テレビの追悼番組などで、錚々たる女性の演歌歌手たちが歌うひばりの歌をこれまで何度となく聴いたが、小生の知る限りでは、ひばりのあの自在の歌いぷりに迫るような歌手は一人もいない。
彼女は、さりげなく、いとも簡単そうに歌っているけど、他の歌手が歌うと『ひばりの歌って、こんなにもむずかしかったの』とその都度、改めてひばりのすごさを思い知らされたものである。
当世、他人が歌った曲を歌う『カバー』曲がブームであるが、裏声を巧みに駆使した超高音、ドスのきいた超低音、このとてつもなくワイドレンジな音域を持ったひばりの歌をカバーしようとする歌手が現れないのは、歌手たちにとってひばりの歌を歌うことが、いかにリスキーであるか自身が良く知っているからに違いないと思っていた。
ましてや、ひばりの歌を男性歌手がカバーするのはありえない、そんな愚をおかす歌手はいるはずがないと思っていた矢先、岡林信康がリリースした「レクイエム」~わが心の美空ひばりが評判になっていると聞いて、早速購入し、原曲と聴き比べして見た。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1b/bb/6bed54702c8a012e5d318c31c1a77224.jpg)
岡林さんとひばりさんが長い付き合いがあったこと、そして彼がひばりさんを『姉御』のような存在に思っていたことをCDに添付されている解説書で初めて知った。
そして、このアルバムで岡林は尊敬する『姉御』ひばりの歌に岡林流の斬新なアレンジを施して、その思いを表現しようとしているのだが、その歌を聴いた限りでは、高音域の艶と伸び、低音域の深みが少々不足していて、『声が出てないな』と言う印象であった。
ひばりの歌の最大の特徴である超高域から超低域に駆け下りたり、駆け登ったりするワイドレンジの音域の壁を乗り越えるのは容易でなかったことを示す結果となったのかな、と思った次第である。
逆に言えば、それだけひばりの凄さが際立つ結果となったと言えるのではないかと感じた次第である。
最後にメインタイトルとなっている『レクイエム~麦畑のひばり』について一言。
前述の解説書によると35年前、ひばりさんから岡林へ送られた1通の手紙に一編の詩が添えられていて、この詩にメロディーをつけて歌にしてほしいと記されていたが、当時、岡林はこれを歌にすることができなかったという、いわく因縁のある曲であるらしい。
従って、この曲が出来上がるまでには、実に35年という時を要したのだが、きっと、それには、それなりの理由があったに違いない。
そして、それだけの思いのこもった曲だけに、岡林の情感あふれる歌唱には心を打たれる。
まさに、美空ひばりへの思いのこもったレクイエム(鎮魂歌)である。
そして、この曲をひばり本人ならどう歌うか、彼女自身の歌声で聴いてみたかったと考えるのは小生だけではないに違いないと思った。
彼女は、さりげなく、いとも簡単そうに歌っているけど、他の歌手が歌うと『ひばりの歌って、こんなにもむずかしかったの』とその都度、改めてひばりのすごさを思い知らされたものである。
当世、他人が歌った曲を歌う『カバー』曲がブームであるが、裏声を巧みに駆使した超高音、ドスのきいた超低音、このとてつもなくワイドレンジな音域を持ったひばりの歌をカバーしようとする歌手が現れないのは、歌手たちにとってひばりの歌を歌うことが、いかにリスキーであるか自身が良く知っているからに違いないと思っていた。
ましてや、ひばりの歌を男性歌手がカバーするのはありえない、そんな愚をおかす歌手はいるはずがないと思っていた矢先、岡林信康がリリースした「レクイエム」~わが心の美空ひばりが評判になっていると聞いて、早速購入し、原曲と聴き比べして見た。
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岡林さんとひばりさんが長い付き合いがあったこと、そして彼がひばりさんを『姉御』のような存在に思っていたことをCDに添付されている解説書で初めて知った。
そして、このアルバムで岡林は尊敬する『姉御』ひばりの歌に岡林流の斬新なアレンジを施して、その思いを表現しようとしているのだが、その歌を聴いた限りでは、高音域の艶と伸び、低音域の深みが少々不足していて、『声が出てないな』と言う印象であった。
ひばりの歌の最大の特徴である超高域から超低域に駆け下りたり、駆け登ったりするワイドレンジの音域の壁を乗り越えるのは容易でなかったことを示す結果となったのかな、と思った次第である。
逆に言えば、それだけひばりの凄さが際立つ結果となったと言えるのではないかと感じた次第である。
最後にメインタイトルとなっている『レクイエム~麦畑のひばり』について一言。
前述の解説書によると35年前、ひばりさんから岡林へ送られた1通の手紙に一編の詩が添えられていて、この詩にメロディーをつけて歌にしてほしいと記されていたが、当時、岡林はこれを歌にすることができなかったという、いわく因縁のある曲であるらしい。
従って、この曲が出来上がるまでには、実に35年という時を要したのだが、きっと、それには、それなりの理由があったに違いない。
そして、それだけの思いのこもった曲だけに、岡林の情感あふれる歌唱には心を打たれる。
まさに、美空ひばりへの思いのこもったレクイエム(鎮魂歌)である。
そして、この曲をひばり本人ならどう歌うか、彼女自身の歌声で聴いてみたかったと考えるのは小生だけではないに違いないと思った。