折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

主人公に亡き創業者を重ね合わせる~百田尚樹著「海賊と呼ばれた男」(上・下)

2013-05-25 | 読書
本屋大賞を受賞した百田尚樹著「海賊と呼ばれた男」(上・下)を息子と共に読んだ。

その感想を息子との会話風にしてまとめて見た。

   
「海賊と呼ばれた男」(上下)百田尚樹著(講談社)


― 読み終ってしまうのがもったいないと思えるほど、読み応えのある本だったね。

― そう言う本には、中々お目にかかれないもんだが、出会えた時の喜びは格別で、読書の醍醐味これに尽きる、といった感じだよね。

― オレが火付け役になって、今、オレんとこの部署ではちょっとした「海賊」ブームなんだ。

― 上下2巻742ページのボリュームだけど、読み始めたらノン・ストップだね。

― ノン・フィクションと言うのが凄いし、説得力もあるよね。

― 読んでいて、唸らせられる所が何回も出てくる。

― 作家の「才能」には、つくずく敬服するよね。

― 明治、大正、昭和という激動の時代にあって、一貫して権力、権威にあがらい、立ち向かっていった主人公の「生きざま」は、すさましいね。

― そういえば、おやじさんのところの会社の創業者も「立志伝中」の人だったと聞いたけど。

― そうなんだ、読んでいてこの本の主人公と会社の創業者とがオーバーラップするような場面が何回もあったよ。

― たとえばどんなところ。

― この本の下巻の最後の方に会社を去っていく専務の武知甲太郎と店主の国岡との会話があるよね、

鐡造は椅子から立ち上がると、武知に近寄り、その手を握った。

「武知よ―」鐡造は言った。「お前ほどの男はいなかった」
武知は全身が喜びで震えた。
「店主、私は今、最高の餞別をいただきました」
武知は鐡造の手を握り返しながら、自分は世界一の幸せ者だと思った。(海賊とよばれた男(下)336ページ~337ページ)

オレが勤めた会社の創業者も全く同じで、従業員は創業者に「よくやった」と声をかけてもらい、「ほめられる」のを生きがいにして仕事に励んでいたものだよ。「あの社長のためなら火の中、水の中も辞さず」という野武士のような、猛者たちがいっぱいいた。だから、当社は業界の中で抜きんでた会社になれた。

― おやじさんもそう言う経験をしたことあるの。

― いっぱいあったよ、お仕えしたのは昭和41年から56年までの15年間だったが、この15年は自分にとっては何ものにも代えがたい貴重な財産であり、誇りであると自負している。あの15年間は、会社員生活の中で燦然と輝いていた15年と言えるかもね。

― おやじさんは、素晴らしーリーダーに巡り合えてよかったね。

― この本を読むと、リーダーとは何か、リーダー像として見習うべき点が多々あると思うよ。

― それと人間の「出会い」の大切さ、素晴らしさを思い知らされるね。

― この小説を読む上で、この「出会い」と言う言葉は、一つの「キーワード」だと思うよ。

― 作者の百田尚樹さんがコメントで次のように言っているよね。

私は「この男を書きたい!」と心から思いました。いや――書かねばならない!この素晴らしい男を一人でも多くの日本人に知ってもらいたい!それが作家としての使命だ。
気が付けば、取り憑かれたようにワープロに向かっていました。小説家になって六年、執筆しながらこれほどの充実感を覚えたことはありません。
この作品は「小説」という形を取っていますが、登場人物はすべて実在しました。そしてここに描かれた出来事は本当にあったことです。この奇跡のような英雄たちの物語が、一人でも多くの日本人に届くことを心から願っています、と。

このコメントのように、老若男女を問わず多くの人に読んでほしいが、経営者の人たちにもぜひ読んでほしい本だね。

― 今年これまで読んだ本の中で間違いなくベストワンの本だね。

― 勇気、元気、やる気の「三気」をもらえる本だね。



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2 コメント

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Unknown (とも)
2013-05-28 22:35:38
ご推薦の「下町ロケット」も読みました。
読後のスッキリ感が何とも言えないですね。
勧めてくれてありがとう。
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ついでに (fit-723)
2013-05-28 22:53:57
ともさん

ついでに同じ作者の「空飛ぶタイヤ」も読んで見て。
これも結構面白いよ。
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