今回は前号の続きで、井の頭公園の時季の花を紹介する。
ツバキ(椿):これまで何回か登場したツバキだが、まだまだ健在、そしてやはり美しい。
本当に息の長い花である。
土の温もりとともに露地の草花が目覚め、次々と姿を現わして来た。
少なからずのものが”雑草”として余り目を引くことがなかったり、見過ごされたりしているのが残念である。
下のセリバヒエンソウ(芹葉飛燕草)は10年ほど前に井の頭公園に現れた時には、珍しい目で見られたが、現在では繁茂して”雑草”扱いである。そして名前を知っている人は少ない。
だが、はかない花の姿に比べて、存在感のある名前である。
セリバヒエンソウ(芹葉飛燕草) ハナニラ(花韭) タンポポ(蒲公英)
ハナニラ(花韭)は至るところで見られるが、非常に花の姿がシャープで美しい。
タンポポ(蒲公英)は今さら言葉を添える必要もないであろう。ただ日本在来種(カントウタンポポなど)より外来種(セイヨウタンポポ)が優勢になっていることは知られている通りである。
写真はカントウタンポポの方である。
下のヒメオドリコソウ(姫踊子草)もそこら中に繁茂している。よく見ると小さな花が愛らしく、何かほのぼのと春の到来を告げる趣がある。
右のアセビ(馬酔木)は一度登場しているが、3月から5月にかけて花の時期が長い。
ヒメオドリコソウ(姫踊子草) アセビ(馬酔木)
最後に珍しい花を。下の写真は何だと思うであろうか。
これはウワミズザクラ(上溝桜)。立派な桜の仲間なのである。
ブラシのような房状になっているが、よく見ると桜の形をした小さな花がびっしりと咲いている。花の一つ一つに長い雄しべがたくさん出ているので、ブラシのように見える。
全く変わった桜があるものである。
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