折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL976~イタリア旅行から その9 キョウチクトウ

2016-07-31 | 写真&俳句
高速道路の両脇には、必ずっと言っていいくらいキョウチクトウの花が咲いている。

ポンペイ遺跡の入り口では、キョウチクトウがトンネルのように咲いている。



イタリアの     旅に連れ添ふ     キョウチクトウ



本ブログで取り上げてきたイタリア紀行も残すところ1日となったので、今回は観光の本筋から少し離れた話題を取り上げて見たい。

旅行1日目、ローマから宿に向かう途中で、道路の両側に日本でもよく見かける花がいっぱい咲いていた。

「あれ、キョウチクトウと違う」とかみさんに確認すると、「そうだよね」とのこと。

キョウチクトウは散歩コースである黒目川遊歩道でよく見かけるが、まさかイタリアで最初に出会う花が、キョウチクトウとは、とちょっと意外な気がした。

添乗員さんによれば、イタリアの家庭や公園、高速道路と言った公共の場所で、キョウチクトウが植えられているのは、キョウチクトウが、雨が少なく太陽が長く照りつけるイタリアの夏に耐えて、元気に育ち、花を咲かせるからだとのこと。

このキョウチクトウの花、この先、われわれ一行が行く先々で必ず出会うことになる。

そのためこの花は、まるで我々の旅の「道連れ」となったような親近感を感じさせることになった。


写真&俳句VOL975~イタリア旅行から その8 「水の都」に遊ぶ

2016-07-30 | 写真&俳句

ラグーナ(潟)の中に100を超える島々が点在し、その間を150の運河が巡り、400もの橋が街を結ぶベネチア。車は乗り入れることができず、交通手段は船と徒歩だけという「水の都」。

ゴンドラに乗って狭い運河を優雅に遊覧。



小舟にて     水の都に     遊びけむ



「旅行も半分を過ぎたけど、これまでは「教会」と「美術館」巡りが多くて、少々食傷気味だよね」

「そんなこと言ったって、イタリアに来る目的はそもそもそれが主だもの」

「そうかもしれないけど、教会も美術品にもたいして関心のない俺には、ネコに小判だよ」

昨日、フィレンツェからベネチアへ向かうバスの中で後ろの座席に座っていた中高年の夫婦の会話である。

この数日イタリアは暑さが厳しく、その中を黙々と歩かされたので、その気持ちには大いに同情した次第である。

旅行8日目は「水の都」ベネチアである。

旅も1週間となるとさすがに疲れも出て、気分転換が必要だなと思っているとそんな気持ちを見越したかのように8日目は「水の都」ベネチアである。

港につくと美しい海が目の前に広がっている。

一同、「うおっ」と歓声を上げる。瞬時にしてこれまでの雰囲気ががらっと変わったように感じられた。

これまでは、どちらかと言うと「遊び」の要素がなく、リラックスすると言う時間が少なかったが、ベネチアの青い海を見た途端、生き返ったようにツアーみんなの表情が明るくなった。

特に楽しみにしていたゴンドラによる水中散歩では、みんな笑顔で小舟に乗りこんでいく。

乗っていた時間は、わずか20分足らずだったが、みんな満足気な表情だった。

ベネチアに来て、ようやく旅の楽しさを満喫している、そんな風情である。

「水の都」ベネチアはこれまでの旅の疲れをリフレッシュしてくれる格好の「遊び」の場となった。


― 旅行8日目 7月20日(水)― 


1・<『世界遺産』ベネチア>観光 サンマルコ寺院、ベネチアンガラス工房、ドゥカーレ宮殿、ゴンドラ遊覧

2・<『世界遺産』ベローナ>観光 ジュリエットの家 (宿泊 ミラノ)

写真&俳句VOL974~イタリア旅行から その7 天才たちの足跡

2016-07-29 | 写真&俳句

ウッフィーツィ美術館 は、イタリアのフィレンツェにあるイタリアルネサンス絵画で有名な美術館であり、イタリア国内の美術館としては収蔵品の質、量ともに最大のものである。
1982年に世界遺産フィレンツェ歴史地区の一部として認定されている。
メディチ家歴代の美術コレクションを収蔵する美術館であり、イタリアルネサンス絵画の宝庫である。展示物は2,500点にのぼり、古代ギリシア、古代ローマ時代の彫刻から、ボッティチェッリ、レオナルド、ミケランジェロ、ラッファエッロらイタリアルネサンスの巨匠の絵画を中心に、それ以前のゴシック時代、以後のバロック、ロココなどの絵画が系統的に展示されている。



ルネサンス 時代彩る 天才が 傑作の花 咲かせけるかな 


旅行7日目は、フィレンツェ。

この日の目玉は、ルネサンス美術の名画がたくさん展示されている「ウフィツィ美術館」。

ここにはレオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ボッティチェッリ、ラファエロなど巨匠たちの作品が展示されており見逃せないスポットの一つになっている。

そのため連日観光客が押し寄せて混雑を極めているとのこと。この日も作品が展示されている部屋は、押すな押すなの人の波である。

従って、効率的に見て回るにはどうしても有名作品のブースを優先することになるが、他の人たちも同じように考えて同じ行動を取るので、有名作品のブースは極端にこみ合ってしまう。狭い部屋に多くの人が詰めかけるのだから、写真を1枚撮るのがやっとで、じっくりと観賞する暇などない。

何とも慌ただしい観光に、「折角のチャンスなのに・・」とちょっと不満であったが、一瞬とは言えそれぞれの時代の天才たちが遺してくれた傑作の実物をこの目で見ることができたのは、この上ない貴重な体験であり、その幸運に感謝しなければと思いなおした次第である。


<ウフィッツイ美術館の至宝>

ミケランジェロ「ドーニ家の聖家族」


ボッティチェッリ「ヴィーナスの誕生」



ボッティチェッリ「春」


ラファエロ「ヒワの聖母」


レオナルド・ダ・ビンチ「受胎告知」



ガラヴァッジオ「メデゥーサの頭部」


― 旅行7日目 7月19日(火)―


1・<『世界遺産』フィレンツェ歴史地区>観光 ウフィッツイ美術館、ドゥオモ、ミケランジェロ広場

2・ベネチアへ移動 (宿泊 ベネチア)

写真&俳句VOL973~イタリア旅行から その6 天の摂理

2016-07-28 | 写真&俳句

高さ約55m、円筒形の8階建て、階段は296段、建物全体の総重量は、14,453t(推定)、南に約70cm(約4度)ほど傾いているピサの塔。
目で見ると傾きがはっきりわかるのだが、写真で見ると目で見たほどには傾いていない、不思議である。


 
頂上(写真左)に上る296段の階段(写真右)。階段は傾きの他異常にすり減っていて体の平衡を保つのが難しく、歩きにくい。


頂上からは地上の人が豆粒のように見える。高所恐怖症の小生には、足がすくむ眺めである。


傾きや     天の摂理か     ピサの塔


旅行6日目は、ピサの斜塔観光である。

本物の斜塔をこの目で確かめるだけでなく、階段を使って頂上まで上れるというので大いに楽しみにしていた。

塔の内部に入るには、カメラ・ビデオを除くすべての手荷物をロッカーに預ける手続きが必要で、これに結構時間を要する。

入場に際しては、入り口にマシンガンを抱えた軍人さんのボディチェックがある。

そしていよいよ塔の内部へ。

らせん状の大理石の階段は、狭くてすり減っていて、歩きにくいことこの上ない。おまけに傾いている塔の内部を歩くのだから平衡感覚が少々狂う。

しかし、296段の階段を上りきるとそこには何とも素晴らしい眺めが待ち受けている。
苦労して上って来た人への「ご褒美」であり、かけがえのない体験となった。

現地ガイドさんによれば、塔の傾斜の克服には世界各国からさまざまな改修工法が提案、実施された結果、2001年に10年間にわたる作業が終了し、再公開にこぎつけたと説明してくれたが、確かに工事を遂行したのは人間であったかもしれないが、今の状況を維持し続けていられるのには、人知を超えたいわば「天の摂理」のようなもが存在しているのではないか、そんな感想を持った次第である。


― 旅行6日目 7月18日(月)― 

1・<『世界遺産』ピサ観光>
2・<『世界遺産』シエナ観光>  (宿泊 フィレンツェ)

写真&俳句VOL972~イタリア旅行から その5 おとぎの国

2016-07-27 | 写真&俳句

アルベロベッロはイタリア南部にある村。トゥルッリと呼ばれる円錐形の屋根をもつ住居で知られている。トゥルッリは、16世紀の半ばから約100年間、開拓農民用住居としてつくられたもので、石を積み石灰を塗って仕上げた壁と、一つの部屋ごとに一つずつ載った円錐形の屋根が特徴。
1996年「アルベロベッロのトゥルッリ」として世界遺産(文化遺産)に登録された。

写真は、広場の高台から眺めるトゥルッリ群の景観。




旧市街のトゥルッリ群の多くは土産物店や飲食店として利用されている。



日本人が住む家のテラスからトゥルッリ群を間近に見る。


トンガリ帽     おとぎの国へ     迷い込み


前日のこと、宿泊場所であるアルベロベッロへ向かうバスの車中で添乗員さんが、明日観光するアルベロベッロについて説明をしてくれたが、その中で最も面白かったのが、現地の人たちの多くが知っている日本語は「かわいい」と言う言葉だと言う話。

当地を訪れた日本人が異口同音発するのが「かわいい」という言葉で、余りにも多くの日本人が話すので、現地の人も真っ先に覚えてしまった、とのこと。

実際、白いとんがり屋根の町アルベロベッロを訪ねると、トレードマークになっているとんがり屋根に真っ白な壁が目に飛び込んでくる眺めは、何とも「かわいく」まるで不思議な国、おとぎの国に迷い込んだような気分を味わうことができる。

今まで見てきたイタリアの景色とは明らかに異なる景観に「かわいい」と声を上げてしまうのはむべなるかなと納得した次第である。


― 旅行5日目 7月17日(日)―

1・<『世界遺産』アルベロベッロ観光>

2・フィレンツェへ列車で移動 (宿泊 フィレンツェ)