ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ツルムラサキ

2018年07月25日 | 飲食:食べ物(材料)

 不味くはない

 植物としてのツルムラサキを紹介したのは2006年4月のこと。その記事の中で「野菜としては、そう多くは生産されていないようである。スーパーに並んでいるのを私は見たことが無い。」と書いているが、数年前から通っている八百屋にはヨモギやウンチェーバー、ニガナなどと共にたいてい置いてあり、今はスーパーでもたまに見かける。

 ツルムラサキを食べた経験があるかどうか、少なくとも「これがツルムラサキ」と認識して食べたことは無いと思う。前述したように普通にスーパーで売られているものでは無かったし、首里石嶺に住んでいる時、その庭にツルムラサキが自生していたが、それは雑草と思っていたので食べようという気にはならなかった。
 先日(2018年7月20日)、最近よく通っている八百屋へ行って1束購入し、その半分を翌日、茹でてゴマ和えにして食べてみた。つい最近ハンダマ(スイゼンジナ)をほぼ同じ味付けのゴマ和えにして食べたのでそれと比較すると、
 食感はハンダマ(スイゼンジナ)ほどではないがヌルヌルしていて、ハンダマより柔らかい。味は、ハンダマより苦みが少々強く、匂いも「良い香り」とは言えない。それでも不味くは無いので、あれば喜んで食べる。味付けが良ければ美味くなるかもしれない。

 カルシウム、鉄、ビタミンAを多く含む健康野菜。黄疸、淋病、梅毒や手足の関節リウマチに薬効があるとのこと。別の文献には解熱、利尿、通便に食すともあった。
 葉、茎、花、果実全て利用でき、黄疸、淋病、梅毒については乾燥させた葉を煎じて飲むとあり、関節リウマチについては豚足と共に酒少々を加えて煮て、食するとのこと。その他、普通に野菜としてお浸し、天ぷら、油炒めで食す。

 ツルムラサキ(蔓紫):野菜・薬用
 ツルムラサキ科の蔓性多年草 熱帯アジア原産 方言名:ジービン、ジュビン
 性質が強く、沖縄の夏の暑さにも負けないので夏野菜として重宝される。夏だけでなく一年中収穫できる。また、害虫被害も無いので無農薬栽培ができる。
 品種はいろいろあって、茎が紫色なのと緑色のものとに大別される。野菜としての利用は緑茎種が好まれるとのこと。ツルは3~4mまで伸びる。
 葉脇に可愛らしい白い小さな花を穂状に付け、次々と咲く。早い花から順次実となり、熟すと照りのある濃紫色となる。花と実が一緒についていることが多いので目立つ。
     
     
     

 記:2018.7.24 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 
 『沖縄おばぁの健康レシピと長寿の知恵袋』平良一彦監修、(株)エクスナレッジ発行