飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

北方領土問題の現実的な出口戦略を考えるべき時期だ!

2009年12月29日 14時00分32秒 | Weblog
 岡田外相とラブロフ露外相の会談は28日、モスクワで行われたが、北方領土問題では予想通り進展はなかった。だが、新聞報道によると、日露双方で激しいやり取りがあったとみられ、かなり突っ込んだ議論が行われたらしい。

 その内容については不明だが、毎日新聞が27日朝刊で報じた、北方領土問題の解決に向けた「独創的アプローチ」のロシア側具体案をめぐってではないかとみられる。報道によると、ロシア側は11月15日にシンガポールで行われた鳩山首相とメドベージェフ大統領との会談で「歯舞、色丹2島の返還を前提に国後、択捉2島の共同開発などを進める」との案を提示したという。

 これに対して鳩山首相は「2島返還では理解できない」と述べ、日本側が受け入れ可能な案の再検討を求めたという。つまり、ロシア側はこれまで通り、2島返還以上は認めず、その代わり残る2島の共同開発などの中間案を提示してきたことになる。四島返還を基本方針としている日本側とすれば、2プラスアルファ案では容認できないので突っ返したということなのだろう。

 しかし、自民党の小泉内閣以降の日露交渉を振り返ってみると、ロシア側はかなり前向きに動いてきたといえる。ここ数年の感じだと、ロシア側は2島返還にも応じないと態度を硬化させていたからだ。これが事実とすれば、まさに領土交渉の大きな転換点になるかもしれない。日本側とすれば、ロシア側が歩み寄ってきたこの時期を逃してはいけない。

 日本の対露強硬論者は「今は交渉の時期ではない」などとして反対派を批判してきたが、そうした考えはもう通じないことになる。もはや四島返還要求を呪文のように繰り返すだけでは現実的な解決にはつながらない。今こそ、ロシア側の「2島返還プラスアルファ」を粉砕し、ロシア側も拒否できないような具体的な出口戦略を考えるべき時期ではないだろうか。

 

 
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