折々の記

日常生活の中でのさりげない出来事、情景などを写真と五・七・五ないしは五・七・五・七・七で綴るブログ。

台風二つ~「政権交代」台風と台風11号

2009-08-31 | 日常生活
昨晩は「政権交代」という超大型台風が日本中に猛威を振った。
そして、今日は朝から本物の台風11号が関東地方に接近している。
2日続けての台風の襲来である。

                  
                  選挙結果を大々的に報じる新聞


それにしても「政権交代」という台風の何とすさまじかったことか。
自民党の閣僚ら有力者が次々と敗北していく様は、台風と言うよりも猛烈な竜巻が通り過ぎた後を連想させる。

自民党という「老朽化」した建物が見る影もなく吹き飛ばされて、残骸があちこちに散らばっている図である。


前回の「郵政選挙」に続いての劇的な選挙結果を目の当たりにして、改めて「小選挙区制」という選挙制度が秘めている破壊力のすさまじさを思い知らされた。

そして、今日の台風11号である。
本来であれば、今朝は「台風一過」の晴天となって、民主党に祝福を贈ってしかるべき日和が、そうはならずに今度は本物の台風が続いてやって来きている、このことが小生には何とも皮肉に見えて仕方ない。

鳩山さんは、この台風の雨を前に記者団に、その晴れ晴れとした心境を「天気と違いますね」と語ったとニュースは伝えているが、小生には、国民は「政権選択選挙」で政権交代を選択したものの、一方では、長く野党にあった政党が、いきなり政権の座に就くことへの「不安」、「心配」、「おそれ」、「ためらい」、そんな心理が「台風一過」の晴れでなく、台風をもたらすことにつながったのでは、と思ってしまったのだが、そして、偶然の一致とは言え、この台風11号、新政権の将来を暗示しているように思えてならないのだが、少々考えすぎであろうか。

降りしきる雨の音を聴きながら、この雨は

自民党の涙雨か、

それとも長年この国に巣食ってきた、さまざまな「しがらみ」や「なれあい」をはじめとする旧来の悪弊を一気に押し流してくれる恵みの雨なのか、などつらつらと考えているところである。

嬉しい驚き~「獣の奏者」続巻の刊行

2009-08-29 | 読書
             
             新聞に掲載された「獣の奏者」の全面広告


その日の朝の新聞を開いてびっくり仰天した。

何と、あの「獣の奏者」の続編が刊行されたことがオール・カラーの全面広告で掲載されているではないか。

「『獣の奏者』は全2巻で完結したんじゃなかったっけ」(それほど完成度が高かった)と思っていた人が多かったようで、この広告の中でも文芸評論家北上次郎氏の

「2009年最大の事件は、上橋菜穂子『獣の奏者』が終わっていなかったことだ。(中略)まったく嬉しい驚きだ」

のコメントを紹介していたが、まさにその通りで、まさかあの「獣の奏者」に続編が出るとは、小生にとっても「青天の霹靂」で、この広告を目にしたとたん、もう居ても立ってもいられなくて、朝食もそこそこに本屋に飛んで行った。


「獣の奏者」第1巻「闘蛇編」、第2巻「王獣編」を読んだのは、1年ほど前のこと。
                     
精霊の守り人」をはじめとする一連の上橋作品

上橋菜穂子さんの「精霊の守り人」をはじめとする全10巻の「守り人シリーズ」を読み終えて、彼女の他の著書を物色中に巡り合ったのがこの「獣の奏者」全2巻であった。

全2巻と長さにおいては「守り人シリーズ」に比べ短いものの、その完成度においては「守り人シリーズ」に勝るとも劣らぬ作品であった。

このような「非の打ちどころがない」、「完結」した内容を持った作品の続編を出す必然性があったのだろうか、ひょっとして前作の完成度を損なうのでは、と言う一抹の「不安」と、どんな物語の展開が待ち受けているのだろうかと言う「期待」で、ドキ、ドキ、ワクワクしながら読んだ。

読み始めてすぐに1年前に味わった上橋さんの、物語の情景が目に浮かぶような平易にして、美しい文章が胸に沁み入って来て、たちまち「上橋ワールド」の世界に引き込まれてしまった。

そして、現在NHKで放映されているアニメ「獣の奏者エリン」を見て感じていた「物足りなさ」、「もどかしさ」がどこからくるのかわかったように思った。

             
             現在、NHK教育テレビで放映中の「獣の奏者エリン」の一場面

それは、文章でしか表現できない、文章でしか思いを伝えられないこと、即ち、文章の持つ「力」って、あるんだということ、そして、上橋さんの作品にはそう言う要素が多いこと、それをまた彼女は、あたかもパズルのピースをはめ込むように「これしかない」といった言葉で表現するのである。

残念ながら、今放映されているアニメでは、上橋作品の命とも言えるこのような言葉の『機微』が画面から匂い立ってこない、それが、物足りなさ、もどかしさにつながっているのではないかと思った次第である。

さて、この続編を読むにあたって小生が抱いた、完成度を損なうのではないかという危惧については、読んでみて杞憂に過ぎなかったことがはっきりしたのだが、この点については著者自身が「あとがき―奏者の旅路」で書いているので、それを引用させてもらうと
 
(中略)わたしにとっては、あの物語は、きれいな球体のように閉じた物語だというイメージがあって、そのあとになにかをくっつけた感じにはしたくなかったからなのです。
ところが、です。2007年の夏にアニメ化の話が舞い込んだきて、もう一度『獣の奏者』を読みなおしながら、監督たちと「物語の解体作業」を行ったとき、脳髄を直撃するような「発見」があり、それに気づいたとたん、この世界の「歴史」のようなものが、心に浮かび上がって来たのです。
エリンという<獣の奏者>へと続いてきた道と、その先に続いていく道。人という生き物の群れの、滔々たる流れのようなものが見えた瞬間、これを書きたい、と思ったのでした。

上橋さんは、よくあとがきでその物語が生まれるヒントとなったエピソードを実に素直に書いている。

今回の場合も、たったこれだけのインスピレーションに触発されて、これだけ膨大な物語を紡ぎ出して行く。

作家の頭の中って本当にすごいと、改めてその才能、能力に畏敬の念を払わざるを得ない。


「守りひとシリーズ」でも書いたことであるが、大人が読んでも子供が読んでも楽しめる本はそんなに多くはないが、この「獣の奏者」全4巻は、『守り人』シリーズ同様、大人は勿論のこと家族揃って楽しめる本である。

写真が主役VOL28 神が棲む領域~榛名神社「御姿岩(みすがたいわ)」

2009-08-26 | 写真が主役シリーズ
              
神の意志が宿る御姿岩。その神々しさ、荘厳さには感動する。


初めて訪れた榛名神社。

およそ700メートルにも及ぶ参道の左右には、古色蒼然たる杉の大木と幾つもの奇岩、巨岩が聳え、渓流の水音と相まって神々しさに満ちていた。

そして、大岩をくりぬいて建てられた本殿に詣でて、真っ先に目に飛び込んできた光景に「何だ、これは!!」と絶句した。

そこには、優に10階建ての建物に匹敵するかと思われる巨岩が天をついてそそり立っていた。

御姿岩(みすがたいわ・自然石)である。

その姿は、人間の頭と胴体を連想させる。

いつ崩落して、本殿を直撃しても少しも不思議でない、見る者に緊張感を強いる、恐ろしい光景である。

こんな危うい姿のまま1000年余の時を経ても、なおそこに存在し続けていることの中に、この石は「落とさせない」と言う神の厳かな意志が宿っていると強く感じた。

創造主のみがなせる「絶妙なバランス」は、遠く人知の及ぶ所ではない、と思い知らされる。

そして、このエリアこそ神が棲みたもう領域に違いないと何の疑いもなくそう感じた。


幼なじみたちの旅で訪れた榛名神社で、その神々しさ、荘厳さに粛然とした気持にさせてくれた御姿岩(自然石)の奇蹟のたたずまい、それが今回の主役である。

  
修験道者の修業が行われた行者渓       矢立ての杉、推定樹齢1000年         

「山」と「湖」の涼風を満喫~榛名山ハイク

2009-08-23 | 友達・仲間

今回登った榛名富士(1390・3メートル)左側の稜線にはロープ・ウエイのケーブルがかすかに見える。
榛名山は群馬県にある古来山岳信仰を受けてきた山で二百名山のひとつに数えられている。赤城山・妙義山と併せて上毛三山といわれ親しまれている。
榛名山とは山の総称でその名をもつ 山はなく、最高峰は掃部ヶ岳(かもんがたけ)で1448m。標高1100mの榛名湖畔まで車で行くことができ、そこから登れば1時間程度で頂上に登ることができる。また、榛名富士はロープウェイを利用すれば、簡単に山頂に行くことができる。


<盛り沢山>

幼なじみと毎月行っている「山歩き」の催し。
8月は榛名山とその周辺の旅。

リーダーのKくん、Mくん、Hくんのレギュラーメンバーに加えて今回は紅一点のメンバーH子ちゃんも参加し、5人のフルメンバー。

今回は、

・榛名富士の山歩き
・榛名湖周遊
・榛名神社、水沢観音参拝
・伊香保温泉で旅の汗を流す

等々盛りだくさんのメニュー。

このメニューをこなすべく集合時間はいつもより30分早い午前6時。
午前4時に起床、愛犬の散歩を済ませて集合場所へ。

高速道路も空いていて、予定よりも早く8時前には榛名富士山麓に。

<涼風>

その1 榛名富士の風

当初は、登りはロープ・ウエイを利用することになっていたのだが、それでは山歩きの趣旨にもとるということになり、予定を変更し、登山コースを行くことに。

        
        今までで一番楽なコースを余裕で歩くメンバーたち

そして、朝露に濡れたクマザサをかき分けて進むこと40分余りでロープ・ウエイが発着する場所に着く。

今回は岩場もなければ、きつい上りもない、今までの山歩きの中では最も楽なコース。登りが苦手で、これまで必ず「グチ」をこぼしていたHくんも、今回は涼しい顔である。

吹きつける涼風が一汗かいた肌に心地よい。
この場所でゆっくり「テイー・タイム」を取る。


        
        頂上は霧がかかって絶景は望めず


この間、ロープ・ウエイで観光客が次々に上がってくる。
夏休みということもあって、親子連れの姿が目に付く。

ロープ・ウエイで来る人の中には、軽装でサンダルばきの人も。

そんな中では、われわれのようなハイキングスタイルの一行は異色に写る。

その2 榛名湖の風

前回の高峰高原同様今回も山は霧で、眺望はのぞめず、上りとは別のルートを取って下山。

11時半頃、榛名湖畔へ出る。

そして、1周4キロのハイキングコースをおしゃべりしながらゆっくりと散策する。


   
涼風吹きわたる湖畔を散策                湖畔での楽しい昼食の一時


湖からの風が実にさわやかで、折しも丁度昼時。
心地よい湖畔の一角で昼食にする。

いつもは慌ただしく取る昼食だが、今回は美しい湖畔の景色を堪能しながら食事を楽しむ。

<納経帳>

リーダーのKくんから「納経帳を忘れないで持って来て」と事前の連絡があり、また当日はまだ納経帳を持っていないHくん、H子ちゃんには事前に準備したまっさらな納経帳が渡される。

そして、昼食後はこの納経帳を片手に「榛名神社」、坂東札所十五番「白岩観音」、十六番「水沢観音」に参詣し、それぞれ納経帳にご朱印をもらう。


    
坂東札所十六番「水沢観音」             納経帳のご朱印

初めてご朱印をもらったHくん、H子ちゃん

「そんなに信仰心がある訳でもないのに、いいのかな」

とちょっと戸惑い気味。

<ハプニング>

神社、仏閣への参拝も終わり、残すところは伊香保の温泉で一風呂浴びて、旅の汗を流すだけとなり、日帰り温泉場に。

そこでハプニング発生。

Hくん、Kくん、小生と並んで体を洗っている最中にHくんとKくんの間に突然すごい音とともに落下物が。

壁にかかっている掛け時計が落ちて来たのだ。
時計の支えとなっていたネジが腐食して、重みに耐えかねたのだ。

Hくんの目の前をかすめてバウンドし、彼の足をかすっただけで事なきを得たが、運が悪ければ頭を直撃していたかも。

「早速、ご利益があったじゃん」 とひとしきり本気とも冷やかしとも取れる声が上がる。

<新たな目標>

帰りの車中は、もっぱら次回行く場所をどこにするかが話題に。

奥多摩三山(大岳山、御前山、三頭山)上州三山(赤城山、榛名山、妙義山)のうち残っているのは、『三頭山』と『妙義山』の二つのみ。

先ずは、この二つの山に今年中に登ろうと言うことと、時期等はリーダーに一任すると言うことで衆議一決、次回の再会を約して、今回の山歩きは終了となった。

「手取り」「足とり」の指導に感謝~居合の仲間たち

2009-08-20 | 武道
         
         居合の試合風景

「そこ、少し違います。もう一度やって見て」

「そうです、ここはこうです」

「技の緩急、メリハリをしっかりつけて」


一人黙々と稽古する小生に居合の仲間のTさん、Aさん二人が代わる代わる声をかけてくれるようになったのは、4月頃からである。

そして、最近は頻繁にあれこれとアドバイスをしてくれている。

小生が稽古に通っている居合道の支部は、それまで指導してくれていた二人の先生のうち、一人の先生は病に倒れ、もう一人の先生は事実上身を引かれ、指導者不在のまま今日に至っている。

そのため、以前もそうだったのだが「同好会的」性格が一層顕著になって、各人がそれぞれのスタイルで稽古をするという状況が続いていた。

そんな中、小生が今年の目標の一つに掲げている居合道四段昇段のための「段位審査会」が1カ月余に迫っていた。

この段位審査会を目指して、これまで自分なりの稽古を重ねて来たのだが、果たして今のままの稽古で良いのだろうかと正直不安で一杯であった。


そして、前述のごとく、同好会的雰囲気が濃厚なだけに、これまでは先生であればともかく、仲間同士であれこれアドバイスし合うことに何となく遠慮があった。

それだけに、Tさん、Aさんが自分の稽古をそっちのけに親身になって、こと細かくアドバイスをしてくれるその気持ちがありがたくて、感謝の気持ちでいっぱいである。


また、そのアドバイスたるや自分が、今までこんなにも基本を「うろ覚え」のまま演武していたのか、また、知らず知らずのうちに「自分のやりやすい」ように演武していたか、そして、それがすっかり悪いクセになってしまっているとズバリ指摘され、「目から鱗」というか、この3年間、自分は一体何を稽古して来たのか、と臍をかむ思いである。


そして、居合の先生方が事ある度におっしゃる、

三段から四段を受験するまでに、なぜ3年もの期間が必要なのか。
それは、日頃の修行の質と量即ち、『修行の深さ』と言うべきものが問われているからであり、そのためには最低でも3年間は修業を積みなさい。それほどに四段と言う段位は『価値』と『重み』があるものなのだ。

と言う言葉を反芻する時、この3年間自分はそれにふさわしい精進をしてきたのだろうかと忸怩たる思いである。


お盆休みも終わり、いよいよ昇段審査会まで残された時間は少ないが、少なくともTさん、Aさんからのアドバイスだけは何としても身につけて、お二人の好意に報いられるよう最善を尽くしたいと思っている。


段位受審資格

初段 一級受有者で、中学校2年以上の者
二段 初段受有後1年以上経過した者
三段 二段受有後2年以上経過した者
四段 三段受有後3年以上経過した者
五段 四段受有後4年以上経過した者