年1回、毎年開催される大学時代のサークル(剣道)仲間たちとのゴルフコンペ・懇親会、今年は台風15号直撃下の9月21日、山梨県にある小淵沢カントリークラブで行われた。
幹事から前日メールで、「台風が接近しているが、取りあえず当日は現地に集合のこと」との連絡が入っていたので、現地に赴くと、すでに全員が顔を揃えていて、『台風直撃下でゴルフやったなど、後々の語り草になるじゃん』など、みなやる気十分で、たたきつける雨と強風をものともせずにスタートして行ったのだが、結局は6ホールを終了した時点でギブアップ、17年続いてきたコンペも18年目にして『ノーゲーム』となった。
懇親会で近況を報告するメンバー。
そして、夕方から開催された懇親会。
「コンペ」より「コンパ」だよとか、「ゴルフもさることながら、何と言っても、この懇親会がこの会のメインなんだから」など、懇親会が始まるやいなやそんな声があちこちであがる。
いつもなら、昼間のゴルフの成績をネタにそれぞれが近況報告をするのが常だが、今回は『ノーゲーム』のためゴルフの話題より、むしろ東日本大震災を中心とする日常の話題が話の中心。
そんな中で印象的だった、親友のHくんの東日本大震災にまつわる話を紹介したい。
彼によれば、東日本大震災が起こった3月11日、彼のメール・コーナーには世界各国から、『大丈夫か』と心配するお見舞いのメールが何十通も寄せられ、そのメールの一通一通が暖かく心のこもったものであったとのこと。(彼は、仕事や個人的な関係で沢山の外国の人々とつながりを持っている。)
そして、そのメールの一つに2年前に予約もなく、たった一人でゴルフの聖地スコットランドの名門セントアンドリュースオールドコースを訪ね、この地を訪ねた目的を『意を尽くして』説明し、ぜひプレーさせて欲しいとお願いしたところ、2万キロ彼方からはるばるとゴルフバックを担いでたった一人でやって来たHくんのゴルフへのひたむきな思いをわかってくれ、オールドコースでプレーするにふさわしいと認め、一人の「紳士」として遇してプレーさせてくれた「セントアンドリュース・リンクス・トラスト」(この経緯については、2009・7・22、2009・8・1のブログに掲載)からのメールがあったとのこと。
翌3月12日、Hくんは終日かけて、セントアンドリュース・リンクス・トラストを始めとする送られて来たメールの一通一通に感謝の思いを込めて返信を書いたとのことである。
すると、間をおかずセントアンドリュース・リンクス・トラストからさらなるメールが届いたとのこと。
その内容は、『今回の大災害に際し、1万ポンドの義援金を贈りたい』との申し出であったとのことである。
(この義援金は、当初、市を通して被災地の市町に贈られる予定であったが、現に英国から海外への送金が国際テロ等防止法に基づいて厳しく制限されていること等から実現に至らず、結局、英国赤十字社から日本赤十字社に送金されることになったという。)
Hくんは、メールへの対応が早かったからに違いないと言っていたが、それも、そうかもしれないが、2年も前、たった一度プレーしただけの日本人を憶えていてくれて、わざわざお見舞いのメールを送ってくれ、さらに義援金の申し出までしてくれたセントアンドリュースの行為は、かけがえのない貴重なものであり、一同大いに感動した次第である。
また、この話を聞いてセントアンドリュースもすごいが、セントアンドリュースをしてそこまでさせたHくんもすごいと一同、Hくんへの称賛の声を惜しまなかった。
同時に、人間関係とはどうあるべきなのか、真の人間関係は互いの人格を敬い、信頼し合うことがベースとして最も大切なことなんだということを改めて認識し合った次第である。