折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL320~富士を拝む

2013-11-30 | 写真&俳句

手をかざして富士山に見入る老母。肉眼では見えるのだが小生の古いデジカメではうまく捉えきれていない。



まじまじと     富士に見入りし     老母かな



同じ場所からズームでかすかに捉えた富士山。人間の目の素晴らしさを再認識。



朝は冷え込みが厳しかったが、日中は風もなく穏やかな日和。

思い立って、施設の老母を訪ねた。約20日ぶりである。

行く途中のバスの車窓から富士山が大きく見えたので、施設に着くとすぐに老母を車椅子に乗せて富士山がよく見える堤防に連れて行く。

「お前が来てくれると、いつも外に連れて行ってくれるから嬉しいよ」

と老母。

堤防からは、真正面に富士の姿が見える。

日差しを遮るため額に小手をかざして、ただじっとその優美な姿に見入る老母。

そして、

「この前富士を見たのは、いつだったかね」

と老母。

昨年、大腿骨を骨折、以来、入院、手術、リハビリとケガとの闘に明け暮れた老母の生活、この間、富士のお山をじっくりと眺めることなど、およそ考えられなかったに違いない。

暖かい午後の一時、しみじみ富士山に見入る老母を見て、そんな感慨を催した次第である。



写真&俳句VOL319~追っかけ

2013-11-29 | 写真&俳句
車椅子の人が動くと、沢山のハトが一斉にその後について移動する。



日だまりや     餌付する人     慕うハト



朝の散歩の帰り道でのこと。

公園の近くの日だまりで、車椅子に乗った人がハトに餌をやっていた。

様子からして、何時もこの場所でエサを与えているらしく、沢山のハトが車いすを取り囲んで一生懸命エサを食んでいた。

そして、エサやりが終わって車椅子を動かすと、「もっと欲しい」と言わんばかりにチョコチョコと一斉にその後をついて行くハトの群れ。

餌付は好ましいことではないが、車椅子を追っかけるハトの姿が何とも微笑ましく見えた次第である。

写真&俳句VOL318~落葉の効能

2013-11-28 | 写真&俳句
作業その1 大きなチリトリで落葉を集めて山にする。



土いじり     落葉集めに     出張(でば)る人


朝晩めっきりと冷え込み、万物みな冬への備えに暇(いとま)がない。

赤く、黄色く色づき、目を楽しませてくれていた木々も葉を落とすペースが早くなっている。

それに比例して、地上では落葉の量が格段に増えている。

そして、散歩しているとあちこちで落葉を集めている人を見かける。

この時期、落葉集めは大変な作業である。

中には、同じ落葉集めでも堆肥にするために集めている人が結構いるようだ。

その人たちにとって、土を滋味にする上で落葉を腐食させて作る堆肥は、なくてはならないものらしい。


作業その2 山になった落葉を袋の中に掻き込む。



作業その3 満杯になった袋の口を閉じる。



黒目川沿いにある某大学では、キャンパス内に大量に降り積もった枯葉を、

「自由に持ち帰って下さい」

という掲示を出している。

それを目当てに、清掃道具一式を車に積み込んで落葉を集めに来る者もいるとか。

この日は、堆肥にしようと落葉集めをしているお年寄りを見かけて、許可をもらってその作業を写真に撮らせてもらった次第である。


写真&俳句VOL317~落葉&新芽

2013-11-27 | 写真&俳句
強風ですっかり葉を落とした木々と畑の新芽の上に降り積もった落葉。



風すさび     新芽に積る     落葉かな



昨日の強風の影響の続きである。

黒目川遊歩道を歩いていて、先日も当ブログで取り上げた(11月23日「新芽萌ゆ」)菜の花の種が芽吹いた例の畑に差し掛かった。

すると、その新芽の上に前夜の強風で散り落ちた落葉がびっしりと積もって、その落葉の赤の間からちょこっと顔を出している新芽の緑との色合いが、朝日の受けて印象的であった。

そして、この落葉が朽ちて土に還り、新芽を育てる貴重な養分となるのだろう、自然界の摂理たるや凄いものだ、など取り留めのない思いにしばし浸った次第である。



写真&俳句VOL316~落葉の絨毯(じゅうたん)

2013-11-26 | 写真&俳句
昨夜の強風で一挙に降り積もり、赤い絨毯を思わせる落葉。



猛(たけ)き風     落葉の絨毯(じゅうたん)     置き土産



昨日は、寒冷前線の通過に伴い各地で雨風ともに強く、大荒れの天気であった。

当地では、さほどの影響はなかったものの、強い風が一晩中吹いていた。

その影響をまともに受けた木々の葉が散り落ちて、降り積もり、あたかも落葉の絨毯と見まがう光景が、朝の散歩中あちこちで見受けられた。