折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

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クモ膜下出血を克服しての『晴れ舞台』

2008-05-29 | 音楽
Kくんは自称<晴れ男>である。

彼が言うには、自分が参加したゴルフコンペでは、それまで雨が降っていてもスタート時間の頃には止むのだ、と。


そのKくんが、所属する東京邦楽合奏団の演奏会当日。

朝から雨脚が強く、止む気配がない。

<晴れ男>のKくんの神通力もさすがに今日は通じないだろうと思っていると、何と何と出かける段になって雨が止んで、空が明るくなってきたではないか。

『彼のことだから今頃、誰彼となく楽団員のみんなに、ほら、言ったとおり雨、止んだろう』と大はしゃぎしているんじゃない、と小生。

『そうだといいんだけど、そんな余裕あるかしら』とかみさん。


Kくんは小生が勤めていた会社の3年後輩である。

仕事での関係は全くなかったが、彼が入社した時から野球やゴルフと言ったスポーツを通じて親しくなり、『ネアカ』人間で人懐っこく、誰からも好かれる彼のキャラクターにすっかり魅せられて、在職中も退職した今もなお親密なお付き合いが続いている。
かれこれ40年近いお付き合いである。

そのKくんから昨年に続いて『邦楽演奏会』の誘いが来た。

昨年は、大学時代に吹いていた尺八を久しぶりに始めたので、聴きに来て、という誘いがあり、その時初めて『邦楽』の世界に触れ、坂田誠山さんの尺八のソロ演奏に深い感銘を受け、以後、ライブ演奏に足を運ぶきっかけを作ってくれた演奏会であった。

送られてきたメールには、今年は所属している東京邦楽合奏団が5周年、千葉邦楽合奏団が10周年の節目の年を迎え、記念合同演奏会と銘打って、会場も1800人収容できるすみだトリフォニー大ホールで行うことなったので、目下、大いに張り切っている旨、書かれていた。

早目に昼食を済ませ、かみさんと二人で出かける。
雨は完全に上がっていた。

『Kさんがクモ膜下出血で倒れたのは去年の暮れだったわよね、もうすっかり良くなったのかしら』とかみさん。

『来月のゴルフコンペに参加するって、張り切ってるみたいだから、もうよくなったんだと思うよ』と小生。


今回のコンサートは、邦楽を楽しむのもさることながら、彼の元気な姿を見ることも一つの大きな目的である。

会場である「すみだトリフォニー大ホール」は初めてであったが、その威容にはびっくりした。

開場前から長蛇の列で、開演時間の午後1時30分には1800人を収容する観客席が満員となった。
予想を超える盛況である。

そのため、今回は前回と違って、良い席がとれずに、遠くからしか見ることができなかったが、一心不乱に尺八の演奏に集中しているKくんの様子を見て、もう大丈夫と、一安心した。

そこは、まさに彼にとって、クモ膜下出血を克服して立つ晴れ舞台であった。


それにしても、大病を患って半年余りで良く演奏会に出られるまでに回復したものだ、きっと大変な努力だったんだろうけど、本当に良かったと心からその回復を喜んだ。



若い若いと思っていたKくんも、いつの間にか小生たちと同じリタイア組みの仲間入りである。


定年後の第二の人生の過ごし方のキーポイントは、『居心地の良い場所で、自分の好きなことに夢中になれる生活』 をどう送れるかにかかっている、というのが小生の考えであるが、彼の場合、まさにその『居心地の良い場所』と『夢中になれるもの』を見つけ、その上、志を同じくする多くの『仲間たち』をも得て、生き生きと今の生活を楽しんでいる風情から理想の第二の人生が垣間見えて、嬉しくもあり、また、ちょっぴり羨ましくもあった。

無心に尺八を吹いているKくんの姿を見ながら、そんなことを思っていた。



演奏会は、記念合同演奏会にふさわしく第一部、第二部とも力のこもった熱演であった。
特に、第二部の『竹取ものがたり』は筝、三味線、尺八、鼓といった和楽器の合奏に、ソプラノ、バリトンに合唱団も加わり、ミニオペラともいうべき意欲作であった。


小生にとって印象深かったのは、青森のねぶた祭りをテーマにした『祭りへの序章』という曲であった。

今から7年前、息子が青森で結婚式を挙げたのが、まさにねぶた祭りの最中のことであった。

笛や太鼓のお囃子に乗って、雄々しく行進する『ねぶた』。
『ラッセラ、ラッセラー』の掛け声とともに、祭りの気分をもりあげる跳ね人(ハネト)。

お揃いの祭りのはっぴを着た演奏者が奏でる『祭りへの序章』は、7年前のあのねぶた祭りの光景と息子の結婚式を懐かしく思い出させてくれた。


今回の演奏会は千葉・東京両邦楽合奏団にとってエポック・メーキングなイベントになったのは勿論のことであるが、Kくん自身にとってもきっと特別な意味合いを持った演奏会となったに違いない。

<プログラム>

演奏:東京・千葉邦楽合奏団
指揮:坂田誠山

曲目

祭りへの序章<改訂初演>

さくらの主題による学園讃歌『光』

匠(たくみ)<新作初演>

いざない<改訂初演>

歌と邦楽による『竹取ものがたり』
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『後期高齢』家屋は、金食い虫

2008-05-25 | 日常生活
3年ほど前に修繕したばかりの屋根に『キノコ』が生え、それが原因で雨漏りしてしまっていたことについては、4月23日付けブログ『写真が主役VOL10 屋根に巣食ったものの正体は?!』で紹介した。

その時、取あえず応急処置をしていった業者が先日修繕にやって来た。

『こちらの手落ちで申し訳ありません。しっかりと補修工事をやりますのでご容赦ください』と平身低頭、無償の工事を申し出た。


問題の屋根の補修工事、この工事は無償だったのだが・・・・・・・


しかし、そこは商売人である。

転んでも、ただでは起きない。

『破風が腐食していますね、板金を巻けば半永久的に持ちますよ』とか、『雨戸の戸袋やレールもだいぶ腐食が進んでますね、<後付雨戸>にされたら、もう心配要らないですよ』等々盛んにアピールする。

これまでも、家には折にふれて手を入れてきたが、こちらを直せば今度はあちら、ときりがない。

だから、『溺れるものは、藁をもつかむ』で、『半永久的』に大丈夫ですよ、とか『10年やそこらは安心ですよ』という『殺し文句』には、ついついその気にさせられてしまう。


今回も、屋根の修理は無償であったが、『破風』や『雨戸』の工事などで結局は○○万円と想定外の出費となってしまった。(結果的には、「ただほど怖いものはない」ということになった。)


『破風』を板金で覆う工事、これで『半永久的』に大丈夫ですよ、と業者は言う
のだが・・・



何せ、築30年になんなんとする安普請の建売の家である。

人間も年をとると、あちこちガタが来るが、建物も事情は全く同じで、耐用年数が来た家=『後期高齢』家屋があちこち傷んでくるのは必然である。

長年住み慣れた、愛着のある我が家であるが、正直言ってこれから先、始末に負えない『金食い虫』になってくることは避けられそうもない。

この『金食い虫』対策をどうするのか、あくまでも『対症療法』でその場、その場をしのいでいくのか、それとも建て替えも選択肢にいれるべきか、いずれにしても、『年金生活者』にとっておいそれとは行かない話しであることには違いない。

そんなことをあれこれと考えていると、いささか憂鬱な気分になってくる。
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写真が主役VOL12 70年の風雪に耐えて~母校の校庭に建つ『二宮尊徳』像

2008-05-21 | 写真が主役シリーズ

風化が進み顔の輪郭の一部がすこしぼやけてきた『二宮尊徳』像
子供の頃と変わらず、同じ場所でわれわれを迎えてくれた


『おさななじみ』、何ともノスタルジックな響きを持った言葉である。

心を許せる『おさななじみ』はかけがえのない存在である。
年を重ねるごとに、この思いは強くなっている。

小生には、今もって子供の頃のようにお互いを「○○ちゃん」とちゃん付けで呼び合う『おさななじみ』がいる。

同じ集落から小学校、中学校に通った仲間8人(男3人、女5人)である。

先日、その『おさななじみ』たちと1泊旅行に行ってきた。
ずっと前に、箱根に行って以来かれこれ10年ぶりとなる一泊旅行である。

お互い、盛んに「○○ちゃん」を連発しながら、久しぶりにゆっくりと旧交を温めた。

そして、翌日のこと。

どうせ、車で来ているので帰りは久しぶりに母校の「O」小学校に立ち寄ってみようということになった。

実に半世紀ぶりに訪れた母校の小学校は、木造立ての校舎が鉄筋に建て替えられ、それに伴い校庭の風景も昔と様変わりしていて、往時を偲ぶよすがはほとんど残されていなかった。
予想はしていたものの、これにはみんな、いささか落胆を禁じえなかった。

そんな中、唯一昔のままにわれわれを迎えてくれたのが今回の主役である『二宮尊徳』像である。


その像は、校庭の一角、校長先生が朝礼で話しをする台のすぐ後ろの松林の中にたっている。

薪を背負い、本を読みながら歩いている姿の『二宮尊徳』像を見て、この人はどういう人なんだろうと、子供心に思ったことを覚えている。

建立されて約70年。

この間、幾多の風雪にさらされたその像は、かなり風化が進んでいたが、それでも昔あった場所に、そのままの姿でそこにあった。


『昭和14年建立とあるから、かれこれ70年になるんだ!!』

『よく取り壊されなかったわね』

『見て見ろよ、金次郎さんの顔、目、鼻の区別がつかなくなってるよ』

『子供の頃は、随分大きいと思ったけど、こんなもんだったんだ』

『松も昔は、もっと大きく枝が張り出していたよね。随分と寂しくなっちゃったね』


子供の頃を偲ぶよすがは、最早、『二宮尊徳』の像しか残されていなかったが、みんな童心に返って、目を輝かせて遠い昔に思いを馳せ、昔話しに興じている様子を眺めながら、このメンバーで再び母校の小学校を訪れることは、あるだろうかと考えると、今回、みんなで来てよかった心からそう思った。

そして、『二宮尊徳』の像をバックに記念写真を撮った。

かくして、『おさななじみ』との『子供の頃に戻る』泊りがけの旅は、新たな思い出のページを刻み込んでフィナーレとなった。



幾つになっても、会えばお互いすぐに子供のころに戻れ、『ちゃん』付けで呼び合う、それがおさななじみと言うものである。

小生の『おさななじみ』についていだいている思いである。


『二宮尊徳』の像の前で記念写真
この先、また、ここで記念写真を撮ることがあるだろうか
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写真が主役VOL11 時空を超えて~樹齢600年の巨木

2008-05-17 | 写真が主役シリーズ

樹齢500年とも600年とも言われる『コミネモミジ』の巨木。
その神々しいたたずまいは、厳かで、おもわず威儀をただしてしまう。


秩父札所めぐり

第八番 西善寺


重厚な山門をくぐり本堂を望む場所に来ると思わず目を見張る景色に出会う。

高さ10メートル、横枝が東西に20メートル、南北に18メートルあるという樹齢500年とも600年とも言われる『コミネモミジ』の巨木である。

この寺には天然記念物になっているモミジの木があることは前もって知ってはいたが、実物は想像をはるかに超え、その威容に圧倒された。

600年という時空を超えて、そこに存在するそのたたずまいは、まさにおごそかで神々しいばかりである。

しばし、時の立つのを忘れて見入ってしまった。

今は、季節は春で新緑が目にまぶしいが、秋の紅葉はきっと筆舌に尽くしがたいほど美しいだろう。

もう一度、秋に足を運んで見たい、そう思わずにはいられないほど心に残る景色であった。


この古木との出会いは、秩父34箇所札所めぐり第2回目の最大の収穫であった。


別角度から見た、『コミネモミジ』の姿。新緑が目にまぶしい
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音楽の『厳しさ』と『楽しさ』~二つのチャリティー・コンサートを聴く

2008-05-13 | 音楽

開場前にもかかわらず、ホールには長蛇の列ができていた


この1ヶ月の間に2回もコンサートを聴く機会に恵まれた。

いずれのコンサートも、地元の新聞販売店が企画したチャリティー・コンサートであるが、お互いに張り合ったわけではないだろうが、プログラムにそれぞれの新聞社の特徴というか、カラーが良く出ていて興味深かった。


最初に聴いたA新聞が企画したプログラムは、ヴァイオリンの独奏者に若林 暢(のぶ)さんを迎え、第一部は『巨匠が遺した珠玉の名品』と題して、パガニーニ、没後100年のサラサーテ、生誕150年のイザイ、同じく生誕150年のフバイといったヴァイオリンの大家の作品を取り上げたプログラムでわかりやすく、親しみやすいメロディとヴァイオリンの妙技が程よくミックスされた選曲で、聴衆の『耳』と『目』を楽しませてくれた。

第二部のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ『クロイツェル』は、一転してはりつめた緊張感が漂い、若林さんの熱演に聴衆は息を詰めて聴き入っていた。

小生の場合、この曲はいつもなら途中で集中力が途切れがちになるのだが、ライブ演奏のすごみというのだろうか、グイグイと引き込まれて、一気に聴き終わっていた。

そして、何か久しぶりに音楽の『厳しさ』と真っこう向き合ったような気持ちになった。


音楽の『厳しさ』とヴァイオリンの演奏テクニックといった言わば「直球」勝負の内容は、いかにも、生真面目で、ちょっとアカデミックな雰囲気が売り物のA新聞らしいプログラムだと思った。


一方、Y新聞が企画したプログラムは、『初夏を彩る名曲ロマンの旅』~日本の歌・世界の歌と題して、出演したソプラノ歌手(塩野雅子、安永淑美)、テノール歌手(安保克則)が『初恋』(石川啄木・越谷達之助)、この道(北原白秋・山田耕筰)、『カタリ・カタリ』(カルディッロ)と言った耳になじんだ、おなじみの曲を次々に歌い、会場はリラックスした雰囲気で音楽を楽しんでいた。

小生は、マイクなしで歌う生の声を始めて聴いたが、朗々と会場に響き渡る『声』は、まさに『楽器』だな、と改めて実感した。

このコンサートには、先般、Kさん邸でホームコンサートを開いてくれたヴァイオリニストの上野真理さんも出演されていて、モーツアルトの『ピアノ三重奏曲第3番』をメインにヨハン・シュトラウスの『ウィーン風小行進曲』、バッハの『主よ人の望みの喜びを』を演奏した。

彼女が登場すると、大輪の花が咲いたように会場が華やぎ、抜群の存在感であった。

小生は、中央の前から5番目という絶好の場所で、Kさん邸で聴いたヴァイオリンの響きを思い浮かべ、重ね合わせて聴き入った。


Y新聞の企画したプログラムは、A新聞と全く対照的にお客さんに『楽しんでもらう』、『喜んでもらう』、『くつろいでもらう』というポリシーで一貫していて、いかにも『大衆的』を自負するY新聞のイメージにぴったりのプログラムだと感じた。



音楽の『厳しさ』も、音楽の『楽しさ』も共に音楽にとって必要不可欠な要素である。

その両方を、今回のチャリティー・コンサートで聴くことができたのは、本当に幸せであった。

帰り際に、『良かったよ』、『満足したよ』、『ありがとう』と感謝の気持ちを込めてコンサートの趣旨に賛同して、ささやかな募金をして家路についた。


<チャリティー・コンサートプログラム>

1・ 若林 暢 チャリティー・ヴァイオリンリサイタル

・ ソナタイ長調作品2-2RV31(ヴィヴァルディ) ・ カンタービレ(パガニーニ)
・ モスクワの思い出(ヴィニァフスキ)  ・ アンダルシアのロマンス(サラサーテ)
・ 2つの小品130-1,2(イザイ)  ・ カルメン幻想曲(フバイ)
・ ヴァイオリン・ソナタ第9番イ長調作品47「クロイツェル」(ベートーヴェン)


2・ 初夏を彩る名曲ロマンの旅~日本の歌・世界の歌

 ソプラノ独唱  塩野雅子(ソプラノ) 菊川菜々(ピアノ) 

・ 好きな風景(やなせたかし作詞・上明子作曲) ・ 初恋(石川啄木作詞・越谷達之助作曲)  ・ 月夜のららばい(伊豆裕子作詞・加藤由美子作曲)

 ソプラノ独唱  永安淑美(ソプラノ) 菊川菜々(ピアノ) 

・ すてきな春に(峯陽作詞・小林秀雄作曲) この道(北原白秋作詞・山田耕筰作曲)
・ 歌に生き恋に生き(プッチーニ)

テノール独唱  安保勝則(テノール) 菊川菜々(ピアノ) 

・ 待ちぼうけ(北原白秋作詞・山田耕筰作曲) ・『カタリ・カタリ』(カルディッロ)
・ 女心の歌(ヴェルディ)

 ピアノと弦楽器の調べ

・ ピアノ三重奏曲第3番変ロ長調K502(モーツアルト)
上野真理(ヴァイオリン) 嶋田拓夫(チェロ) 斉木佳奈(ピアノ)

 歌と弦楽器でたどる世界の旅

・ 庭の千草 ・ ローレライ ・ オー・ソレミォ ・ 白鳥 ・ 野ばら ・帰れソレントへ 
・ ウィーン風小行進曲 ・ 峠の我が家 ・ 主よ人の望みよ喜びを
・ メリー・ウィドウのワルツ
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