折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

94歳、衰え目立つ老母にエールを送る

2010-05-31 | 家族・母・兄弟
実家の西隣の家のおばあさんの葬式で20日遅れとなってしまった老母の誕生会の席上でのこと。

『おばあちゃん、とても元気そう』

『おばあちゃん、顔色いいわよ』

義姉、義妹から次々におばあちゃんに励ましの声がかかる。



94歳の誕生日を祝う


『しばらく会っていないと、見た目は元気そうに見えるだろうけど、このところ顕著な変化があるんだ』

と老母と共に暮らす長兄が最近の様子を話し始める。

『心身ともに健康と言うけど、おばあちゃんの場合、頭の方は相変わらず、しっかりしていて、ボケの心配は全くないんだけど、肉体的にはこの所、急激に弱って来ている。特に、足が弱って以前より歩けなくなって、その影響が体のあちこちに出てきている』

『最近は、唾液の出が悪くなって、食べ物を飲み込むのが大変なんだ』

と老母。

『うまく歩けなくなったせいで、唾液の出が悪くなって、食べ物を飲み込むのに時間がかかったり、手の指や足の指などの動きが思うようにいかなくて、ボタンをかけたり外したりするのに時間がかかったり、スリッパを履いたり脱いだりするのがうまくいかなくなったりと半年前はできたことが、段々できなくなりつつある』と長兄。

『こんなに急に足が弱るとは思っても見なかったよ』と老母。

『かかりつけの医者が、<足は第二の心臓>と言っていたけど、最近のおばあちゃんを見ているとそのことを実感するよ』と長兄。

そんな長兄の現状報告を聞きながら、足が弱ってちょっと気弱になりがちな老母に、

『定められた寿命に向かって今、坂道を下っているけど、ブレーキをかけないと一気にその坂道を転げ落ちてしまうよ。だから、しっかりブレーキをかけてゆっくりと坂道を下るようにしてね。そのブレーキとは「気力」だよ。気力がなくなったら、それこそあっという間だよ』

『そうだよ、とりあえず目標としては、来年95歳の誕生日をみんなに祝ってもらわなければ』

『それには、これから迎える暑い夏、寒い冬を何としても乗り切らなければ』

等々、みんなで老母にエールを送った次第である。

『浮気の虫』~新型スピーカに思い惑う

2010-05-28 | 音楽
操を立てる~かみさんに次ぐ長い付き合い

かみさんとは、今年で40年連れ添ったことになるが、これに次いで付き合いの長いのが購入して35年になる我がオーディオシステムのスピーカ『日立HS-500』である。


長年愛聴してきたスピーカ『日立HS-500』


この間、アンプ類は何度も買い換えたが、ことスピーカに関しては、この35年間一度も浮気せず、操を立てて来た。

今やかみさん同様小生にとっては、なくてはならない存在である。

浮気の虫~魅惑的なうたい文句

そんな良好な関係に危機が!?

ひょんなことから某社の『波動スピーカ』なるものの存在を知り、ネットで検索していて、次のキャッチコピーを見て思わず気持ちが揺らいだ。

スピーカーはたった1本で、あたかも、そこで演奏家が生演奏で演奏してくれるような音を再現してくれますので、目の前にあらわれたコンサートステージ上の演奏をいろいろな位置から聴くかのごとく、限定されたポジションでなく、好きなときに好きな場所で聞くことができるのです。空間全体が音に満たされますので、耳だけではなく、からだ全体で音を感じ、ライブ感あふれる豊かな音に包み込まれる至福の感動を味わっていただけます。

もしも、これが本当に実現しているのであれば、まさに画期的なこと。

予てから、サブシステムとして、こんなスピーカが欲しいと念願していたのだ。

まさに、小生にとってこのキャッチコピーは、浮気を誘う甘いささやきに聞こえた次第。

あばたもえくぼ~膨れるイメージ・思い

日が経つにつれ、甘いささやきは高まって、ついに某社に試聴の予約を入れることに。

最早、心理的には恋の虜。
このままでは、『あばたもえくぼ』になりかねない。

ここは、『あばたはあばただよ』と言ってくれるアドバイザーが不可欠。

ということで、オーディオ談笑会のメンバーのKさん、Mさんを誘って件のスピーカの試聴に出かけた。

そして、結末は~一方的な思い込み

早速、持参したCDで試聴を始める。
期待で久しぶりに胸が高鳴る。


某社の視聴室で『波動スピーカ』を試聴する談笑会のメンバー


「うぅん!?・・・・」

普通はデモンストレーションの場合は、音量を上げるものだが、試聴の音量はどちらかと言うと絞り気味。

音量を上げてとリクエストすると係りの人が、あくまでも自宅で通常聴く音量で体験していただいていますとのこと。

幸田聡子さんが弾くヴァイオリンの音が何かこじんまりと聴こえる。

何か抱いていたイメージと違う。

他にもKさん、Mさんが持参したお気に入りのCDを聴いたが、全体的な音の傾向は変わらなかった。

あの場所、あの音量という条件下で聴いた限りでは、

① 演奏家が生演奏で演奏しているような音の再現。
② 空間全体が音に満たされ、耳だけではなく、からだ全体で音を感じ、ライブ感あふれる豊かな音に包み込まれる。

と某社が宣伝し、小生が追い求めた理想の音とはちょっと違うなという感じである。

結局はイメージが先行し、過大な期待をし過ぎた、一方的な思い込みいであったと思い知った次第である。

Kさん、Mさんのアドバイスを聞くまでもなく、何か高まっていた熱が一気に冷めたような気分であった。


試聴が終わったのが丁度正午。
近くの寿司屋さんでビールを飲み、寿司をつまみながら談笑。

久しぶりの都心と昼のビールが効いて、帰宅して爆睡してしまった。

珍事~『ブログアクセス数』異変

2010-05-26 | ブログ
今朝、ブログを開いてびっくり仰天。

昨日、書いた『右肩上がりの良き時代の記録』~厚生年金加入記録の照合に、何と738件ものアクセスがあったのだ。

しかも、総合順位が600位となっているではないか。





1日のアクセス件数が738件と言うのも初めてなら、全体の総合順位でランクインしたのも初めて。

まさに、初めてずくしで、きつねにつままれたような不思議な感じである。


いくら『年金問題』が国民的関心事であるとは言え、こんな思いもよらないアクセス数があるとはと驚きを禁じ得なかった次第である。

いずれにしても、地味にコツコツと書き続けてきたブログであるが、この朝のアクセス数の異常な数字は、小生にとって『珍事』と言う他ない。

右肩上がりの良き時代の記録~厚生年金加入記録の照合

2010-05-25 | 雑感
先週、日本年金機構から送られて来た一通の封書。

また、年金の調査か、これで何度目?、全く無駄なことをするものだと腹立たしく、封も切らずにしばらく放置していた。

週が変わり、気分も変わったので開封して見ると、①厚生年金加入記録のお知らせ、②これまでの「年金加入歴」、③標準報酬月額と標準賞与の月別状況、④厚生年金加入記録のお知らせについての年金加入記録回答票の4枚の書類が入っていた。



日本年金機構から送られて来た書類


特に、標準報酬月額と標準賞与の月別状況を示す3枚のペーパーには、昭和41年に入社し、平成15年に退社するまでの37年間・444カ月にわたり会社から得ていた収入が月別に表示されていて、改めてこれらの記録を見ると感慨もひとしおである。

入社時2万円だった収入が10年後には10倍、20年後には20倍という具合に大幅に伸びているのは、会社が我が国の高度成長期と軌を一にして成長、発展して来たからにほかならない。

あの頃は、会社にも従業員にも明確な目標があり、全社一丸となって、それこそ目の色を変えて仕事に取り組む熱気があふれていた。

その結果が、10倍、20倍と言う収入増となったのである。

勿論、この間、何回も大きな不況に遭遇し、会社の業績は大きな影響を受けたが、その都度、不況を乗り越え、定年で会社を退職するまで、何とか右肩上がりの時代が続いたのは、幸運であったと言わざるを得ない。


この444カ月にわたる収入の記録に目を通していたら、日曜日の新聞に『ゲゲゲの女房』と言う本の書評を書いた佐々木俊尚というジャーナリストの文章を思い浮かべた。


評者はで書評の中で、『性差別や因習に縛られながら、ただすべてを受け入れる人生を選択し、ただ粛々と生きてきた昭和の女性たちが、それでも今幸せと言えるようになったのは、戦後社会に経済成長と将来への希望という「のりしろ」の大きさがあったからだ』と書き、また、こうも書いている。『だが、のりしろは、急速に面積をせばめつつある。終わりが良くなるという期待感は消失して、将来への不安感が社会を覆っている。「終わり良ければ、全て良し」という人生観は、いまの若者には一生出会えない桃源郷のまぼろしのようなもの。だからこそ、貧困と苦労を描いたはずのこの物語が、まるで美しいおとぎ話のように映し出されるのだ』(5月23日朝日新聞書評欄「売れてる本」)


そして、収入を表すこの数字こそ、我々の世代が、評者がいみじくも指摘した経済成長と将来への希望という『のりしろ』の大きさを存分に享受できた恵まれた世代であり、今の若者には一生出会えない『桃源郷のまぼろしのような時代』を実体験することができた世代であったという事実を改めて示していると実感した次第である。


スリル満点、『日本3大奇勝』の一つ妙義山を楽しむ

2010-05-23 | 友達・仲間

奇勝・妙義山
白雲山、金洞山、金鶏山等々の山々からなる妙義山は、四国小豆島の『寒霞渓』、九州大分の『耶馬溪』と並んで日本三大奇勝の一つと云われ、また、群馬県を代表する『赤城山』、『榛名山』、と並び表されて上毛三山と呼び親しまれている。(写真は第4石門から大砲岩、ゆるぎ岩を望む)


念願成就

昨年から始めた小・中学校時代の幼なじみたちとの『山歩き』。

ほぼ月1回のペースが定着するにつれ、いわゆる『奥多摩三山』(御岳山、御前山、三頭山)、『上毛三山』(赤城山、榛名山、妙義山)と呼ばれる山々に登ろうと言うのが一つの目標になった。

奥多摩三山は昨年のうちに終わったのだが、上毛三山については妙義山だけが登らずに残った。

先日、その妙義山に行って来た。

これで『奥多摩三山』、『上毛三山』にすべて登ったことになり、かねての念願を果たすことができた。


変化に富んで、今までで一番面白い山歩き

今回歩いたコースは、妙義神社から中之嶽神社までの「妙義山中間道関東ふれあいの道」。

当日は快晴微風。

地上は今年一番の暑さだったらしいが、妙義の山々は、山全体が緑色に染め上がり、至る所にマイナスイオン溢れる『緑の回廊』。心身ともリフレッシュされるさわやかさ。

また、コースも腰をかがめないと頭がぶつかってしまうほどに張り出した岩や数十段におよぶ直登りの鉄の階段があったりと実に変化に富んでいて、歩いていて楽しく、疲れを忘れさせてくれる。


 
コース上に張り出した岩山(左)と直登りの鉄の階段(右)


年寄りの冷や水

今回の山歩きのハイライトは、大砲岩、天狗のひょうてい、ゆるぎ岩等々の奇岩の数々を鎖を伝って辿る後半戦。


年寄りの冷や水と言われそうだが、全員が鎖を伝って岩山を登る。

岩山の頂上は、大きな一枚岩があるだけで見下ろすとめまいを催すような断崖絶壁。ちょっとバランスを崩せば真っ逆さまに墜落というスリル満点の場所。


健脚をもって鳴らすH子ちゃんも高い所は苦手のようで、すっかりビビって、へっぴり腰で岩にへばりつく有様。

一方、元気者のMくんは『天狗のひょうてい』をクリアし、余勢をかって『大砲岩』にチャレンジしようとして皆に引き留められると言う一幕も。

かくして、スリル満点、奇勝妙義山の魅力を堪能して、一同満足して下山した。


『見晴らし』岩の絶景ポイントで記念写真。H子ちゃんは、ここでも及び腰。


身軽で一番元気者のMくん、『天狗のひょうてい』まで行って360度の絶景を楽しむ。



健脚家のH子ちゃんも、高い場所は苦手のようで、岩にへばりついていた。