図書館で本を探していると、1冊の本が目に止まった。
その本は「交響曲第一番」(佐村河内守著、講談社)。
今、クラシックの世界で大ブレーク中の音楽家佐村河内守(さむらごうちまもる)さんが書いた自伝である。
実は、話題のCD「交響曲第1番HIROSHIMA」を聴いたのだが、「よくわからない」というのが正直な感想である。そこで、同氏の音楽を理解する上でもこの本は役に立つだろう、と思って早速借りて来て読んだ。
以下は、いつものような会話形式の感想である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/ab/52be9c62ce05405af5ab8349207bfb7b.jpg)
― 今、「話題の人」というので、ネットでその生い立ち、人となりを調べたが、改めて著者自身の口から語られると、想像を絶する人生だったことが生々しく伝わってきて、粛然たる気持ちになる。
― 偏頭痛、耳鳴り、全聾、頭鳴症、腱症炎、神経症、これだけの病気を一人で背負っているのだから、何とも苛酷であり、残酷であり、壮絶な人生だよね。
― 特に耳が全く聞こえないと言うことは、音楽家にとって致命的で、もっとも残酷だよね。
― 読んでいて、これはフィクションでない、事実なのだ、と何度も言い聞かせ、その都度、胸が塞がった。
― 著者がいる場所は、肉体的にも精神的にも我々が全く体験できない「闇」の世界。
― この本を読んだ人が、ネット上で「著者の苦しみは、体験したことのない者にはおよそ想像を絶するもので、軽々しいコメントなど寄せ付けない」と書いていたけど、本当にその通りで、書かれている内容に圧倒された。
― 最初は苛酷な試練を与えた神を激しく「呪詛」し、「激怒」する著者。
しかし、その試練を音楽に昇華してくれる力を与えてくれたのも神の力と悟る著者。
凡人の我々には、到底到達できない境地だ。
― 著者は、文中で「人は光の中にいると、小さな光は見つけにくい、闇に堕ちて初めて、小さな光に気づく。闇は圧倒的な暗さゆえに、小さな光にすら敏感になれる」と書いているが、本書を読み進んでいくと、この言葉の意味がよくわかる。とても印象的なフレーズだ。
― 著者は、「あとがき」で「精神、肉体、宿命の闇といま、向き合っているすべての人に本書を捧げます」と書いているが、我々にとってさえ大いなる励みになるのだから、ましてやこれらの人たちには、闇を照らし、導いてくれる大いなる光になるだろう。
― 本書は、明るく楽しいものではないが、読み終わった後に「希望」と「勇気」を与えてくれる凄い本である。
その本は「交響曲第一番」(佐村河内守著、講談社)。
今、クラシックの世界で大ブレーク中の音楽家佐村河内守(さむらごうちまもる)さんが書いた自伝である。
実は、話題のCD「交響曲第1番HIROSHIMA」を聴いたのだが、「よくわからない」というのが正直な感想である。そこで、同氏の音楽を理解する上でもこの本は役に立つだろう、と思って早速借りて来て読んだ。
以下は、いつものような会話形式の感想である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/23/b6/3077ea8b99a966afa9f3ba8bc63b1885.jpg)
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佐村河内守著「交響曲第一番」(講談社)(左)、「交響曲第1番HIROSHIMA」のCDジャケット(右)
― 今、「話題の人」というので、ネットでその生い立ち、人となりを調べたが、改めて著者自身の口から語られると、想像を絶する人生だったことが生々しく伝わってきて、粛然たる気持ちになる。
― 偏頭痛、耳鳴り、全聾、頭鳴症、腱症炎、神経症、これだけの病気を一人で背負っているのだから、何とも苛酷であり、残酷であり、壮絶な人生だよね。
― 特に耳が全く聞こえないと言うことは、音楽家にとって致命的で、もっとも残酷だよね。
― 読んでいて、これはフィクションでない、事実なのだ、と何度も言い聞かせ、その都度、胸が塞がった。
― 著者がいる場所は、肉体的にも精神的にも我々が全く体験できない「闇」の世界。
― この本を読んだ人が、ネット上で「著者の苦しみは、体験したことのない者にはおよそ想像を絶するもので、軽々しいコメントなど寄せ付けない」と書いていたけど、本当にその通りで、書かれている内容に圧倒された。
― 最初は苛酷な試練を与えた神を激しく「呪詛」し、「激怒」する著者。
しかし、その試練を音楽に昇華してくれる力を与えてくれたのも神の力と悟る著者。
凡人の我々には、到底到達できない境地だ。
― 著者は、文中で「人は光の中にいると、小さな光は見つけにくい、闇に堕ちて初めて、小さな光に気づく。闇は圧倒的な暗さゆえに、小さな光にすら敏感になれる」と書いているが、本書を読み進んでいくと、この言葉の意味がよくわかる。とても印象的なフレーズだ。
― 著者は、「あとがき」で「精神、肉体、宿命の闇といま、向き合っているすべての人に本書を捧げます」と書いているが、我々にとってさえ大いなる励みになるのだから、ましてやこれらの人たちには、闇を照らし、導いてくれる大いなる光になるだろう。
― 本書は、明るく楽しいものではないが、読み終わった後に「希望」と「勇気」を与えてくれる凄い本である。
コメントありがとうございます。
小生がこれまで聴いてきた音楽とはちょっと毛色が違うようで、今のところ正直、戸惑っています。
三枝成彰が『佐村河内守は21世紀の尖兵だ』と言い、吉松隆が『佐村河内守の作品に同世代人として初めて嫉妬を覚えた』と言わしめる天才作曲家ですから、全聾とかもはや無関係の現代の偉人でしょう。
クラシックなのに、名だたるJポップアーティストを抑えて次々と記録を塗り替えていますね。
凄すぎます。
ご高説ありがとうございました。
コメントありがとうございました。
コメントありがとうございました。