褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 M(1931) murder(殺人)の頭文字です

2013年02月26日 | 映画(数字、アルファベット)
 ちょっと変わったタイトル名だが、日本でもかつて、女性アイドルバンドの歌に同じタイトルの歌があった。それだけでも懐かしい気分になるが、今回紹介する映画は、昔も昔のはるか昔の1931年のドイツ映画だ。ナチス・ドイツ台頭前の時代の映画というところに、この映画の価値がある。
 幼女連続殺人事件をテーマにしたサスペンス映画。基本は気が狂った犯人を早く捕まえてしまえという内容だが、そういった部分にスリルを求めると大して楽しくない映画。決して、犯人の肩を持つわけでは無いのに、次第に犯人が追い詰められていく様子に、どことなく居心地の悪さを感じさせる映画だ。
 果たして、この居心地の悪さは何処から来るものなのか

 1930年代のベルリンが舞台。幼女が次々殺害される事件が起きるが、警察は全く手掛かりも掴めず、次第に一般庶民の間にも恐怖心が生まれる。警察の取り締まりは、ついに暗黒街の世界にも手が伸びるが、そのことによって暗黒街の人間は活動に支障を来たしてしまった。そんな中で暗黒街のボスたちも自らの手で幼女連続殺人の犯人を見つけようとするが、意外なところから犯人が浮かびあがってくるのだが・・・

 口笛、風船、Mの文字が効果的に使われており、演出的にも魅せる映画。しかし、1人の人間が複数の団体に追い詰められてしまう展開は、単なる勧善懲悪のような浅いストーリーではなく、まさにナチス・ドイツ政権下の社会主義、密告、粛清といった暗いテーマを感じさせる。
 当時のドイツ情勢の不安を感じさせる映画は、一度は観て欲しい名作です

M (エム) CCP-271 [DVD]
ピーター・ローレ
株式会社コスミック出版


 監督はドイツ映画の黄金期を支えた名匠フリッツ・ラング。ナチス台頭によって、後にドイツから逃れてハリウッドでも多くの名作を撮っています。個人的には死刑執行人もまた死すという作品がお勧め。

 犯人を演じるのがピーター・ローレ。この人もナチスから逃れてハリウッド映画に出演しています。ハンフリー・ボガード主演のマルタの鷹の悪役が印象的です

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