褒めまくる映画伝道師のブログ

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映画 サテリコン(1969) 猥雑、怠惰、下劣な古代ローマ

2011年03月13日 | 映画(さ行)
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 ローマ帝国の遺跡が残るローマは日本人のみならず世界中の人々にとって憧れの人気観光スポット。2000年以上昔の歴史、文化、伝統、芸術が見られるローマの地はイタリア人にとって非常に誇れる土地であり、古代と近代が融合した都市設計は古き伝統を重んじる日本人にとっても憧れ的存在だ。
 映画においてもローマが非常に魅力的に撮られている作品もある。あの名作ローマの休日は内容だけでなく、ローマの文化遺産が映像に溶け込んだ素晴らしい観光映画にもなっていて、この映画を観た人の中にはこの映画に憧れてローマへ旅行に行く人が多いだろう。

 イタリアから見た外国人には憧れの地であるローマであるが、果たして実際にイタリア人自身から見たローマとは世界的巨匠であるイタリア人のフェデリコ・フェリーニ監督が色々とローマを描いた映画を撮っている。
 例えば甘い生活なんて映画があった。この3時間以上を超える大作においてフェリーニ監督が描いたローマは・・・有名な古代遺跡のトレビの泉がフェリーニにかかると男女の戯れの場所になってしまうし、全体的にも男にとっては馬鹿騒ぎするだけの場所であり、非常に空虚なローマが描かれていた

 他にフェリーニのローマにおいては、かつての世界の道はローマに通ずという言葉があったように最も繫栄した都市だったのがまるで嘘であるかのように遺産は風化してしまい、売春宿が乱立、権威あるカトリック教会がファッションショー化してしまったそこには歴史的なプライドは何もなく退廃したローマが描かれている。

 あくまでもフェデリコ・フェリーニという一個人から見たローマだが、イタリア人の見るローマと外国人から見たローマとはこれだけ温度差があるのかと思うと驚きもするし、面白くもある。

 そして今回紹介するフェデリコ・フェリーニ監督のサテリコンだが、甘い生活フェリーニのローマで描かれたローマ以上に退廃した古代ローマが描かれている。

 ここで描かれている人間たちはホモ、エロ、食いすぎ、残虐、人食い等常軌を逸した内容が展開されるそして映像、セット、美術などの派手な作りこみ、そして突飛なイマジネーションなどさすがは映像の魔術師と言われる最もフェデリコ・フェリーニらしいと言えるサテリコンを紹介します

サテリコン [DVD]
マーチン・ポター,ハイラム・ケラー,サルボ・ランドーネ
20世紀 フォックス ホーム エンターテイメント


 紀元前のローマ。青年エンコルピオ(マーティン・ポッター)は怒りに身を震わせている。親友のアシルト(ハイラム・ケラー)に恋人であり美青年のジトーネ(マックス・ボーン)を奪われたから。
 エンコルピオ(ポッター)はアシルト(ケラー)と出会い、対決するがジトーネ(ボーン)は既に劇団の連中に売られていた。

 エンコルピオ(ポッター)は劇団を見つけその中にいたジトーネ(ボーン)を見つけ出す。エンコルピオ(ポッター)とジトーネ(ボーン)が一緒に寝ているところへアシルト(ケラー)がやって来た。エンコルピオ(ポッター)とアシルト(ケラー)はどちらを愛しているかジトーネ(ボーン)に選ばすが、ジトーネ(ボーン)はアシルト(ケラー)の方を選ぶ。



 ショックに陥ったエンコルピオ(ポッター)は貴族のトリマキニオのパーティーに参加するが、そこではおぞましい光景が繰り広げられていた
 さらにエンコルピオ(ポーター)は少年狩りに遭ってしまい、船で捕らわれの身になってしまい、しかもその船の男の主から無理矢理結婚させられてしまう。さらに悪夢は続き・・・ホモ、殺戮、両性具の神様、人食いなどタブーの連発は映画を観てください



 青年エンコルピオを通してモラルを著しく欠いた古代ローマが描かれている。猥雑な内容に終始しているが、そのまともでないイマジネーションのおかげで最後まで面白く見ることが出来る。
 しかし、僕にとってはフェリーニ監督作品と言えばガビリアの夜のような哀しみの中にも人生賛歌が見られるような映画が好みなのだが、今回紹介したサテリコンは悪趣味的な内容なので好みが分かれる映画だと思います。

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