頭の中は魑魅魍魎

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『傷だらけのカミーユ』ピエール・ルメートル

2016-11-16 | books
「悲しみのイレーヌ」「その女、アレックス」(原作はこの順番で出版されたけれど、翻訳は逆だった)で、衝撃を与えてくれたカミーユ警部シリーズ第三作(三部作の完結編!もう読めないのか!)

妻を亡くしたカミーユ警部に新しく恋人アンヌができた。しかしアンヌは宝石強奪犯の顔を見てしまったがゆえに、襲撃されてしまう。重症のアンヌのすがたを見ると、犯人を是が非でも捕まえたくなるカミーユ。しかし親しい者が関わっている事件を担当するのは警察では御法度。彼女との関係をかくして隠して捜査にあたる。かなり強引な捜査を進めるが、なかなか犯人を捕まえられない。それどころか、顔を見られたからか、アンヌを殺そうとしていた・・・

ううむ。ううむ。

第三部になってやっとある登場人物が誰だか分かる。驚いた。そしてそいつの動機が分かるとすべてがストンと落ちる。そういうことだったかー。(ミステリーを読む意味というのは、このカタルシスにあるように思うがいかが)

さすがとしかいいようのない衝撃のフレンチ・ミステリーだった。未読の人はぜひ「悲しみのイレーヌ」から読まれたし。普段ミステリーは読まない人でも、普段翻訳ものは読まない人にオススメ。読みやすい。

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)

今日の一曲

現代は"Sacrifices" Elton Johnで"Sacrifice"



不倫の歌だと思っていたのだけれど、"Into the boundary of each married man"という歌詞があって、もしかして既婚の男性二人の恋のことかとも思ったけれど、よくワカランかった。では、また。
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