居間兼リスニングルーム
<オーディオ装置> アンプ マランツ PM-15S1 CDプレーヤ パイオニア PD-T07 スピーカ Lo-D HS500
なが~いお付き合い
今、齢67、結婚生活今年で40年。
そして、愛器「HS-500」も購入から40年。
と言うことは、この間、HS-500は我々夫婦と全く同じ時間を共有したということである。
ともかく、なが~いお付き合いなのである。
40年前、本機購入時に添付されていた『取扱説明書』(左)と『保証書』(右)
そして、本機の購入には、実は談笑会のメンバーのMさんが微妙に関わっているのである。
と言うのは、その昔、『日立の1台65,000円もするスピーカが話題らしいよ』というMさんの一言(本人はとうに忘れてしまっているかも知れないが)が本機に関心を持つきっかけとなったからである。
価格が2台で130,000円。
当時の大卒初任給の4倍以上という桁外れの超高級品である。
どんな音がするのだろうと最早、思いはこのスピーカに飛んでいた。
そして、安サラリーマンで、新婚ほやほやの小生には、欲しがること自体が「罪」のようなスピーカをかみさんを口説いて、何とか手に入れたのだった。
『懐古談』に花が咲く
我が家に着いて、まずはコーヒーブレーク。
この日のために準備したコーヒー豆を挽いて入れたコーヒーを飲んでくつろいでいる時のこと。
『このスピーカを見ると思い出すんだよな、もう、かれこれ30年ぐらい前になるかね、このスピーカとNさん(故人)のスピーカを車に積んで、わたしのマンションで聴き比べをしたよね』とMさん。
『若かったんだね、何か所も回って、あんな重いスピーカを車に積んで運んだのだから』と小生。
『3台のスピーカを瞬時に聴き比べられるように、切り替えスイッチを自作したのを良く覚えてるよ。懐かしいね』とMさん。
『Nさんはビクター、Mさんはパイオニアのスピーカだった』と小生。
『当時は、まだレコードが主体で、自分が持っていた「アカイ」のオープン・リールテープデッキでレコードとテープの音質の違いも聴き比べたりもした』
とMさん。
『その時の様子を会社の社内報に取り上げた』と小生。
しばし、若い頃の『懐古談』に花が咲く。
Kさんのアドバイス
Mさんが夕方予定が入っていると言うので、視聴時間は1時間少々。
早速、試聴に入る。
曲は、Mさん持参の『タイム・トゥ・セイ・グッバイ~ベスト・オブ・キャサリン・ジェンキンス』から3曲を聴く。
Mさん曰く。
『今、イギリスで最も話題の歌姫』とのこと。
1曲目の途中でKさんがいきなりスピーカに歩み寄り、10センチほどスピーカを前に出す。
すると、『少し、籠り気味だった音が張り出してきたね』と弟。
『そうなんだよ、セッティングのバランスが良くなかった』とKさん。
『目から鱗』であった。
『タンノイのような重低音や音の迫力をこの小型システムに望むのは無理な話だけど、中高音は澄んでいて、とても美しい。また、音に奥行きと広がりがあって、実にすばらしい!』とKさんが絶賛したのは、深町 純ピアノワールド『中島みゆき作品集』の「わかれうた」を聴いた直後であった。
『すばらしいんだけど、一つだけ注文をつけさせてもらうと、スピーカの間隔がちょっと狭い。絶対、テレビがセットされている場所に左側のスピーカを持ってくるべきだ』とKさんの2度目のアドバイス。
『もう、僕にはプランができてる、やりたくって、うずうずしてるんだ』とも。
自宅のリスニングホールを思うがまま改造しているKさんにとっては、小生のリスニングルームを見ると、持ち前の『血』が騒いで仕方ないらしい。
しばらくは、我が家の改造プランについてKさんの『蘊蓄』を拝聴することに。
そうこうしているうちに、Mさんが帰る時間となり、我が家で初めて行われたオーディオ談笑会番外編『日立HS-500』を聴く集いは、閉幕となった。
『タイム・トゥ・セイ・グッバイ~ベスト・オブ・キャサリン・ジェンキンス』(左)深町 純ピアノワールド『中島みゆき作品集』(右)