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手をかざして富士山に見入る老母。肉眼では見えるのだが小生の古いデジカメではうまく捉えきれていない。
まじまじと 富士に見入りし 老母かな
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/2a/535fa19aaf1bc9c1a43848e3481b5f38.jpg)
同じ場所からズームでかすかに捉えた富士山。人間の目の素晴らしさを再認識。
朝は冷え込みが厳しかったが、日中は風もなく穏やかな日和。
思い立って、施設の老母を訪ねた。約20日ぶりである。
行く途中のバスの車窓から富士山が大きく見えたので、施設に着くとすぐに老母を車椅子に乗せて富士山がよく見える堤防に連れて行く。
「お前が来てくれると、いつも外に連れて行ってくれるから嬉しいよ」
と老母。
堤防からは、真正面に富士の姿が見える。
日差しを遮るため額に小手をかざして、ただじっとその優美な姿に見入る老母。
そして、
「この前富士を見たのは、いつだったかね」
と老母。
昨年、大腿骨を骨折、以来、入院、手術、リハビリとケガとの闘に明け暮れた老母の生活、この間、富士のお山をじっくりと眺めることなど、およそ考えられなかったに違いない。
暖かい午後の一時、しみじみ富士山に見入る老母を見て、そんな感慨を催した次第である。