埼玉の愛犬家殺人事件をもとにした園子温監督作品
熱帯魚屋を経営する社本(吹越満)は後妻(神楽坂恵)と妻に懐かない娘と三人暮らし。ストレスばかりたまる。娘が万引きしたと連絡があったのでスーパーに向かうと、店員が厳しく娘を叱っていて警察に連絡すると言う。偶然そこにいた村田(でんでん)に助けてもらった。彼は大きな熱帯魚屋アマゾンゴールドを経営していて、ぐれた娘を店員として預かってくれると言う。とても良い話だし、良い人のようなのでそのまま流されるように村田と関わっていく。それは地獄への階段第一歩だった…
うーむ。見ている最中に「怖い」と「巧い」を交互につぶやいてしまった。
冒頭の10分ぐらいからいきなり巧い。この後どうなるんだろうかという期待。事件がまだ起こっていないにも関わらず画面から溢れる緊迫感。構図の切り方が独特。
特筆すべきはでんでんの演技。にこやかにしていたかと思ったら突然キレる。そのスイッチの切り替えがすごい。最近の尼崎の連続遺体発見事件でもマインド・コントロールがあったのではないかと報道されているけれど、村田のような人間はマインド・コントロールの達人なんだろうと思う。これが実話に近いのかと思うと、人間の底の方にあるギザギザを感じざるを得ない。(=自分のギザギザも)
スウィフトの「ガリヴァー旅行記」の赤ん坊の皮で帆を作るシーンについて、翻訳家の中野好夫氏は「われわれの面に腐った臓腑を投げつけられる思いがする」としている。それなら本作は、痛い痛いと言っているのに、われわれの腹から無理やり抜き取った臓腑を、われわれの面に投げつけられている思いがする。
では、また。
熱帯魚屋を経営する社本(吹越満)は後妻(神楽坂恵)と妻に懐かない娘と三人暮らし。ストレスばかりたまる。娘が万引きしたと連絡があったのでスーパーに向かうと、店員が厳しく娘を叱っていて警察に連絡すると言う。偶然そこにいた村田(でんでん)に助けてもらった。彼は大きな熱帯魚屋アマゾンゴールドを経営していて、ぐれた娘を店員として預かってくれると言う。とても良い話だし、良い人のようなのでそのまま流されるように村田と関わっていく。それは地獄への階段第一歩だった…
うーむ。見ている最中に「怖い」と「巧い」を交互につぶやいてしまった。
冒頭の10分ぐらいからいきなり巧い。この後どうなるんだろうかという期待。事件がまだ起こっていないにも関わらず画面から溢れる緊迫感。構図の切り方が独特。
特筆すべきはでんでんの演技。にこやかにしていたかと思ったら突然キレる。そのスイッチの切り替えがすごい。最近の尼崎の連続遺体発見事件でもマインド・コントロールがあったのではないかと報道されているけれど、村田のような人間はマインド・コントロールの達人なんだろうと思う。これが実話に近いのかと思うと、人間の底の方にあるギザギザを感じざるを得ない。(=自分のギザギザも)
スウィフトの「ガリヴァー旅行記」の赤ん坊の皮で帆を作るシーンについて、翻訳家の中野好夫氏は「われわれの面に腐った臓腑を投げつけられる思いがする」としている。それなら本作は、痛い痛いと言っているのに、われわれの腹から無理やり抜き取った臓腑を、われわれの面に投げつけられている思いがする。
では、また。
冷たい熱帯魚は、人はむごい事を平気でするよ。と。やられる側からやる側にもなり得るよ。と
「ヒミズ」は染谷くんがいいです
「ヒミズ」はまだ観てないです。
「冷たい熱帯魚」では、確かに被害者がいつでも加害者に、加害者がいつでも被害者になる得ることを見せてくれましたね。
人間は、生まれながらにAであっても、立場が変われば簡単にBにでもCにでもなってしまう浮草なわけです。