「太陽は動かない」吉田修一 幻冬舎 2012年(初出ポンツーン2011年5月号~2012年1月号)
情報の売買を手掛けるAN通信社、主人公は影が見え隠れする廣野、部下はアブナイ田岡。 天津での日韓戦爆破計画、新エネルギー、新技術。ウイグルの反政府組織、中国と、中国国内で政府の干渉を嫌う会社、日本の政治家、研究者… 廣野と田岡は…
ふむ。服部真澄+新藤冬樹って感じ。国際謀略ものは昔結構読んで、そしてかなり堪能した。しかしその後あまりその手のものを(傑作が見当たらないからか?好まなくなったからか?)読まなくなっていた。そんな中久しぶりに読んだので点はやや甘め。
どんでん返しはあちこちにあるし、全体として記憶にある吉田修一ワールドとは全く違う。別人が書いたようだった。前半は割とじっくり読んだのだが、後半は斜め読みになってしまった。どこか人物造形とストーリーがステロタイプなものに感じてしまったから。(エネルギーがネタになるとやっぱりそっちへ行くよな…)
読後別の何を読みたくなったか。ジョン・ル・カレの「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」が映画化されたそうだ。「裏切りのサーカス」というタイトルで。なにしろスマリーはゲイリー・オールドマンが演じてるそうだ。英国諜報部の話。原作はだいぶ前に読んだ。「太陽は動かない」にはない世界がそこにあったように思う。ので「ティンカー」を積読山脈に出してきて、手前に置いた。
相変わらず役に立たないレビューですまん。
では、また。
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