褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 セレブの種(2004) スパイク・リー監督のちょっと変った社会派コメディー作品

2011年03月25日 | 映画(さ行)
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 僕は競馬が好きだけれど、競馬の楽しみの一つとして血統がある。デビューしたばかりの馬の父や母を調べると、”僕に儲けさせてくれたあの馬の子供か””あの強い馬だったお母さんの子供か”というように懐かしく思うときがある。
 そして”あの強かったお父さんとお母さんの子供だからきっとこの馬も走るに違いない”と思い馬券を買い続けることがある。だいたい買い続けた結果は馬の世界も人間の世界と同じように『鷹(たか)が鳶(とんび)を産んでしまう』ことを実感します。
 しかし、馬の世界において血統は非常に夢があり競馬の奥深さを感じさせてくれる。

 人間の世界においても、もしエジソンキューリー夫人が結婚していたらどんな子供が産まれていたか、アメリカのロナルド・レーガン大統領とイギリスのマーガレット・サッチャー首相が結婚したらどんな子供が産まれていたか、さらにどうせならタイガー・ウッズAKB48の全員の子供を産んでしまえ・・・ほとんど妄想がひどくなってきます。

 しかし男性の僕は相手の女性の優秀な卵子が欲しいとか考えたことはありませんが、意外に女性は優秀な男性の精子が欲しいと思うことがあるのではないでしょうか。そのような願望?をコメディータッチにした映画が今回紹介するセレブの種です。

 ちなみに監督は社会派映画を代表するスパイク・リー彼自身が黒人ということもありドゥ・ザ・ライト・シングマルコムXのような黒人にたいする人種問題を扱った映画が多かったですが、最近は人種問題を問いかけながらも25時のような重厚な人間ドラマ、イン・サイドマンのようなクライムサスペンス、そして寓話的感動物語のセントアンナの奇跡のような幅広いテーマ性に踏み込むなど、更なる進化が期待され毎回新作を撮るたびにどのようなテーマの作品を撮るのか楽しみな監督でしょう。
 そんなスパイク・リー監督の新たな一面が見られるコメディーであるセレブの種を紹介します

セレブの種 [DVD]
スパイク・リー,マイケル・ゲネット
エイベックス・トラックス


 一流大学ハーバード大学を卒業して一流企業に勤める若き部長であるジャック(アンソニー・マッキー)。しかしエイズ特効薬を一緒に研究していた友人が飛び降り自殺してしまう。
 仲間の死を不審に思ったジャック(マッキー)はやがて会社内部の不正を知る。

 ジャック(マッキー)は上司のマーゴ(エレン・バーキン)に会社の不正を知らせるが逆に内部告発を恐れた社長のリーランド(ウディ・ハレルソン)とマーゴ(バーキン)の企みによって解雇されてしまう。

 ジャック(マッキー)は内部告発者として世間から恐れられ再就職先も決まらず、しかも自分の資産も凍結されてしまい一瞬にして貧乏生活に陥りそうになる。そんな彼の元にかつての恋人でありレズであるファティマ(ケリー・ワシントン)が訪れてくる。
 ファティマ(ワシントン)がジャック(マッキー)を訪れた理由は精子提供レズビアンでありながら子供が欲しいファティマ(ワシントン)は優秀な?精子が欲しいために一流大学を出ていて、一流企業に働いていたジャック(マッキー)の精子に目をつけたのだ。しかも、1回の種付けに1万ドルを提供してもらえる。
 最初はファティマ(ワシントン)の申し出を断るが、就職に困っているジャック(マッキー)は結局種付けビジネスを受け容れてしまう。

 やがてファティマ(ワシントン)は妊娠する。そしてファティマ(ワシントン)は種を欲しがっているレズ仲間を5人ほどジャック(マッキー)のアパートに連れて来た。それ以来ジャック(マッキー)は1回につき1万ドルの種付けビジネスを開始する。彼の噂は全米の女性に広がり、種付けビジネスは大繁盛
 しかし、そんな不道徳?なビジネスに対して世間からバッシングに遭い、次々とジャック(マッキー)の子供が誕生してしまう苦難に気付かされてしまい・・・この荒波を如何にしてジャック(マッキー)は乗り越えるかは映画を観てください



 妊娠したことを告げるために使用しているアニメーションの部分は失敗していると思うが、コメディー映画としては充分。コメディ映画と言ってもスパイク・リー監督らしい社会派性は健在だ。人工授精、同性愛、内部告発、親子、家族関係などアメリカの抱える社会問題がてんこ盛り。スパイク・リー監督は社会的テーマをコメディータッチで描くのが本当に上手い。
 そして見逃せないのが豪華キャスティング。前述者以外にもモニカ・ベルッチジョン・タトゥーロなどがオイシイ役で登場している。
 タイトル名が安物のアダルト映画を想像させるがエロいのが好きな人も嫌いな人も楽しめるし、アメリカ映画的な家族愛が全体的に感じられる良質な作品です

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