、久々のロック対バンイベントに足を運んだのは、橋本孝之君亡き後のkito-mizukumi rouberを観たい気持ちもあったが、気になるロック女子が出演することも大きな理由だった。会場はオミクロン禍にもかかわらずかなりの動員で、知り合いの客も何人かいて、思いのほか居心地のいい現場だった。

●kito-mizukumi rouber


新しい楽器が入るという噂を聞いて楽しみにしていたら、予想外の小柄なキーボード女子が登場。野獣めいた異能ロッカーに囲まれて怯えた子羊のように見えたが、後半は感化されたのかタコ踊りをしながらキーボードを叩き捲る弾けたパフォーマンスを展開。大國氏に聞いたところ、サックスでは橋本君を超える人はいないので別の楽器を入れようと、以前何度か対バンしたバンドのメンバーだったバニラという名のキーボードを新メンバーに迎えたという。彼女目当てで通うファンも増えるに違いない(筆者のことか)。

●OCHA∞ME


「オチャメ」と読む下北沢の飲み仲間で結成したという女子5人男子2人のパーティバンド。ロック、ファンク、スカ、歌謡曲のごった煮はダンスホールやボードビルショーのようなお祭りミュージック。フロントの4人のコーラスは「イカ天バンド」の雰囲気がある、といっても伝わらないか。ギターの激しいカッティングは80年代ポストパンクっぽい。メンバーの楽しくてしょうがないという笑顔がポジティブなパワーを放っていた。

●ニイマリコ


ずっと「ホムヨ」と読むと勘違いしていたHOMMヨ(オム)のヴォーカル/ギターのソロ。事前にBandcampで聴いた曲は作り込んだエレポップだったが、ライヴはギター一本の弾き語り。最近多い激情系ではなく、抒情系と呼べばいいのか、自然な声とメロディでストレートな歌詞を歌うスタイルが心地よい。“令和の藤圭子”と本人のツイートにあったのも頷ける。しかし、出番の終わった後にFLASHLIGHTSとAmericoをノリノリで楽しんでいる姿も素敵だった。

●FLASHLIGHTS


姫カットの女性メンバーに惹かれてジャケ買いしたLPを聴いて、哀感のあるメロディとストレートなパワーポップにノックアウトされた4人組のライヴを初体験。モッズ然としたReoのヴォーカルはレコード以上に魅力的で、ジャンプを決めるギタリストHiroshiもカッコいい。スレンダーなベーシストYokoは誰もが憧れるガールズロッカーそのもの。特に気に入ったのはTamuraのシンプル&タイトなドラミングだった(ドラムを始めてからドラマーばかり見ている)。こんなバンドがやりたかった、というよりやりたい、と強く思った。

●Americo


サイケデリックロックバンドThe Starsやアシッドフォークシンガー朝生愛を擁するPedal RecordsからリリースされたLPを愛聴していたAmericoを観るのも初めて。少年ナイフに通じるポップなロックンロールはどんな時に聴いても心が躍る。なにより子供心をくすぐるあっけらかんとした歌詞のパワーは何にも負けない。なんとベースのLolaは15年前に推していたガレージロックバンド「six」の初代ギタリスト。10数年ぶりに元気な姿を見れたことが何よりも嬉しかった。

ロックンロールは、そしてロック女子はやっぱり最高だ!と実感した素晴らしい一日だった。

ソノシート
何処でプレスが
出来るのか




 
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【JazzTokyo#286更新】『アダム・ルドルフ、ゴー:オーガニック・ギター・オーケストラ/共鳴体』『.es(ドットエス)LIVE IN TOKYO 2013』

2022年02月07日 00時05分47秒 | 素晴らしき変態音楽

Photo by Scott Friedlander

音楽情報サイト『JazzTokyo - Jazz and Far Beyond』最新号が更新された。カバー・ストーリーはロン・カーター。剛田武は以下の記事を寄稿した。

●アダム・ルドルフ、ゴー:オーガニック・ギター・オーケストラ/共鳴体

Disc Review#2156 『Adam Rudolph, Go: Organic Guitar Orchestra / Resonant Bodies』

合計63弦の有機的即興楽団による天地創造の試み
アダム・ルドルフと9人のギタリストが創造した『共鳴体』は、音響による宇宙の箱庭化であり、モーゼの『創世記』に描かれた天地創造の再検証と言えるだろう。

#3 Adam Rudolph - Go: Organic Guitar Orchestra Live @ FringeArts, Phila 11 22 2015



● .es(ドットエス)LIVE IN TOKYO 2013(過去記事再録)

Live Report#631 .es(ドットエス)LIVE IN TOKYO 2013

2013年12月、注目の関西即興デュオ.es(ドットエス)の東京公演2デイズ。
二日間の公演で実感したのは、.esは「場所で演奏するのではなく、場所を演奏する」ユニットだということだった。

兆し KIZASHI - 魔術の庭 .es INCAPACITANTS - Live 14 December 2013 - EARTHDOM Tokyo


いつまでも
記憶に残る
生演奏

Concert for Taka~橋本孝之君に贈る演奏会 2021/08/01 公園通りクラシックス
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【灰野敬二ライヴ情報 3・4月】3/6(日)ソロ@所沢MOJO、3/20(日)魚住英里奈@渋谷LOFT HEAVEN、4/9(土)山際英樹(割礼,血と雫)@公園通りクラシックス

2022年02月05日 00時23分07秒 | 灰野敬二さんのこと


3月6日(日) 東京・所沢MOJO 
灰野敬二ソロ

Open17:00, Start18:00
予約3500円、当日4000円(D別)

灰野敬二(vo,g,etc)

予約・お問い合わせ:http://mojo-m.com/contact



3月20日(日) 東京・渋谷LOFT HEAVEN 
灰野敬二×魚住英里奈


OPEN 18:15 / START 18:45(END 21:30予定)
ADV/DOOR ¥4,000/¥4,500
※着席鑑賞公演(全席自由)/ドリンク代別 ¥600

【出者】
魚住英里奈
灰野敬二

【予約】
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/heaven/204383

魚住英里奈 (うおずみえりな) じこしょうかい
1997.7.4
2018.8.4に物心がついたので、ライブ開始
https://uozumierina.amebaownd.com/

春のお弔い/魚住英里奈




4月9日(土) 東京・渋谷 公園通りクラシックス 
事 ある 事 「フライング」~灰野敬二、山際英樹

時間:19時開場、19時半開演
料金:予約:3,000円/当日:3,500円

灰野敬二(g)
山際英樹(g)
 
予約・お問合せ:渋谷 公園通りクラシックス
http://koendoriclassics.com
☎:03-6310-8871
イベントページ 

山際英樹 プロフィール
割礼、血と雫のギタリスト、西脇一弘氏とのデュオ、山際英樹ソロとして活動中。
http://yamagiwa3.blog27.fc2.com/t

山際英樹 『 room / SoLo WoRKS 』


春近く
ライブの花が
咲く季節





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【私のポストパンク禁断症状#13】Electroscope エレクトロスコープのLoFiアコースティック・アンビエント迷宮世界

2022年02月03日 01時40分06秒 | 素晴らしき変態音楽


在宅勤務生活が2年近くなり、ずっと通勤電車や都会の喧騒から離れて暮らしているせいか、フリージャズの激烈なフリークトーンの応酬や、ノイズ・インダストリアルの電子雑音や、フリー・インプロヴィゼーションのピリピリした緊張感が、鬱陶しく感じられて耐えきれないことが増えてきた。ほぼ毎日近くの公園をジョギングしているのだが、耳に入る小鳥のさえずりや風に木の葉が揺れる音が史上最高に美しい音楽に思えてきた。昨年アンビエントミュージックを演奏するユニットMOGRE MOGRUを結成したこともあり、これまでほとんど興味を惹かれたことのなかったニューエイジ・ミュージックや環境音楽を聴いてみたが、人工甘味料たっぷりのお菓子のようでイマイチいけ好かない。

そんな時にネットオークションサイトで出会ったレコードがElectroscopeの『Journey To The Centre Of Electroscope』だった。ジャケットが気になって試聴してみたら、チープな電子音にクラリネットやピアニカとしって生楽器が絡む牧歌的なサウンドで、何よりも気負いが全くない弛緩・脱力しきったユルい雰囲気が、公園の野鳥の声と同じ美しさを湛えているのだった。さっそく落札し、届いたのは如何にも自主制作盤といった感じの手書き文字のジャケットに挟まれた透明オレンジのカラーレコード。オルゴールの音から始まり、微睡むようなピアニカとクラリネットの室内楽、浮遊するハンドメイド・エレクトロニクス、朴訥としたギターの爪弾きと寝言のようなヴォイス、霧の中に吸い込まれる鉄琴、気紛れに反復する単旋律のオルガン、それらが木霊し反響する深い音楽の森。何かを表現したいという強い欲求ではなく、単純に音と音を鳴らすだけの平和な歓びに満ちた世界。聴くたびに音の渦に耽溺して眩暈がする迷宮レコードだ。

エレクトロスコープ Electroscope


スコットランド出身のゲイル・ブローガン Gayle Broganとジョン・カヴァノー John Cavanaghのデュオ。ゲイル・ブローガン(旧姓ハリソン)は元プライマル・スクリームのJim Beattieが90年代半ばに結成したAdventures in Stereoのメンバーでもあった。1996年に声優・ラジオDJでもあるジョン・カヴァノーとのデュオとしてエレクトロスコープを結成。ジョー・ミークとユナイテッド・ステイツ・オブ・アメリカ(ジョー・バード)を繋ぐ存在と呼ばれる。片面カセット『Where The Oscilloscope Meets The Magic Eye』(96)、1stアルバム『Homemade Electroscope』(97)、2ndアルバム『Journey To The Centre Of Electroscope』(99)、スプリット・アルバム『Life And Hope In The Psychozoic Era / Electroscope』(2000)の他、多数のシングル、EP、コンピレーションをリリース、2000年に活動休止するまでの4年間に104曲の作品を発表した。その後ゲイルはPefkin名義でソロ活動するとともに、Meadowsilver、Burd Ellenといったユニットでアンビエントミュージックとスコットランド・トラッドを融合したサウンドを追求。ジョンもPhosphene名義でソロ活動する。2010年以降、ゲイルとジョンは再びエレクトロスコープとして散発的に活動をしている。

https://electroscope.bandcamp.com/

Electroscope (w. Mount Vernon Arts Lab) - Sky Men




検電器
音の迷子を
救い出す



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【灰野敬二 2月のライヴ・コラボ】2/5(土) 森重靖宗&赤い日ル女@公園通りクラシックス、2/13(日)武田理沙@下北沢Lady Jane、2/20(日)雫境@DIVE IN SHIBAURA

2022年02月02日 00時56分46秒 | 灰野敬二さんのこと


2月5日(土)東京・渋谷 公園通りクラシックス
灰野敬二、森重靖宗、赤い日ル女

時間:19時開場、19時半開演
料金:予約:3,000円/当日:3,500円
 
出演:
灰野敬二(声)
森重靖宗(声)
赤い日ル女(声)

予約・問合せ:公園通りクラシックス
Tel.03-6310-8871 http://koendoriclassics.com/
予約サイト


2月13日(日) 東京・下北沢Lady Jane 
灰野敬二・武田理沙



開店17:00 演奏17:30
予約3000円 当日3500円+Drink Fee

灰野敬二(g,etc)
武田理沙(p,kb)

問合せ・予約:
LADY JANE 03-3412-3947
BIGTORY 03-3419-6261
bigtory@mba.ocn.ne.jp


2月20日(日) 東京・芝浦SHIBAURA HOUSE 
DIVE IN SHIBAURA 



14:30開場 15:00開演
料金:一般予約 3,000円 一般当日 3,500円 障がい者割引 1,000円

自らの身体と向き合いながら唯一無二の表現を創り上げてきたダンサーとエクスペリメンタル/ジャズ/ポップ/ワールドほか様々なフィールドで活躍する音楽家が1対1で対峙しパフォーマンスを繰り広げる2日間。*灰野敬二は2/20に出演

2月20日 出演:
森田かずよ × 寺尾紗穂
矢萩竜太郎 × 巻上公一
雫境 × 灰野敬二

チケット予約
下記Peatixサイトよりお申し込みください。
https://diveinshibaura.peatix.com/

車椅子等でアテンドが必要な方はメールにてお申し込みください。
info@landfes.com

如月は
共演ライブが
楽しめる

雫境
聾(ろう)の舞踏家。1997年故・鶴山欣也の誘いを受け、舞踏を始める。2000年にユニットグループ「雫」を旗揚げ、国内外で公演とワークショップを行っている。2013年アニエス・トゥルブレ監督の映画『わたしの名前は…』に出演。2016年牧原依里と共同監督として映画「LISTEN リッスン」を製作。他に元藤燁子や小野寺修二の演出作品にも出演。2019年舞踏をベースにした身体表現を模索するためにユニットグループ「濃淡(NOUTAN)」を結成。
https://www.noutaninaline.com
https://www.facebook.com/dakeinoutanshizuku

雫境 / 窓は閉じない
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