褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 127時間(2010) 痛みに耐えた後に感動が待っている

2014年04月18日 | 映画(数字、アルファベット)
 俺という人間は他人から見ると全く悩みが無さそうに見えるらしいが、実はとてもナイーヴで傷つきやすい繊細な心を持った人間。チョッとした失敗でも直ぐにクヨクヨして何処かへ逃げ出してしまいたくなる。そんな俺を勇気づけ、生きる気力を奮い立たせてくれる映画が今回紹介する127時間
 大きな岩に右腕が挟まってしまい、脱出不可能な状況に陥ってしまった主人公がひたすら痛みに耐える様子を描いた内容の映画だ。個人的なことで恐縮だが、実は俺も本作の主人公と非常によく似た状況に陥ってしまったことがある。俺の場合は小一時間で発見、そして救出され、今では奇跡的?に五体満足で生かさせて頂いているが、あ~ありがたや、ありあがたや!

 しかし、本作の主人公に襲い掛かるトラブルは、誰も助けにやって来そうにない奥地での出来事。しかも、誰にも行き先を告げていないために発見される可能性は殆んど0パーセント。持っているリュックサックの中にも、外部と連絡する手段に役立つような物は見当たらない。どれだけ想像力を働かせても考えられる結末は、ただ1つ。そもそも同じ場所から一歩も動けない主人公が出ずっぱりの映画って面白いのか

 実はこの映画は実話が基ネタ、と言うことは結局のところ主人公は助かるのだが、果たしてこの主人公はどうやって生き残るのか。同じような状況を経験した者として、この映画の主人公と共感できることを挙げると『メチャクチャ痛い』と言うこと。まあ、それは当たり前だが、もう一つは自分のこれまでの過去についての出来事に対しての懺悔がしたくなること。
 今までの人生を振り返り、激痛に耐えながら『俺ってこんな目に遭って当然だよね~』なんてことを考え、この苦しみから解き放たれれば、真っ当な人間として一からやり直そうと思ったりしたものだ。しかし、現実の俺は、その時の高尚な気持ちは何処へ行ってしまったのか、今でも忍び寄る欲望の誘惑に負けてしまう。

 さて、俺のことをグタグタ述べるのはこの程度にして、痛みと同時にスリリングなサバイバル&脱出劇を味わえるストーリーとは如何なるものか。
 休日になるとロッククライミングに出掛けるアウトドア大好きのアーロン(ジェームズ・フランコ)は、今日も家族から電話がかかるのを無視して徹夜でユタ州のキャニオンランズ国立公園に出掛けた。大自然を突っ走るアーロン(ジェームズ・フランコ)は、途中で道に迷った女の子2人をナンパして、誰も知らないような穴場に連れて行ったりして、今日も絶好調。女の子達と翌日に会う約束をしてわかれた後に、1人で岩を登っていると、落石事故に巻き込まれてしまい、気付いた時には右手が岩に挟まって抜け出られなくなってしまう。乏しい食料で命をつなぎ、手持ちの道具で脱出する方法を探し出そうとするのだが・・・

 
 手に汗握るサバイバルを期待して観る人も多いと思うが、そのような内容を期待すると良い意味で期待を裏切られる。最初の方は、ジェームズ・フランコ演じるアールがお調子者として描かれているのが、なかなか楽しい。とにかく前半のスピード感は、これからとんでもない出来事が待っているなんて想像させない。
 この映画の凄さは決して痛みを感じることではなく、前向きに生きるメッセージを感じ取れること。躍動感に溢れる映像、ポップな音楽、圧倒的な自然描写は何よりも生命力を感じさせる。そして失ったことによる喪失感よりも、得られることの喜び、幸福を感じさせるその後の主人公の生き様は大きな感動を呼ぶ。モノを捨てれば人生が上手くいくんだよ、とアドバイスをくれる断捨離(だんしゃり)のススメ、人間関係においても断捨離(だんしゃり)を勧める本が流行してしまったために、意味を履き違えてナンデモカンデモ捨ててしまって後悔しているダンシャリアンを時々見かけることがあるが、断捨離の本質的なテーマはこの映画を観ればよくわかる。
 しかしながら、このような災害事故を面白く描かれている事に対して、何だか違うんだよな~と腹立たしくなる人も居るかもしれないが、ダニー・ボイル監督の腕が達者なために面白い映画に仕上がってしまったことに不満を募らせるのは、この映画の正しい観賞方法ではない。

 俺のように九死に一生を得た人は当然だが、なんだか大切な物を無くしてすっかり人生に絶望してしまっている人、とにかく前向きに生きることを願っている人に127時間はお勧めしたいし、それ以外の人にも勿論お勧めだ

127時間 [DVD]
ジェームズ・フランコ,ケイト・マーラ,アンバー・タンブリン,リジー・キャプラン,クレマンス・ポエジー
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン


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 監督はスラムドッグ$ミリオネアでアカデミー作品賞、監督賞を受賞したダニー・ボイル監督。今やすっかり名監督として存在感を発揮していますが、青春ドラッグ映画トレインスポッティング、終末サバイバル28日後...などがお勧め。

 殆んど1人芝居でアーロンを演じるのが、今や人気者としておなじみのジェームズ・フランコ。芸達者な若手俳優ですが、スパイダーマンシリーズの悪役で有名。彼のお勧め作品は他にショーン・ペン共演のミルク、現代的なテーマを取り込んだ猿の惑星:創世記、恋愛映画好きにはトリスタンとイゾルデ が楽しめる。

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