世界映画史を代表する名監督であるルキノ・ヴィスコンティの代表作にベニスに死すを挙げる人が多い。俺がこの映画を初めて観たのが、恐らく二十歳ぐらいの時だったと思うが、全くどこが良いのかサッパリわからなかった。その後も観直したことがあるのだが、なぜこの映画が名作だと言われるのか理解できないまま。俺の本作に対する第一印象はとにかく気色悪い。ずっとこの映画に対して『実は、これってヴィスコンティ監督の失敗作じぇねぇ~の?』と思っていたのだが。
実は最近の事だが、映画好きが集まっているあるサイトにおいて俺が『ベニスに死すって、どこが良いのかわからない映画ですよね~』と、つぶやいたらえらい反響があった。『何を言っているんですか、メチャクチャ感動する映画でしたよ』なんて優しく諭してくれるコメントがあるかと思えば、『この映画の良さがわからないなんて、あなたは馬鹿ですか』なんてショックを受けるような厳しいコメントがあったりするが、これぐらいならまだマシな方。『お前なんか死んでしまえ!』『お前なんか地獄へ堕ちろ!』なんてヘイトスピーチを行っている連中も真っ青になってしまうようなボロカス書いて、コメントを返してくるのもあった。
ここまで書かれると本当に俺の頭がおかしいのか、それとも感動的なシーンがあったのを全部見逃してしまっているのか、なんて事を思いながら気合いを入れて今回再度見直した。
それでは、かなり目の肥えた映画好きから映画評論家まで絶賛されているストーリーを簡単に紹介を。
ドイツにおいて名声を得ている老作曲家グスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)が休養のために水の都・ベニスにやって来た。到着して早々から色々と不愉快な思いをするが、ある家族をふと目にすると、その中に美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)(上の画像)の姿があった。
美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に対して、アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は彼の中に究極の美を感じ、すっかり彼の虜になってしまう。そんな折、ベニス中を疫病が蔓延し・・・
確かにタジオを演じるビョルン・アンドレセンは画像の通り美少年。まるで俺の少年時代とそっくりだ。それはさておき、早い話がすっかり心身ともに疲れ果ててしまったオッサンの作曲家が、美少年をストーカーして追いかけ回すストーリー。今回改めて観てもやっぱり気色悪い。ダーク・ボガード演じるオッサンが美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)の事を想い、嬉々としている様子はマジで気色悪いし、お化粧しているシーンを見せられては吐き気がしそうになる。
まるで男性の同性愛プラスロリコンの映画を見せられて感動しろ、と言われても非常に無理があるような気がする。
このように書いてしまうと本当にどうしようもない映画かと思われてしまいそうだが、俺の映画の記事を書くブログの本来の趣旨は褒めて褒めて褒めまくり、紹介した映画を観てもらう事。ここから先はとにかく褒めまくってみることに挑戦する。
この映画は冒頭から流れる音楽がとにかく素晴らしい。主人公の作曲家のモデルはクラッシック音楽好きならば誰でも知っているマーラー。彼の交響曲第五番第4楽章の「アダージェット」が映画とピッタリ合っていて観ている我々の気分を盛り上げる。実は今までこんな素晴らしい音楽が使われていたことにまるで気が付かなかった。
そして回想シーンにおいてグスタフ(ダーク・ボガード)と親友のアルフレッド(マーク・バーンズ)と芸術について大論争をするシーンがある。芸術好きである人にとっては非常に興味深いやり取りが行われていることが想像できる。ちなみに俺にはあまり理解できなかった(笑)
しかし、芸術家の究極の目的は美の追求であることぐらいは俺にも理解できる。しかし、本作のような心身ともに老いていく男性が美少年の中に究極の美を発見するという過程を描き切るルキノ・ヴィスコンティの凄みは、わかる人にはわかるのだろう。映画の中で繰り広げられる芸術論争にワクワクできる人ならば、きっと本作がより一層面白く観ることができるはずだ。
そして、耽美的という言葉がよく褒め言葉出てくるが実は俺自身この言葉の意味がよくわからなかった。今回やっと耽美的という言葉の意味が少しだけ理解できたような気がする。ラストシーン近くで見せるタジオ(ビョルン・アンドレセン)のポーズのシーンがあるが、あれなんかは一歩間違えればギャグ。しかし、あのシーンはとても美しく撮れているし俺でもウットリした。今まで印象になかったのが不思議なくらい。映画の中に芸術を感じた一瞬だ。
とりあえずこれだけ褒めておけば、このブログを観た人は絶対に本作を観たくなるはす。派手なドンパチや笑いを求めている人にはお勧めできないが、ちょっと敷居の高い名作映画を観たいと思う人にはベニスに死すにチャレンジだ
監督はイタリアの名匠ルキノ・ヴィスコンティ。撮った殆んどの作品が名作という偉大なる映画監督。個人的にはアラン・ドロン主演の若者たちのすべては泣けるし、お勧め。他に女って怖いと思えるアリダ・ヴァリ主演の夏の嵐、女装、近親相姦、ロリコン、エロなど変態要素をたくさん散りばめてナチス政権を批判したかのような地獄に堕ちた勇者どももお勧め。
主演は老作曲家にダーク・ボガード。前述した地獄に堕ちた勇者ども、他にシャーロット・ランプリング共演の愛の嵐がお勧めです。
にほんブログ村 映画ブログ
人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします
実は最近の事だが、映画好きが集まっているあるサイトにおいて俺が『ベニスに死すって、どこが良いのかわからない映画ですよね~』と、つぶやいたらえらい反響があった。『何を言っているんですか、メチャクチャ感動する映画でしたよ』なんて優しく諭してくれるコメントがあるかと思えば、『この映画の良さがわからないなんて、あなたは馬鹿ですか』なんてショックを受けるような厳しいコメントがあったりするが、これぐらいならまだマシな方。『お前なんか死んでしまえ!』『お前なんか地獄へ堕ちろ!』なんてヘイトスピーチを行っている連中も真っ青になってしまうようなボロカス書いて、コメントを返してくるのもあった。
ここまで書かれると本当に俺の頭がおかしいのか、それとも感動的なシーンがあったのを全部見逃してしまっているのか、なんて事を思いながら気合いを入れて今回再度見直した。
それでは、かなり目の肥えた映画好きから映画評論家まで絶賛されているストーリーを簡単に紹介を。
ドイツにおいて名声を得ている老作曲家グスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)が休養のために水の都・ベニスにやって来た。到着して早々から色々と不愉快な思いをするが、ある家族をふと目にすると、その中に美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)(上の画像)の姿があった。
美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)に対して、アシェンバッハ(ダーク・ボガード)は彼の中に究極の美を感じ、すっかり彼の虜になってしまう。そんな折、ベニス中を疫病が蔓延し・・・
確かにタジオを演じるビョルン・アンドレセンは画像の通り美少年。まるで俺の少年時代とそっくりだ。それはさておき、早い話がすっかり心身ともに疲れ果ててしまったオッサンの作曲家が、美少年をストーカーして追いかけ回すストーリー。今回改めて観てもやっぱり気色悪い。ダーク・ボガード演じるオッサンが美少年タジオ(ビョルン・アンドレセン)の事を想い、嬉々としている様子はマジで気色悪いし、お化粧しているシーンを見せられては吐き気がしそうになる。
まるで男性の同性愛プラスロリコンの映画を見せられて感動しろ、と言われても非常に無理があるような気がする。
このように書いてしまうと本当にどうしようもない映画かと思われてしまいそうだが、俺の映画の記事を書くブログの本来の趣旨は褒めて褒めて褒めまくり、紹介した映画を観てもらう事。ここから先はとにかく褒めまくってみることに挑戦する。
この映画は冒頭から流れる音楽がとにかく素晴らしい。主人公の作曲家のモデルはクラッシック音楽好きならば誰でも知っているマーラー。彼の交響曲第五番第4楽章の「アダージェット」が映画とピッタリ合っていて観ている我々の気分を盛り上げる。実は今までこんな素晴らしい音楽が使われていたことにまるで気が付かなかった。
そして回想シーンにおいてグスタフ(ダーク・ボガード)と親友のアルフレッド(マーク・バーンズ)と芸術について大論争をするシーンがある。芸術好きである人にとっては非常に興味深いやり取りが行われていることが想像できる。ちなみに俺にはあまり理解できなかった(笑)
しかし、芸術家の究極の目的は美の追求であることぐらいは俺にも理解できる。しかし、本作のような心身ともに老いていく男性が美少年の中に究極の美を発見するという過程を描き切るルキノ・ヴィスコンティの凄みは、わかる人にはわかるのだろう。映画の中で繰り広げられる芸術論争にワクワクできる人ならば、きっと本作がより一層面白く観ることができるはずだ。
そして、耽美的という言葉がよく褒め言葉出てくるが実は俺自身この言葉の意味がよくわからなかった。今回やっと耽美的という言葉の意味が少しだけ理解できたような気がする。ラストシーン近くで見せるタジオ(ビョルン・アンドレセン)のポーズのシーンがあるが、あれなんかは一歩間違えればギャグ。しかし、あのシーンはとても美しく撮れているし俺でもウットリした。今まで印象になかったのが不思議なくらい。映画の中に芸術を感じた一瞬だ。
とりあえずこれだけ褒めておけば、このブログを観た人は絶対に本作を観たくなるはす。派手なドンパチや笑いを求めている人にはお勧めできないが、ちょっと敷居の高い名作映画を観たいと思う人にはベニスに死すにチャレンジだ
ベニスに死す [DVD] | |
ダーク・ボガード,ビョルン・アンドレセン,シルバーナ・マンガーノ,ロモロ・ヴァリ | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
監督はイタリアの名匠ルキノ・ヴィスコンティ。撮った殆んどの作品が名作という偉大なる映画監督。個人的にはアラン・ドロン主演の若者たちのすべては泣けるし、お勧め。他に女って怖いと思えるアリダ・ヴァリ主演の夏の嵐、女装、近親相姦、ロリコン、エロなど変態要素をたくさん散りばめてナチス政権を批判したかのような地獄に堕ちた勇者どももお勧め。
主演は老作曲家にダーク・ボガード。前述した地獄に堕ちた勇者ども、他にシャーロット・ランプリング共演の愛の嵐がお勧めです。
にほんブログ村 映画ブログ
人気ブログランキングに参加しております。クリックお願いします