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『ブルックリンの少女』ギョーム・ミュッソ

2018-09-28 | books
フランス人作家のラファエルは子供が生まれたものの、妻は逃げるようにしていなくなり、一人で赤ちゃんを育てている。そんな彼にも運命の人はが現れた。研修医のアンナだ。結婚式を三週間後に控え、休暇を二人で過ごしていると、彼は彼女が過去を隠そうとしていることが気になり、全てを話すよう言う。アンナは断るが、どうしてもと言われ、一枚の写真を見せ、「これがわたしのやったそと」と言った。ラファエルは衝撃を受け、そしてアンナはその場から居なくなった。アンナを探すが見つからない。隣人の元警部のマルクの助けを借りる。すると、意外過ぎる過去が分かってきた・・・

飛行機の中で読んだ。読後、虚脱状態に陥って前面のモニターをぼんやりと見つめてしまった。

凄い。凄すぎる。今年のベスト1どころか近年のベストと言ってもいいかもしれない。

ラファエルとマルクの捜査はどんどんと過去に遡り、ちょっと信じられないようなアンナの過去が明らかになる。そして明らかになったかと思ったら、さらに深い底がある。訳者あとがきにあるように、謎のマトリョーシカ状態だ。

登場人物は多く、二人それぞれの捜査は国境を越えたりもする。にもかかわらず、一気読み。文章が読みやすいのだ。こんなに複雑な話をこんなにシンプルに描くなんて。機内で一気に5時間ぐらいで読んでしまった。途中でやめて映画を観たかったのに、やめられなかった。

「ミレニアム」のような、面白すぎる小説に翻弄されたい方に激しくオススメ。


ブルックリンの少女 (集英社文庫)
ギョーム・ミュッソ
集英社



今日の一曲

レキシで「SEGODON」



では、また。
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