折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

ながらえた花の命

2013-04-30 | 日常生活
きれいに刈りそろえられた生垣だが、花が咲いている所だけは不揃いになってしまうが、切らずにそのままになっている


爽やかな日和に恵まれたこの日、我が家の近くの家で老夫婦、若夫婦の4人が生垣の剪定作業をしていた。

生垣は「ベニカナメモチ」である。

日に照らされて、赤い色が目に鮮やかである。

散歩に出かける小生は、「きれいになりますね」と一声かけて通り過ぎた。

それから1時間余、散歩を終えて先ほどの場所にさしかかると、もう作業は終わったようで、生垣はきれいに刈り揃えられていた。

そのまま通り過ぎようと思ったら、生垣の真ん中あたりに刈り残しがあるように見えて近づいて見た。

そこには、小さな可憐な花が咲いていた。

刈り残したのではなく、わざわざそこの所だけ残したようである。

花にひかれて写真に撮っていると、この家の老婦人が庭に出てきて、「今まで、一度も咲いたことがなかったのに、今年初めて花を付けたの。だから、切らずに残したんです」と話してくれた。

通常なら、剪定している時に、高さを一定にそろえるために切られてしまう公算が大きかった花の命は、心やさしい一家の思いやりで命をながらえたと言っていいだろう。

お話しを聞きながら、何ともほのぼのとした気分になった次第である。

今まで咲いたことがなく、今年初めて咲いたという「ベニカナメモチ」の花。


写真&俳句VOL199~緑の館

2013-04-29 | 写真&俳句
新緑がまぶしい季節、大木に囲まれて「緑の館」の観を呈する大きなお屋敷。


お屋敷を     緑に染めて    風さやか


このところ、爽やかな風と新芽の緑を対象にカメラを向けているが、今回は図書館に行く途中にあるある大きなお屋敷である。

当地は東京のベッドタウンということでマンションが至る所で建てられているが、そんな中、まだまだ写真のような古くからある大きな屋敷が所々で見られる。

広々とした敷地にゆったりとした佇まいを見せる古き、良き時代の建物は、新緑に包まれて「緑の館」のような観を呈している。

ここでは、吹き抜ける風も一際さわやかに感じられる。

大きなお屋敷を別の角度から。

写真&俳句VOL198~釣り師とそよ風

2013-04-28 | 写真&俳句


ウキにらむ     釣り師の顔に     風かおる


ゴールデンウイーク2日目。

今日も晴れ渡り、爽やかな風が吹きわたる絶好の行楽日和。

黒目川の河原には、遊びの場所取りとおぼしき人たちがちらほら。

先日、新河岸川や黒目川で遡上するアユが増えていると新聞が報じていたが、そのせいもあってか岸辺には釣り糸を垂れる人の姿も。

じっとウキをにらんでいる釣り人の頭上を爽やかな風が吹きわたっていく。

今の季節ならではの情景である。

写真&俳句VOL197~夢路

2013-04-27 | 写真&俳句


薫風や     はや愛犬は     夢の中


風薫る季節である。

我が家の愛犬のパールは外見はあまり変わらないが、足腰がめっきりと衰えを見せ始め、立ちあがるのも「よっこいしょ」といった具合で、散歩も家の周りをぐるっと回ってくるだけで「ハア、ハア」と息を弾ませる状況である。

しかし、食欲は旺盛で3時のおやつなど、こちらが忘れていると自分からリクエストするくらいで、食い気はまだまだ衰えていない。

この旺盛な食欲が「頼みの綱」であり「救い」である。

今朝もしっかりと朝食を食べ、いつものコースを歩いて来て少し疲れたのだろう、開け放した窓辺から吹き込んで来るやさしい風に誘われるように、お気に入りの「ラブちゃん」と一緒にまどろみの世界に。

そのリラックスした寝姿を見ると、なんとも愛しさがこみ上げてくる。

写真&俳句VOL196~天空からの眺め

2013-04-26 | 写真&俳句


飛行船     春の下界を     見下ろせリ


幼なじみたちと「時期外れ」のお花見に行った時のこと。

浅草浅草寺の参拝をすませて仲間たちと一息ついていると、まわりから「飛行船が」という声が上がった。

見上げると上空高く飛行船が春の下界を見下ろすように悠々と飛んでいた。

カメラを向け、飛行船を真ん中に右端に東京スカイツリーの先端が、左端に浅草浅草寺の大屋根の一部がぴったり納まった所でシャッターを切った次第である。