頭の中は魑魅魍魎

いつの間にやらブックレビューばかり

『渇きと偽り』ジェイン・ハーパー

2017-09-19 | books
オーストラリア・ミステリー。少女を殺したのではないかと疑われながらも、父親と街を出てメルボルンで警官になった主人公アーロン・フォーク。20年も経過してから故郷の街に帰ってきた。親友だったルーク・ハドラーが妻子をショットガンで射殺し、自殺したというのだ。そしてルークの父親からこの事件について調べるように命じられた。地元警官と一緒に捜査していると…20年前の事件の謎も…

早川のポケミスは長い。366頁もあって2段組だから、単行本2冊読んだような感じがする。長編は基本的に好きなのだけれど、長ければよいというものではなく、ポケミスは長いなー、なかなか読みおらないなーと思うことが多い。

本作も読むのに時間がかかった。ただ、冗長なわけじゃないし、アメリカの南部辺りが舞台の場合に頻発する情景描写みたいなものもそれほど多くないので、中身が詰まっている感じがした。

犯人は意外な人物であって、謎が解けるとスカッとする。その辺はミステリーとしてよくあるパターン。しかしそれよりも、オーストラリアの田舎の人たちの偏狭さが最大の読みどころだと思う。殺人の容疑者と思われた人物が20年ぶりに帰って来ると、どういう行動に出るか… うーむ。

渇きと偽り (ハヤカワ・ミステリ)

今日の一曲

KIRINJI feat RHYMESTERで、"The Great Journey"



では、また。
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