飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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プーチン首相、大統領選の1回目投票で当選決めるか微妙な情勢!

2012年01月23日 11時13分01秒 | Weblog
 3月に行われるロシア大統領選まであと1ヵ月余りとなったが、プーチン首相が1回目の投票で当選に必要な過半数の得票を得られるかどうか、微妙な情勢だ。これまでにロシア大手の3世論調査機関の調査結果が出揃ったが、支持率が過半数を超えたのは1つで、他の2調査機関は過半数に達しなかった。

 最新の調査結果は、世論基金が今月14、15日に全国で3000人を対象に行なったもの。それによると、プーチン首相に投票すると答えた人が45%で、3週間前の調査より1%アップした。2位は共産党のジュガーノフ委員長で11%、3位は極右・自由民主党のジリノフスキー党首で10%だった。あとは官製野党「公正ロシア」のミロノフ党首3%、リベラル政党「ヤブロコ」のヤブリンスキー元党首1%の順。回答を保留した人が13%いた。

 また、ほぼ同時期に行われた全露世論調査センターの調査結果では、プーチン首相に投票すると答えた人が52%に上った。この数字が投票に反映されれば首相は第1回投票でゆうゆう当選できることになる。一方、レバダ・センターが昨年12月16-20日に行なった調査結果では、プーチン首相に投票するという人は36%にとどまった。この時期は下院選の不正選挙に抗議する大規模集会がモスクワで行われた直後で、首相に厳しい結果が出た。

 3つの調査結果を比べると、昨年暮れの不正選挙抗議集会から日が経つにつれてプーチン首相の支持率が回復していることがわかる。集会後、メドベージェフ大統領が選挙改革案を提案したほか、プーチン首相も野党に対し柔軟な姿勢を打ち出しているため、有権者の姿勢も段々にプーチン支持に戻りつつあるといえる。だが、プーチン首相が目指す1回目での当選はまだ微妙な情勢だ。

 今後の選挙運動の鍵を握るのは、遅れて立候補した新興財閥ミハイル・プロホロフ氏の動向だ。46歳のイケメンで長身、そのうえ大富豪とあってダークホースとなる可能性がある。もともとプーチン首相に近く、一時は第2与党といわれた右派政党「正義」の党首を務めていた。政策も政権与党「統一ロシア」寄りで、プーチン首相が大統領に復帰したら首相になると公言している。

 もう一つ注目すべきは、選挙不正糾弾運動で盛り上がった若者や中間層が今後どういう行動をとるかだ。リベラル派や野党は来月初めに再びモスクワで大規模集会を予定しているが、「クリスマス・正月休戦」後も多数の参加者を集めることができるかどうか。プーチン首相は抗議集会を組織している指導者たちと会談してもいいと述べているが、この話し合いが行われるかどうかも見どころだ。こうした動きが大統領選の結果に直結することは間違いない。

 

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