頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

再読『猿丸幻視行』井沢元彦

2015-01-30 | books
連城三紀彦の「女王」を読んでいたら、ネタが邪馬台国や卑弥呼だった。読んでる途中でどういうわけか再読したくなったのが「猿丸幻視行」 昔よりは日本史の知識が増えただろうから、初読のときよりも楽しめると思ったのだろう。

香坂明、大学院生。民俗学で有名な折口信夫について論文を発表している。製薬会社からアプローチがあった。過去へと旅することができる薬の被験者になってくれと言うのだ。過去を幻視できるとなれば、もちろん同化したいのは折口。彼になって過去を見てきたい。そして折口になって解く謎は、猿丸太夫。彼は何者なのか、いろは歌に秘めた謎とは……

うーむ。面白すぎる。

江戸川乱歩賞を受賞していても、その時に読んでそれほど面白くなかったり、あるいは10年後には誰も読んでないような作品は最近多いと思う。

この作品や高橋克彦の「写楽殺人事件」のように20年経っても面白い受賞作は、昔に多かったように感じる。

昔は良かった、と口にすると、その分歳をとったような気もしなくはないけれど。

新装版 猿丸幻視行 (講談社文庫)写楽殺人事件 (講談社文庫)

今日の一曲

猿丸。ということで、お猿さんがたくさん出てくる、Bruno Marsで"The Lazy Song"



では、また。
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