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北方領土問題の解決を巡り、毎日新聞が全国世論調査を行ったところ、「4島返還を目指すべきだ」と答えた人は29%にとどまり、「柔軟に対応すべきだ」と答えた人が67%にのぼったことが分かった。戦後68年目を迎え、我が国の世論が大きく変化していることを示している。
18日の毎日新聞によると、この調査は安倍内閣の支持率などと一緒に16、17日の両日、全国で1508世帯を対象に行われた。北方領土問題では、プーチン大統領が日本とロシアが引き分ける決着を主張していることを指摘して、従来通り4島返還を目指すべきか、柔軟に対応すべきかを質問した。
「4島返還を目指すべきだ」と答えた人は男性の31%、女性の27%で、全体では29%だった。「柔軟に対応すべきだ」と答えた人は男性65%、女性68%で全体では67%だった。男性に比べ、女性の方が柔軟路線の支持者が多かった。また、安倍内閣支持層でも柔軟な対応を支持する人が66%にのぼった。
この種の世論調査は最近少ないので比較が難しいが、日本経済新聞が2000年9月に行った調査によると、2島のみの返還を望む人が34%となり、4島返還を望む人(32・1%)を2ポイント上回ったという。今回の調査では、4島返還派はさらに減ったことになる。
日本政府は公式的には今も4島返還を基本方針にしているが、交渉でロシア側から“満額回答”を引き出せると思っている人は少ない。そのことを今回の調査結果が明確に示したといえる。政府はこうした世論をしっかり受け止め、現実的な解決策を早急にまとめる必要がある。
そこで参考になるのは森喜朗・元首相が最近示した3島解決論だ。2と4の中間を取ったもので、国後島と択捉島の中間に国境線を引くという案だ。また、面積等分案という考え方も出ている。4島を面積で2等分し、択捉島の真ん中に国境線を引く案である。そのほか、2島プラス2島共同管理などの案もある。
これまで日本政府はこうした具体案が浮かぶと、すぐ否定し、事実上解決案を封印してきた。だが、それこそ国民の意思を無視することにつながる。むしろ積極的にアイディアを国民から吸い上げるべきだ。今流行のCM風に言えば、「いつ議論するのか?それは今でしょう!」(この項おわり)
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