ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

ミミガーウサチ(和え物)

2018年07月18日 | 飲食:食べ物(料理)

 コラーゲン

 なかなか治らない腰痛を、日常の食べ物で何とかならないかと薬草の勉強をし、あれこれ薬草を摂取するようにしているが、野菜だけでなく肉類にも薬になるものがあろうと7月に入ってからチムシンジという沖縄に昔から伝わる煎じ薬を摂ったりもしている。チムは肝の沖縄語読みで豚レバーのこと、シンジは「煎じ」の沖縄語読み。
 チムシンジが腰痛に効くとはどの参考文献にも無かったが、とにかく元気にはなる。それはそれで十分。腰以外の他の部分が元気であれば腰にも良い影響を与えるはず。
 元気はそれで良いとして、腰痛に効く肉類はと考えたらコラーゲンという単語が先ず頭に浮かんだ。コラーゲン、鶏の手羽やら、豚足やらを煮込んでいたらトロトロするが、そのトロトロの元になるもの、その汁が冷えたら固まるもの、ゼラチンの原料。
 コラーゲンを『現代用語の基礎知識』で引いたら「鶏肉の皮付き手羽」などに含まれ、「皮膚や骨、目などの老化を防止する」とあった。骨の老化防止なら腰痛にも良かろう。腰痛となってから老眼も酷くなっているので、「目の老化防止」にも惹かれる。

 肉を食うならコラーゲンの多い部位をということで、鶏手羽、テビチ(豚足)、牛筋肉を好んで食べるようにしている。そして、沖縄料理には他にも良いのがあった。
 ミミガー、漢字で書くと耳皮であるが、人間の耳皮を指しているのではなく、沖縄料理で使う豚の耳たぶのことを言う。ミミガーというと、私の頭には豚の耳たぶそのものではなく、豚の耳たぶを使った料理が思い浮ぶ。ミミガーウサチが何よりも先に浮かぶ。ウサチとは和え物を意味する沖縄語。大雑把にいうとミミガーを茹でて、ポン酢や酢味噌などで和えたもの。ご飯のおかずというよりは、酒の肴に合う。
 「ポン酢や酢味噌などで和え」と書いたが、私が若い頃まではポン酢や酢味噌などで和えたものはほとんど食べたことが無い。母が作るミミガーも、居酒屋や沖縄料理屋のミミガーも概ねピーナッツバター和えだった。ピーナッツの匂いがした。

 念の為確認すると、『沖縄大百科事典』にはミミガーウサチでは無くミミガーサシミとして載っている。「琉球料理の一つ・・・茹でた耳皮をせん切りにし、キュウリやモヤシなどと三杯酢あるいはピーナッツ酢で和える」とのこと。
 『沖縄おばぁの健康レシピと長寿の知恵袋』には「ミミガーのウサチ」があり、ゴーヤーとピーナッツ酢で和えている。ピーナッツ酢は、ピーナッツバターだけでなく白味噌、砂糖、酢などが入っている。私が子供の頃から食べていたのもそれだったと思う。
 『沖縄大百科事典』に「法事料理」に出されるとあって、そういえば「子供の頃から食べていた」のも法事の時のものだったかもしれない。日常的な料理ではなかったかもしれない。「今日の夕食はミミガーよ」と母が言い、「わーい」と喜んだ記憶は無い。
     

 記:2018.7.17 ガジ丸 →沖縄の飲食目次

 参考文献
 『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行 
 『沖縄おばぁの健康レシピと長寿の知恵袋』平良一彦監修、(株)エクスナレッジ発行