プーチン大統領が復帰して2年目のロシアはどう動くのか?この質問に答えられる適任者は、プーチン氏をよく知っているクドリン元財務相(52)をおいて他にはいないだろう。2013年のロシアを予測するため、同氏の会見から、その答えを探ってみよう。
この会見は昨年暮れ、モスクワのインタファクス通信本社で行われた。この中で、クドリン氏はまず11年暮れから12年にかけて盛り上がった「反プーチン街頭行動」について「12年を『市民社会動員の年』と名づけたい。政治の転換は社会の要請であり、国家の発展にとって必要なものだ」と指摘した。続けて「今後、政治活動と政治体制の変更は紆余曲折があっても、後戻りはしない。その結果、より現代的な社会が形成されるだろう」と、楽観的な評価をした。
その一方、クドリン氏はプーチン政権の対応について「11年暮れの下院選のあと、政権側は社会の緊張を緩和する機会があったが、それを逃してしまった」と批判した。そして政権側が行った選挙法や政党法の改正などについて「改革は小規模にとどまった」と述べ、もっと本格的な改革を行うよう求めた。
さらに同氏は「プーチン大統領は市民の抗議の声を聞いたが、彼を支えている多数派の支持を失わないことを重視したため、抜本的な政治改革を行う気持ちにはならないだろう」と語り、プーチン政権の改革姿勢に悲観的な見方を示した。
また、同氏はさらなる政治改革について「新たな改革は現代社会での生活を望む中間層や起業家、インテリなどに支えられている。だが、政権側は抗議行動後、こういう人たちと一線を画しており、このままでは改革が中途半端で終わってしまう恐れがある」と述べ、政権側に改革を急ぐよう促した。
クドリン氏はプーチン大統領と同じサンクトペテルブルク出身。1990年代、プーチン氏と一緒にサンクトペテルブルク市役所で仕事をして以来の友人で、お互いに相手を知り尽くしている。そのクドリン氏は「プーチン大統領はまだ3期目の政治目標を決めておらず、探している段階」とみている。2年目の今年こそ、プーチン氏は目標を立てて国政に取り組むに違いない。それはいったい何なのか、彼のこれからの言動に注目したい。(この項終わり)
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