折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL822~置いてけぼり

2015-08-31 | 写真&俳句
夏に置き去りにされ、冷たい雨に濡れたサルスベリは心なしか寂しげだ。(写真は、お隣のサルスベリ)



サルスベリ     置いてけぼりに     季節ゆく



夏の花の代表格の一つであるサルスベリ。

いつかこの花を主役に一句詠んで見たいと思っていたが、まさかこのような内容の句になろうとは、いささか想定外であった。

昨日の「天声人語」の一節に、

いつもの年なら名残の炎暑にあえぐ時なのに、ゆく夏の背中を見送るいとまもなく秋の長雨である。

と書いていたが、昨今の天候をズバリ言い得て妙である。

そして、残暑と共にもう少し存在感を示し続けようと思っていたに違いないサルスベリにとって、夏に置いてけぼりを食らってしまったのは、不本意な幕切れと言えるだろう。

何とも気の毒な気がする。


写真&俳句VOL821~稲穂とすずめ

2015-08-30 | 写真&俳句


穂を垂れし     稲穂に群れる     すずめかな


今年のお盆は、小生の母の新盆だったので、お盆期間中かみさんの実家にお参りに行けなかった。

そこで遅くなったが昨日出かけてきた。

かみさんの実家は、常磐道で約2時間。

高速道路からの眺めは、見渡す限り黄金色の稲穂の波であった。

かみさんの実家でも、家の周りは穂を垂れた稲穂に埋め尽くされていた。

その景色をカメラに収めようと庭に出ると、稲穂の間からすずめたちが一斉に空に舞い上がった。

こんなにたくさんすずめたちが潜んでいるとは想像もしていなかったので、飛び立つ瞬間を撮ることができなかった。

この瞬間、標題の句が思い浮かんだ。

あとは稲穂に群れるすずめたちのシーンを撮れるかどうかである。

ところが飛び去ったスズメたちは近くの木や電線に止まって様子をうかがっていて、中々田んぼに降りて来ない。

そこで、少し遠くなるが、家の中に入って狙うことにしたのだが、何分彼らの動きは早く、また距離も遠かったので思うよな絵にならなかったのは残念であった。

写真&俳句VOL820~澄み渡る「音」

2015-08-29 | 写真&俳句
秋、音楽の季節、聴き始めの1曲は、ピアノの音が清澄な「深町 純 ピアノワールド<中島みゆき作品集>」


澄み渡る     ピアノの音色(ねいろ)     秋を告げ


今年の夏は、想定を超える「猛暑」。

クラシック音楽がこよなく好きで、日常的にCDを聴いているが、さすがに猛暑の中、冷房をきかせた部屋では聴く気分になれず、この夏は我が家のオーディオ装置は開店休業状態であった。

この数日、一気に秋めいて、いよいよ音楽の季節到来と、久しぶりにオーディオ装置のスイッチを入れた。

「音に飢えていた」状況下、聴きたい曲は決まっていた。

ピアノの音が我が家のオーディオ装置と相性が極めて良い、

「深町 純 ピアノ・ワールド<中島みゆき作品集>」

である。

ピアノの音がスピーカから流れ出す。

その清澄な音に鳥肌が立つ。

コーヒーを飲みながら、部屋いっぱいに広がる美しいピアノの調べに酔いしれた次第である。

写真&俳句VOL819~暮れゆく夏

2015-08-28 | 写真&俳句
橋にライトが灯るとゆく夏の寂寥感がひしひしと感じられた。



もの哀し     暮れゆく夏の     川面かな



猛暑から一気に秋が進んだようなこの頃。

夕刻、暗くなる時間もグッと早まった。

散歩も、朝から夕方に切り替えてしばらく経つ。

この日、いつもの時間に散歩に出たのだが、曇りだったので思ったよりも暗くなるのが早かった。

急いで帰路につくと、黒目川に架かる橋の丸いアーチに電灯が灯っていた。

あそこに明かりが点くなんて始めた知った。

暗さを増した中で、辺りの風景も墨絵のようにぼやけ「アぁ、夏ももう終わるのだ」と実感した次第である。

写真&俳句VOL818~ひたすら慕う

2015-08-27 | 写真&俳句





ひたすらに     親鳥慕ふ     子ガモかな



当ブログではこれまで黒目川に生息するカモの親子たちのうち2組の様子を再三取り上げてきた。

件の親子は、子ガモが6羽と4羽と比較的数が多かったが、今では子カモは大きくなって「親離れ」した様子である。

今回新しく取り上げるのは、親と子ガモ1羽という最小単位の組み合わせである。

子ガモはまだ小さく、ひたすら親カモの後をくっついていく。

時々、親から離れるのだが、すぐに親のもとに大急ぎで帰って来る。

その様が何ともあどけなくて、見ていて思わず頬が緩んで来る。

絶好の観察対象であり、しばらく、この親子から目が離せない。