「現代霊性論」内田樹・釈徹宗 講談社 2010年
神戸女学院大学で行われた二人の対談形式の講義が本になった。内田さんの本はずいぶん読んだが釈さんの本は初めて。釈さんと言っても釈由美子じゃないけど。そう言えば釈お酌というおもちゃはどこに行ったのだろうか?東急ハンズでまだ売ってる?
なんてことは置いておいて、宗教について知らなかったこと、なんとなくしか分かっていなかったこと、知りたかったことがこれでもかと出て来る出て来る。宣伝としては、怪しい宗教に騙されないようにこれを読もう的なアプローチをとっているように感じられる。でもそれはごく一部にすぎないというか、特に何の期待もせずに読むと色々と収穫がある、広い範囲を扱った本だと思う。釈さんの関西弁は私にはとても心地が良かった。以下【】内は私の独白。
・ 人間に特に発達している白目。ない方が敵に目の動きを読まれない。猿とか他の動物は黒目しかない。にも関わらずどうして人間に発達しているかというと、相手に自分を読んでもらうというコミュニケーションツールとして、【って話が面白い】
・ 我々が全て自己決定できないし、自己責任なんてとれないのに、自己自己しすぎ。自己と他者を区別しすぎ【自己他者の区別は非常に宗教的な話題。今度どっかで友人と語ってみよう。いやお前に友人なんていないではないか】
・ 世の中は本質的にワケワカランことばかり。自分が全て説明できるわけがない。自分が説明できないでもリアルなモノがあるとしてそれを尊重して欲しいのなら、他人が説明できない、でもリアルなモノを尊重せねばならない【確かに!】
・ インドの北の方にはドロボウのカーストがある。生まれながらにしてドロボウになる運命にある【ふむ。すると私はダメ人間のカースト生まれなのか?】
・ 現代人は毎日がハレである。そりゃおかしくなるだろう?【プラスの異常日がハレでマイナスの異常日がケガレ、それ以外の日常がケであると私は解釈している。葬式がケガレなのかはむつかしいが。現代の毎日=フェスティバル&カーニバルのような生活をしていてケへ戻ることが極端にまで少ないとすれば、それが様々な問題の原因なのかも知れない。これについてはもうちょっと考えてみよう】
と特に感じ入った事を書いてみた。日本の新宗教の歴史について結構詳しく説明してくれている。出口王仁三郎なんて知らないよって人は読んでみればとても面白いんじゃないかな。
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本日購入いたしました。
欲しい本があったためしのない近くの書店に
珍しくありました、欲しい本。
井上雄彦さんの装幀にも惹かれましたが、
ふる様のレビューでさらに後押しされました。
ありがとうございます
お元気でしたか?
最近我が近所の書店の品揃えが妙に良くなっています。
しかしたいてい買うならAmazonなので・・・
井上雄彦さんの絵いいですよね。
宗教の本読んでると変な目で見られたりしますけど
「この絵井上雄彦なんだよ」と言えば「そうなんだ!」
という好意的なリアクションが返ってきます。たぶん。