飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するニュースや時事ネタを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外と面白い!

クレムリン脇でサッカーファン数千人が警官隊と乱闘、40人が負傷!!

2010年12月13日 10時17分45秒 | Weblog
 モスクワ中心部のクレムリン脇で11日、サッカーファン数千人が無届けデモ中に警官隊と乱闘となり、デモ隊と警官合わせて約40人が負傷した。背景にはロシア人とカフカス系住民との対立があり、尾を引きそうだ。

 サッカーファン数千人はこの日、クレムリン脇のマネージ広場で仲間の死を再調査するよう要求するデモを行った。彼らは口々に「ロシア人のためのロシア」「カフカス系は出て行け」などと叫んだ。その後、デモ隊はカフカス系の若者グループを見つけ、袋叩きにしようとして警備の警官隊と乱闘になった。この騒動でデモ隊の66人が拘束された。

 抗議デモのきっかけは、サッカークラブ「スパルターク・モスクワ」のファンだったエゴール・スビリドフさん(28)が今月5日、北カフカス系の若者と乱闘になり、死亡したためだ。警察は北カフカス系の1人を拘束したが、その仲間は事情聴取後に釈放した。このため「警察は金をもらって釈放した」とのうわさが流れ、サッカーファンら約5500人が無届けデモを行い、警察に抗議した。

 乱闘後、モスクワ警察署長がデモの代表と話し合い、スビリドフさん事件の再調査を約束したため、デモ隊は解散した。だが、カフカス系住民らが仕返しに来るとのうわさが流れ、12日もモスクワ市内は騒然とした状態が続いた。

 ロシアでは最近、ロシア系住民とカフカス系住民との乱闘事件が相次いでいる。サッカーファン・クラブと民族主義組織がオーバーラップしているとの見方もあり、サッカー協会関係者は「ナショナリストがサッカーファンを巻き込もうと扇動したことは明らかだ」と語っている。ある民族組織リーダーは「デモ参加者の少なくとも半数はナショナリストだ」と認めている。

 18年のサッカー・ワールドカップ開催地はロシアに決まったが、サッカーが民族主義運動に利用されるようでは先が思いやられる。メドベージェフ政権は今後こういう暴動が起きないよう、きちんとした再発防止策を講じてほしい。
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