飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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モスクワ市議選結果を「信用せず」が44%にのぼる!!

2009年11月09日 12時04分23秒 | Weblog
 10月11日に行われたモスクワ市議選(日本の都議選に相当)の選挙結果について、選挙が正しく行われたとみていない市民が44%にのぼることが世論調査機関「全ロシア世論調査センター」の調べで明らかになった。選挙期間中から野党側は「モスクワ市長派による不正選挙が行われている」と指摘していたが、それを裏付けるような結果が出た。

 9日付けの有力紙コメルサントによると、市議選の結果を「正しいと認める」と答えた人は44%(このうち完全に是認が21%、どちらかというと是認が23%)だった。これに対し、「正しいと認めない」人も同じく44%(うち完全に是認せずと、どちらかというと是認せずが同率の22%)いた。残る12%は無回答だった。

 支持政党別にみると、選挙結果を最も信用しないと答えたのは改革派「ヤブロコ」の支持者で、全支持者の半数が「完全に是認しない」と答え、「どちらかというと信用しない」も23%いた。共産党支持者でも58%の人が信用しない、あるいは疑問ありと答えていた。結論として、選挙が成立したと答えた人は51%で、再選挙を求める人は10%、選挙の調査特別委員会設置を要求する人は9%だった。 

 今回の市議選(定数35)は政党比例代表制で行われ、政党の得票率が7%以上ないと議席を獲得できない仕組み。市選管が発表した選挙結果によると、7%以上の得票を得た政党は与党「統一ロシア」と共産党の2党だけで、与党が32議席を獲得して圧勝、共産党は3議席だった。改選前、2議席持っていたヤブロコは得票率が7%に達せず、議席を失った。

 今回の選挙では、改革派やリベラル派の野党がルシコフ・モスクワ市長の汚職問題を取り上げて闘った。これに対し与党・市長派が野党の立候補を抑えようと候補者登録を拒否するなど、不正な動きが指摘されていた。野党のなかでもヤブロコは「与党が大量の不正投票を行った」と激しく非難していた。

 それにしても選挙結果を認めない市民が半数近くにのぼるというのは極めて異例なことだ。民主主義の制度ができていても、市民の信頼がなければ民主主義は機能しない。今回の市議選は、ロシア民主主義の限界を図らずもさらけだしたといえよう。

 
 

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