折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

タンノイオートグラフ、重低音を余裕で再現~オーディオ談笑会

2015-04-27 | オーディオ談笑会
Kさん邸のオーディオシステムのプレーヤー装置
 トーンアーム SME-3009(英国製)   
 カートリッジ SPU-GTE(オランダ製)
ターンテーブル  ガラード301(英国製) 


最近、レコードが見直されているということがしばしば話題になっている。

「へぇ、そうなんだ」と思っていた矢先、オーディオ談笑会の主宰者Kさんから、

「めったに聴けない LPスーパーレコード でストラビンスキー『春の祭典』をみんなで聴きませんか」というお誘いが。

まさにグッドタイミング、ということで小生、愚弟、Mさんの談笑会のメンバーがKさん邸に参集した。

いつものように各自が持ち寄ったソースを聴いたのだが、先ずはタンノイの実力が十二分に発揮されたオーケストラの曲からの感想である。

― 「春の祭典」は今までタンノイで聴いたどの曲よりもその実力が十二分に発揮されていたね。

― 低弦の音、ブラスの咆哮、ティンパニーの響き、いわゆる重低音がドスン、ドスンと腹に響いてきた。

― しかも、まだまだ余裕すら感じられた。

― 音も派手な割にはマイルドでそれほど疲れなかった。

― スーパーレコードの音色によるところが大きいのかね。

― チャイコフスキーの交響曲第5番の第4楽章の盛り上がりもタンノイの再現力が遺憾なく発揮されていた。

― 指揮者・モントゥーの気迫がオーケストラのメンバーに乗り移ったような演奏だったね。

― 金管楽器群とティンパニーの兼ね合いが実に見事に表現されていて素晴らしかった。

― 4月にチャイコフスキーの5番を西本智実・日本フィル、小林研一郎指揮・読響の生で聴き、今回で3回目だよ。こう言うのを、「堪能」させてもらったというのだろうね。


アンタル・ドラティ指揮、デトロイト交響楽団によるストラビンスキー「春の祭典」

ピエール・モントゥー指揮 チャイコフスキー交響曲第5番ホ短調


次は、Mさんが持参したCD2枚についてのコメントである。

― いつもながら、Mさんの「時代を先取りした」ようなCDを探し出して来る能力には感心するよ。

― 何ともユニークな内容でちょっとびっくりだね。

― でも、2枚とも今、話題になってるよね。

― ただ、この手の曲をわざわざタンノイで聴かなくてもというところはちょっとあるけどね。

― 確かに、オーディオ向きではないけど、また雰囲気が違って面白いんじゃない。

― 大竹しのぶの歌、良かったね。1曲だけでなく、もっと聴きたかった。

― なかにし礼のCDも実にユニークだね。あれだけの女優が集まるんだから大御所と言うべき存在なんだろうね。

― 誰が歌っているのか明かさなかったけど、わかったかね。

― 「グッド・バイ・マイ・ラブ」を歌った桃井かおりはすぐに分かったけど、「石狩挽歌」を歌ったのがまさか泉ピン子だったとはね・・・・。


「歌心 恋心」大竹しのぶ
【大竹しのぶが好きな歌と好きな人】をテーマに、大竹しのぶと11人の男性アーティストたちが昭和歌謡やJ-Popの名曲をデュエットでカヴァーしたアルバム。

なかにし礼と12人の女優たち。
2015年に作詩家・作家生活50周年を迎える“なかにし礼”の数千もの作品群の中から、多くのヒット曲や隠れた名曲の数々を、映画・舞台・ドラマ等を通じて“なかにし礼”と縁のある個性豊かな女優たちが表現力豊かに歌唱するアルバム。


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オーディオ機器の音と生演奏の音~オーディオ談笑会

2013-07-24 | オーディオ談笑会
Kさん邸のオーディオルームの全景。写真手前に見える部分が今回仕上がったフローリング。


昨年の暮れに行われてからこの方、主宰者のKさんが多忙を極めていると見えて、音沙汰なかったオーディオ談笑会。すでに半年以上もっ経ってしまい、忘れた頃にKさんから

「オーディオルームの残っていた半分の方のフローリングが仕上がったので、披露かたがた談笑会を開催しますとのメールが届く。

写真奥が新たに仕上がったフローリング


みんな「押っ取り刀」で駆けつける。

この日持参したソースは、Mさんがピアノ、ギター、三味線という3種類の器楽曲、愚弟がジャズのレコード、そして、小生はチャイコフスキーの交響曲第5番。(朝比奈隆指揮、大阪フィルハーモニー演奏のライブ録音)

その訳は、前日にトリフォニーホールでチャイコフスキーを聴いたばかりで、演奏会の生の音は、まだ耳に強烈に残っている。

そこで、オーディオ機器としてはこれ以上望むべくもない装置であるKさんの機器と頭の中に残っているあの生の音との比較に強い興味を覚えたからである。

試聴した個所は、第4楽章の全曲。

目を閉じて聴き入っていると前日の生演奏の音が生々しく蘇ってくる。

・この第1ヴァイオリン群の音は、生々しく繊細だったな。
・弦楽器群が奏でるここのピチカートもしかり。
・フルート、オーボエ、クラリネットのソロも他の楽器にかき消されることなく鮮明に聴こえていたな。
・金管楽器群、低減群の迫力もずっとずっと生々しかったな。

等々比較しながら聴いていたが、しばらくしてハタと気が付いた。そもそも生演奏の音とオーディオ機器の音を比べて聴こうとすること自体余り意味がないのではないかと。

そう考えたところで音の比較検討は中断して、あとはひたすらタンノイオートグラフから溢れ出る音の洪水に身をゆだねた次第である。

そして、最後のクライマックス。
部屋いっぱいに豪快な音を響かせて曲が終わった。

低音域をカバーするために新たに加わったアルテックのスピーカと完成したフローリングが相乗的効果を発揮して、まさに堂々たるサウンドである。

聴き終って、やはりオーディオ機器には独自の音の世界があるのだと改めて思った次第である。

プレミアの付いたアナログレコードで「運命」を聴く~オーディオ談笑会

2012-12-25 | オーディオ談笑会
今年を締めくくるオーディオ談笑会がクリスマスイブの12月24日に開かれた。

主宰者のKさんが今年は例年に増して多忙を極めていたため、談笑会の開催も半年ぶり。

CD、リマスター盤、SACDの音の違い比較 

最初は、マーラーの「さすらう若人の歌」(バリトン:ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ 指揮:フルトヴェングラー フィルハーモニー管弦楽団)のCD、リマスター盤、SACDの音を聴き比較する。

写真左からCD盤、リマスター盤、SACD盤


というのは、我が家でこの3枚をそれぞれ聴いた時、リマスター盤が他の2枚に比べ音が大分違って(シャープに)聴こえたので、この違いをKさん邸のオートグラフで再確認して見たいと思って持参した次第。
結果的には、オートグラフでは我が家の装置ほど顕著な違いは確認できず、これはソースによる違いというよりは、装置の違いが影響しているのだと言うことを改めて確認する結果となった。

アナログVSCD 

次は、愚弟が持参したジャズのアナログレコードとMさんが持参したロックの超優秀録音盤のCDを聴く。

 
当日聴いたアート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション(左)、SADE Bring Me Home: Live 2011(右)のジャケット。

これはレコード、CDのそれぞれの特徴が如実に出ていて、みんなご機嫌で聴き入る。特に、大のアナログ派であるKさんは、ほとんどスクラッチノイズが出ないレコードに感心しきり(愚弟によると、20年間一度もジャケットから出していないとのこと)、ジャズの曲も痛く気に入った様子で、レコードの良さを改めてひとくさり。

究極の音 

談笑会のトリはKさんのライブラリーの中でも自慢の逸品ともいえるブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団によるベートーヴェンの交響曲第5番「運命」のアナログレコード。

ブルーノ・ワルター指揮、コロンビア交響楽団によるベートーヴェンの交響曲第5番「運命」のアナログレコード。


このレコード45回転の重量レコードで枚数が希少だったため、今ではプレミアムが付いているとのこと。
言わずと知れた名盤中の名盤である。

Kさんが「ぞっこんほれ込んだ」というだけあって、音に不快な鋭さがなく、まるで目の前で生の演奏を聴いているような雰囲気がそこかしこで感じられる。 

弦は柔らかで、低弦の響きもお腹にグッとくる。
アナログの良さが如実に出た1枚。

「CDで聴く音とは大分違うよね」、「ワルターの『運命』全曲を久しぶりに聴いたよね」というのが、聴き終わった後の一致した感想であった。

「タンノイオートグラフ」試聴記~Iさん30年来の「夢」を実現

2012-10-08 | オーディオ談笑会
30年来の「夢」がかない、あるべき場所に納まったタンノイオートグラフ。1台の重量が100㎏になるタンノイオートグラフ、30年前、家を建てる時、事前に床の下地をコンクリートで補強していたというから、その思い入れの深さには脱帽である。


オーディオ談笑会の仲間の一人であるIさんが3年かけて自作に取り組んでいたタンノイオートグラフのスピーカが目出度く完成したと言うので、同じくメンバーの一人であるMさんと蓼科にあるIさんの別荘に泊りがけで聴きに行って来た。

以下は出来立てほやほやのタンノイオートグラフを目の当たりで聴いた感想を会話風にまとめて見た。

―音楽を心ゆくまで堪能し、癒され、リフレッシュした楽しい2日間だったね。

―自作のタンノイオートグラフの出来栄えにIさんの並々ならぬ思い、執念を感じたね。

―執念と言えば、Iさんはこのスピーカの完成までに3年を費やしているが、彼に聞いたところ、実はこの別荘を建てた30年前に、タンノイを置けるように部屋の補強を事前にしていたと言うのだから、驚いたよ。

―そうなんだ、3年ではなく30年越しの「宿願」というか「夢」だった訳だ。だから、一つ一つの作業の仕上げに魂がこもっているんだ。

―エンブレムの製作一つとっても、素材に真鍮やマイナスのビス止めを使うなど、こだわりというか思い入れがこもっているよね。

―その凝りようったら常人の域を超えてるよね。

―夢がかなって感無量だろうね。

―肝心の音だけど、どうだった。

―一言で言うとマイルドで聴きやすく、疲れない音、という印象だね。

―音作りのポリシーが、マニアックに音を追及するのではなく、音楽を聴くための音作りに徹している姿勢が素晴らしい。

―モーツアルトのヴァイオリンソナタがスピーカから流れた時、演奏者が目の前で弾いているように浮き出てきたのには、正直、はっとしたね。

―遠山慶子さんが弾くピアノベーゼンドルファーインペリアルの音の特徴が良く出ていた。

―MJQカルテットが演奏したジャンゴ。ビブラフォンの音が生々しく再現されていて鳥肌が立つた。

―クリフォード・カーゾンが弾いたモーツアルトのピアノ協奏曲。瑞々しく、艶やかなピアノ、オーケストラの弦の音が実に美しく鳴り響いて、恍惚となった。

―「声」のソースはセリーヌ・ディオン、中島みゆき、ブラザース・フォアの3枚のCDを聴いたけどどうだった。

―これは素晴らしいというのはなかったが、特に悪いと言うのもなかったんじゃない。セリーヌ・ディオンの「オペラ座の怪人」には期待してたんだが・・・・・。

―やはりソースを選ぶのかな。

―今回は、テープの音とCDの音、石のアンプと球のアンプの音、同じ曲を違う楽器で聴き比べるなど色々な聴き比べをしたのが面白かった。

ラックにズラリと並んだテープデッキ、圧巻である。


―テープとCDの比較は、ベートーヴェンの交響曲第6番『田園』をショルティー指揮シカゴ響で聴いたが、微妙な差かもしれないが、テープの音は柔らかで、奥行きを感じさせ、CDの音はクリアーで音の分解能力のよさを感じさせてくれたように思ったね。

―石のアンプと球のアンプは、美空ひばりの「悲しい酒」を幸田聡子さんのヴァイオリンで聴いたけど、違いは、テープとCDの違いと同じで、石の方がシャープ、球がマイルドだったね。

  Iさんが自作した石のアンプ(左)、Iさんが通常使用している球のアンプ(右)

―楽器の違いは、ギターの山下和仁、ヴァイオリンのオスカー・シムスキーが、バッハの無伴奏パルティータをそれぞれ弾いたのを聴いたが、ギターがしっとりと理知的に、ヴァイオリンが華麗に情熱的に演奏していたね。

聴き比べに使用したバッハの無伴奏ヴァイオリンパルティータのジャケット。


―ギターは弦をはじく、ヴァイオリンは弦をこすって音を出す、その演奏方法の違いが音の違いと言えるかもね。

―音のボリュームの上げ下げによる音の変化も大きかったね。

―きっかけは、幸田聡子さんのヴァイオリンを聴いた時、音が奥に引っ込んでいて、音の輝き、生気が感じられなかった。ひょっとしたら、ボリュームが低いのが原因かなと思ってヴォリュームを上げたら予想どうり、ガラッと音が変わった。

―音が生々しく、艶やかになったのが一聴してわかった。

―聴く音量は人によってそれぞれ好みがあるんだろうけど、小さすぎても、大きすぎても再生音に影響があると言うことが、よくわかった。

楽器の能力をベストに再生する音量、このことが大切だということだね。

―2日目に聴いたカラヤン指揮ベルリンフィルが演奏したシューベルトの交響曲第8番「未完成」のテープは今回の2日間のハイライトだったね。

―このテープは、今から37年前にカラヤン・ベルリンフィルが来日し、NHKホールでの生中継をエア・チエックしたものを今回Iさんに提供したんだが、こうして37年ぶりに聴いて見ると実に感慨ひとしをだね。

―生中継だけあって実に生々しく素晴らしい音になってるね。

―カラヤンの悠揚迫らざる演奏に胸を打たれるね。聴いていて涙が出る思いだった。

―その名演と最善を尽くした録音、そしてその音の出口となるのがタンノイオートグラフ、この3者が一体となって稀有の感動をもたらしたのだと思うよ。

―この演奏は市販されていないそうだから、このテープはお宝ものだね。

―それから、これは余談だが1日目、2日目に食べた昼食が絶品だったね。

  1日目のうなぎ屋さん、2日目のそば屋さんともに行列ができるお店だった。「食欲の秋」を満喫した。

―Iさんが地元の人に顔が広いので、良い食べ物屋を紹介してもらえた。

―「文化の秋」、「食欲の秋」の両方を満喫した2日間だった。

―Iさんには、感謝、感謝だね。


演奏空間が3次元的に展開される不思議にして稀有な体験~「ベルリンフィル3D<音楽の旅>」

2012-04-27 | オーディオ談笑会
オーディオ談笑会の主宰者Kさんから「ベルリンフィル3D<音楽の旅>」のブルーレイを手に入れたのでちょっと来ない、とお誘いがあり喜び勇んで行って来た。

というのは、KさんとMさんの二人はすでに昨年11月3日に東京・普門館で上映された「ベルリンフィル3D<音楽の旅>」を見ていて、当日所用で行けなかった小生のために、この映画が3Dブルーレイ2枚組で発売されたのを機にKさんがわざわざ手に入れてくれたのである。

そんな訳で今回は、Kさんと二人だけの謂わば「さし」での臨時の談笑会である。

場所はKさん邸の第二リスニングルーム。

第二リスニングルームには、パイプオルガンを模した装飾が作られるなど、前回来た時より一段と凝った作りとなっていた。



早速、鑑賞会を始める。

最初の1枚目はブルーレイで収録された「展覧会の絵」。

52型の大型画面に映し出された画像の何と美しいことか!
そしてボーズ社製の2・1chホームシアターシステムから溢れ出る音の何とみずみずしいことか!

時の経つのを忘れて画面に引き込まれる。

さて、次がいよいよ今回の「主役」であるサイモン・ラトル&ベルリンフィルが演奏するマーラーの交響曲第1番「巨人」の3D映像である。

「ベルリンフィル3D<音楽の旅>」ブルーレイ2枚組のジャケット


3D映像は、すでに映画「アバター」で体験済みなので、イメージはできているが、果たしで音楽とのマッチングはどうかということに大いに関心があり、その点にポイントをおいて鑑賞した。

 
ベルリンフィルを指揮するサイモン・ラトル(左)、7千円もする3D専用メガネ(右)。

ステージの上から、横から、後ろから、演奏者の間際にまで迫ったカメラアングル。
ベルリンフィルの全面協力のもとで撮影可能となった貴重な映像である。
指揮者のラトルが今にも指揮台からこちらに歩いてきそうな実に生々しい画面などには思わずドキッとさせられる。

まさに演奏空間が三次元的に展開される不思議にして稀有な体験であった。

ただ、映画「アバター」の時も感じたのだが、余りにも立体化を意識し過ぎて、画像によっては若干の違和感、不自然さを感じてしまったのは小生だけだろうか。

それと、この3D方式は画面が大きければ大きいほど、音響装置がすぐれたものであればあるほど、その能力を最大限発揮することができる。

その意味では、普門館で上映されたものを鑑賞したKさんMさんにとってこの3Dは、大迫力で魅力的であったことは間違いないだろう。

今回の場合も、52型の大型テレビ、2・1chホームシアターシステムという、劇場以外としては、およそ考え得る最高の条件の下での鑑賞だったので、3Dの良さを十分体験できたが、これが一般の家庭テレビ(3D対応)で見た場合はどうなのだろうと考えると、音楽の映像については3Dでなくともブルーレイで十分ではないか、と感じた次第である。