飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

ロシアはロシア人が考えるほど嫌われていない!?

2010年11月26日 12時38分44秒 | Weblog
 ロシアというと、なんとなく「世界の嫌われ者」というイメージがある。だが、そんなに嫌われているわけではない!ロシア人を鼓舞するような、ロシア人の手による論文あるいはエッセイがロシアの英字新聞モスコー・タイムズに掲載された。

 26日付けの電子版によると、ロシア外務省付属外交アカデミーのエブゲーニ・バジャノフ副学長が寄稿したもので、題して「誰もがロシアを嫌っているわけではない」。以下に概要を紹介したい。

 ロシアの政治学者はロシアと西側との間で何世紀も続く対立について話したがる。彼らの理論の一つは、西側はロシアの背後を突いて解放しようという試みに団結してきた、というものだ。一見正しいように思えるが、実際には西側諸国は何世紀にもわたってお互い同士の問題、主に戦争に費やしてきた。歴史書を紐解くと英国とフランス、フランスとドイツ…などのたくさんの戦争の年代記で埋まっている。

 西側で反ロシア感情を示す、最も知られている事実は、ナポレオンとヒトラーによる対露戦争である。これらはもともと欧州の「兄弟国」との対立から始まったもので、ロシアに対するものではない。欧州人たちは自分たち同士で何世紀もの間、争い続けているのだ。

 欧州の弱小国家、とくにロシアに接している国々は強力な隣人を恐れているが、それはロシアだけでなく、ドイツも同じである。そして今、世界は台頭しつつある中国とインドを恐れている。
 
 政治学者のもう一つの理論は、東も西もロシアを経済的な植民地にしようと狙っているというものだが、欧州諸国は第二次大戦後、植民地を放棄しており、ロシアを今さら奴隷化しようとしている国があると考えるのはばかげている。

 国際社会がロシアに対し抱いているイメージは、ロシア人が考えているより、ずっと良い。47カ国の世論調査をみても、ロシアのイメージは「極めてポジティブ」であり、実際に米国や中国に対するイメージよりも良いものだ。

 バジャノフ氏は、以上のように書いている。この文章を読んで、やはりロシア人は妄想癖が強く、自虐的なのだなと感じた。こういう人たちに対し、われわれはどう対応すべきなのか。「あなた方はいい人たちで、誰も怖がってなんかいませんよ」と、しょっちゅう慰めなければいけないのだろうか。メドベージェフ大統領と菅直人首相との先日の首脳会談のやり取りを思い浮かべながら、しばし考え込んだ。

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