折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

ちょっとうらやましく、ちょっとわびしい光景

2013-02-28 | 日常生活
 
黒目川の遊歩道では、愛犬と一緒に散歩する人を多く見かける。小生もついこの間までは、その常連であった。


黒目川遊歩道を歩いていると愛犬を連れて散歩している人によく出会う。

どの犬も飼い主と一体となって、喜々として散歩を楽しんでいる。

小生も、ついこの間まではその人たちと同類であったので、ついその一挙手一投足に目が行ってしまう。

そして、その光景は小生にとっては、うらやましくもあり、また、ちょっぴりわびしくもある眺めである。


愛犬のパールは、今年に入って急激に体調が衰えを見せ始め、ちょっと歩くと「ハアー、ハアー」と息が上がり、うずくまってしまう始末で、散歩もままならない。

愛犬・パール近影。
毛艶も良く、外見は至って元気そうなのだが・・・・・。


かかりつけの先生の所に連れて行って診てもらうと、心臓が弱っているということで薬を処方してもらって、毎日服用している。

心臓以外は、毛艶も良く、食欲も旺盛で、見た目には変わりがなく、会う人ごとに、「きれいね」、「可愛いね」と声をかけられるのだが、何分今年で13歳である。

先生からも、「もうそんなに歩かせなくてもいいよ」と言われている。

黒目川を散歩する人と犬を見るにつけ、「もう、愛犬のパールとこの道を一緒に歩くことはできないのか」と思うと切ない気持がこみ上げてきた次第である。


ショック!消えた「シンボル」

2013-02-27 | 日常生活
更地
つい数か月前までは、ここに保育園と地元のシンボルとなっていたメタセコイアの大木があったのだ。


高台にあるためどこからも見ることでき、地元の人たちにとっては、まさにシンボル的存在だったメタセコイアの大木がなくなっているのに、この日はじめて気が付いた。

小生としては、これまでこの近くを何度も歩いていたのに、そこにあって当然という思いがあったので、不覚にも見逃す結果となったのだ。

この日、すぐ横を通りかかって、初めて「在るべき場所」に「在るべきものがない」ことに気が付いた。

「なぜないのだ」、「どうしたのだ」と頭が真っ白になる。

すぐさま、現場まで行って見ると、かつて保育園とメタセコイアが在った所は、整地されて広々とした空間が広がっているばかりの、まさにショッキングな眺めであった。

近くにいた人に話を聞くと、ここにあった保育園が手狭になり、近くに転園したのを機会に、昨年の暮れに建物を取り壊し、メタセコイアの木も切ってしまったとのこと。

残骸
広大な更地の一角に、ポツンと切り倒されたメタセコイアの木の一部が置かれていた。


「あのメタセコイアの木は、どこからも見えてこの界隈のシンボル的存在だったのに、残念だったですね」、と言うと、その人は、「あの木1本だけを残す訳にはいかないし、台風でもきて、もし、あの大きな木が倒れでもして、ご近所に迷惑でもかけたり、苦情が来たりしては困るから、切らざるをえなかったんだよ」と。

何か、残す手立てはなかったのか、人間の都合で突然に「命の営み」を断たれてしまったメタセコイアの木、さぞ、残念無念であったろう。

小生も残念至極の思いでいっぱいであった。

かつての景色

天に向かって高く、真っすぐに伸び、青空にくっきりと映え、悠然と辺りを睥睨するその風格には皆が魅了された。


 高台にあるためどこからも見ることができたメタセコイアの木



写真&俳句VOL150~黒目川の春 その1 梅一輪

2013-02-26 | 写真&俳句


梅一輪     寒サニ負ケズ     開き出(い)づ


以前、本ブログで黒目川遊歩道を歩いていて、梅の蕾がほんのりと膨らんできたことを紹介した(2月13日「蕾ふくらむ」)。

あれから2週間、この間、厳しい寒さが続いていたこともあって、中々開花までこぎつけなかった梅の蕾が、今日、通りかかって見たところ、ようやく一輪だけ開いていた。

今年は、寒さのせいで例年より梅の開花が遅くれているとのこと。

早く暖かくなって、この梅の蕾が満開になった様子を紹介できるのは、何時頃になるだろう。

周りの蕾も大分大きく膨らんできたので、「もう少しで暖かくなるからね、もうちょっとの辛抱だよ」と心の中で、梅の蕾にも、そして自分自身にも言い聞かせた次第である。

写真&俳句VOL149~早咲きの梅

2013-02-25 | 写真&俳句


紅梅の    匂ひ香(かぐわ)し     風に乗り


旧村山快哉堂で吊るし雛を見た後、すぐ横を流れる新河岸川をぶらり。

この辺りは、「いろは親水公園」と呼ばれていて、両岸の堤防には沢山の桜の古木が植えられていて、花見のシーズンには、多くの市民が訪れる名所になっている。

この日は、冬の日の平日とあって小さな赤ちゃんを連れた若いお母さん、大型犬を連れたお年寄りが散歩しているぐらいで、閑散としていた。

長く続く散策路をのんびりと歩いていると、対岸に目にも鮮やかなピンクの色が目に入って来た。

紅梅のようだ。

そこに行くには、当然、橋を渡らなければならないのだが、その橋まではかなりの距離がある。

予定では、その橋を渡って真っすぐ自宅に戻る積りだったが、余りにもピンクの色が鮮やかだったので、急遽予定を変更し、紅梅の咲いている所まで戻って来た。

早咲きの紅梅がまさに満開で、折からの微風にふくよかな香りが辺り一面に漂っていた。

億劫がらずに、回り道をした甲斐があった、と小さくガッツポーズをした次第である。

写真&俳句VOL148~凍える月

2013-02-24 | 写真&俳句


風すさび     満月空に     凍てつきぬ


この冬最強の寒波が押し寄せ、北日本や北陸では大雪や猛吹雪の大荒れの天気となったこの日、日中吹き荒れた北風は、夜になって一層強さを増し、ガタゴトと雨戸を揺する。

暖房を入れているのに、部屋が暖まらない。それだけ、深々と冷え込んでいるのだ。

愛犬のパールをおしっこさせるべく外に連れ出すと、冷たい烈風が吹きつけ、人も犬も震えあがる。

空を見上げると、この風のせいで澄み渡った空に、満月が煌々と輝いている。

その月まで、寒さに震えているように見えた。