アメリカ中西部、アジア系移民が多く住む町。クリント・イーストウッド演じるウォルト・コワルスキーの長く連れ添った妻の葬式から始まる。子供や孫たちは、口が悪くすぐ怒る彼をよく思っていない。最愛の妻を失い、家族からは疎んじられ、何のために生きているか分からない彼。隣に住むモン族(中国やミャンマー出身の部族で迫害された歴史がある)の家族。男の子タオは根性がなくやる気がなく姉ちゃんにも頭が上がらない。ギャングの従兄弟は彼を誘おうとする。あろうことか、イーストウッドが愛情を注ぐフォード72年製のグラン・トリノを彼らは盗もうとするのだ。従兄弟たちが外で見張る中、ガレージで車を盗もうとしていたところを、タオはウォルトに見つかり、もう少しで射殺されそうになる。
家族に馬鹿にされ、車も仕事も彼女も持たないタオ。ウォルトは関わろうとしなかったのに、どういう訳か関わりを持ってゆく。氷のように冷たかったウォルトがタオと触れ合う内に見つけた自分の人生の締めくくり方とは・・・
いやいやいや。こんなラストとは。泣けた。コピーに「俺は迷っていた、人生の締めくくり方を。少年は知らなかった。人生の始め方を」とある。特に意識していなかったこのコピーが観た後にじわじわと来る。DVDについている特典映像では、車を愛する男たちが描かれ、車がある種のフェティシズムの対象になっているとさんざ語られる。しかしそれがメインテーマだとは私は受け取らなかった。
ウォルトが溺愛する対象はシカゴ・カブスでもグリーンベイ・パッカーズでもハーレーでも68年のギブソン・レスポールでもよいような気がする。グラン・トリノ=ウォルトの分身であるように表現されていたことと、祖父は嫌いだけど死んだらあたしに遺産として残して欲しいと思う孫娘がいるので、それはこんな風なモノ=車だったら一番しっくりくるのかも知れないけど。
それよりも、タオとウォルト、そしてモン族のチンピラたち。あれがああなってこうなるなんて、現実の世界でも充分に起き得ることなのに。でももし自分がタオだったら気が狂うだろう。
クリント・イーストウッドがカッコいい。オフィシャルサイトからダウンロードしてPCの壁紙にしてしまった(それまではレディ・ジェーン・グレイの処刑の絵が壁紙だったので、これでもまともになったのだ。)声はかすれ手も顔も皺だらけなのに、古き良き男たちが持っていた、そして近頃の爺さんの多くが失ってしまった何かを持っている。私はそれをずっと探しているのに、それが何だかいまだに分からない。もちろん見つかってもいない。
人生の締めくくり方も分からず、まだ人生も始めていない。そんな私はあと何本映画を観る事が出来るのだろうか。
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リンクは気まぐれにいつ外すか分からずなのであしからず。
Twitterはやってるというよりはやってる時もあると
いう感じです。よく「やってる?」と訊かれるけど。
「グラン・トリノ」の記憶がだんだん薄れてきたので
PC壁紙はそろそろ換えようかと思っています。
入り切らないので裏リンクにふるたんの入れてますのでー(念のため報告★)
わたしのリンク残しておいてくれて
嬉しいナ。
グラントリノ、観たのね~
去年のベスト10に入れました★
ふるたんも泣いたのね、わたしも2度観て2度泣けちゃった。
そうそう、昔の記事でツイッターやってるとか書いてた記憶が。まだやってるのかな?
わたしも最近本格的?にはじめたのでもしまだやってたらあそびに来てネ~