「破戒」島崎藤村 新潮社 1954年(原著は1906年)
明治時代、士農工商の外にあって差別されていたはとして解放されたはずだが差別は続いていた。北信州。教員丑松は学校教員。であったという過去を隠している。しかし、丑松が信奉する猪子蓮太郎という人の著作では、猪子は「我はなり」と自分の出自を明かしている。丑松の苦悩は…
うーむ。100年も前の小説なのに、意外と読みやすい。最初は読みにくいが慣れてしまう。
解放運動とか、マルクス主義的とか、近代的自我の葛藤とか、社会的正義とか、色んなことをこの作品について言う人がいるみたいだけれど、そういう堅苦しくて難しいことには私はあまり興味が持てなかった。
この時代をリアルに感じさせる筆致と、丑松の自省的な生き方、一度読んでも何が面白いかよく分からない感じ、それらが混じり合って何とも不思議な読後感だった。(あー面白かったというわけでもないし、つまらなかったとも言えない)
確か、村上春樹の「ノルウェイの森」の中で、永沢が「出てから30年以上経った本じゃないと読まない」というようなことを言っていたように記憶している。私の今年の目標(?)の一つは古典を読むということ。その第一弾がこれだった。だからと言って永沢の真似して無理しても仕方ないけど、
古典を読んでコテンコテンにならないように…
では、また。
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