ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

リュウキュウコザクラ

2017年08月27日 | 草木:雑木雑草

 今年(2014年)の初夢はとても良い夢であった。詳しくは書かないが、若い美女にモテている夢、若い美女にモテている夢はたびたび見ている(そういう潜在願望が強いとは自身思っていないが)ので、特別嬉しいというほどではないが、まあ、気分はいい。2日の夕方から夜にかけては叔父、従姉妹などが集まって私の実家のサヨナラパーティーをやった。これも楽しかった。良い年になりそうな気分、であったが、
 新年早々(これを書いているのは正月3日)ドジを踏んでしまった。翌3日は金曜日、ガジ丸HPアップの日だ。宜野湾のネット環境の事務所へ行かなければならない。だけれども、3日も年始の客が来る、お昼前に来るかもしれない。で、朝早く起きて、実家を出て、家(アパート)に寄って荷物(布団、着替えなど)を降ろし、すぐに事務所へ、急いでHPをアップして、そこからIさんの店へ行く。レタスを届けに。
 急いでいたオジサン(私)は、慌てていたオジサンは、Iさんの店の駐車場に車を入れる時に、塀に車をこすってしまった。目立つ傷をこさえてしまった。あーぁ・・・。

 ガジ丸HPではこのところ雑草を続けて紹介しているが、雑草は概ねきれいでは無い。車を傷つけて心も傷ついた私を慰めるには可愛いものが見たい。ということで、パソコンの中の、植物の未紹介写真フォルダを開き、夢の中に出てきた若い美女のような花を探した。そのような花、雑草の中にもあった。小桜と、名前も可愛らしい花。
 
 リュウキュウコザクラ(琉球小桜):野草
 サクラソウ科の1~2年草 方言名:不詳
 名前の由来については『沖縄植物野外観察図鑑』に「琉球産の小型のサクラソウの意」とあった。サクラソウはサクラソウ科サクラソウ属植物の総称で、名前の由来についての資料は無いが、花がサクラに似た草本類であることからと思われる。
 海岸や山地の野原に生える。葉は根生葉で、長い柄があり卵円形で鋸歯が目立つ。根生葉の間から高さ5~15センチほどの細長い花茎を数本出し、その先に花をつける。花は数個つき、白色。開花期については、記載された文献が無く詳しくは不明だが、文献の写真は5月、私のは2月、よって、年明けから初夏頃までとしておく。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2014.1.3 →沖縄の草木目次
 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編
 『やんばる樹木観察図鑑』與那原正勝著、ぱる3企画発行
 『熱帯の果実』小島裕著、新星図書出版発行
 『熱帯花木と観葉植物図鑑』(社)日本インドアグリーン協会編、株式会社誠久堂発行


ヤンバルクルマバナ

2017年08月27日 | 草木:雑木雑草

 「ヤンバルとは山原と書いて沖縄島中北部の通称」と私はこれまで何度もこのガジ丸HPに書いてきたが、『沖縄大百科事典』を見ると「沖縄島北部、国頭郡の俗称。俗に島尻を下方(しもかた)、中頭を田舎と呼ぶのにたいして・・・」とある。
 国頭郡とは太平洋側は金武町、東シナ海側は恩納村以北の町村(名護市は除く)のことで、宜野座村、本部町、伊江村、今帰仁村、東村、大宜味村、国頭村などが含まれる。金武町の南隣の石川市、恩納村の南隣の読谷村からは中頭郡となる。
 ※注 金武町、石川市は現在うるま市。

 というわけで、これまでは読谷村もヤンバルと私はしてきたが、今後は上記のことを心に留めて、ヤンバルという言葉をきちんと使うことにする。

 今回紹介するヤンバルクルマバナはヤンバルと名は付くが、ヤンバルクイナのようにヤンバルにしか生息しないものというわけでは無く、沖縄のどこにでもいるらしい。私が見たのも読谷村(これまではヤンバルに含めていたが間違い)と那覇市。なのに何故ヤンバルか?については不明。ヤンバルには俗に「田舎臭い」という意味もある。で、「田舎臭いクルマバナ」とも考えられるが、「じゃあさ、都会的なクルマバナってどんな姿形なのさ?」と問われたら答えようが無いので、その考えは頭から消去。
 
 ヤンバルクルマバナ(山原車花):野草
 シソ科の多年草 奄美以南の南西諸島に分布 方言名:バシグサ(八重山)
 名前の由来についてはっきり示した資料は無いが、クルマバナについては『沖縄大百科事典』に「花は白色、葉腋に輪散状につく」とあり、この「輪散状につく」からきているものと思われる。輪散状という言葉は広辞苑に無いが、おそらく「花が輪になるように連なってつく」だと思われる。花の輪を車輪に見立ててクルマバナ(車花)。
 ヤンバルについてはもっと不確か。ヤンバルは沖縄島北部の通称だが、本種はヤンバル以外でも見られる。比較的にヤンバル地方に多かったのだろうか?しかし、文献の写真は沖縄市で、私の写真は読谷村と那覇市首里。いずれもヤンバルでは無い。
 低地の道端、野原に生育する。枝は散開、または地上を這うようにして伸び、長さ30センチほどになる。花は白色で葉腋に数個つける。開花期については資料が無く不詳。文献の写真は12月、私のは首里で6月、読谷村で7月。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2013.7.3 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編


ヤブジラミ

2017年08月27日 | 草木:雑木雑草

 断捨離って言葉を最近知ったが、私は数年前からそれをやっている。ワンボックスカー1台に収まる分だけで生活しようと思っての事。いつでも夜逃げができるから、というわけでは無く、いつでも今住んでる所から引っ越すことができるからという理由。
 もう既に書籍の8割方、昔のレコードのほとんど、音楽CDの多く、録画したDVDのほとんど、写真のほとんど、自分の書いた設計図等書類のほとんどを処分した。これから手紙類を捨て、日記は少し悩んでいるが、これも多くは捨てようと思っている。
 処分されなかった音楽CDは今、部屋の中に30数枚ある。クラシックが10枚ほど、沖縄民謡が10枚ほど、日本の歌手のアルバムが10枚ほど、その他が数枚。日本の歌手のアルバムでは青春の頃に大きな影響を受けた高田渡が4枚と最も多い。次に多いのは一時恋をしていた鈴木亜紀で3枚、他は友部正人1枚、つじあやの1枚となっている。

 ヤブジラミのシラミはあの血を吸う虱のことだが、虱と言えば高田渡の歌に『しらみの旅』なんてのがあったとすぐに思い出した。タイトルは思い出したが歌そのものは出てこない。で、CD、渡のファーストアルバム『ごあいさつ』を取り出し、久々に聴いた。
 『しらみの旅』は渡の作詞では無く添田唖蝉坊の作。青春の頃の私に何ら影響を与えなかったようで、聴いても特に思うことは無く、何の想い出も無かった。

 シラミと聞いて想い出すことは別にある。私自身はシラミにたかられた記憶は無いが、子供の頃、我が家にしばらく居候していた親戚の女の子がいた。彼女が家に来たその日、「髪の毛にシラミがいっぱいいるさぁ、すぐにシャンプーしなくちゃ」と母が言い、彼女を浴室へ連れて行ったことを想い出す。可愛い子だったが、それで私は近付けなかった。
 シラミは人間の血を吸い、とても痒いものと聞いていた。で、子供の私は怖かったのだ。ヤブジラミはしかし、血を吸うことも無く、触れてもちっとも痒くない。
 
 ヤブジラミ(藪蝨):野草
 セリ科の越年草 日本各地に分布 方言名:不詳
 名前の由来は『琉球弧野山の花』に「和名は本種が藪でよくみかけることと、棘のある果実が虱のように衣類に付着しやすいことによる」とあった。
 名前の由来にもなっている果実に特徴があり、釣針のように先がかぎ状になった刺毛が密生し、衣服や動物の毛などに付着しやすくなっている。長さは3ミリ内外。
 葉は1~2回3出羽状複葉。枝先に花序を出し多数の小花をつける。花は白色。開花期について、広辞苑には夏とあったが、沖縄ではもっと早い。文献の写真は3月と5月で、私の写真は4月。よって、沖縄では春としておく。
 道端や野原に生える低地の雑草で、高さは30から100センチ。飼料になる。果実を乾したものは生薬となり、消炎、強壮剤に用いられるとのこと。
 
 花

 記:島乃ガジ丸 2013.7.20 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『名前といわれ野の草花図鑑』杉村昇著、偕成社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行
 『沖縄の野山を楽しむ植物の本』屋比久壮実著、発行
 『海岸植物の本』アクアコーラル企画発行
 『花の園芸大百科』株式会社主婦と生活社発行
 『新しい植木事典』三上常夫・若林芳樹共著 成美堂出版発行
 『花合わせ実用図鑑』株式会社六耀社発行
 『日本の帰化植物』株式会社平凡社発行
 『花と木の名前1200がよくわかる図鑑』株式会社主婦と生活社発行
 『熱帯植物散策』小林英治著、東京書籍発行
 『花卉園芸大百科』社団法人農山漁村文化協会発行
 『ニッポンの野菜』丹野清志著、株式会社玄光社発行
 『藤田智の野菜づくり大全』藤田智監修、NHK出版編


ヤブカラシ

2017年08月27日 | 草木:雑木雑草

 ガジ丸HPを始めてから、私の周りにはいろいろな生き物たちが生きているんだということに今さらながら気付いた。白いチョウはモンシロチョウ、黄色いチョウはモンキチョウとばかり思っていたのが、白いチョウや黄色いチョウにはいろんな種類があることも初めて知った。アゲハチョウも、アゲハチョウという1種だけかと思っていたのが、多くの種類があることも知った。シロオビアゲハだけしか認識できなかったのが、ミカドアゲハやアオスジアゲハが飛ぶのを見て、それと認識できるようになった。

 もう3、4週間も前から、職場の庭の一角にたくさんのアオスジアゲハが群れているのを見ている。十数匹という数がいる。アオスジアゲハのお目当ては辺り一面を覆うようにしてそこに咲いている花。その花の蜜を吸いに来ているのだ。
     
 花を咲かせているのはつる性の植物。マンゴーの木やマツ、クロキ、ネズミモチなどに絡まっている。一つ一つの花は小さくて、花びらを開いている風でも無く、また色も黄白色であまりきれいとは言えない。ただ、小さな花はたくさんの数がかたまって咲いており、蜜の量が多いのでチョウが大挙して押し寄せてきているのであろう。アオスジアゲハだけでなく、ナミエシロチョウ、モンシロチョウ、キチョウなどもいる。数種類のハチやアブなどもやってきている。虫たちにとっては美味しい蜜なのかもしれない。ただの雑草とばかり思っていたが、侮れない雑草。写真を撮り、名前を調べた。
 
 ヤブカラシ(藪枯らし):野草
 ブドウ科の多年生蔓性草本 日本、中国、インド、他に分布 方言名:イチハグサ
 道端、空地でよくみかける蔓性の雑草で、巻きひげで他の植物などに絡み付いて一面を覆う。覆われた植物が枯れたりすることから藪枯らしという名前らしい。
 アオスジアゲハが群れ飛ぶ下にヤブカラシの花が咲いている。小さな花がまとまってたくさん咲いている。その蜜がアオスジアゲハの大好物なのだろう。何種類かのハチもやってくる。が、色も形もきれいな花とはいえない。が、花後の黒光りする実はきれい。
 ヘクソカズラ、リュウキュウボタンヅルと生育環境が同じで、この3種は同じ場所でよく見かける。ヘクソカズラが少し先駆けるが、開花時期もほぼ同じ、6月から7月。
 別名をビンボウカズラとかビンボウヅルとかいう。
 
 実

 記:島乃ガジ丸 2005.7.10 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行


ヤエムグラ/ナガバハリフタバムグラ

2017年08月27日 | 草木:雑木雑草

 ルリハコベの頁で、「ルリハコベの出てくる沖縄のわらべ歌がある。子供をあやすときなどに歌う。」と『べーべーぬ草かいが』を紹介した。それは、ルリハコベの方言名をミンナと言い、『親子で見る身近な植物図鑑』の説明文に「やぎのえさとしてよく利用されています」という記述もあったことから、『べーべーぬ草かいが』で唄われるミンナは、てっきりルリハコベのことだと思ったからだ。
 今回ヤエムグラを調べる際、『沖縄四季の花木』という文献を新しく参考にした。それには、ヤエムグラが『べーべーぬ草かいが』で唄われるミンナであると書かれてある。方言名もミンナとある。『親子で見る身近な植物図鑑』には「ルリハコベが『べーべーぬ草かいが』で唄われるミンナである」と書かれているわけではないので、ルリハコベが『べーべーぬ草かいが』で唄われるミンナとしたのは、どうも私の早合点のようである。
 で、改めて、その歌を紹介する。

   べーべーぬ草かいが
いったー あんまー まーかいが べーべーぬ 草かいが
(お前の 母ちゃんは 何処へ行った 山羊の 草刈に)
べーべーぬ まさぐさや はるぬわかみんな
(山羊の 美味しい草は 春の若いヤエムグラ)

 なお、ルリハコベの頁は訂正せず、そのままにしておく。もしかしたら、両方とも山羊の好物で、歌のミンナは両方を指しているという可能性もあるから。

 ヤエムグラは、参考にしている文献の多くにその記載があった。『親子で見る身近な植物図鑑』にも載っているので身近ということだ。確かに、春、たくさん見かける。
 
 ヤエムグラ(八重葎):野草
 アカネ科の蔓性越年草 日本各地、アジア、ヨーロッパに分布 方言名:ミンナ
 ムグラ(葎)は、「荒れ地や野原に繁る雑草の総称」(広辞苑)とのこと。ヤエムグラ(八重葎)も広辞苑にあって、「繁茂しているむぐら。雑多に生えている蔓草。」とのこと。ただし、ヤエムグラは学名Galium spurium L.echinospermum Hayekといい、固有名詞でもある。今回、ナガバハリフタムグラと、ムグラのつく植物を2種紹介しているが、同じアカネ科でも、それぞれ属が違う。
 私の畑でも、冬の時期には辺りを覆うほど蔓延る。私が除草を怠けているせいである。触ると手に絡みつくが、それは、茎に細かい棘が逆さに付いているせい。それによって、他のものに絡み付いて伸びたり、広がったりする。
 2月から4月にかけて道端や畑地で繁殖する。本土では夏の開花と広辞苑にあったが、沖縄では繁殖する時期に花が咲く。黄緑色の小さな花。
 
 花

 ナガバハリフタバムグラ(長葉針双葉葎):野草
 アカネ科の越年草 熱帯アフリカ原産 方言名:なし
 フタバムグラと名がついているが、フタバムグラとは属が違う。フタバムグラと同じく葉が対生なのでフタバとなり、葉が長いので長葉。ここまでは自信があるが、真ん中のハリは自信が無い。ハリを針としたが、棘があるとは文献に無く、私も気付かなかった。でも、張では無かろうと思い、ここでは針としておく。
 戦後の帰化植物。高さ20~40センチ。花は白色で小さい。葉腋の上に数個つく。海岸近くでよく見られる。分枝が少ないので、ヤエムグラのような広がり方はしない。
 学名はBorreria laevis Griseb。フタバムグラはHedyotis diffusa。
 

 記:島乃ガジ丸 2007.5.1 →沖縄の草木目次

 参考文献
 『新緑化樹木のしおり』(社)沖縄県造園建設業協会編著、同協会発行
 『沖縄の都市緑化植物図鑑』(財)海洋博覧会記念公園管理財団編集、同財団発行
 『沖縄園芸百科』株式会社新報出版企画・編集・発行
 『沖縄植物野外活用図鑑』池原直樹著、新星図書出版発行
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
 『沖縄園芸植物大図鑑』白井祥平著、沖縄教育出版(株)発行
 『親子で見る身近な植物図鑑』いじゅの会著、(株)沖縄出版発行
 『野外ハンドブック樹木』富成忠夫著、株式会社山と渓谷社発行
 『植物和名の語源』深津正著、(株)八坂書房発行
 『寺崎日本植物図譜』奥山春季編、(株)平凡社発行
 『琉球弧野山の花』片野田逸郎著、(株)南方新社発行
 『原色観葉植物写真集』(社)日本インドア・ガーデン協会編、誠文堂新光社発行
 『亜熱帯沖縄の花』アクアコーラル企画編集部編集、屋比久壮実発行
 『沖縄四季の花木』沖縄生物教育研究会著、沖縄タイムス社発行