中国旅行から帰って10日になろうとしているが、まだカラッとした秋空が見られずぐずついてすっきりしない日が続いている。今日も台風16号の接近とやらで雨模様の天気で、傍らのNHKテレビではずっと台風のニュースが報じられている。
リオ五輪に続くパラリンピックが閉幕した。306種目だった五輪より多い528種目で競技が繰り広げられ、日本は銀14、銀10の24個のメダルを獲得したが金メダルはゼロに終わった。メディアでは五輪に劣らずメダリストなど選手の活躍を大きく取り上げたが、私は終盤になって購読紙に載った国別メダル獲得数の記事に驚いた。というよりショックを受けた。その時点で金メダルゼロの日本に対し、1位の中国は92個、続いて英国、ウクライナなどが続いていた。今朝最終結果が出ていたが、金だけで言うと中国107個、英国64個、ウクライナ47個、米国は4位で40個となっていた。日本は64位・・ということは63ケ国が金メダルを獲得しているわけである。
とりわけ、私は中国と我が国の余りの違いにショックを受けた。日本の障碍者スポーツがこれほど世界の中で遅れていたのか・・・。あの中国は経済的には発展したものの障碍者等に対する福祉政策などはまだまだ低レベル、と思い込んでいたからだ。スポーツ王国のアメリカが4位というのも意外であるが、その謎が新聞で分かった。1位の中国や3位のウクライナは障碍者アスリートの強化育成に国を挙げて取り組んでいるのだそうだ。国威発揚のためとは言えるが、前回のロンドン大会の閉幕を伝える放送の中での、ゲスト解説者であるマラソン・メダリストの有森裕子さんの言葉が思い起こされる。「障碍者の競技や練習場所をもっと考えてほしい。ナショナルトレーニングセンターはオリンピックを目指す者だけでなく障碍者アスリートがもっと使えるようにして欲しい」と。今大会中でもパラリンピアが練習会場の確保に苦労させられているとの話も聞いている。
アベノミクスだの浮かれ騒いでいる方々には日本の福祉政策のお寒い実態にもっと目を開いて欲しいものだ。
この3日間名作映画や大相撲、能楽公演を楽しんだ。映画は毎月一度市の文化センターの企画で今月は樋口一葉原作の「たけくらべ」と「にごりえ」。大相撲は現役の弁護士である親友から例年9月場所に招きがあり、取り組みの方はそっちのけで飲食雑談に花が咲く。能楽は年一度の公演に知り合いから10人分ほどの招待を受け、親しい人たちに呼びかけている。難解で高尚な能の後は180度雰囲気の違う安居酒屋で一杯飲みながら気の置けない友人との歓談となった。