折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

写真&俳句VOL92~月は東に日は西に

2012-08-31 | 写真&俳句

東の空に上がった満月と西の空を赤く染め上げた落日。両方を同時に眺められる時間を持った幸せをかみしめる。 
(写真撮影8月30日)


夏空や     月は東に     日は西に


今日は二百十日。

立春から数えて210目の日、通常は9月1日だが今年は閏年で、1日早い今日8月31日が二百十日となるとのこと。

早いもので、8月も今日で終わり、明日からもう9月である。

日中は依然として猛暑が続いているが、季節は着実に移って、陽が落ちる時間が早くなっている。

つい先日までは、愛犬との夕方の散歩は6時半頃だったが、今ではこの時間はすでに暗くなってしまっているので、1時間ほど繰り上げて行くことにしている。

昨日のこと。

いつもの黒目川の遊歩道を目指して歩いていると、東の空に満月が上っていた。

しばし足を止めて見入る。

そして、何気なく後ろを振り向くと西の空が赤々と燃えている。

太陽がまさに沈まんとしていた。

東の空には、青空をバックにクールな満月、西の空には灼熱の太陽。

ちょっとの間、夕暮れの美しさと満月の素晴らしさを同時に眺められる時間を持った幸せをかみしめると同時に

与謝蕪村の

「菜の花や 月は東に 日は西に」

という名句を思い浮かべ、そのフレーズをちょっと拝借した次第である。

写真&俳句VOL91~競演・「月」と「夏雲」

2012-08-28 | 写真&俳句


昼の月     威張る夏雲     下に見て


昨日の午後4時半過ぎのこと。

用事があって黒目川のほとりを歩いていると、青空に月が浮かんでいる。

あぁ、今頃の月はこんな時間にもう上っているんだと初めて気が付いた。

そして、その月の下には猛暑の象徴、夏雲が。

むくむくと張り出した様は、まるで威張っているように見える。

そんな夏雲を「われ関せず」と「高見」から見下ろす月。

大空での「月」と「夏雲」のコラボをそんなふうに感じた次第である。

写真&俳句VOL90~東雲(しののめ)の空

2012-08-26 | 写真&俳句


東雲(しののめ)や     夏雲染める     朝日かな


朝の5時過ぎ。

丁度日の出の頃、愛犬のパールと黒目川の遊歩道に差し掛かる。

今朝は早くも大きな夏雲があちこちで湧いて、東の空では昇る太陽が雲の稜線を赤々と染めている。

「処暑」を過ぎても一向に収まる気配のない「猛暑」。

朝日に染まった夏雲の赤い色が、この時ばかりは何とも「禍々しく」目に映つり、この分では、今日もまた「猛暑日」になりそうだ、とうんざりした気分になった。


*東雲(しののめ)=明け方

写真&俳句VOL89~蝉しぐれ

2012-08-24 | 写真&俳句
 物見山に向かう山の木々からは、夏に別れを告げるセミたちの大合唱が聞こえていた。


山歩き     耳を聾する     蝉しぐれ


5月末に武甲山に登って以来ご無沙汰していた幼なじみたちとの山歩き、2ヵ月半ぶりに再開。

今回は猛暑が続き、熱中症が心配ということもあってごく近間の

鎌北湖~宿谷(しゅくや)の滝~物見山(375・4m)往復

という楽なコースを体調を見ながら長い休憩を何回もとりながらの山歩き。

歩き始めるとすぐにセミたちの大合唱に包まれる。

アブラゼミ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミとあらゆる蝉の声が行く手から聞こえてくる。

そんな蝉の声を聴きながら、数日前に書き写した天声人語に載っていた

▼<蝉は鳴く 神さまが竜頭(ねじ)をお捲きになっただけ/蝉は忙しいのだ 夏が行ってしまはないうちに ぜんまいがすっかりほどけるやうに>という三好達治の詩を思い浮かべ、セミたちは最後の命の火を燃やしているのだなと思った。

また、セミの命と言えば物見山からの帰路、Hちゃんがクモの巣にかかっている小さなセミを見つけた。

『それでなくても短い命なのに、クモに食われて終わる一生では可愛そうだ、もうちょっと生きな』とクモの巣からセミを逃がしてやるHちゃん。

一方、Mくんは以前Kくんと山を歩いた時、岩場にいた小さなカニを下山の時に川まで運んで放してあげたとのこと。

HちゃんMくん、二人とも心根のやさしいナイスガイなのだ。

 
この日もうだるような暑さ、水辺や涼風が吹く所では長い休憩をこまめにとって体調に万全を期した。

写真&俳句VOL88~猛暑居座る

2012-08-22 | 写真&俳句
残暑お見舞い申し上げます。




恨めしや     まだ居座るか     夏の雲


数日前のブログに「猛き夏」もようやく潮目を迎えたか、と俳句にしたためたが、いささか認識が甘かったようだ。

その後の筆舌に尽くしがたい暑さには全くもって閉口している。

今日も甲子園の高校野球をテレビ観戦していると、画面に「高温注意情報」のテロップが繰り返し流され、戸外では市の防災無線が「高温注意情報」が発令されたことを大きな音で知らせていた。

洗濯物を取り込もうとベランダに出た途端、直射日光の余りの強さに目が眩む。

もううんざりだが、この猛暑、いつまで居座り続けるのだろう。